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【スポーツ】福士「上出来」の2位 世界選手権代表確実2013年1月28日 紙面から
◇大阪国際女子マラソン▽モスクワ世界選手権代表選考会を兼ねる▽27日▽大阪市・長居陸上競技場発着の42・195キロ▽スタート時の気象 晴れ、気温6・4度、湿度50%、南西の風1・5メートル 三度目の正直で、世界選手権(8月、モスクワ)代表に大きく近づいた。5000メートル、ハーフマラソン日本記録保持者の福士加代子(30)=ワコール=が、自己新となる2時間24分21秒で日本人トップの2位に入った。30キロ手前から一時は独走。残り1キロを切って優勝したタチアナ・ガメラシュミルコ(ウクライナ)にかわされ、世界選手権代表内定基準の2時間23分59秒にはわずかに及ばなかったが、代表はほぼ確実にした。2度目のマラソンだった渡辺裕子(25)=エディオン=が2時間25分56秒で3位に入り、福士との対決が注目された渋井陽子(33)=三井住友海上=は2時間32分41秒で8位に終わった。 やっと、42・195キロを“走りきった”。スタートから2時間24分あまり、さらにさかのぼれば5年、もがき、苦しみ、初マラソンでは転んではいつくばったトラックをしっかり走り、福士は最後、笑顔でゴールテープを切った。「上出来、上出来! マジで疲れた! ゴメン、優勝できなかった!」。努めて明るく振る舞い、4度目のマラソンを終えた。 悪夢を乗り越えたかに見えた。だが、マラソンの神様はさらなる試練を福士に課していた。昨年、重友梨佐(天満屋)に置いていかれた26キロ付近は何事もなく通過した。2位に30秒差をつけた35キロを過ぎても代表内定基準を上回るペース。沿道の永山忠幸監督(53)からは「休むな〜!」と檄(げき)が飛ぶ。ただ、そこから待っていたのが苦しい道のりだった。37キロ、38キロとペースが落ち始める。猛追してきたガメラシュミルコとは明らかに勢いが違う。ゴールまで残り920メートル、ついに首位を明け渡してしまった。「あ〜っと思ったけど、何もできなかった」。いちるの望みを懸けた内定基準にも、22秒届かなかった。 「率直に後半はいつもよりもったかなと思ったけど、負けたなというのはある」。苦笑いとともに振り返った福士。持ち前のスピードは封印し、序盤は淡々とジョギングのようなスピードでレースを進めた。大阪での過去2度の失速はスタミナ不足と分析し、「ご飯をおなかいっぱい食べるようにした」と、今さらながら食生活も改善。スタッフや後輩も「チーム福士」として一丸となってもり立ててきた。誰もが認める才能の一端と、努力の跡はのぞかせた。 ともあれ、世界選手権代表の座はほぼ手中にした。「失速のトラウマ(心的外傷)はない。最後まで行ける自分がいればいいと思う」。4月にはスピードを生かすために海外マラソンに参加するプランも浮上。次こそ胸のすくレースで真価を発揮してみせる。(川村庸介) PR情報
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