名古屋グランパスは27日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで新加入する元日本代表FW矢野貴章(28)と元マケドニアU−21代表のMFニコラ・ヤキモフスキー(22)の入団会見をした。ストイコビッチ監督の強い希望で名古屋入りした矢野は、「得点にこだわる」とゴール量産で期待に応えると抱負を語った。
永井の退団で弱体化が懸念される前線に、頼もしい男が加わった。真新しい赤のユニホームに袖を通すと、矢野はゴールへのこだわりを繰り返し口にした。「勝つことが何よりも大事。自分の仕事は得点すること。得点しないといけないし、得点という結果を出したい」。ストライカーとしての役割に徹すると語った。
南アフリカワールドカップ(W杯)出場など経歴は輝かしいが、昨季は新潟で控え。2得点に終わった。そんな矢野の獲得を強烈に後押ししたのがストイコビッチ監督。12月にフロント側から意見を求められた際、30分ほどでGOサインを出したという。ビデオを見て慎重に判断を下すことが多い指揮官にしては、珍しい即決だった。
「矢野は守備でも手を抜かないし、泥くさく走り回る。そういうところも気に入っているようです」と関係者。攻守に精力的な矢野のプレースタイルが、ピクシーのお眼鏡にかなったのだ。
矢野は「他のチームからも(獲得の)話がありました。グランパスが一番ボクを必要としてくれた」と名古屋を移籍先に選んだ理由を説明。「(ピクシーは)現役時代もすごい選手でしたが、監督としても熱い。監督のもとでプレーするのが楽しみ」と語った。
FW陣にはケネディや玉田がいてレギュラー奪取は簡単ではないが、それは覚悟の上。「試合に出ることが重要。サッカーをやっている以上、日本代表も目指したい」。ピクシーの眼力が正しいかどうかは、矢野のピッチ上でのプレーで証明される。
ヤキモフスキーはタキシードとちょうネクタイで会見に現れた。Jリーガーの会見はスーツが一般的だけに、同席した矢野も「ハリウッド・スターかと思った」と苦笑したが、当の本人は「みんな(報道陣)なんでニコニコしているんだ? これが正装さ」とサラリ。会見後には早速グラウンドで自主トレに励む真面目な一面も見せた。「得点やアシストで勝利に貢献したい」と語る新外国人の情熱は本物だ。
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