安倍首相:「日中対話が重要」 習氏との会談、山口代表から報告
毎日新聞 2013年01月27日 東京朝刊
安倍晋三首相は26日、中国共産党の習近平総書記(国家副主席)との会談を終えて帰国した公明党の山口那津男代表から首相公邸で報告を受けた。習氏が日中首脳会談を「真剣に検討したい」と前向きな考えを示したことについて、首相は「対話が重要だ。今後、政府・与党でその対話を重ねていきたい」と述べ、沖縄県・尖閣諸島問題で悪化した日中関係の改善に向けた動きを加速させる考えを示した。
山口氏は25日、習氏に首相の親書を手渡した。首相は「大変良かった。戦略的互恵関係を大局的な立場で推進することで一致したのは良かった」と評価した。
会談後、山口氏は記者団に対し「首相は対話を重ねることで、最終的に日中首脳会談に至ることが大事だと思っている」と述べたが、首相訪中については「(首相は)意欲は持っていると思うが、時期はまだ今後の検討事項」と述べるにとどめた。
首相は、首脳会談実現の地ならしを進めるため、日中友好議連会長の高村正彦自民党副総裁を首相特使として派遣することを検討している。
ただ、中国側は王家瑞共産党中央対外連絡部長が24日、山口氏との会談で「尖閣棚上げ論」に言及。日本政府は「尖閣諸島に領土問題はない」との立場で隔たりは大きい。中国が尖閣周辺の領空、領海侵犯を続けることを踏まえ、自民党内には「何が何でも早く会いさえすればいいということではない」(石破茂幹事長)との声もある。【福岡静哉】