一方、ソフトメーカーさんのご要望に関しては柔軟に対応できるように、Wii Uや3DSは作りました。たとえば、バンダイナムコゲームスさんの「TANK! TANK! TANK!」というゲームは、フリーミアムでサービスしています。どんな結果になるか楽しみですね。
――お金の払い方に多様性がないのは、業界の未来を狭めるのではないでしょうか。私が問題にしているのは、「100円で買えるかもしれないと錯覚させて、大人でも子どもでも関係なく、最終的に10万円払わせること」であり、最初から10万円という値札がついているものを大人が納得して買ったのであれば、問題視はしません。
確かに、デジタルで商品を供給できるようになったこと、あるいは、お客様からのお金のいただき方はいろんな工夫ができるようになったという話と、全体のなかのごく一部の人の射幸心を煽って徹底的にお金をいただくというスタイルの話とはまったく別だと思います。それが必ずしも理解していただけてはいないのは、議論がごっちゃになっているからでしょう。
――もう「何がソーシャルゲームか」なんて解説したところで、世の中にご理解いただくのは難しいと思います。私はちょうど1年前に「なぜ任天堂はソーシャルゲームをやらないのか」というタイトルの原稿を書いていますが、その認識は当時から現在まで変わっていません。
それはそうだろうと思います。たぶんそれぞれにワンフレーズの名前をつけるべきなんですよ。そうやって説明するくらいのことをやっていかないと、広くご理解いただくのはなかなか難しいかもしれません。
「なぜ任天堂はソーシャルゲームをやらないのか」
で、よかった?
――「なぜ任天堂はソーシャルゲームをやらないのか」は、上下編合計で70万PVを記録しました。たくさんの方にお読みいただいたことに感謝するのと同時に、「任天堂はこれでよかったのかなあ」とも思っていました。
この連載は、取り上げるテーマが独特なので、いつも読んでいます。ゲームコンテンツを扱っていても、他の記事と切り口がちょっと違うんですよね。