世界の中の日本

沖縄(琉球)が独立する日-自主・自由のメリット

龍谷大・松島泰勝教授にきく(下)

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松島 日本政府の政策が失敗に終わったというのは、本気で琉球の経済を自立化させるための政策がなかったということです。独立して基地撤廃後は、琉球の企業が投資して、外国資本との提携によって地元企業が生き残れるようなものを目指すべきだと思います。

 パラオの例を見れば分かります。国内の企業や雇用を守る外国投資法という法律があって、日本、アメリカ、台湾企業が押し寄せて食い荒らされるのを防いでいます。

――パラオの法律を沖縄にあてはめることはできるでしょうか。

松島 パラオは資本主義の国ですが、外国企業は土地を所有できないんです。これらの制度を市場経済と調整しながら行っています。琉球でも同様なことが可能でしょう。

 これまでの40年間は日本の仕組みが、亜熱帯であり島嶼によって構成され、独自な風土をもつ琉球にあてはめられ、ヤマトの企業によって開発され、移住者によって支配されてしまいました。

ヤマトの投資家が軍用地を買うというひどい話

松島氏

――とは言っても、これまでは沖縄の人の中でも土地を沖縄以外の企業などに売却してきました。

松島 そうです。しかしそれよりいま問題なのは、琉球の中で(琉球の地主が米軍に貸している)軍用地をヤマトの投資家に売るという問題が起きています。不動産屋には軍用地の売り買いの案内が出ています。

 軍用地を持てば毎年値上がりする地代を地主は手にします。この地代を目当てにした投資が増えると永久に琉球に基地はあった方がいいということになります。日本に住んでいれば基地の被害を受けず利益もあるというひどい話です。

 琉球人の側が売らないという覚悟を持つ必要があると思いますが、それを実践している島もあります。竹富島では一度バブルの前後に島の3分の1を島外の人に売ってしまったため、これではまずいと竹富島憲章という合意事項を設けました。

 売ってしまった土地はその後星野リゾートが買い取って、一定期間後、土地を公民館に譲るということになっています。また、久高島には久高島土地憲章という土地の総有地制をうたった合意事項があり、リゾート開発を阻止しました。

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