(cache) 就職活動体験記③企業分析・事業編

今回は事業分析についてお話しさせて戴きます。これは、スーパーおおざっぱに分ければ、サービス（無形の製品）かメーカー（有形の製品）か、B to B か B to C かで様相が異なってきます。

しかし、この内、私がある程度分かるのはメーカーだけです。新卒時代は海運業（B to Bサービス）を受けていましたが、実際にはそれ以外のサービスはほとんど知りません。したがって、ここからの話は全てメーカーを念頭に置いた話になりますのでご了承ください。ただ、なるべくみなさんに役立てて戴けるようにお話できればと思います。

さて、この業界でなければダメだという明確な理由（＝経験に根差した強い根拠）があるのであれば、勿論その業界に行った方がいいと思います。ただ、そうでなければ、事業を分析する際、前回お話しした財務分析を活用し、以下のように判断してはいかがでしょうか。

岐路（衰退局面）に立たされている業界では資本力のある大企業・そんな状態でも成長している中堅企業を選ぶ（中小は除外）、成長業界では規模はある程度度外視して見てみる（中小も含める）

個人的には、まず後者に属する企業を積極的に選び、内定を得たら前者に属する企業を狙ってみるのがよいかなと思います。

さて、そういった業界に対する方向性を打ち立てたとしても、会社を見る際、事業への「共感」「興味」があることはとても大切です。なぜなら、それがそのまま仕事のやりがいへと繋がっていくからです。僕を例としましょう。会社四季報を読んだ時、面白そうだと思えた企業はほとんどがB to B企業であり、その中でも化学業界、電子部品業界、精密機器業界に関心が集中していました。ここでなぜこれらの業界・企業・事業を面白そうだと考えたのか、その理由を探るのが志望動機を作る上で大いに役に立ちました。

さて、私がこれらの業界を面白そうだと感じた理由は、①地味でマニアックでニッチで知的好奇心が刺激される、②顧客の要求水準が極めて高く、常に最先端の技術が求められる、以上の２点でした。ではなぜ①・②を面白いと感じたのでしょうか？これもまた自分の経験から探ってみると分かってきました。とはいえ、ここでその経験をお話しません。

ただ、みなさんが事業に感じた共感・興味には必ず根拠があり、その更に奥には経験が存在しています。これがそのまま志望動機になります。したがって、経験の棚卸しをしておくことはとても大切なことです。これは自己分析編で詳しく書きたいと思います。

また、会社が複数の事業を持つ場合、各事業に関する数値情報（売上・利益・設備の金額・推移・割合、海外売上・生産比率、研究開発の方向性）などを得られれば、興味を持った事業が会社でどういうポジショニング（花形なのか否か等）を取っているのかが分かってきます。営業の場合、特に重要な視点ですよね？

これは有価証券報告書(大抵は企業ＨＰのＩＲにあります）をCtrl＋Ｆで検索窓を出し、「セグメント」「研究開発」などと入力すれば、必要な情報が出てきます。これが出来れば、ライバルから一歩先んじることも可能だと思います。ぜひやってみてください。また、有価証券報告書の事業の概況には、その企業の向こう３～５年の戦略や、その企業特有のリスクも書かれています。これはぜひ目を通しておいて下さい。企業が提供する就活パンフレットより有用な情報がごろごろ載っています。なぜなら、ほとんど説明会で人事が語る情報はこの有価証券報告書が元ネタと言っても過言ではないからです。(逆にこれ以外の情報をしっかりまとめて語れる人事は個人的に非常に好印象を持ちます）

また、ここから更に事業分析の奥深くを進みたいのであれば、活用できる人は限られますが、国立国会図書館が最強の分析環境になります。自分が興味を持った製品・事業の環境、例えば市場規模や成長性、他の企業の研究開発動向など調べ方によっては、際限なく調べることも可能です。また、国立国会図書館が行ける距離にない方は、同図書館が提供するサービスであるリサーチ・ナビを利用するとよいでしょう。業界のカンタンな状況について書かれています。これでも、他の学生より一歩先んじることは可能でしょう。

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2012-04-28

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