精かんな顔つきで帰ってきたマートンも、福留加入を大歓迎した(撮影・山田喜貴)【拡大】
到着ゲートに現れた瞬間、一目瞭然だった。大量の荷物を運びながら、周囲に笑顔を振りまいたマートン。無数のカメラフラッシュに輝く、その顔は、これまでの3年間と比べて最もすっきりとしていた。
「動きやすくすることを考えたんだ。昨年のこの時期に比べ、4キロぐらいは体重を絞っている。(来日)1年目のときが(去年までの)3年間では軽かったけれど、今回は今まで日本に来た中で、1番軽いね」
雪辱を期すシーズン。新しい試みに取り組み、日本に舞い戻ってきた。このオフ、重点的に行ったのが「減量」そして「体を柔らかくすること」。その先にある狙いは、明白だった。
「年齢を重ねるごとに体のことを考えている。1年目は走れたり、俊敏性があったので。体を軽くして、俊敏に動けることも考えた」
2010年の1年目は自己最多の11盗塁。以降は6個、2個と激減した。もちろん盗塁に限らない。打撃に、守備に、もう一度、体のキレを取り戻すことが狙いだ。
ピラティスのようなトレーニングで体幹、インナー部分を強化。104キロあった体重を、100キロまで減らした。2010年を上回る肉体を手に入れ、ダイヤモンドを縦横無尽に駆け巡る状態を作り上げた。打撃練習も弟のルーク(ヤンキース傘下マイナー)とともにシーズン終了後、わずか約2週間で再開するなど調整過程は万全だ。
福留に加え、西岡や日高、新助っ人のコンラッド。さらに大物ルーキーの藤浪…。大きく変わったタイガースで、自身も必ず、復活する。
「本当に新しいチャレンジに興奮している。自分がこれだけできるというのを証明したい」
昨年はグラウンド内外でお騒がせしてしまった助っ人が、体重とともに苦い過去をそぎ落とし、優勝へ突っ走る。
(紙面から)