原発被害:福島県内500人余り、国と東電提訴へ
毎日新聞 2013年01月27日 21時19分(最終更新 01月27日 21時20分)
東京電力福島第1原発事故で健康不安や社会的差別を背負わされたなどとして、福島県いわき市民ら避難区域外を中心とする県内の住民500人余りが国と東電に損害賠償を求め、福島地裁いわき支部に3月11日、提訴する。同原発事故を巡る集団訴訟としては最大の原告数。
同市で27日、約200人が参加して原告団結団式があった。請求するのは▽事故発生から約1カ月間(避難期間)の精神的慰謝料1人25万円▽廃炉完了までの子どもと妊婦への損害賠償月8万円(妊婦を除く大人月3万円)。避難の実費は追加請求する。同日現在で原告団へ委任状を提出したのは512人。
原告団の中心となる避難区域外の住民には、子育て世代などの自主避難者や健康不安を抱える人も多い。だが区域内住民に比べ賠償は少なく、自主避難者の18歳未満と妊婦への慰謝料一律72万円(妊婦を除く大人12万円)などにとどまっている。
原告団長の伊東達也・浜通り医療生協理事長は「国と東電に原発推進の法的責任を認めさせることが狙い。放射線被ばくから市民の健康を守る法の制定を目指す」と話している。問い合わせは原告団事務局、吉田浩さん(080・1815・5089)。【中尾卓英】