船木誠勝が曙をＫＯ

　▽２６日▽東京・大田区総合体育館

　王者の船木誠勝（４３）が曙（４３）に顔面蹴り２発を決めて鮮やかにＫＯ。１２０キロの体重差をはねのけ、４度目の防衛に成功した。

　最後は右ハイキックで元横綱の夢を砕いた。シリーズ中の前哨対決ではほとんど絡まなかったが、船木はその分も思いを爆発させた。曙の巨体から繰り出されるエルボードロップなどに苦しんだが、精神力でベルトを守り抜いた。

　外敵から王道プロレスの至宝を守り、今年最初の大仕事をやり終えてほっとした表情。対戦前は曙の大きさに神経質になっていたが、蹴り技に活路を見いだし、してやったりといわんばかり。試合後は「怖さはなかった」と言い切った。

　ただ、全日本のアドバイザーに就任した蝶野正洋が諏訪魔とジョー・ドーリングを引き連れて挑戦をほのめかせたことについては怒り心頭。「こちらは次期挑戦者に秋山準選手を指名したかった」と主張。３月１７日の東京・両国国技館大会でのＶ５戦は、諏訪魔との一騎打ちが決定的だ。　（門馬忠雄）