中国は現在、最近発見された「ミニ広開土王碑」に関する研究を非公開で進めており、研究チームには高句麗史を歪曲(わいきょく)したとして論議を呼んだ中国政府の歴史研究プロジェクト「東北工程」に参加した学者が大挙投入されていることが25日までに判明した。
このため、中国がミニ広開土王碑の研究結果を高句麗史が中国史に含まれるとの主張を裏付ける根拠として活用するのではないかという懸念が生じている。
昨年7月に吉林省集安市で発見された石碑は現在、集安市博物館に保管されている。しかし、博物館は内装工事を理由に閉鎖されており、5月に再オープンする予定だという。
北京の消息筋によると、中国の研究チームの顔触れのうち、魏存成・吉林大教授、耿鉄華・通化師範学院教授は東北工程に参加した代表的な学者で、いずれも高句麗史専攻だ。
耿教授は「高句麗は中国東北地方の少数民族政権だ」とする論文も発表している。東北工程は中国東北部の歴史を全て中国史の一部に組み入れようとする中国政府のプロジェクトで、2002年から06年まで実施された。
中国国家文物局が発行する中国文物報は、問題の石碑に関連し、「碑石の形状が東漢時代以降広く使われた板状のものだ」とし、高句麗と中原の文化的関連性を示していると指摘した。
これは中国がどんな視点で今回の研究を進めているかを示している。中国は東北工程が終了して以降も高句麗史と渤海史を中国史に組み入れる動きを続けている。
国家文物局は昨年6月、万里の長城が西は新疆ウイグル自治区、東は吉林、黒竜江省まで広がっていると発表した。