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情報収集衛星 打ち上げへ
1月27日 4時11分

情報収集衛星 打ち上げへ
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政府の情報収集衛星を載せたH2Aロケット22号機が、27日午後、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられます。

情報収集衛星を載せたH2Aロケット22号機は、27日午前0時すぎ、組立てが行われた建物から出され、およそ20分かけて500メートルほど先にある発射台まで移動を終えました。
機体に燃料を入れる作業が続けられていて、打ち上げに向けた準備は最終段階を迎えています。
今回打ち上げられる情報収集衛星は、日本の安全保障に関する情報などを集める事実上の偵察衛星です。
電波を使って夜間や悪天候でも地上の撮影ができるいわゆる「レーダー衛星」で、高度数百キロの上空から地上にある1メートルの大きさのものを識別できるとされています。
情報収集衛星には「レーダー衛星」のほか、カメラで地上を撮影する「光学衛星」があり、政府はこれらの衛星をそれぞれ2機以上、運用することを目指してきました。
しかし、打ち上げの失敗や衛星の故障などが重なり、今回の打ち上げに成功しうまく運用できれば、計画が10年遅れで実現することになります。
発射場周辺の天候は曇りの予報で、順調に進めば情報収集衛星を載せたH2Aロケット22号機は27日午後1時40分に打ち上げられます。

消極的情報公開に批判も

情報収集衛星は15年前の北朝鮮のミサイル発射をきっかけに政府が導入しました。
政府は「光学衛星」と「レーダー衛星」2種類の衛星を、それぞれ2機以上運用することで、地球上のあらゆる地点を1日に1回、撮影できる体制の構築を目指してきました。
しかし、ロケットの打ち上げ失敗や衛星の故障のため、「レーダー衛星」は現在、1機しか運用できておらず、今回の衛星がうまく運用できれば10年遅れで計画が実現することになります。
一方、運用や利用の面では課題も指摘されています。
東日本大震災でも被災状況の把握などに使われたとされていますが、「画像を公開すると衛星の性能がわかってしまう」などとして画像は公開されませんでした。
また、去年、北朝鮮が事実上のミサイルを発射した際にも使われたとみられていますが、機密の保持を理由に収集した情報をどのように活用したのか明らかにされませんでした。
情報収集衛星にはこれまでに9200億円もの国の予算が費やされており、政府の消極的な情報公開に対しては根強い批判もあります。

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