日本人の食料において卵は実に身近な食品ですが、実は結構恐ろしい物だったりするんです。
実は食中毒患者数は、ここ10年間、サルモネラ菌に汚染された卵・卵食品の場合がほとんどだったりします。サルモネラ菌食中毒研究の第一人者であった中村明子・共立薬科大学客員教示(医学博士)は"1980年代後半、欧米で急増したサルモネラ菌汚染の鶏卵による食中毒が日本にも広まり、卵10個のうち1個はサルモネラ菌に汚染されていると考え、割った卵はすぐ食べる等の注意が必要です"と、こう警告していました。
いやぁ、恐ろしいもんですねぇ。10個に1個の割合でサルモネラ菌の入った卵があるなんて、鳥インフルエンザ以上の恐怖ですよ。さて、このサルモネラ菌。欧米で急増したのはSE(サルモネラ・エンテリティディス)と言う菌で、まぎわらしいようですが"BSE"とは全く関係はありません。
日本のサルモネラ菌は他の種類が中心だったのですが、89年以降SEが増え始めました。汚染ヒナの欧米からの輸入が原因です。この菌に人間が感染すると、まず急性胃腸炎を起こします。潜伏期間は平均30時間で、腹痛や嘔吐、39℃近い発熱・下痢等の症状が出ます。症状が激しいのが特徴で、大半は抗生物質などで治りますが、子供や高齢者など抵抗力が弱い人間になると、最悪の場合・重症になって死亡するケースもあります。
SEは単に卵の殻の表面に付くだけではなく、SEに感染した鶏が卵を産む前に卵の中に入り込むため、感染が広がりやすいと言う特徴があります。このSE、鶏の大腸に住み着き、糞と一緒に体外に出ます。しかも、鶏は糞と卵が出る穴が同じなため、卵の殻に糞がつき、SEも付くという悪循環。一方のSEは卵の通り道の卵管にも侵入し、それも殻ができる前に卵の中に入り込むから始末が悪いものです。
また鶏から卵・雛へと言う垂直感染に、養鶏場のネズミが汚染卵を食べ、その糞などによる水平感染が広がって、SE汚染が広がりやすい状況です。
卵は栄養価が高いのはご存知の通りですが、サルモネラ菌が増えやすいと言う面があります。新鮮な卵を飼ったら、殻が汚れていたり、ヒビの入っている卵はSEの感染の可能性があるので食べるのを避けましょう。殻を割ったら、すぐに食べたり、料理に使う事が食中毒防止のポイントです。
特にSEは繁殖力が強く、油断は禁物です。買った卵はすぐに8℃以下冷蔵庫に入れる。生卵は新鮮な内に割って、すぐ食べる。目玉焼き等の卵料理は黄身も白身も固くなるまで過熱し、2時間以内に食べる。と言うような対策が必要です。そのため元・大関の霧島関の生卵一気飲みや、半熟卵はいわば危険と隣り合せだと言う事を知っておいてください。
なお、このSEは卵だけではなく、牛や豚の大腸にも存在しています。そのため鶏卵の他、牛肉・豚肉もサルモネラ菌に汚染されやすく、食肉・特に牛や豚の大腸の肉は"生や生焼けのまま食べない"ようにしましょう。
さて、もっとも危険な生卵は"某球団の監督"ですが、この生卵は、ダイエー時代に戦力補強が厳しくなると悟るや、この1年で辞めるといっておきながら、ソフトバンクに身売りされたとたん、前言撤回したり、2005年のプレーオフでは、ロッテとのプレーオフにイチャモンをつけてきたり、1985年にはバースに対し"自身の年間55本塁打の記録を破られたく無いため"の狡猾な敬遠策。同じくダイエー時代には、ローズ(大阪近鉄)・カブレラ(西武)への、またもや自身の年間55本塁打の記録を破られたく無いためのセコイ敬遠策etc.どこまでも腹黒い生卵です。奇しくも、この監督が原因となった"生卵事件"から、今年でちょうど10年を迎えます。卵の詳しい話については、5月9日の"生卵事件記念日"に詳しく説明しましょう。