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驚きの速さと正確さ インド式暗算とゴースト暗算

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2013/1/19付
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■切りのいい数字 味方につけよう

 (A+B)(A―B)=Aの2乗―Bの2乗、などの式を使ったり、十の位が同じで一の位の和が10になる数同士の掛け算の法則(十等一和)を生かしたりと、鍵本さんの本などを参考に計算テクニックを学ぶ。これは頭を使う実感があり、テストでも成績が上がった。ただ数式をうまく変形できないケースはある。

 次は書棚に並んでいた「インド式かんたん計算法」などをもとに、いわゆる「インド式」の計算法を試す。掛け算を19の段まで覚えるのが有名だが、基本は鍵本さんの助言と共通。例えば切りのいい数字をうまく使い、38+64を40―2+62+2に変えたりする。

 掛け算の筆算も独特。表記法は様々あるが、上の位から計算していくので暗算しやすい。スマートフォン(スマホ)の練習アプリも充実している。噂には聞いていたが、頭の中の筆算が楽になった。

 そろばんのように頭の中に映像が浮かぶのが「ゴースト暗算」。岩波邦明さんが東京大学医学部在学中に考案した。「おさかなプレート」などの絵を使い、パズル感覚で数字を当てはめていくと答えが導ける。

 図では簡単にできる2ケタと1ケタの掛け算を例示したが、2ケタ同士でも同じような要領で計算できる。繰り返せば頭の中に絵が浮かび、紙の上の絵がゴーストのように消えても解けるようになるという。

 インド式とゴースト暗算は当てはめられる範囲が極めて広い。記者は従来の筆算を応用できるインド式の方が短時間でコツをつかめたが、いったん身に付けば、どちらも便利だ。

 ゴースト暗算はパズルゲーム感覚で、子どもに人気なのもうなずける。ともに普段とは比べものにならないほど暗算の速さ、正確さが向上した。こうした数学的に裏打ちされたテクニックを取り入れて鍛錬すれば、暗算力はもっと高められる気がした。

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記者のつぶやき
 ゴースト暗算の岩波さんによると、魚の形など絵を利用する暗算は論理的な思考を担う左脳だけでなく、イメージをつかさどる右脳も活性化。「脳トレ」の効果があるという。実際にアルツハイマー病や認知症の予防にも簡単な計算が取り入れられていると聞く。
 今回の記事のため何となく計算癖が付き、年初の箱根駅伝観戦では自然に選手のタイムを暗算するほどだった。結局は積み重ねが大切だろうが、目からウロコのテクニックも多い。暗算での脳トレも奥は深そうだ。
(河野俊)

[日経プラスワン2013年1月19日付]

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