33日目②時限目
即時取得の要件
前主が無権利者ないし無権限者であること1
取引の相手方(前主)が、単なる借主・質権者・受寄者・所有権留保付きの動産買主であるような場合には即時取得の適用がある。(所有権者ではなく、処分権限がないから、無権限者となるってことで大丈夫ですかね???)
2
前主の所有権取得行為が無効又は後に取り消された場合に、これを所有者だと誤信して取引する場合は即時取得の適用がある。
3
AがBに譲渡し占有改定による引渡しを済ませ、無権利者になった後に、占有がなおAにあることにより、Aが所有者だと信じてCがさらにAから譲り受けた場合は即時取得の適用がある。
4
前主が制限行為能力者である場合、無権代理人である場合、錯誤・詐欺・強迫を主張できる場合即時取得の適用はない。これは、
このような場合に即時取得の適用があるとすれば、制限行為能力者保護・無権代理の意思の欠缺などに関する規定が無意味になるからである。5
Aの代理人XがAの占有する動産をA所有物としてBに売却したが、その動産が実はAの所有物でなかったときに、BがAの所有物と信じていた場合は即時取得の適用がある。
処分権限を与えられた代理人が、その権限に基づいて処分した動産が、本人の所有に属さない場合には、即時取得の適用があると解されていることに注意を要する
。この場合には、代理権自体には瑕疵はなく、ただ、代理人の処分権限に瑕疵がある場合だからである。 要するに、代理権のない者を代理権があると誤信しても即時取得により保護されませんが、代理人の処分権限に誤信があるときは即時取得の保護を受けるということです。
192条における善意・無過失は、法人については、第1次的にはその代表機関によって決すべきであるが、その代表機関が代理人により取引をしたときは、その代理人について判断すべきである。6
4に挙げたものと取引した者からさらに譲受けた者に関しては即時取得の適用がある。即時取得が適用されない者からの転得者Aが甲動産をBに売却したが、当該譲渡は無効であった、その後Bは当該甲動産をCに売却した。
「この場合、BC間の売買が、Aの錯誤無効主張の前か後かを問わず、Cは
即時取得の要件を充たした場合に、はじめて所有権を取得することになる。
BからCへの売却後に、Aが行為能力の制限、強迫を理由としてAB間の売買を取り消した場合については、Cが目的物を買った時点では売買契約は有効になされており、(取消しうる行為も取り消されるまでは有効)、したがって、即時取得の問題となりえないのではないかという疑問もあるが、無効・取消し後には即時取得が適用されることとの均衡上、この場合も、取消しの遡及的無効の結果、結局Cは無権利者と取引した者として、即時取得の要件を充たせば所有権を取得すると解するのが一般的見解といえる。Aの取消し後、CがBから買った場合はもちろん即時取得の適用がある。」
4と6との関係がイマイチつかめませんが、とりあえず先にいきます。
7
前主の占有の態様は問わない。即時取得の要件
有効な取引行為の存在とは 即時取得制度は取引の安全を保護する制度であるから、所有権・質権の取得を目的とする取引行為をなし、それによってその動産の占有を承継すること(原始取得は不可)が必要である。①
取引行為の存在1
動産の売買・贈与・代物弁済・弁済としての給付・消費貸借・質権設定は、いずれも所有権移転又は質権設定の効果を有するから、即時取得における取引行為にあたる。
2
強制競売による買受けも基本的な性質は売買であるから、取引行為にあたる。3
以上に対して、相続によって取得(包括承継)した場合や、他人の山林を自己の山林と誤信して伐採し材木を取得した場合には、即時取得は、成立しない。←取引行為がないから。
②
取引行為が有効であること 取引行為が行為能力の制限・錯誤・強迫・代理権欠缺などの事由により、取り消され、無効となり、あるいは効力浮動状態(無権代理の場合)を生じて、完全な効力を生じない場合には、即時取得の適用はない。しかし、このような取引行為をした者からさらに譲り受けたものについては即時取得の適用がある。 次の時限は即時取得における取得者の要件についてみてみたいと思います。
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