「ロードス島戦記 カセットブック」

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★はじめに

このレビューは他のレビューと違い、書籍ではなくカセットブックのレビューをまとめたものです。

これはかつて「ロードス島戦記 カセットブック」として発売されたもので、全6巻のシリーズでした。

ある機会に私も聴く機会を得られ、その感動に動かされ、以前日記で短期間書いていたものの再録になります。


できる限り日記の内容をそのままにしてお送りします。


ロードス島戦記 カセットブック1
「幻惑の魔石」

私は長年フォーセリアと慣れ親しんできましたが、実は音声物は結構手付かです。

アニメともなると流石に一通り見ているのですが、CDドラマ等は時期を外すとなかなか接触する機会がないものです。

そこで今回からはそういった音声物への感想も書いていきたいと思います。


最初はロードス島戦記のカセットブック第1弾「幻惑の魔石」です。

その発売は1989年というから、実に20年近く前の作品になりますね。

メディアがカセットというから相当ですよね。

細かいデータ等はリンクにある「ロードス☆コレクション」様を参照して下さい。


ちなみにキャストは以下の通り

パーン:竹村拓
エト:坂口哲夫
ディードリット:鶴ひろみ
ギム:菱谷紘二
スレイン:塩沢兼人
ウッド・チャック:森功至
カーラ(レイリア):榊原良子
アレス:堀川亮
リディア:荘真由美
村長(アレス父):宮内幸平
ナレーター:永井一郎


カセットブックでは第3弾からOVAのキャストになるのですが、それまではこのような配役です。

見たところレイリアさん以外はOVAとも全く違う配役なんですね。

ロードスといえばOVAや英雄騎士伝といった作品もあって、そのキャストもまちまちです。

私はOVAから入ったのでその印象が強いのですが、これはこれで結構ハマり役でした。


パーン役の竹村さんは割と草尾さん(OVA版)にも通じる声質でした。

特に誰かに強く呼びかけるセリフなんかパーンですよね。

経歴を調べてみると私の世代だとあまり関わりのない作品が多いのですが、結構なキャリアを積まれてる方ですね。


エト役の坂口哲夫さんは、個人的には「YAIBA」のクモ男が一番接点がある。

OVA版の山口勝平さんに比べるとエトの年齢がずっと上に感じます。

でも心配性で敬虔なファリス神官としての感じはよく出てますね。


ディード役の鶴ひろみさんもツンとした感じがディードっぽい。

鶴さんといえば「ドラゴンボール」のブルマ役や「アンパンマン」のドキンちゃん役で有名ですね。

私も小さい頃から慣れ親しんできた声です。


ギム役の菱谷紘二さんは主に劇で活躍されている方のようです。

こち亀の部長ぐらいしか私とは接点はありませんでしたが、ギムらしい渋い声で素晴らしい。

特にレイリアさんへの呼びかけ「レイリア〜〜!!」というのが悲痛で堪らない。


スレイン役の塩沢さんがこの中では一番接点がありますね。

落ち着いた、それでいて耽美な声がスレインらしい知的さを出しています。

本当に故人なのが惜しい。過去の作品を見る度に痛烈に思うのです。


ウッド役の森功至さんも竹村さんと同じくキャリアのある方ですね。

ガンダムのガルマよりも、OVA版のシャダム役の方が親しみ深い。

OVA版の若本さんも凄かったけど、悪事を考えてる時や人をそそのかす時にウッドの性格がよく現れます。


カーラ(レイリア)役の榊原良子さんはOVAと一緒ですね。

今回はカーラとしての発言が多くて、OVAと同じ毅然とした態度に思わずOVAが見たくなった(笑)

次回以降のレイリアさんとしての演技も素晴らしいですよ。


アレス役の堀川さんもまた塩沢さん並によく知る方です。

「聖闘士星矢」の瞬とか、「ドラゴンボール」のベジータとか。そういえばブルマもいるし(笑)

今回はワリとナヨっちい役だったので、どちらかといえば瞬に近かった。


リディア役の荘真由美さんは「ドラゴンボール」のチチの人ですね(DB多いな)。

この方は登場時の悲痛な悲鳴と助けを求める声がとにかく凄い。

あまりにも真に迫っていて、下手なホラー物よりも恐ろしさが伝わってくる。


村長役の宮内幸平さんは亀仙人の方ですね。塩沢さんと同じく故人です。

亀仙人のスケベ爺な声もよかったけど、今回の息子を思う頑固親父の繊細な心情を表す声も素晴らしい。


ナレーターの永井一郎さんといえばOVAの方のナレーターでもありますね。

世間一般では「サザエさん」の波平役で有名ですね。

この方のナレーションのお陰ですんなりとロードスの世界に入れました。


さて今回のシナリオは小説版にはないものです。

第3弾以降は小説があるのですが、これはないんですよね。

元々1〜3がオリジナルシナリオで、3だけは小説化したんですね。


シナリオの舞台はウズの村です。

マンガ版「ファリスの聖女」にも登場する、モスの山中にある静かな村です。

主な産業は農業・狩猟・炭焼き。

決して裕福ではないが、モスの山々のお陰で戦争に巻き込まれずに済んでいます。

ただし外部との交流がないので、若年者と老年者で意見の対立があるのだとか。

小説で「悲しい出来事」があったとだけ表記してあった村ですね。

何があったのかずっと気になっていたのですが、それがついに明らかになりました。


まず時系列は英雄戦争です。

パーン達がウォートの館に向かう途中の外伝ですね。

道に迷った一行は、トロールに襲われるウズの村のアレスリディアを助けます。

それが縁で一行はウズの村に逗留する事になる訳ですね。


アレスはウズの村の村長の息子で、次期村長候補です。

とても優しい青年で、誰も傷つけずに村を守りたいからと魔術を修めています。

しかし剣術を学ぶよう叱咤する父親とは折り合いが悪い。

また実戦となると意気地がなく、そんな弱い自分に劣等感も抱いている。


リディアは彼の恋人で、アレスのそんな優しい所が大好きなのです。

ところが村の人はそんなアレスのことを分かってはくれません。

アレスは誰よりも真剣に村の事を考えているのに、彼には力がないから。

実はアレスは魔術を学んでいるだけで、使いこなせていないのです。

そりゃあ魔術は素養と師が必要ですからね。独学ではかなり無茶です。


勿論父親はアレスが憎くて叱っている訳ではありません。

息子が可愛いからこそ、村長として立派になって欲しいのです。

できもしない魔術に没頭している今のアレスは、親父的にはニートも同然。

彼にとっては現実味のある剣術が強さの象徴なのしょうね。

更にアレスは後述の"賢者の石"を利用しようとしていて、その辺がアレスとの喧嘩の発端になる。


村長の資質は剣術や魔術とは無関係だと思うのですが……噛み合わない歯車ですね。

アレスは弱い自分を乗り越えて村を守ろうとし、村長はアレスに立派な村長になって欲しいと思っている。

お互い決して間違った想いを抱いている訳ではないのに、その方法が噛み合わない。

そしてそれが悲劇の発端となったのです。

村に逗留する一行は、村の近くの洞窟に住み着いたトロール退治を行います。

洞窟に眠る"賢者の石"という魔法の石を悪用させない為です。


"賢者の石"とは全部で3つあります。

それぞれ「知恵」「支配」「破壊」を象徴します。

「知恵」は膨大な知識と知恵を手に入れられる。

「支配」は自己の自信を増大させ、他者を服従させる。

「破壊」は他者に対する侮蔑を増幅し、命を絶つ事もできる。

ちなみにその形状は古代語が刻まれた石版です。

その表面は黒曜石のように輝き、中央部には心臓の鼓動のような力の煌きを持つ。


またとんでもなく強力なアイテムですね。

なんでも一度は村を滅ぼしそうになり、カストゥール王国末期には封印されたんだとか。

以来決して使用することなく封印し続けてきたのです。

しかし何処でこんなアイテムを。いっそ賢者の学院にでも預けてしまえばよかったのに。

いやそれだとバグナードに奪われていた可能性もありますが(苦笑)


結果としてトロール退治は成功し、アレスは石の力で洞窟を吹き飛ばしたりします。

そしてその強大な力にアレスは魅入られたのです。

ところが村長はアレスには"賢者の石"を使えないと断言し、マーファ神殿に預ける事にしました。

そこで口論になり、ついにアレスは村長を刺してしまったのです!

ここでのウッドの「村長!しっっっかりっっしろよっー!」に吹いた(笑)


すっかり動転したアレスはリディアを連れて村から逃亡しようとします。

そこに駆けつけたパーン達は彼を説得しようとしますが、リディアが口添えしたことで逆効果。

リディアも剣の強いパーンがいいのだと勘違いした彼は一人瞬間移動!で逃げてしまいます。

しかし瞬間移動とは、凄いな石の力。これはどの石の力なんだろう?


この時点で石の力にすっかり魅入られたアレスは増長し、同時に自分の劣等感に抗おうとします。

「もう誰にも馬鹿にさせない!」「世の中をアッと言わせてやる!」とね。

ずっと辛かったんでしょうね。馬鹿にされて、上手くいかなくて、弱い自分が。

その鬱憤がこの後戻りできない状況もあいまって爆発してしまった。


幸い村長はエトの治療で救われました。

しかし刺されてもなお村長は必死になって「アレスを助けて欲しい!」と懇願します。

どんなに愚かな息子でも、やはり可愛いんですね。いい親父じゃないですか。

ここでのエトのやや裏返った「もちろんっっ!」という声にまた吹いた(笑)


逃亡したアレスを追跡するパーン達は山頂でアレスと対峙します。

ここでのパーンの必死の説得が見せ場ですね。

パーンもアレスと同じように馬鹿にされてきたから、他人事ではないのです。

「皆の為に石を使うんじゃなかったのか!」

「仕返ししても惨めになるだけだ」

その辺がパーンの偉いところですよね。

辛い幼少時代を送ったのに、全然捻くれてない。


結局村長のアレスを思う気持ちを無視できないパーンはアレスと戦えませんでした。

そこにアレスの強烈な攻撃魔法が飛びます。

ところがそこに飛び込んできたリディアに誤爆!

そして村長が助かったことと、彼女も村長もアレスを案じている事を知って、アレスは愕然としたのです。


本当は強くなりたかっただけ。認めて欲しかっただけなのに!

結局リディアは死んでしまい、アレスは流浪の旅に出ます。

悲しい。なんて悲しい話なんでしょう。

目の前に強い力があって、それに手が届きそうな時、人は魅入られる

本当に求めていたのは力でなく、もっと大切な何かだった事を忘れて……。

それはこの先に待ち受けるウッドの悲劇にも通じますね。


こうして一作目のカセットブックを聞いた訳ですが、やっぱりロードスはいい。

未知のシナリオだから今回は長めになりましたが、多分第3弾以降はもうちょっと短くなると思う。


ロードス島戦記 カセットブック2
「宿命の魔術師」

カセットブック第2弾も前作と同じくオリジナルストーリーです。

時系列はザクソン独立運動の頃なので、パーン、ディード、スレイン、レイリアは引き続き登場します。

キャストも前回と同じで、まだOVA版とは違います。


今回登場のキャラは以下の通り。


ラスター公:小林通孝
モーブ:田中和実
ラーズ:屋良有作
セシル:速水奨


ラスター役の小林通孝さんは正直よく知らない方です。

経歴を見ても私の知っている役はないけど、随分芸暦は長いようです。

ラスターは英雄騎士伝にも登場してますが、あっちと比べると随分男前な声です。

あとカドモス七世も登場するけど、声優さんは不明。


モーブ役の田中和実さんもよく知らない方です。

でも聞いた事のある声ではありますね。北斗の拳やワタルの悪役とかで。

調べてみると田中亮一さんの実弟で、既に故人だとか。


ラーズ役の屋良有作さんは「聖闘士星矢」のアイオロスの方ですね。

あとはクレしん映画の戦国大合戦での又兵衛役とかかな。

この渋くもカッコイイ声が知的悪役のラーズにも相応しい。


セシル役の速水さんはOVAではオルソン、英雄騎士伝ではアシュラム様ですね。

何気に速水さんはロードスとの縁がありますね。

基本的にクールなイケメン声の方ですが、直情型のセシルにもよく合う。


さて今回のお話は前述通りにサクソン独立運動時代です。

フレイムでの戦いを終えたパーンとディードが、ザクソンでスレインやレイリアと共に独立の為に戦ってた時代ですね。

王弟ラスターが兄であるカドモス七世を殺害したのが発端です。

貴族達はラスター公爵派とアモスン伯爵派に分かれて長い間内乱を続けます。

その圧政に苦しむ民衆はザクソンを中心に独立運動を始めた訳です。


冒頭ではラスターが国王カドモス七世を暗殺するシーンがありました。

そういえばカドモス七世に声が当てられるのってこれだけですか?

これを聞く限り、カドモスは随分弟を信頼していたんですね。


その殺害現場にいたのが魔術師ラーズでした。

彼は学院でのスレインの親友であり、彼の私塾にはセシルが所属していた事もある。

努力家の彼は導師の資格を持つ魔術師でしたが、天才肌のスレインにはいつも負けていました。

スレインはいつも穏やかで、ラーズが苦労して習得した魔法を苦もなく唱えた。

いつもスレインは自分の前にいた。ずっと彼は煮え湯を飲まされていたのです。


実は彼の導師の資格も、スレインが辞退した事で得られたのです。

しかも導師の資格を辞退しながらも、今や彼は"北の賢者"とも言われる有名人。

自分はスレインという太陽の照り返しでしか光れない月に過ぎないと、彼は苦しんでいたのです。

こうしてラーズはスレインの親友でありながら、同時に劣等感を感じていたのです。


そして今のラーズは港湾都市ビルニの領主であり、ラスターの配下です。

今回彼は反ラスター派を装って、独立運動を続けるスレインを呼び寄せました。

勿論それは罠でした。独立運動の首謀者を始末し、自分の劣等感を拭う為の。


ちなみに小説版ではビルニは独立運動に参加した都市です。

港湾都市としての財力が独立運動の裏づけにもなったとか。


スレインは紛れもなくラーズに友情を抱いていました。

いつも陽気で自信に溢れたラーズが大好きでした。

だから旧友の助けを求める声に応じて馳せ参じた訳です。

それがこんな事になるなんて、スレインも辛かったでしょうね。


ラーズだって最初は純粋な友情と憧れをスレインに抱いていました。

ところが自分が彼に届かないと知った時、それが憎しみに変わったのです。

元よりスレインは名誉には興味のない男ですが、ラーズは違ったんですね。

導師の資格がなくても魔術師である事には変わりない。

そんな考え方をラーズはできなかったんですね。劣等感も相まって。


つまりスレインは全く害意を持たずにラーズを苦しめていたんですね。

自分のそんな過ちにもスレインはきっと心を痛めたはず。

しかしラーズにだって全く非がないわけじゃない。

劣等感や嫉妬を抱いた事に非はない。それに心を委ねたのが彼の非です。

力を欲するあまりに過ちを犯す。前の話にも通じるテーマです。


ではラーズがどんな罠を張っていたのか。

まず彼はビルニを訪れた一行を歓待し、屋敷に招きます。

そして隙を見てスレインとレイリアを"封印の壷"へと封印します。

本来"封印の壷"は精霊のような異界の存在を封じるものですが、まぁ色んなものがあるんでしょう。


この時点でラーズを怪しんでいたセシルは単独で屋敷を探った結果ラーズに捕まっています。

セシルは対抗呪文の結界を張るもアッサリとラーズに破られ、呪縛の呪文とやらにやられたのです。

前者はカンタマっぽいけど、結界だしな……。それを破ったのはディスペルかな。

すると後者は"パラライズ"か"ルーン・ロープ"。まぁ昔の作品にルール考証は無用かな。

後にセシルも一緒に壷に封じられそうでしたが、間一髪でスレインが弾き出します。


パーンとディードは街でラーズへのレジスタンス活動をしていたモーブに捕まっています。

モーブはパーン達がラーズに招かれて街に来たことで、彼らがラーズの仲間だと勘違いした訳ですね。

そして2人を盾にラーズの屋敷に攻め込みますが、アッサリ返り討ちに(笑)

ここでモーブはパーン達を庇ってラーズの魔法を浴びたりします。

その時の「庇ってくれたのね!」的な一連の流れは若干芝居臭かったかな。


勿論ラーズもスレインを封印した程度では満足してません。

既に守りを解かれている壷は出ようと思えば出られる状態でした。

ところがその中には死の魔神という存在も封じられていたのです。

世界を焦土と化す力があるという、強大な魔神です。

魔神将だったりするんだろうか。まぁ昔の作品だし、細かい事は気にしない。


こんなものが封印してあったからこそ、この壷は学院に封じられていたんでしょうね。

実は以前からラーズは学院の禁断の品を持ち逃げしたという噂があったので、セシルも怪しんでいたのです。

もし封印を解けばその魔神すらも蘇り、スレインの評判は地に堕ちる。

スレインは評判なんて気にしないだろうけど、魔神復活は恐れるでしょう。

つまり封印を破ろうが破るまいがラーズには都合がいいんですね。


ちなみに壷以外にもラーズは以下の品物を持ち出しています。

"一体の腕輪"はより強い者と合体し、その力を得られる。

"送還の錫杖"は異世界へと流出したものを戻す。


スレインとレイリアを封印したラーズはいよいよ本性を現して暴れだします。

パーン達も彼に決死の思いで戦いを挑みますが、その強大な魔力に防戦一方。

しかし流石に学院の導師です。なかなかの魔力。

まぁ世界は広い。スレインを倒したって、まだまだ強い魔術師は沢山いる。

バグナードやウォートのような破格の強さを持った魔術師もいるんですがね。


そこでスレインとレイリアは協力して壷の封印を破り、外の世界へと出てきます。

ここでの夫婦の会話は2人の絆を確認する名シーンですよ。


かつてレイリアはカーラとして多くの人を殺しました。

その罪の意識に苛まれ、自害しようとまでしました。

ここでの榊原さんの悲痛な演技は流石のものでした。

それを助けたのがスレインでした。生きて償うのだと。

過去を変えることはできないが、未来は変えることはできる。

そこには自分もいるのだと、共に苦難の道を歩む事を誓ったのです。


その時レイリアは世界中の誰よりもスレインが強い人だと感じました。

今のスレインはとても弱々しいけれど、幻滅したりはしません。

むしろ自分だってスレインの役に立てるんだと、自信が湧いたのです。

スレインが自分の罪を背負ってくれたように、自分もスレインの罪を背負うのだと。

愛です。なんて美しい夫婦愛なんでしょう。

小説でもこの2人の絆の強さを確認できますが、音声があるとまた一味違う。


ちなみにレイリアさんはカーラの記憶があるので、死の魔神を封じる方法も知ってる。

それをスレインが使えば魔神を封じる事もできる。

ちゃんと勝算を立ててるのがスレインの偉いところです。


追い詰められたラーズは"一体の腕輪"を使って魔神と合体。

が、スレインのなにやら強力な魔法で消し飛ばされます。

一体何したんだスレイン。"ディスインテグレーション"か?

体を消されたラーズでしたが、最後にスレインと別れを交わします。

最後の最後で元の親友に戻れたのかな……。

彼も何処かでスレインに止めて欲しかったのかな……。

こうしてスレインは親友を手にかけた罪を、それを背負って生きることで償う事にしました。


ところで腕輪はいいとして、錫杖の存在意義は?

あとEDでラスターが「いい厄介払い」ができたみたいな事を言ってました。

アニメ版のヘタレっぷりが嘘のような貫禄です。


今回は全体的にスレインが主役でした。

そういえば昔のファンロードのロードス特集で

「しっかりと2人の世界を作ってしまうあたり、ただものじゃない」

とか

「カリスマ18くらいありそう」

とか書いてましたっけ。

その長年の謎も解けましたよ。


本当に今回のスレインはカッコ良かった。


ロードス島戦記 カセットブック3
「魔獣の森」

カセットブックも第3弾になりました。

ここからは主要キャラのキャストはOVAと統一されます。

ただし榊原さん、速水さん、永井さんは続投です。


パーン:草尾毅
ディードリット:冬馬由美
セシル:速水奨
スレイン:田中秀幸
レイリア:榊原良子
グローダー:戸谷公次
ムージェ:岸野幸正
ナダール村長:矢田耕司
ランディス:大倉正章
エレーナ:柿沼紫乃
ナレーション:永井一郎


草尾さんといえば桜木花道やラムネス等演じた役は数知れず。

最近では「ケロロ軍曹」のドロロあたりですかね。

私の中でのパーンのスタンダードはこの方です。

草尾さんの「ロードスの平和は俺が守る!」は今でも大好きです。


冬馬さんもまた、私の中のディードのスタンダードです。

色んな役をやられてますが、ディードはその代表ですよね。

このツンとした感じが最高にディードのイメージに合う。


田中さんもやっぱりスレインのスタンダードです。

テリーマン、アイオリア、アバン先生、マタムネ……。

私の好きなキャラを数多く演じられてます。

その落ち着いた深みのある声に何度夢中になったことか。


グローダーはOVAには未登場でしたね。

英雄騎士伝では石井康嗣さんでした。

戸谷さんは数多くの役を演じられ、既に故人となられてます。

星矢の山羊座のシュラ等、誰もが一度は聞いた声です。


岸野さんはよく知らない方でしたが、声自体は聞いた事があります。

「3X3EYES」のママとか、スラダンの魚住とか。

今回演じるムージュは狂気の魔術師ということで、何処かブッ飛んだ声でした。


矢田さんは星矢の老師(童虎)など、年配の声が多い方ですね。

他には「ONE PIECE」のゼフや、「ドラゴンボール」のドクター・ゲロとか。

今回は村長の声ということでしたが、ウッカリ老師の声に聞こえて妙な説得力を感じた(笑)


ランディス役の大倉さんもよく知らない方でした。

でもエレーナエレーナと呼ぶ声は私の中でのランディスのスタンダードになりました。

最後の憑き物が落ちたような爽やかな声を聞くと、小説を知ってるだけに妙に悲しくなった。


エレーナは「新」の主要キャラですが、初めて声を聞きました。

調べてみると古川登志夫さんの奥さんなんですね。

想像通りの可愛らしい声で一発で気に入りましたよ。

登場シーンではエコーがかかっていたので「洞窟で叫んでる人」みたいになってました(笑)


さて今回のシナリオもまたオリジナルでしたが、小説化しています。

新ロードスの序章に収録され、内容も微妙に変更されてます。

小説の方は悲劇でしたが、こちらはハッピーエンドですよ。

それでも大体同じなので、前回ほどは詳しく書きません。


まず時代は前回と同じくザクソン独立運動時代。

セシルは海辺の村ナダールへ独立運動への参加を要請しにいきました。

しかしアモスン伯爵に従属するナダールはそれを拒否します。

ナダールは長い間貴族に税を納め、その後ろ盾を得る事で繁栄してきた村だったのです。

この内乱でも納税・兵役に素直に従い、搾取されるだけとも知らずに従順に従っていたのです。


短気なセシルは怒り心頭でザクソンへの帰路に着きます。

ところが彼は魔獣が数多く住む森に迷い込んでしまったのです。

そこで彼はエレーナという美しい少女に出会います。

彼女は賢者の学院の高位の魔術師グージェルミン導師の孫娘であり、

世界で唯一魔獣支配の秘術を受け継いだ魔獣使いだったのです。


そうとも知らず熱血漢セシルは彼女に恋をし、彼女が魔獣に捕らわれていると勘違い(笑)

大急ぎでスレイン達に助けを求め、彼女の元へと舞い戻ったのです。

それと時を同じくしてエレーナの兄弟子にして恋人であるランディスもまた訪れます。

彼は今やマーモに仕え、エレーナの為に出世をしようと秘術を狙っていたのです。


まぁこの辺までは小説版とそう変わりません。

重要なのはランディスの扱いですよ。


小説のランディスはエレーナを愛しながらも出世を狙う実力派でした。

エレーナへの愛と出世の間で揺れ動く、とても複雑な男でしたね。

最後は魔獣からエレーナを助けようとして死亡してしまいます。

結局彼は秘術とエレーナ、どちらの為に死んだのか謎でした。


ところがこちらのランディスは、何と言うかヘタレ

エレーナへの愛と出世欲を利用されているだけの若造でした。

やはりエレーナを庇って傷つきますが、普通に生き残ります

そしてエレーナと手に手を取って新天地を目指して旅立っていきます。

最後には出世欲を捨て、「エレーナさえ傍にいれば」と考えるようになりました。

ある意味では小説よりもずっとカッコイイ男だったのかもしれない。


その影響でエレーナも大きく変わり、救われました


小説の彼女は結局魔獣の森から出る事はありませんでした。

大切な人を失いながらも、なお秘術を守る事にしたのです。

というよりも、秘術が最早彼女の一部になっていたのです。

魔獣を支配するつもりが、自分自身を呪縛していたんですね。


ところがこちらのエレーナは魔獣を全て解放する事になります。

魔獣たちは彼女自身が始末し、ランディスと一緒になりました。

最後は本当に幸せそうで、小説版を知ってると胸が痛くなります。

秘術から解放され、1人の女性として愛する人と一緒になれたんです。


その代わり絶対的な悪役が登場しました。

それが狂気の魔術師と言われたムージェです。

追い詰められると狂ったように魔法を使うというキチガイっぽい男です。


あとその黒幕であるグローダー。

小説のグローダーはバグナードの一番弟子であり、アシュラム様の参謀となる男です。

最後はアシュラム様と共にロードスを脱出し、クリスタニアを目指す。

スレインとはまた違った意味での魅力的な魔術師でしたね。

まぁ今回はただの黒幕としての登場です。特に活躍はしません。


細かいことを言えば他にもストーリー的な違いはあります。

例えばランディスが一度秘術を記した本を盗み出す所とか。

しかしここで彼が持ち出したのは「解放の書」でした。

魔獣を呪縛する「支配の書」は導師諸共に燃やされていました。

結果エレーナ自身が秘術となった点は小説と同じ。


ところが「解放の書」を手に入れたムージェはこれを悪用します。

魔獣達を呪縛から解放し、大暴れさせたのです。

これでナダールの村も襲われてしまい、パーン達が応戦するのです。


でもアモスン伯爵が助けを遣さなかった事で村長は独立運動に参加するのです。

結局は領民から搾取する事しか考えてなかった事が露見した訳です。

怪我の巧妙と言っていいものか。


あと最後にエレーナが謎魔法で魔獣を消滅させた所とか。

魔獣抹殺の魔法だそうですが、自然ならざる存在を消滅させる術のようですね。

光を浴びただけで消滅とか、ある意味秘術以上に反則的な術(笑)


そして更に細かい事ですが、エレーナの設定も微妙に違うんですよね。

小説では金髪だったけど、こっちでは黒髪だったり。

グージェルミンが小説では父親だったのに、こっちでは祖父になってたり。


言わずもがな今回の主役はセシルです。

言ってみれば今回はセシルの失恋物語でもあった訳ですね。

小説版でもカセット版でも、結局フられるのは同じ。


まず最初にスレインの家に駆け込んで来た時の演技とか本当にセシルっぽい。

ドアを壊す勢いで突入し、喉が嗄れるほどに大声を出す所とか爆笑。

同時にランディスの事で落ち込むエレーナを慰める優しい所もまたセシル。

好きな人の為に恋敵をフォローする、何とも不器用で優しい男です。

自分の方がエレーナに相応しい。そう思いながらも放っておけないんです。


ここでのレイリアさんのセリフにまたも爆笑。

レイリア「あなたは無鉄砲で口が悪くてちょっぴり鈍感でがさつで。そして何て優しいんでしょう」

セシル「……褒めてるんですか?貶してるんですか?」

褒めているつもりなんでしょうが、貶してる部分の方が圧倒的に多い。

これが麦飯だったら「お母さん麦が多いよ!」って事になる(笑)


そしてムージェを刺し殺すシーン。

スレインの魔術で束縛されたムージェを、渾身の力を込めて刺すんです。

その前にランディスが彼を庇って電撃を受けてるだけに、怒りも倍増。

本当になんて不器用でいい奴なんだろう。

でも結局は魔術でなく剣を使う武闘派っぷりも相変わらず(笑)


最後になりますが、この話は先に小説を読むかドラマを聞くかで、印象は微妙に変わると思います。

私は小説が先立ったからこのハッピーエンドにいい意味で驚きました。

ドラマが先立った人はどんな印象を抱いたんでしょうね。

予想外の悲劇に驚いたりしたんだろうか。

いずれがいいとは言いませんが、私は幸せそうな方が好きです。

もっとも小説の悲劇があればこそ、「新」の物語は成立するのだけど。


ロードス島戦記 カセットブック4
「妖精界からの旅人」

第4弾以降は「ハイエルフの森」に収録されている物語が原作となります。

ディードの同朋エスタスもレギュラーとなり、ハイエルフと人間の交流を描く物語になっていきます。

内容自体もパーンとディードのラブロマンスが大目です。


またこの短編集はよねやませつこ先生によって漫画化しています。

4〜6巻のカセットブックは、この漫画を開きながら聞きました。

未読の方は是非ともお勧めです。


勿論今回もレギュラー陣のキャストはOVAと同じです。

エイビス:増田有宏
ウォレス:中尾みち雄
シェーラ:阿部由香子
エスタス:井上和彦


増田さんは調べてみてもよく分からない方でした。

声優さんとして他の作品にも出演はしてるようですが。

今回は自警団の人間として、人の良い面も悪い面も演じられてました。


中尾さんもよく知らない方です。

でも「ワンピース」の赤イヌというので、今後活躍する可能盛大。

今回は勇敢な青年役として見事な死に様を演じられていました。


阿部さんに至っては他の出演作品も不明です。

同名の演劇関係の方がいるようですが、同一人物かな?

今回は旦那を失った未亡人として居たたまれない程の悲嘆を表現されてました。


井上さんも今尚第一線で活躍される有名な声優さんですね。

今だと「NARUTO」のカカシ先生や、「今日からマ王」のギュンターとか。

エスタスに声を当てられるのを聞いたのはこれが初めてでしたが、

イメージ通りのクールな美声で納得の配役でした。


今回以降は小説の方が原作となります。

故に今までと違ってレビューの方を見てもらえばストーリーは事足ります。

基本的には同じですしね。多少構成やセリフが違う事もあるけど。

勿論今回の話の原作は「妖精界からの旅人」です。


時代は引き続きザクソン独立運動時代になります。

ある日ディードの同朋エスタスが彼女を連れ戻しにやって来ます。

しかしそれを承諾しないディードはある賭けを申し出ます。

それはエスタスが「人間の良さ」を知る事ができれば、連れ戻すのを諦めるという賭け。


ところがディードの思惑とは別に、村は大変な事件に見舞われます。

ラスターが軍事的圧力をかけ、首謀者の首を要請してきたのです。

この事態に犠牲者も出て、ザクソンの人々の心は離れ離れになります。

そしてついには同朋である自警団の人間にパーンが襲われてしまいます。

その出来事にディードは絶望と怒りを覚え、精霊王まで使おうとしたのです。


幸いディードが村人を手にかけるのはエスタスによって防がれました。

しかしパーンは村人を救う為に、単独でアラニア兵との戦いに赴きます。

これを聞いた村人一同は「パーンを助けに行く」という一念で一致団結。


悠久の時を生きるエルフと違い、人の命は儚く生き急ぐ。

故に時には過ちを犯すし、愚かな事もしてしまう。

それでも人は変わる事ができる。小さなきっかけさえあれば。

それを知ったエスタスはディードを連れ戻すのを諦めるのです。


大体こんな感じの話です。

小説とは本当にそんなに変わりませんね。


ちなみにアラニア兵に殺される犠牲者がウォレスです。

彼は勇敢にもアラニア兵を誘き出そうと自ら囮になりました。

ところが毒矢を受けて死んでしまうんです。

小説だと名もなき村人でしたが、今回名前がついた人です。


そして彼は新婚さんだったのです。その妻がシェーラ

「帰りを待つ婚約者」ほどでないにせよ、「帰りを待つ新妻」も十分死亡フラグです。

この人もウォレスが死んだ時の嘆きようといったら、真に迫り過ぎてこっちが辛くなる。

パーンを責める時もこっちが居たたまれなくなるぐらいです。


そしてパーンに襲撃を仕掛けたのがエイビスです。

この人は小説にも名前が出てきましたね。

最初は気のいい人だったのに、家族を守る為にパーンを襲う覚悟を決めた彼は実に人のエゴが出ていた。

エゴだ、これはエゴだよ……(前田愛風に)。

このエゴもまた人間の一部。

そしてパーンを助けに行かせてくれと必死になって頼み込むのもまた人間。

良くも悪くも普通の人間代表といった役どころでした。


そしてエスタスですよ。

彼に至っては何から何までイメージ通りです。

基本的に感情の起伏は見せず、かといって感情がない訳でもない。

ディードを思いやる気持ちが良く出ていました。

敢えて注文をつけるなら、村人が立ち上がった時にもうちょっと驚いて欲しかった。

ちなみに彼の使うジンの名前はガナシュでした。


あとは毎度お馴染みのセシルの突っ走り方が最高。

ドアをぶち壊す勢いで入ってきた時のレイリアさんとのやり取りが面白い。

セシル「スレイン!大変!(扉ドカァン!)」←何故カタコト

レイリア「大変なのは我が家の扉のようですけど」

セシル「壊れたら僕が直します!

変な所で真面目だなセシル。


そしてEDでの彼の扱いに、最早彼自身がネタなのかと思った。

セシル「いつまで見送ってるんです?ディードと二人っきりでいたいんですか?」

パーン「妬くな、独り者」←ヒドい

スレイン「セシル。そのエネルギーはハナムに着いてから使って欲しいですね」

レイリア「そう、扉を壊す勢いで」

セシル「あぁ!また皆で私を半人前扱いですか!不愉快です!」

本当に面白いなセシル。一応可愛がられてるんだろうけど。


ロードス島戦記 カセットブック5
「…開かれた森」

第5弾も「ハイエルフの森」に原作が収録されてます。

今回からはスレインやレイリアも登場しません。セシルも。

何しろ時代は一気に飛んでカノン自由軍時代ですからね。

その分パーンとディードの会話が更に大目になる。


引き続き出演するのは草尾さん、冬馬さん、井上さん、永井さんのみ。


リーフ:鈴木砂織
セルリアン:遠藤武
マデラ:中友子
ルーマス:田中康郎
エント:掛川裕彦
黄金樹:吉水孝宏
ドライアード:丸山みゆき


鈴木さんは「しまじろう」のらむりん役の人だそうです。

リーフは英雄騎士伝では坂本真綾さんでしたね。

今回は幼いリーフを可愛らしい声で演じられています。


セルリアンはリーフのお父さんです。

遠藤さんは英雄騎士伝ではガーベラ役でした。

若き日のマデラへの凛々しくも熱烈な求愛を演じられました。


マデラは「新」にも登場したリーフのお母さんです。

中さんは今でも「ワンピース」の黒檻のヒナ等で活躍されてます。

マデラは結構ワイルドなイメージがあったんですが、

セルリアンからのプロポーズを受けた時は実に可愛らしい声でした。


田中さんは既に故人です。

私の知らない役が多いのですが、威厳のある声でした。

私はずっとルマースは長老とはいえ若々しい声かと思ってたのですが、

イメージしていたよりもずっと渋い声でした。


吉水さんは最近では「ワンピーズ」のパウリー役でした。

黄金樹に声が当てられるのは初めて聞きましたが、

エフェクトも相まってなかなか神秘的で大地に根ざした大樹らしかった。


掛川さんは「ちびまるこちゃん」の担任の先生の方ですね。

優しい声の印象が強い方ですが、今回のエント役は実に威厳があった。

黄金樹もそうでしたが、古木が喋るとこんな感じかという。


丸山さんはもしかして「スクールウォーズ2」の主題歌の方ですか。

だとしたらもう芸能界を引退されているようですね。

今回はドライアードとして、男を誘惑する艶っぽい声での出演でした。

ドライアードが男を引き込む時は正にこんな感じなのかも。


あと原作ではホッブやマールもいましたが、未登場。


今回の話の原作は「開かれた森」です。

やはり基本的には原作と同じです。

盟約など細かい設定はそちらを参照して下さい。

今回もストーリーのダイジェストのみお送りします。


時代は前回からは一気に飛んでカノン自由軍の時代です。

既に火竜山の戦いも終わり、スレインやレイリアさんとも別れています。

現在のパーンはカノン第三王子レオナーの下で、カノン解放を目指す自由軍としてゲリラ活動を続けています。

その活動の一環として圧政に苦しみカノンの民を国外へ脱出させてもいました。


パーン達はそうしてカラルの村の人々を脱出させようとしていました。

ところがパーン達はマーモ軍の罠に嵌り、絶体絶命の危機にありました。

そこで彼らは帰らずの森を抜けて逃げる方法を選んだのです。


しかし森はハイエルフの長老のかけた呪いの影響下にありました。

当然彼らは呪いに捕まり、永遠に続く眠りに落ちてしまいます。

これを逃れたのはディードと、ハーフエルフの少女リーフだけでした。

そこでディードはハイエルフの集落へと戻り、長老ルーマスを説得します。

しかし説得は聞き入れられず、一方的に話を打ち切られます。


その時呪いに捕らわれた筈のパーンの幻影が現れ、呪いの根源黄金樹を切り倒そうとします。

しかし危うい所で思い止まり、最悪の形で呪いが解除されるのは防がれました。

またディードは単身精霊界に赴いて植物の精霊王エントに直談判をします。

だがこれも上手くいかずに危うく消滅させられそうになりますが、エスタスに助けられて命拾いをします。


呪いを解けるのは長老だけである事を察したディードは再び長老を説得しました。

呪いを解く必要性と、パーンへの思いを必死になって伝えました。

エスタスとリーフの口添えもあったお陰で、ついに長老は呪いを解く事を承諾。

こうしてパーンをはじめ、呪いに捕らわれていた人々は解放されたのです。


これも大体小説と同じですね。

細かい違いでは、小説ではルマースだったのがルーマスになったり。

正史は小説なので私はルマースと呼んでますがね。


しかしドラマ版のルマースは本当に声が渋い。というかオッサンです。

「違うかぁ?」の辺りにちょっとイラッときた(笑)

一応外見はエスタスとそう変わらないんだし、もっと神秘的でいいと思うんですが。


あとはハイエルフの集落の設定。

原作では妖精界を通って集落へ着きました。

しかしそれは妖精界をショートカットとして使ってるだけであって、

集落そのものはちゃんと物質界に存在します。

このドラマではその辺の説明がないので、

集落が妖精界に存在しているように思えてしまうかもしれない。


そして何気に良かったのがマデラとセルリアンです。

セルリアンの方がプロポーズしたのは知ってましたが、こんなに甘かったとは。

普段はワイルドな女戦士なんでしょうが、モジモジするマデラが可愛い。

そしてリーフをこぞって可愛がる様子が本当に暖かい。

リーフが非行に走らなかったのもこの両親のお陰ですね。


今回の笑いどころは最初の方のパーンとマーモ兵の会話ですね。

マーモ兵「その首!俺が貰い受ける!」

パーン「予備がないので差し上げかねる!!

いやその受け答えはどうだろう(笑)


あとCD版にはこの後に草尾さんと水野先生の対談などが収録されています。

OVAの映像特典といい、クリスタニアのリプレイといい、水野先生は意外にメディアに露出する人ですね。


ロードス島戦記 カセットブック6
「復讐の霧」

カセットブックの感想もこの第6弾で最後です。

全て聴いてみて、何で今まで知らなかったんだろう?と後悔しました。

私はロードスにはOVAから入り、小説で基礎を固め、漫画やゲームも楽しんできました。

しかしまだまだロードスは奥が深かった。

そして色々な愛され方をしていたんですね…。


さて最後の物語も引き続き「ハイエルフの森」に原作が収録されてます。

パーン、ディード、エスタス、ナレーターはキャストを変えずに続投。

結局1〜6と皆勤賞なのはナレーターの永井さんだけでした。


サルバーン:銀河万丈
ストラール:林延年
長老:遠藤武
若いエルフ:幸野喜之・里内信夫・小林俊夫


銀河万丈さんといえばギレン・ザビをはじめ、数多くの役を演じてこられた名優です。

今回はその腹にズシンとくる重低音が、不死の王たるサルバーンにマッチング。


林延年さんは後に神奈延年に改名されました。

そして「英雄騎士伝」ではパーン役となった方です。

耳を澄ましてみると新旧のパーンがステレオで喋ってるみたい(笑)

この2人の共演を聞いてると星矢の山羊座のシュラと水瓶座のカミュを思い出す。


遠藤さんは前回はセルリアン役でしたね。

今回は田中康郎さんの跡を継いで長老役です。

前回とは違って長老らしい枯れた声を出していましたね。

キャストを確認するまで同一人物とは気づきませんでした。


幸野さんは調べた限りではよく分からない方でした。

名前のよく似た方に幸野善之さんという方がいらっしゃいますが、同一人物?


里内さんは「ドラゴンボールGT」のギル役だそうです。

若いエルフ役なのですが、正直どのエルフなのか分からなかった。

まぁギルしかサンプルがないのでは仕方ないけど。


小林さんも私の知っている役はないようですね。

しかも今回はモブ役なので判別はできませんでした。

多分イエローミストの爆発に巻き込まれたエルフとかだと思うのですが。


今回の話の原作は「復讐の霧」です。

これもまた基本的には原作と同じです。

ただし原作にはないエピソードも含まれてますがね。


時代は前回の話「…開かれた森」から3年。

原作ではパーンとディードがレオナーの使者としてフレイムに向かう途中の話でした。

その後2人はフレイムでスパークと会う事になってます。

ドラマ版でも概ね同じですが、スパーク云々はカット。


森の呪いから解放されたカストゥール王国の魔術師ストラールがハイエルフへの復讐を行う物語です。

ストラールはノーライフキングとなった元ロードス島太守サルバーンの協力を得て、命を吸収する霧状のモンスターを森に放ったのです。

しかも霧は炎でしか消す事ができず、それを行えば爆発を起こす。

放置しても、火をつけても、ハイエルフの愛する森は傷つく。

こうしてストラールはどちらに転んでも森を傷つける方法を画策したのです。


全ては時を奪われた復讐

呪いに囚われている500年の間に彼の国は滅び、親しい人は皆死んだ。

魔術すらも使えなくなった彼は、異文化の中無力で孤独に生きねばならなかった。

その絶望と悲しみと怒りをハイエルフにも味あわせるつもりなのです。


ディードリットは炎の精霊王フェニックスを召喚し、これを浄化します。

森の一角は燃え尽き、ハイエルフ達は怒りを覚えます。

しかしパーンとエスタスは彼らを諭します。

彼から奪った時間の大きさ、そして復讐を行う事の愚かさを。

こうしてハイエルフ達は怒りを治め、ストラールを解放したのです。


大筋は原作と同じです。

しかし比べてみると細かい部分が大分違う。


例えばストラールとの接触が原作では

・ハイエルフの集落→襲撃現場に急行しストラール確保

だったのに対してドラマ版では

・集落に行く途中でストラール確保→ハイエルフの集落

いずれもストラールを確保するその現場でエスタスと再会しました。


他にもディードとパーン、ディードとストラールのエピソードが増えてます。

パーンが珍しくおどけた感じでディードとイチャついたり(笑)

またドラマ版ではディードは何度かストラールを説得しようとします。

しかし1度目は縛られていた彼を逃がす事に繋がり、

逃げた彼と接触した2度目ではストラールの言葉責めで大きく心を揺らされます。


パーンといる時間よりも、彼を失ってからの時間の方が遥かに長い。

そんな事を吹き込まれたディードは大きく取り乱すんです。

人間とエルフの共存を望むディードですが、その実はパーンと一緒にいたいから。

しかし人間とエルフの時間はあまりにも違う。それもまたこの話のテーマの一つです。

大切な人を失って孤独に生きる、それはストラールが味わった苦しみにも通じる。

だからディードはストラールに同情的だったんですね。


そのディードを救ったのもまたパーンでした。

ここはカセットブック屈指の名シーン。このパーンの話し方が本当に優しい。

人は死んで亡くなる事はあっても、消えて無くなる事はない

人は生き急ぎ、過ちを犯す。そして死んでいく……。

しかしそれでは終わらず、次世代へ伝えていくものがある。

個としてではなく種として生きる。ディードはそれを見守る事ができる。

そしてそれを見守る事はパーンを見守る事にも繋がるのです。

この辺は魔神戦争の時の大ニースの言葉にも通じますね。


あとパーンとエスタスの会話も結構好きですね。

最初会った時と比べると明らかにパーンが成長してる。

一応最初の時から10年程度は時が流れてますからね。

僅か10年で対等に会話ができるなんて、これもまた人の成長。


そして同じようにディードも成長している。

本来もっとゆっくり成長する筈のハイエルフなのに、

エスタスから見てもずっと早く成長してる。

それが良いのか悪いのかは何ともいえませんが、

少なくともディード自身はそれを受け入れてる。


そしてフェニックスを使う直前です。

原作ではストラールは縛られているのですが、

ドラマ版では彼はアンデッドを引き連れて襲撃してきます。

ここでのディードとパーンの言葉がストラールの心を打ち、彼は投降します。


「どんなに足掻いても、あんた達が生きた時代は戻ってこないんだ。
 こうしてる間にも、動き出したあんたの時間は流れていってしまうんだぞ。
 取り返そうとしても、取り返せないんだ。それはエルフも人間も同じだ」
「確かに時の流れ方はエルフと人間は違うかもしれない。
 でも流れていってしまったものは取り返す事ができないの。
 どんなに時を止めたいと思っても、それは叶わない。エルフも人間も」
「解けた呪縛よりも、強烈な呪縛を自分で自分に科している
 その呪縛が融けない限り、お前の時は止まったまま。
 今はない帰らずの森から出る事はないんじゃないか」

これら一連の流れを加味すると、小説版よりもこっちの方が好きかも。

言葉でストラールに抵抗を止めさせてるのが、彼を打ちのめした証拠だから。


そしてフェニックスの召喚ですが、この鳴き声って一体何処から録ったんだろう。

なんというか、鳥というか牛っぽい。


EDのあたりは原作とほぼ同じ。

細く長いエルフの生と、太く短い人間の生は違う。

死に向かって生きる人間から時を奪う事は残酷な事だし、

森と共に生きるエルフから森を奪う事もまた残酷。

その酷さは互いに理解できていないけど、いずれは理解する必要がある。


ただしエスタスとの再会シーンはありません。

ありませんが、それを思わせる描写はありました。

どうやらドラマ版でも森を再び閉ざす事はなかったようです。

ハイエルフは本当に賢明な種族です。

あんな事がありながら、なお相手を理解しようとしたのだから。

理解できない相手を理解しようとする、それはとても難しい。


そして最後の最後にこんな言葉で締めくくられてます。

ディード「この森を開いたのは間違いなくあなただった。
      そして開いてくれたのは森だけじゃない。
      私達エルフの心も、パーン、あなたが……」

原作でもこの話を最後にハイエルフの森は出てきません。

でも2人は森に程近い小屋に住んでるそうなので、エスタスとも親交があるのかもしれません。


ロードスのハイエルフはドワーフほどは人と親しくないかもしれない。

でもこうして少しずつ、少しずつ、互いを知っていく。

ハイエルフはその無限の寿命で、人間は延々と続く世代交代で。

それぞれの持つ不死性によって、最後には理解し合えるかもしれない。

そしてその時その場には、きっとディードやエスタスの姿もあると信じたい。




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