「RPGリプレイ ロードス島伝説U 魔神召喚」 原案:水野良 著:高山浩とグループSNE 出版社:角川書店

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★はじめに

このリプレイは伝説リプレイ「魔神襲来」の続編にあたり、既に魔神の出現が公になっている時期のものです。

前作同様小説とはパラレルワールドですが、冒険の舞台がアラニアなので人々の危機感はそれ程でもない点は小説と同じです。


小説では魔神の存在を知る人は様々な反応をしました。無意味に恐れる者、軽視する者、逆に利用してやろうという者、様々です。

その中で罪を犯す者もいました。その筆頭は勿論「魔神戦争」そのものを起したスカードの太守ブルークと言えるでしょうね。

今回の事件はある意味それと同種です。人の心の暗愚がその事件を起こし、もう1つの「魔神戦争」が勃発しそうになるのです。

しかし過ちを犯すのが人間なら、それを正すのもまた人間。南では防ぐ事のできなかった悲劇を、この北の国では防ぐ事ができるのか?


★ルールの確認

前作の冒頭でも確認しましたが、今回のリプレイでは「ロードス島RPG」のベーシックルールを採用しました。

これは「ロードス島コンパニオン」のルールを全面的に見直し、多くを改善した上に新たな要素を加えた魅力的なものです。


その全てを書く事はできませんが、極めて基本的な事だけは確認しておきましょう。


まず「ロードス島RPG」も「コンパニオン」と同じくクラスシステムであり、判定の仕方もD100による絶対的なものです。

「魔神襲来」を見てもらえば分かりますが、PCは能力値を元にして技能を算出し、その技能を元に判定を行います。

今回はその能力値と技能の種類が大幅に変わりました。特に技能の方は4種類しかなかったものを細分化し、よりPCの個性が出ます。


この能力値と技能は以下の通りになりました。

能力値

能力値 内容
筋力 武器戦闘のダメージに影響
耐久度 打たれ強さに影響
敏捷度 運動能力に影響
器用度 道具を使う能力に影響
知力 魔法や知識に影響
幸運度 様々な不確定要素に影響
魅力度 人当たりや交渉に影響

技能

技能 内容
戦闘技能 戦闘関係の判定に使用
知覚技能 感覚関係の判定に使用
操作技能 道具を扱う判定に使用
運動技能 移動関係の判定に使用
教養技能 知識関係の判定に使用
交渉技能 交渉関係の判定に使用
抵抗力 病気や魔法の抵抗に使用




しかし実際の判定では技能だけを使うとは限りません。それこそが新要素特技です。


特技とは文字通りそのPCが得意とする技能であり、これを習得すると判定にボーナスを加算できます。

特技は驚くほどの種類がありますが、いずれも何らかの技能に所属し、加算されるボーナスはレベル×5%となっています。

例えば《戦闘技能》50のPCがその技能に属する《剣》という特技を3レベルで習得すると、剣のみ65で判定できます。

またその特技を取得しなければ実行できないアクションもある。例えば《剣》を伸ばさないと攻撃回数が増えなかったりする。

逆に特技を取得しなくても元になる技能によって判定する事もできます。勿論特技を取得した方が成功確率は上がりますがね。


特技は成長時に貰える特技ポイントを使用して取得・成長させ、最大5レベルにまで伸ばす事ができます。

面白い事に特技毎にその特技を取得・成長させるのに必要な訓練期間や授業料が設定されていて、教師を見つける必要もある。

実はその更に上の境地も存在するのですが、それは「エキスパートルール」で追加される上級職という新要素と関係しています。


ここで注目すべきは、この特技というものはクラスシステムというより、スキルシステムの要素だという点です。

基本クラスシステムのルールの中にあって、各プレイヤーの采配とセンスしだいでPCに個性を出す事ができるのです。

エキスパートルールも考慮すると、本当に驚くほど多様なPCを作れます。TVゲームのRPGなんかにも見られる手法ですね。


ただし各特技毎に取得・成長に必要な条件があるし、奨励/禁止されるクラスがありますし、習得必須のクラスまであります。

中には特定クラスでないと使えない特殊な特技なんかもあって、ルール全体を考慮しないと思うようにPCを育てる事はできませんね。

それは面倒な事かもしれませんが、考えようによっては楽しい事でもある。それが良くも悪くもスキルシステムの特徴と言えますね。




余談ですが、私の目的は私に見える世界を皆に見せる事です。しかし世界はあまりに広大だという事を改めて思い知らされました。

TRPGの面から見たルールやデータ、小説の面から見た展開や設定。それは世界を見せる上ではどうしても必要な事です。

書き手と読み手で情報が非対称だと思い通りに伝える事はできませんからね。では何処のレベルまで情報を対称にしていいものなのか?


私はSWのレビューを書く上ではある程度読者がSWを知っている事を前提にしてきました。少なくとも上記のような基本事項は。

しかしロードスのリプレイを書くとなると、私自身このルールから遠ざかっていた事もあり、正直忘れていた事も沢山ありました。

そこでこうして各ルールの基本を確認しながら書き進めています。でもやっぱりその全てを書く事はできません、労力的にも仁義的にも。

ルールブックの丸写しは問題外だし、本編の全編引用も問題外です。できれば読み手で予習をして欲しいけど、同時に私の方で記したいとも思う。


そこで適宜引用しながら話を進めていますが、このジレンマはレビューを書く限り解消されないのかもしれませんね。


エピソード1 魔法戦士誕生

★魔法戦士ルーセント誕生

第一部の事件から数週間が経過し、ロードス中にモスの地で魔神出現の噂が広まっていました。

しかし未だちょっと強いモンスターが現れたという程度の認識で、強い危機感を感じるまでには至っていません。

特に今回の冒険の舞台であるアラニアはモスから最も離れた土地の一つであるだけに、その傾向は顕著なものでした。


アラニアはロードスで最も古い国であり、賢者の学院がある事からも分かるように学問を重んじる由緒正しいお国柄です。

その文化を如実に現しているのが魔法戦士団の存在です。彼らは騎士であり、同時に初歩的な古代語魔法まで操れるのです。

伝統と学問の国柄が生み出す剣と魔法の融和、それはアレクラスト大陸のラムリアースにも言える特徴と言えるでしょう。


アラニアの魔法戦士団は正式には銀蹄騎士団といい、国王直属で魔法の発動体には指輪を用いる事になっています。

その設定はコンパニオン3やロードス島ワールドガイドに詳しく載っています(コンパニオンでは銀蹄の騎士/騎手とも)。

勿論今回採用されている「ロードス島RPG」にもその設定が載っていますが、実はこれはエキスパートルールになります。

所謂上級職の一種ですが、どの設定でも基本的に彼らは低級の魔法しか使えず、魔法を使う代償に軽装(革鎧)になります。


「ロードス島RPG」の例を挙げますと、彼らは1〜3レベルの古代語魔法を一種類ずつしか使えなかったりします。

しかし4〜7レベルになると魔法戦士魔法という、魔法戦士ならではの極めて実戦的な特殊な魔法が使えるのです!

具体的には即席で半透明の剣を生み出す"インスタント・ソード"や、魔法を跳ね返す"ソード・オブ・リフレクト"等です。

これはなかなか面白いので、SWでもデータをイジって使えたらいいですね。特にリウイみたいな魔法戦士にはうってつけです。




今回の主役である騎士ルーセントもまた、その魔法戦士なのです。ただしまだ駆け出しですけどね。


ルーセント 20歳 クラス:魔法戦士

アラニアでも屈指の魔術師の家系に生まれ、家族は皆魔術師という家柄です。でも賢者の学院では落第を繰り返して退学(笑)

その後騎士として更生し、とうとう一人前の魔法戦士に任命されました。得意とする魔法はどちらかといえば補助的なものらしい。


その日、彼の自宅には彼の上司となる騎士マクマソン卿が訪れました。ルーセントが一人前になる為の最後のテストの為にね。

ルーセントを鍛えてくれた恩人なので、父親は深く感謝し、母親は竜牙兵を召喚してお茶を淹れさせて応対しました。

ちなみにロードス島RPGにおける竜牙兵は5レベルにならないと召喚できない。流石は魔術師一家、竜牙兵をお茶くみに使うとは。


その後ルーセントはマクマソン卿に連れられて賢者の学院に顔を出し、魔法戦士になる前に魔法を習う事になります。

具体的には1レベルの古代語魔法のどれか一つになりますね。ていうか学院に通っていた頃には何も魔法を覚えず終いだったのか(苦笑)

担当者は召喚魔術の権威グラディカル導師。温厚な性格で生徒に人気があり、勿論魔術師としての実力も超一流という人物です。

通された彼の部屋には新種のゴーレムが置いてあって、胴体は肉で腕が金属というものでした。差し詰めハイブリッド・ゴーレムです。


余談ですが、ゴーレムの製作はどちらかというと付与魔術の分野です。つまり魔法のアイテムなんかを作り出す系統ですね。

これはストーン・サーバント等のパペットゴーレムも同様で、ややこしい事にキメラやホムンクルスのような魔法生物では創成魔術です。

両者とも広い意味で魔法生物と言われますが、純粋に魔力で動くものは付与魔術、生命の原理を利用したものは創成魔術のようです。


召喚魔術は文字通り空間を超越して生物を召喚・送還するものです。異界の探索を行う事もあり、その代表的なものは……魔神です。

カストゥール最高の召喚魔術師アズナディールが彼らの召喚と使役に成功し、労働者・技術者・兵隊として王国の一時代を築いたのです。

その後封印された彼らの一部が解放され、「魔神戦争」が勃発した訳ですね。遺失ですが、魔神を召喚する呪文だってちゃんとあるんですよ。


★ターバを旅立つデコボココンビ

その頃アランの北にあるドワーフ族の大集落鉄の王国では、マルムスというドワーフが族長に呼び出されていました。


マルムス 42歳 クラス:盗賊

ドワーフなのに盗賊というだけでも珍しいのですが、その上に道オタクのドワーフです。自称"全ての道を知るドワーフ"

その特徴を裏付けるように特技として《地図作成》を取得していて、地理的な《教養技能》判定全般には強いし煩い。

パーティーではある意味ルーセントよりもリーダー的な存在。ちなみに祖父は大マルムス、父は中マルムスで、彼は小マルムス。


北の鉄の王国南の石の王国と対を成す、ロードスにおけるドワーフの二大集落の一つ。しかし既に魔神軍により石の王国は滅亡

その石の王国の王である"鉄の王"フレーベはこの鉄の王国に保護されていて、既に人間よりも魔神に対して危機感を抱いています。

というのもロードスの地下にはドワーフの大隧道というトンネルが網の目のように存在し、大抵の場所にその出口があるのです。

当然両王国はこの大隧道とも繋がっているので、魔神どもは地下に広がるもう一つのロードスを征服したと言っても過言ではないのです。


そこでマルムスの出番なのです。道オタク、というか地図オタクの彼に大隧道の地図作成魔神の動向調査が命じられたのです。

ちなみにこのアラニアでは首都アラン帰らずの森近く風と炎の砂漠近くという3ヶ所にその出口があるそうです。

ただし折角の《地図作成》判定も失敗に終わり、アランの出口は直接現地に行って測量しないと分かりそうにないというのがいきなり痛い(笑)




しかし彼だけではあまりにも危険なので、ターバのマーファ大神殿で神官戦士リスターが旅の仲間となります。


リスター 22歳 クラス:司祭(マーファ)

マーファの神官でありながら乱暴者で神殿から出して貰えない危ない神官。マーファの慈愛を力ずくでも広める正義と真実の司祭(宗派何!)。

でも一応特技として《応急手当》や《病気治療》を取得していたりする。武器はフレイルで、それとは別にもう1つ特殊なフレイルを持つ。


彼がマルムスに同行するのには理由があります。それはマーファの神託により、彼を同行させるようにという啓示を与えられたからです。

ただし直接神託を受けたのは神殿の高司祭です。彼に直接呼びかけなかった点、彼がまだ修行中の身である事を意味しているのでしょうか。

そして神託には神殿に安置されていた特殊なフレイルを持たすようにともありました。これこそが今後彼が持ち歩くもう1つのフレイルです。

この古めかしいフレイルは年代物なのに何処も痛んだ様子のない新品同様のもの。ただし鎖が絡まって使えない。ではその使い道とは……。


結局フレイルの事はこの場は忘れて、道オタクのドワーフと乱暴者のマーファの神官という凸凹コンビはアランへと旅立ちました。


★すべての道はアランへ通ずる

アランに到着したマルムスの測量(《地図作成》判定)により、アランの出口は賢者の学院にある事が分かりました。

そこで2人は学院を訪問してこの事を警告しようとします。どう見ても怪しい連中ですが、《交渉技能》に成功したので通して貰えました。

ちなみに相手に好感を覚えさせるのに役立つ《礼儀作法》という特技もあります。主に騎士や司祭が得意としますが、リスターでは……(苦笑)


現在の学院では導師の殆どが留守にしているというので、グラディカル導師の手が空くまで待たせて貰う事になりました。

2人が通して貰ったのは待合室です。ここで彼らは4人目の仲間となる鏡の森のエルフ、ウィニフレッドと知り合いました。


ウィニフレッド 外見年齢20歳 クラス:精霊使い

鏡の森のエルフであり、故郷では第一部にも登場したティエルの知り合い。突然姿を消した彼を探してアランにまでやってきたツンケンエルフ。

同盟精霊は大地、敵対精霊は水です。取得している呪文は"スネアー"、"ウィル・オー・ウィスプ"、"ファイア・ボルト"の3つです。


こうして3人のPCが待合室に集まったところで、最後のメンバーである魔術師のフェリオの出番となります。


フェリオ 17歳 クラス:魔術師

元はルーセントの家のメイド見習いでしたが、ドジっ子の天然ボケな性格の為に上手くいかなかった今時の女学生って感じの女の子。

その後学院に入学したルーセントのお供で一緒に学院に通い、才能はあったので現在も特待生としてグラディカル導師に師事しています。

取得している古代語魔法は"エネルギーボルト"と"シールド"、共通語魔法は"ライト"と"ボディープロテクション"の4つになります。


導師がルーセントやマクマソン卿と会っている時、彼女は導師のお手伝いで召喚用の宝石を宝物庫に取りにいきました。

この時謎の《知覚技能》による判定を行い、宝石を導師の机の上に置いた後、待合室の3人にお茶を出しに行きました。

これで待合室にPC4名が集まり、ルーセントは特別室で導師やマクマソン卿から呪文を覚えるテストを受けている状況です。

出自も目的もバラバラのPCを個別に誘導し、同じ場所に集めつつマスタリングも進める……。なかなか鮮やかな導入でした。




ここで魔法について補足しておきましょう。「ロードス島RPG」の魔法の取得の仕方はSWとは大きく異なるのです。


実は「ロードス島RPG」における古代語魔法と精霊魔法は、レベルが上がっても自動的には呪文を取得できない仕様になっています。

これも特技と同じく特技ポイントで買う事で初めて取得できるのです。しかも古代語魔法の場合は特技と同じく教師と授業料がかかるのです。

精霊魔法はノーコストで取得できて、同盟精霊の魔法は自動で取得し、中立の精霊はポイントがかかり、敵対精霊は余分にポイントが嵩む仕様。

そして神聖/暗黒魔法はSWと同じく自動的に取得していきます。これでSWと同じく、各種魔法の取得のし易さを差別化しているのですね。


精霊魔法について更に補足しますと、「ロードス島RPG」における精霊魔法には同盟精霊敵対精霊という概念があります。

これは地・水・風・火・光・闇・精神の中から1つずつ選ばなければならず、前者の呪文は取得し易く、後者はし難くなります。

また初期に取得できる呪文ですが、精霊魔法の場合は同盟精霊の1レベル魔法全てと、中立の精霊の魔法を2つです。

だからウィニフレッドの場合は大地の精霊魔法"スネアー"を自動取得し、光の精霊魔法と炎の精霊魔法を1つずつ取得している訳です。


古代語魔法ですが、実は魔術師の取得する魔法は古代語魔法共通語魔法に大別され、SWでお馴染みの魔法も一部共通語魔法に分類されます。

ここで言う共通語魔法とは基本的には古代語魔法と同じですが、共通語で発動できる簡単なもので、呪文レベルも3までしかありません。

アレクラスト大陸ではマナ・ライが同じく共通語魔法(コモン・ルーン)を発明していますが、こちらはアイテムを媒介にする別種のものです。

取得の仕方は古代語魔法も共通語魔法も同じです。古代語魔法は魔術師(と魔法戦士)のみが使え、共通語魔法は魔術師と騎士のみがを使えます。

また魔術師が初期に取得できる呪文は、古代語魔法2つと共通語魔法2つです。騎士は冒険が始まってからでないと共通語魔法を覚えられません。


★ここはどこ?魔法はどれ?

ここからはルーセントのテストになります。テストと言ってもどの呪文が相応しいかという適性テストなのですがね。

1レベルの古代語魔法は6種類ありまして、この中から1つを取得するのです。普通はPCが選びますが、ここではテストで決めるのです。


特別室で導師やマクマソン卿と迎え合わせで着席したルーセントは意識を失い、気づいた時には五角形の部屋にいました。

五辺の内四辺には扉があって、それぞれの扉は騎士団長の部屋・武器の部屋・防具の部屋・書物の部屋へと繋がっています

各部屋を渡り歩くと最後の一辺に扉が出現し、中には言い争いをする2人のアラニア騎士がいます。彼らは今にも殺し合いそうな様子です。

その時頭の中でマクマソン卿の声で「対処せよ」と響き、4つの部屋の内1つを選んでこの喧嘩を仲裁する事になるという段取りです。


要は危機的状況で何を選ぶかで呪文の適正を決める訳です。多分これは以下のようになっていた筈です。

騎士団長の部屋:"スリープ・クラウド"

武器の部屋   :"エネルギー・ボルト"

防具の部屋   :"シールド"?

書物の部屋   :"センスマジック"?

作中で明らかになるのは上2つのみ。シールドは多分正解でしょうが、書物は調べものというワンフックでの推測です。

ただし残り2つの呪文は"ダークネス"と"カメレオン"です。これだと書物にも防具にも結び付け難いので、消去法で正解でしょう。


ルーセントはここで傷つけないように騎士団長を呼んで仲裁を頼んだので、"スリープ・クラウド"を取得できるようになりました。

ルール上自動的に覚える事はできないのですが、魔術師に教わればすぐに取得できます。これはゲーム的にもなかなか面白い趣向でしたね。


★賢者殺人事件

試験を終えたルーセントはフェリオにお茶を出してもらい、ほっと一息ついていました。

ところが血相を変えた様子の導師が飛び込んできて、宝石が盗まれたと言い出し、この階層を魔法の鍵で閉鎖するよう指示を出しました。

ルーセントとフェリオは客(他のPC3人)の事情聴取を行いました。まぁPCの視点では彼らも十分容疑者になりますからね。


ところが自室を調べていた導師の悲鳴が聞こえてきます。

グラディカル「何をする、マクマソ〜ン。ギャ〜

現場に駆けつけてみると、そこにはゴーレムの腕で頭蓋骨を潰された導師の死体と、茫然自失のマクマソン卿の姿がありました。

しかもマクマソン卿の懐には中身の減った宝石の箱が発見されました。……状況証拠では彼が黒ですが、推理モノならむしろ白ですね(苦笑)

ちなみにここで宝石の数が減っている事に気づいたのはフェリオでした。先程やった謎の《知覚技能》判定がこの時の為のものだったんですね。


ウィニフレッド「"リザレクション"があったんじゃなかったっけ?被害者に聞けば、犯人も分かるんじゃない?」←それを言っちゃ…

リスター「う〜ん、これだけ見事に頭を潰されちゃなぁ〜。失敗すると思うぜ」

魔法の存在が普通の推理モノのセオリーを曲げる。デュダでも挙げられた問題ですね。

そこでこのように蘇生不可能とかの処置を取る事で防止するのです。まぁSWルールなら死後間もないなら高確率で蘇生できるんですがね。


しかしのんびり推理してはいられない。突如例のハイブリッド・ゴーレムが動き出し、一同に攻撃を加えてきたのです。

PCの視点からすると誰が味方で誰が敵なのかすら分からない状況です。果たして真の犯人は誰なのか、そしてトリックは?


エピソード2 地の底にひそむ者

突如動き出したハイブリッド・ゴーレムを目の当たりにし、一同は推理を後回しにして協力して戦闘を始めました。

ゴーレムは片腕のくせに2回攻撃とかしてくる強敵です。今回はマクマソン卿もいたので割りと楽に倒せましたけどね。


マクマソン卿は戦闘中に5レベルの魔法戦士魔法を使っていたので、最低9レベルの魔法戦士ですね。流石は現ロードス最強の魔法戦士。

その魔法とは幻の刃で敵を切り刻む"ブレード・ダンス"です。ダメージ的には"エネルギー・ボルト"と"ライトニング"の間ぐらいです。


他にもう1つのエピソードがありました。リスターが授かった例のフレイルが熱を帯び、使えるようになったのです!

GM「絡まっていた鎖が解けて武器として使えるようになっている」

リスター「おお!」

ルーセント「ライオン丸の剣みたいだ」←古

ちなみに武器としては魔力+1のフレイルです。また「ロードス島RPG」の魔法の装備はコンパニオンとはデータが若干違っています。

魔力が+1される毎に数値が+1、パーセンテージが+5%です。値段は+1で50倍、+2で200倍、+3で1000倍にはなる。


最後はこのマーファのフレイルでリスターがトドメを刺しました。ちなみにルーセントは少しだけゴーレムを削っただけでした。

余談ですがフレイルとは元々農耕器具から発展した武器というのは有名な話?です。マーファの信徒にはなかなかお似合いの武器ですね。


★名探偵が多すぎる〜犯人の目的を推理せよ

ゴーレムを倒したのはいいものの、ラルカス学長をはじめとする導師達は出払っているので、殺人事件はなかなか解決しませんでした。

マクマソン卿は別室に軟禁され、マルムス達にも監視がつきました。監視役はフェリオの兄弟子でもあるシーフォン、ビン底眼鏡の青年です。


しかしこの時には既にマルムスは犯人は魔神ではないかという仮説を立てていました。例のトンネルを抜けて侵入したのではないかと。

マルムス「これは魔法戦士団と魔術師の関係を悪化せしめ、その期に乗じてアラニアへ攻め込もうという魔神の陰謀に違いない」

確かに魔神のやりそうな手ではありますね。特にあの黒羽のガラドとか、こういう戦略を好みそうです。

ちなみに魔法戦士魔法には魔法で変身した相手の正体を刀身に映す"ミラーソード"という魔法があり、これなら魔神の変身も見破れるかも。


問題はこの事件がただの殺人ではなく、事実上の密室殺人だという事です。この階層は魔法の鍵で隔離されていたのだし。

フェリオ「あっ、あたしミステリー大好き!探偵やりま〜す」

マルムス「ここは冷静沈着なドワーフ探偵に任せるのじゃ」

ドワーフな盗賊というだけでも珍しいのに、ドワーフな探偵なんて……。いや、両方とも他にいたか(笑)


彼らは現場を丹念に捜査し、《知覚技能》と《教養技能》の平均による特殊な判定で検死まで行いました。

結果被害者は仰向けに倒れている時にゴーレムの腕で頭を潰された上に、その時には既に死亡していた事が判明したのです。

真の死因は針のような凶器によって心臓を一突きにされて即死。心臓が止まった事で大出血もしなかった(らしい)事が判明します。

そういう殺し方をした目的は顔を判別できないようにする為の偽装工作であり、また彼らをここに足止めする為の時間稼ぎでした。


更に更に、《教養技能》による判定で思い出した導師の腕の火傷がこの死体にはない。つまり導師は生きているのです、ていうか真犯人

なかなかの名推理でしたが、時間をかけ過ぎました。その時学院の地下から轟音が聞こえて建物が振動。一同は現場へと急行しました。


★追跡

地下室に行ってみると、床板の一部がはずれ、地下のトンネルと縄梯子が顕になっていました。ただしドワーフの大隧道ではないらしい。

どうやらここで起きた大爆発によって床板がずれたようです。通路には千切れた魔神の腕が転がっていて、フェリオが踏んづけて悲鳴を上げました。

素直に考えるなら導師が魔神に"ファイアボール"を炸裂させたのでしょうが、一体彼が何をしようとしているのかますます分からなくなりましたね。


トンネルはアランの地下に広がる下水道へと繋がり、一行は"ライト"やウィスプの光を頼りに導師のものと思われる足跡を追跡しました。

ここで使用した特技は《足跡追跡》。《知覚技能》に属するもので、SWと同じく主に盗賊が使用します。奨励というだけで専用ではありませんが。


更に下水道の先で導師ともう1人の男の密談が行われていたので、同じく《知覚技能》に属する盗賊奨励の特技《聞き耳》によって盗み聞きします。

面白い事にここでは7回の判定をして、7つに分割した文章の成功した箇所の言葉のみ拾えるという判定を行います。これは重要な判定ですよ。

「○○、ようだ。だから、○○」

今回は4つ目と5つ目に成功したので以上のように拾えました。ていうか固有名詞とか全部零していて訳が分かりません(笑)


仕方ないので接近して姿を確かめたのですが、なんと導師と会話していたのはウィニフレッドが探していたあのティエルだったのです!


エピソード3 アラン脱出

生きていた導師と行方不明だったテイエルの密談を目撃した一行は、改めて自分達の方針を確認しました。

マルムス「ふん、われわれの目的は何かね?」

ルーセント「それは魔神をアランから追い出すことでしょう」

フェリオ「えっ、お師匠さまの疑いを晴らすことじゃないの?」

ウィニフレッド「わたしにはティエルを連れ戻すってことが本来の目的だわ」

そしてマルムスとリスターは魔神と大隧道の出口の調査です。……全員バラバラじゃないですか(笑)

とはいえこの2人を押さえればそのいずれも達成し得るのです。こうして作戦が決まりました、突っ込む


導師とティエルは特に驚いた様子もなく彼らを向かえ、できる限りの質問に答えてくれました。

フェリオ「お師匠様は悪い人なの?」

ルーセント「なぜ、マクマソン団長をおとしいれたんだ?」←実は団長でした

グラディカル「マクマソン卿には恨みはないが、魔法戦士団は存在してはならんのだ

導師曰く、魔法戦士団には「葬り去られた暗い過去がある」そうで、それが彼の動機でもあるようです。


続いてすっかりリーダーに収まったマルムスが質問します。

マルムス「これからどうするつもりなんだ」

グラディカル「そうだな、この街は魔神の手に落ちるだろうし、この街での目的は達したから立ち去ることにしよう」

ルーセント「もしかして、魔神を手引きしてたのか?」

グラディカル「ふん、利害が一致する間は協力するのも仕方のないことだろう」

リスター「つ〜ことは協力してるんだな、この野郎!」

それじゃあ何故魔神を爆殺してるのかが分からなくなりますね。


あと召喚魔術の専門家である導師の口から、魔神達の来歴も語られます。エピソード1でも簡略に触れた事ですね。。

この辺はもう通過儀礼のようなものです。小説でもとっくに明らかな事でしたが、PCとしては聞いておく必要がありました。

ここで使用できる特技は《教養技能》に属する《歴史》です。文字通り歴史関係の判定に使用し、魔術師やラーダの司祭に奨励。


これで魔神に関する最低限の知識は得た訳ですが、問題はそれを知った上でどうするか。特に導師は何が目的なのか。

グラディカル「そこの魔法戦士。魔法戦士団に伝わる宝剣コンクァラーを持ってビドーへ来い。
        そうすれば、マクマソンの汚名を晴らしてやるし、わしの目的も教えてやろう」

コンクァラーといえばマーモの王城と同じ名前ですね。何か関係が……あると思いきや実は全く関係ない。偶然です。

ビドーとはアラニア北西部のノービスの街に近く、大理石の産出地として有名です。これは何故かウィニフレッドが知ってました(笑)

しかし鏡の森のエルフがアラニアの地理に詳しいとは、地元人も知らないのに。単純に《教養技能》でいい目を出しただけなんですけどね。


そして最後にウィニフレッドがティエルに話しかけました。読者にはもう予想がついていますがね……。

ティエル(ブレスト)「わしはブレストディベア。古代王国より生き延びた付与魔術師だ。
            この身体は、彼との契約により、わしがもらい受けた。
            あいつは、鏡の森に向かった魔神と戦うために、わしの力を借りすぎたのだ

ああ、やっぱりそうか。あれから数週間しか経ってないのに、彼はそんな自己犠牲を……。

今のティエルはカーラに身体を乗っ取られたレイリアさんのような状態なのです。生きてはいるが、存在していない

更にブレストとして力を振るえる以上、今の彼は13レベル魔術師と考えていい。メテオだって自由に落とせるでしょうね。


2人は目的の一途とやらで一緒に行動しているのです。そこまで話した時点でブレストの"テレポート"で2人は消えてしまいます。

またこのルールだと移動場所毎に成功確率が決まっていて、失敗すると上下にずれる。地中に出てしまった場合消滅してしまう(笑)

その時同時に導師は例の召喚用の宝石(紫水晶)により、体長1mのカブトムシを召喚。ただし目があるべき場所から触覚が生えてる。

エキスパートルールでは召喚魔術師専用の特技なんかもありますが、こういう呪文はない。多分遺失扱いで自作しないといけないのでしょう。


このカブトがなかなかの強敵で、ルーセントは殺されかかりました。何しろ装甲が厚い上に攻撃力も結構なもので、一撃で瀕死ですからね。

それ以前にこっちの攻撃の出目が酷くて当たりやしない。変な磁場でも放ってるんじゃないかと言うほど自動的失敗の嵐です。

ちなみにこのゲームでは技能の値がいくつであろうとも、D100の目が10以下で自動的成功90以上で自動的失敗になります。

また技能の数値の1/10以下の値で成功すると大成功となります。攻撃時にこれが出ればクリティカルとなり、装甲を無視できるのですね。


結局ウィニフレッドの"ファイア・ボルト"を受け、カブトはキチン質の匂いを上げて倒されたのでした。


後に残されたのは召喚用の紫水晶のみ。導師はマクマソン卿とルーセントがトランス状態の時に宝石を卿の懐に入れていたのですね。

マルムス「では、これはわしが預かるということで……」

フェリオ「ダメッ!それは賢者の学院の物なの!」

マルムス「値段の鑑定だけでも、させてくれんか?」

フェリオ「ダメッたら、ダメッ!」

紫水晶が結構大き目で高価なものだからなのか、それともドワーフ特有の鉱物の好奇心からか。いずれにしろ預けたら返ってこなそう(笑)


★殺戮の夜

一行が地上に戻ってみると、アランの街では魔神軍団による殺戮が行われていました。どうやらその夜13件の殺人事件が起きたんだとか。

魔神達の手に落ちるとか言ってたから、てっきり軍隊で攻めてくるかと思ってましたが、連続猟奇殺人事件ですか。いやそれでも惨劇なのですが。


一行はその内一件の現場に出くわしました。4体の魔神が人間を貪り食っているという、非常にスプラッタな現場です。

実際に食っていたのは内1体のみで、そいつは人間に変身して逃げました。鏡像魔神、リプレイ風に言うならカラスの一族だったんですね。

他3体は倒すとドロリと溶けたので魔神兵(スポーン)だったのでしょう。ハッキリ言って雑魚ですが、1レベル相手なら適当な相手です。


なおこの時夜空に飛び立つ魔神を識別するのには、《知覚技能》の特技《暗視》《視覚》といった特技を使えました。

前者はドワーフが初期から取得するもので、2レベル以上になればSWと同じく暗闇も自由に見通せますが、異種族は1レベルまでです。

後者はドワーフ以外が取得できて、特に盗賊に奨励されます。ただし小さい物や遠くの物を見るもので、本来暗所では《暗視》無しに使用不可。


あとさっきからルーセントの装甲の薄さが目立ちますね。革鎧しか着てないから、ちょっと殴られただけですぐに血達磨になっています。

お陰で出目のいいリスターの方が彼よりも遥かに戦果を上げていますしね。本来騎士や戦士は盗賊や神官戦士に戦闘力では優越すべきなのですが。

魔法を使う為には仕方ないのですが、今は"スリープ・クラウド"しか使えないんだし、いっそ魔法を捨てて金属鎧を着るのも手ですね。

猫の手のウィンドなんて魔法は隠し芸と割り切り、普段は金属鎧で必要な時のみ鎧を脱いでいました。戦闘中にはほとんど魔法は使わない(笑)




それから一行は学院に戻り、フェリオがラルカス学長に事情を話します。「戦記」では亡くなっていた彼ですが、この時代は健在なのです。

ラルカス学長といえば、あのバグナードの師匠であり、ウォートと同格と言われる天才魔術師。SW風に言うなら確実に超英雄で11レベルです。

アレクラスト大陸の"至高の魔術師"マナ・ライ、ロードスの"荒野の賢者"ウォート、そして彼ラルカスが現代における世界最高の魔術師でしょう。

アラニアを舞台にすれば当然彼が出てきますからね。これから魔神どもと戦う以上、彼がバックにつくというだけでこの上なく心強いでしょう。


学長はフェリオの説明で全てを理解してくれました。しかし援助しようにも問題がある。

ラルカス「魔法を戦いに使ってはならないという当学院としては表立った協力はできない」

それを破ったが為にバグナードは魔法を封じられましたね。学長という立場上、彼にもそれは曲げられない。


ただし表立たなければいいのです。

ラルカス「例えば、放校となった元学生が、あなたについて行くとか……」

フェリオ「えっ、それって、あたしのこと!?退学させられちゃうの?」

ラルカス「魔法の品物の貸与も禁じられている。だが、勝手に持ち出すこともあろう」

フェリオ「びぇ〜ん。泥棒さんにもされちゃうの?」

ラルカス「責任はわしが取る。この騒動が終わったあかつきには、復学も認めよう。頼まれてくれるな?」

フェリオ「わ、わかりました」

漫画版「ファリスの聖女」でも彼はそうしてウォートに援助したのです。"遠見の水晶球"を何処にしまったか忘れるという不名誉に甘んじて。


こうして賢者の学院の援助を受け、ドワーフとその従者達の魔神達との戦いが始まったのです(いつの間に)。


★宝剣コンクァラー

旅立つ前にルーセントは魔法戦士団の本部に赴き、宝剣コンクァラーをかっぱらってきました。

この時宝剣を探すには《知覚技能》に属する特技《捜索》が使えました。文字通り捜索に使用し、奨励されるのは勿論盗賊です。

これで彼も犯罪者の仲間入りですね。もう後戻りはできないし、この時点で捕まったらただの泥棒。「良い子のみんな、地下牢で僕と握手!」


この時ルーセントは魔法戦士団の人に団長の無実を伝えますが、既に団長は王城へ護送され、団員は謹慎の上に本部も封鎖されてしまいます。

団長の無実が証明されればいいのですが、もしそれが叶わなければ当然団員達の不満は今後どんどん募っていき、いずれ王宮と衝突しかねない。

魔神の脅威を目前にして内乱とかにもなりかねませんね。それは魔神を利するだけだし、導師が魔法戦士団を憎んでいるなら思う壺となってしまう。


出発前にフェリオはいくつかの巻物(スクロール)を授かります。読み上げると本来使用できない魔法を1度だけ使えるアイテムですね。

この時特技の《読み書き》に成功しなければなりません。これは《会話》と並ぶ魔術師の必須特技で、特技無しには実行できないアクションです。

授かった呪文は"フライ"×1"ファイアボール"×3です。前者は閉鎖された街から脱出する為のもので、後者は大隧道の出口を塞ぐ為のものです。

ただしこの"ファイアボール"はちょっと特殊で、時間差で爆発する上にどうみても普通の威力ではない。要はダイナマイトみたいなものですね。


ルーセント「あ〜あ、剣のことはすぐバレるだろうなぁ。帰ってくるのがこわいよ〜」

フェリオ「そんなことでウジウジしてちゃダメ。あたしなんか、中退娘の犯罪者になったんだから」

リスター「女のほうが立ち直りが早いようだな」

こうして夜中にフェリオが空を飛んで仲間達を街の外に連れ出し、5人の冒険が始まったのでした。


エピソード4 悪魔の花嫁(前編)

アランから脱出した一行は導師を追い、ビドーの村を目指します。当面の目的地は最寄の街ノービスですね。

ノービスはアラニア第二の都市であり、伝統的に王族(通常は王弟)が統治し、数百もの直属の騎士を抱えています。

小説での例を挙げると、「魔神戦争」時にはゲイロード公、「英雄戦争」時にはアモスン伯がそれぞれ治めていました。


ちなみに「英雄戦争」時の王弟はラスター公でしたが、妾腹だった彼はノービス公にはなれませんでした。

当時統治していたのは前ノービス公の息子アモスン伯です。ラスターが兄王を暗殺した事で前王派として挙兵した人物ですね。

以後両者の争いは15年も続き、マーモと通じたラスター公が一時勝利を収めるも、アモスンの息子ロベスがアラニア王となります。


ここで挙げられた人物はいずれもアラニアのVIPな訳ですが、好感の持てる人物は一人もいない。現代のアラニアはそういう国なのです。

ラスターの兄だったカドモスZ世は彼らに比べるとマトモそうですが、隣国カノンが征服された時も日和見を決め込んだ腰抜け外交でも有名です。

元々アラニアの建国王カドモスは"亡者の女王"ナニールを封印した正真正銘の勇者でしたが、400年の歳月は腐敗が進むには十分な時間でした。

小説でもアラニアは魔神を相手にロクな対応ができずに民衆をないがしろにし、怒りを買ってましたしね。これは後のザクソン独立運動でも言える。


また前回までの冒険で一行は2レベルになります。残念ながら取得できる魔法のレベルは上がりません。

しかし特技ポイントはそこそこ貰えたので、1レベルの未取得の魔法や何らかの特技を取得・成長させる事はできますね。

コンパニオンルールだと奇数レベルで大きな変化が起きる仕様でしたが、こちらのルールではまた別の楽しみも用意されているのですね。




さてレベルは上がったが脛に傷を持つ身となった一行は、道中で立ち往生している隊商(キャラバン)と遭遇します。

リスター「戦闘準備!

マルムス「襲うにしても、もっと近づかんとな」←それじゃあ本物の犯罪者だ(笑)

フェリオ「襲わないってば!」

隊商のリーダーである砂漠の民風の男によれば、馬車の車輪が窪みに落ちて動けなくなってしまったそうです。


そこで一行は恩を売るべく脱輪を直してあげました。ここで使用した特技は《戦闘技能》に属する《怪力》です。

文字通り力仕事で役立つ特技です。特技がなくとも試す事はできますが、特技があると通常よりも重いものも動かせます。

またこれがあると武器攻撃のダメージも増えたりするので、戦士や騎士に奨励される。ただし一行で取得してるのはマルムスのみ。

ただしこれはドワーフの炭鉱夫出身の彼ならデフォルトで取得しているもの。そういう初期特技が種族・生まれ毎に決められています。


この判定に成功したのはルーセントとフェリオの昔馴染みコンビでした。

フェリオ「あっと、クリティカルで成功!」

リスター「おお、怪力娘!

フェリオ「違うもん。可憐な乙女だもん」←ぷんすか

ていうか一回荷物を降ろしてから直せばいいのにね。


しかし一難去ってまた一難、一行は10匹のゴブリンズの襲撃を受けます。ていうか最初の敵がゴーレムで次がゴブって(苦笑)

ここで使った特技は《知覚技能》に属する《危険感知》です。SWの同名の判定同様に受動的に危険を察知できる地味に重要な特技。

残念ながら発見ではなく感知なので能動的には使えないのですが、これがあれば奇襲にも備えられる。ちなみに盗賊に奨励されます。


ここでも一行は更に恩を売ろうと応戦します。ただし最初は庇わずに、彼らがゴブの攻撃を受けた時を見計らって……。

マルムス「助太刀いたす!」←ドワーフとは思えぬフットワーク

商人「助太刀感謝いたす〜」

まぁ100%善意でなくとも善行は善行ですから。当然2レベルになった一行が1レベルのゴブに負ける筈もなく蹴散らしました。

ここではルーセントが魔法戦士らしく"スリープ・クラウド"でゴブを眠らせ、フェリオが魔法で防御力を上げて薄い鎧を補ってあげました。

レベルの低い内は魔法戦士も大した魔法が使えず、薄い鎧が仇にもなる事がある。だけど仲間の援護があれば補えるという好例ですね。


またも助けられた商人は狙い通りに一行に護衛を願い出てきます。当然報酬も出るし、旅費や食費をゲット(かかった……!)。

リスター「それより傷を治しておこうぜ」←珍しく司祭らしい気遣い

商人「ほう、司祭様までおられたんっすね」

マルムス「マーファの司祭じゃ。見てわからんのか?

商人「わかりませんっす」←きっぱり

リスター「あ、やっぱり」←自分で言うな(笑)

どっちかというとマイリーっぽいしね。


★滅びの村

隊商の護衛となった一行はノービス目指して街道を進みますが、その日宿泊予定だった村で大変な異変が起きていました。

なんと魔神によって皆殺しにされていたのです。老若男女問わず、抵抗したり逃げようとした人も惨たらしく殺されていました。


ここで一行が魔神の仕業だと判断した決め手は死因です。《教養技能》で調べると、鋭い牙や爪に加え、暗黒魔法でも殺されていたのです。

獣の類なら前者だけだし、人間の仕業なら普通前者はない。強靭な肉体と魔力を兼ね備えた魔神という種族だからこその惨状という訳です。

特に前作同様"サモン・インセクト"で穴だらけにされた遺体が目立ちます。最早こういう殺され方をされたら犯人は魔神としか思えない。

まぁ一部には同じ事ができる魔獣もいますけどね。キマイラとか、マンティコアとか。ただ現在の世情を考えると魔神と考えるのは無理もない。


またもう1つ足跡がない事から敵の殆どは有翼の魔神であり、彼らは何かを探していた事も推測されます。

コンパニオン同様「ロードス島RPG」も魔神関係のデータは少なく、大雑把に下位魔神と上位魔神とに分類されています。

SW風に有翼の魔神を挙げるなら、下位に限るならザルバードやラグナカングあたりでしょうか。それ以上だと強過ぎて勝てそうにないし。


あと前作にも登場したデーモンウォリアーもいます。彼らは魔神がこちらの世界に来てから創造した種族だと説明されています。

気になったのはウォーリアーの極一部にも有翼種がいるとの事。なのでこの村の襲撃犯が下位魔神であるとは限りませんね。


★マーファの瞳は何色だ?〜ふかふかのベッドで見る夢は悪夢

村の惨状を尻目に旅を続けた一行でしたが、次の目的地セスト村に着く前に、今度は山賊団「マーファの瞳団」の襲撃を受けます。

神の名を冠するとは何とも不遜な連中ですが、彼らは所謂義賊です。殺生をせず貧しい村に施しをするので、民衆にも人気があるそうです。


彼らのリーダーはスカーフェイスと言われるマッチョマンで、名前の通りに顔の左目の上から右頬にかけて傷のある男です。

2回攻撃が可能な事から分かるように特技《剣》3レベルであり、クラスとして4レベルあったりする。正直こっちの戦士達より強い。

ちなみに《剣》は3レベルになると2回攻撃、4レベルで3回攻撃、ベーシックルール最高の5レベルになると4回攻撃までできる。


もう1つの特徴としてマーファの神像が挙げられます。それはマーファの賛美歌を模した音楽を奏で、聴く者に眠りをもたらすのです。

大抵の人間はその音楽だけで眠ってしまうので、彼らは殺生をせず楽々と略奪ができていたようですね。ただしルーセント達は普通に抵抗。

これは呪歌の"ララバイ"にも似ていますね。実は「ロードス島RPG」にも呪歌がある。大陸の文化に触れた者のみ取得できる特技です。

ただマーファの神像ですからね。後に明らかになる由来を聞くに古代語魔法とは関係なさそうなので、原理は似ていても違うものだと思う。


リスター「くそ、偽者め。本当のマーファの教えを叩き込んでやる」

ウィニフレッド「どっちも偽者じゃないの?

一方は暴力的マーファ司祭、もう一方は義賊とはいえ無法者のマーファ信者?では、いずれも異端でしょうからね(苦笑)


マルムス「よし、フォーメーションAを取れ」

リスター「商人を盾にする隊形か?」←コラ!

マルムス「それはBだ。Aはいちおう前に出るほうじゃ」←あるんか

結局お得意の神像の音楽が効かず、逆にルーセントの"スリープ・クラウド"で仲間を眠らされた彼らは速やかに退却してしまいました。


この時スカーフェイスはフェリオを凝視していたのがポイントです。

フェリオ「もしかして、あたしの魅力に一目惚れ?

冗談かと思いきや、これが当たらずとも遠からずでして……。


割と楽に彼らを退けられたのは良かったのですが、セストの村に到着した時に街道警備隊によって足止めを食らってしまいます。

理由は二つあって、1つは前の村の惨状の事情聴取の為ですが、もう1つの理由はアランからの命令で街道を封鎖しているからです。

どうやらアランの街から犯罪者が脱走したというのがその理由だそうですが、思いっきり心当たりがあるので強くは抗議ができません。

まぁ商人は長い間足止めを食らっても商売上がったりなので、賄賂で通してもらうつもりですが。こういう時の為に恩を売ったのです。


しかし足止めを食らって宿屋に泊まる彼らの隙を突き、「マーファの瞳団」がフェリオを誘拐してしまったのです!

「花嫁はいただいた」

それが現場に残された犯行声明でした。この忙しい時に大変なトラブルに巻き込まれた一行、フェリオの運命や如何に……。


エピソード5 悪魔の花嫁(後編)

このエピソードでは誘拐されたフェリオの視点から始まるので、最初は彼女とGMのサシでのプレイとなります。


目を覚ましたフェリオは「マーファの瞳団」が隠れ住む山間の村、アーカイル村にいました。

この村は赤い土の流れ出す赤い川と、緑の石が底に転がる緑の川が丁度交わる所にある、人口200〜300の村です。

村の様子はとても質素なもので、ハッキリ言って貧しい。そこで盗賊を生業とし、時に外部から嫁にする女性を攫ってきます。

村の目立つ建物はスカーフェイスの家とマーファの礼拝堂で、広場には巨大な魔神の石像が立ち、背後には洞窟のある山がある。


この村の成立は随分古く、500年以上前に遡る。それはアラニア建国以前、まだカストゥール王国が健在だった頃です。

当時カストゥールは魔神を使役した事は既に明らかになっている通りですが、その中の1体の魔将が制御できず暴走したのです。

そこで立ち上がったのがこの村の始祖であるマーファの神官戦士アーカイル。彼は荒ぶる魔神を石化させ、この土地を救ったのです。

しかしアーカイルがいずれ魔神が花嫁を連れて魔将を復活させると予言した事から、子孫である彼らは石化した魔将を守ってきたのです。


目を覚ましたフェリオはスカーフェイスや、村長となっている老婆からそういった事情を聞かされた訳です。

フェリオ「それで、子孫繁栄のために、あたしを嫁にしようっていうの?

老婆「まあ、気は長い方だから、じっくりと理解してくれるのを待つとしよう」

フェリオ「でも、どうしてあたしなの?魔法使いフェチって本当?

スカーフェイス「いや、その……」←図星

どうやら以前アランに行って以来、恥ずかしい事情があって無類の魔法使いフェチになったんだとか(笑)

まぁ嫁にするなら好みのタイプにするに越した事はありませんけどね。つまりこの村の女房を見れば男性陣の性癖が明らかに!

ちなみに魔神の呪いだかなんだかで、どういう訳だか女の子の出生率が低いらしい。そうでなくても近親婚を繰り返すのはマズイし。


更に驚くべき事に、彼の家の壁にかけられたアーカイルのタペストリーを見ると、例の女神像とリスターのフレイルが描かれているのです。

どうやら村にはそのフレイルを持つ者が現れたら女神像を渡すよう伝承されているらしい。やっぱりタダのフレイルではなかったのですね。

マーファの加護があるとしたら、それはカストゥールのマジックアイテムではなく、神の力で創られた祭器の一種である可能性が高いでしょう。


あとは彼らの信仰ですが、彼らはマーファ信者である事は確かです。しかもかなり熱心な。ただし一般のマーファ信仰とは違う所も多々あります。


一般のマーファ信仰では「自衛の為の戦い」のみを認めています。しかし彼らは生活の為とはいえ、略奪・窃盗という行いを肯定している。

生きる上で必要な狩猟や採集は認めてますが、だからといって略奪に走っていい理屈にはならない。長い間閉鎖された社会を営んできたからか。

現在村にある礼拝堂は無人になっています。元々は司祭がいて、略奪を止めるよう訴えたそうですが、受け入れられる事無く老齢で他界しました。


一応無用の殺生は避けているものの、使命の為なら自己犠牲をも厭わない。しかしマーファは自然ならざる自殺というものを禁じています

特攻を論じるのは難しい。現実は多層的であり、層の数だけ視点があり、視点の数だけ真理があるのですから、是非の二元論では語れませんからね。

それは自殺と一概にも言えませんし、指揮官による殺人とも言い切れない。ただそれを実行するのは、自発であれ強制であれ、並大抵の事ではない。

彼らは一般的なマーファ信仰からすれば異端です。神聖魔法の使い手も確認できていません。しかし歪んでいようとも信仰心は本物とは言える筈です。


★赤と緑が交わる村〜フェリオ救出作戦

一方送れてやってきた他のプレイヤー達は誘拐されたフェリオを追跡する所から話を始めます。この間フェリオは基本だんまりです、


彼らの入念な現場検証により(ていうか多いな)、従業員に敵のスパイがいた事は割とアッサリと明らかになっています。

彼は料理に薬を混ぜて眠らせ、合鍵を使ってフェリオを誘拐した訳です。既にその従業員の姿もなく、その経歴を知る人もいませんでした。

しかし宿の主人の証言により、彼が「赤と緑が交わる村」から来たと酒の席で言っていた事が明らかになり、そこから行方を推理できました。

それはそうとこの時もマルムスは《地図作成》で失敗していましたね。思い返すと彼の地図マニアっぷりがマトモに発揮できた事は少ない(笑)


赤い川の存在はアラニア出身のリスターが《教養技能》に成功して判明したので、それを遡って村を特定する事はできました。

ところが道中警備隊員の死体と、村を監視する有翼の魔神を目撃してしまいました。これは鏡像魔神の存在と遠からぬ襲撃を予想させます。

実は既に周辺の村で魔神による若い娘の誘拐が多発しています。この時点での彼らには分かりませんが、魔神の花嫁=魔将復活の生贄?です。

このままでは魔将を復活させようとする魔神軍団が村を襲撃するでしょう。その時は村の人々は祖先より伝わる使命を実行するだけでしょうね。


思ったより時間がない事を察した一行は、村に侵入してフェリオを救出すべく動き出します。

マルムス「われわれはランボーだったのだ。ゲリラの村を襲撃して、人質を取り戻すのが任務だ」

リスター「あ〜、面倒臭い!とっとと行動しちまおうぜ!オレたちにはマーファの御加護があるんだからな!」

一同「本当か?」

いや慎重な行動に痺れを切らせた訳じゃないんですよ。……ないんだってば(笑)


こうして裏山から近づいた一行でしたが、見事に鳴る子を鳴らして作戦開始10秒で捕獲!。随分と粗末なランボーですね。

村人「なんなんだ貴様らは!ここを知られた以上、話によっては生きて返さんぞ」

マルムス「この非常時に何をねぼけたことを言っているんだ。
      人間もドワーフもエルフも手を結んで魔神にあたらねばロードスは破滅なんだぞ!」←それは正しい

魔神と聞いた村人達はその時が来たのかと反応し、彼らを村へ連れて行って説明を求めます。

マルムス「どうだ、村に潜入できただろう」

リスター「アホ!こりゃ潜入じゃなくて連行だ

まぁ結果的には最短の時間で村長やスカーフェイスと話ができたし、結果オーライ結果オーライ(笑)


★悪魔の花嫁

ここからフェリオもプレイに復帰し、NPCのスカーフェイスと共に魔神どもを迎え撃つべく迎撃体制を整えます。


まず彼らは伝承通りにリスターに女神像を渡しました。するととんでもない事が!!

GM「リスターが女神像を手にすると、像から力が流れ込んでくるのがわかる」

リスター「ぐわぁぁぁぁ、パワ〜ア〜ップ!」

GM「とりあえず、精神点が200点アップだ」←!!?

ちなみにルールブックを見ると、風の精霊王ジンが100点です。その2倍もの精神点を余分に使えるのです!


更にフレイルと女神像を一緒に装備すると以下の特殊能力が使える。

消費精神点:効果

50点    :石化の魔法。魔法抵抗判定に−20。集中力あり。

20点    :"リフレッシュ"の呪文。

20点    :10分間(2ラウンド)の間3レベル上昇

ただしパワーアップ時の生命点や精神点は元に戻ると割合で減少。半減していれば元に戻っても半減だそうです。

また女神像は一度使うと蓄えられた精神点は無くなってしまいますが、毎朝祈りを捧げると次第に回復するそうです。

しかしこれはとんでもない。回復魔法も使い放題だし、一時的に5レベルになれれば下位魔神ぐらいなら何とかなる。


その時ついに魔神どもの襲撃が始まります。

リスター「オレは構わんぞ。何しろ5レベルになるんだもんな」←自信あり気

GM「見張りの報告によると、その数三十

リスター「えっ、それはちょっと多いんじゃない」←腰が引けてる

どんなに強くなろうとも「数は脅威」。SWでもよく言う事ですが、ロードスでも同じです。


魔神どもは生贄の女性を連れていて、魔神兵と下位魔神が半々ぐらい。スーパー・リスターがいたとしても勝ち目は薄い。

そこでスカーフェイスは一行を例の洞窟に案内します。広場の魔神の像はダミーで、本物はこの洞窟の中にあるのです。

この洞窟の中には彼らが500年かけて用意した多くの罠があり、魔神どもの勢力を大きく削ぐ事はできそうでした。


部屋@:ダミーの像があり、壁の両側のアロースリットからクロスボウで狙い撃ち

部屋A:腰まである水溜り。油を流して着火して火責めにする。

部屋B:天井が落ち、巨大な岩を転がして押し潰す

部屋C:ダミーの像があり、奥の部屋のボタンで天井を落とせる

部屋D:隠し扉の上にダミーの像があり、右からはゴーレムが襲い掛かり、左には突起のついた円盤が飛び出す扉。

部屋E:沈黙の部屋。魔法が使えない

部屋F:本物の像がある。洞窟全体を崩す自滅ボタンもある。

それぞれの仕掛けには瞳団が待機し、特攻覚悟で迎え撃ちます。


スカーフェイス「俺たちは、命をかけてロードスを守る。愛するものを守るのがマーファの教えだろ」

リスター「かなり歪んでいるなぁ。オレも戦うのには賛成だけど、自己犠牲を前提としているのは、ちょっと

別に彼らは狂信者ではない。スカーとて、仲間の犠牲に心を痛めている。ただ戦いに対するスタンスが違う。

しかし気をつけたいのは、「これが愛」ではないという事。「これも愛」というのならまだ受け入れられる……かも。




抗戦が始まり30分。部屋Fで待機する彼らの前に、下位魔神3体、魔神兵4体がやってきます。手前の人達は……。

スカーフェイス「彼らはロードスのために喜んで犠牲となったのだ。彼らの死を無駄にするんじゃない

その気持ちがあるならまだ大丈夫。命は尊いが、それを犠牲にしてでも守りたいものがあるのだと理解しているから。


基本2レベルの彼らでしたが、4レベルのスカーと5レベルのスーパー・リスターの活躍でどうにか戦えました。

魔神が前線を突破して魔将に接近した時は自爆も覚悟しましたが、幸い復活させられる前に倒す事ができました。

しかしスーパー・リスターの強いのなんの。プリーストとはいえ、2回攻撃でクリティカルとか起せば下位魔神も瞬殺です。


ちなみにリスターの取得している特技は《打撃武器》です。これは《剣》と同じく3レベルで打撃武器の2回攻撃が可能です。

これはSW2.0にも似ていますね。剣、斧、竿状武器、打撃武器、飛び道具、格闘……と、攻撃手段の数だけこの系統の特技がある。

リスターはこの特技が初期の時点で2レベルあったので、最初のレベルアップで3レベルになり、2回攻撃が可能になったのです。


こうして魔神は退けたが、外は死屍累々。生き残りはいるけど、以後何処かの村に移住する事になるでしょう。

ルーセント「彼らは勇敢に戦ったんだ。ロードスを守るために」

リスター「でも、オレは納得できんぞ。これでいいのか、顔傷野郎!」

スカーフェイス「こうするしか、こうするしかなかったんだ……」

フェリオ「やめなさいよ。彼だって仲間を失って悲しんでるんだから」

洞窟も崩してしまいます。もう守り手もいない。この村は廃村になり、時間稼ぎという最後の役割を果たす。


ルーセント「もしかして、僕たちについてくるつもりですか?

スカーフェイス「君たちが魔神と戦うなら、共に戦おう

かくして6人目の仲間スカーフェイスを加え、一行はグラディカル導師の待つビドーを目指して旅を続けます。


エピソード6 導師の秘密

アーカイル村の戦いを終えた一行は道中山賊団を殲滅させたりしつつ旅を続け、3レベルに成長していました。

既に物語も折り返しに来ていますが、気づいてみれば逃げてばかりです。まぁこの辺から加速していきますから。


3レベルになったことで新しい魔法も覚えられるし、特技だって伸ばす事ができました。これでこれからの戦いにも望めます。

今回の成長でルーセントは魔法戦士として2レベルの古代語魔法を1つ覚えられるので、フェリオから"スパイダー・ウェブ"を習得。

粘着質の蜘蛛の糸で敵を絡め取る魔法です。"スリープ・クラウド"に続き、できる限り穏便に敵を無力化できる魔法をチョイスしました。


ちなみにアラニアの紋章は蜘蛛なのでそういう意味でもいい選択ですね。

ルーセント「でも、今は日陰の身。この紋章も隠しておかなければ」←鎧に紋章が刻まれてる

もし見咎められたらとしても、その時は傭兵"地蜘蛛の"ルーセントと名乗ればいいのです(笑)




さて、苦難の末にようやく一行はノービスの街に到着しました。ここで以前護衛になった例の隊商ともお別れです。

早い所ビドーへ行きたいところですが、ノービスといえばアラニアの西端にして、風と炎の砂漠の玄関口ともいうべき街です。

風と炎の砂漠といえば大隧道の出口がありましたね。魔神の侵攻路を放ってはおけないので、ビドーに行く前にそちらをまず片付けます。


ところが砂漠を旅する為のガイドを雇い装備一式を揃えていると、彼らの前にフェリオの兄弟子であるシーフォンが現れました。

どうやらグラディカル導師の身辺調査の結果が出たので、"テレポート"で先回りしてたらしい。また随分と長期間待ったでしょうね(苦笑)


彼によれば導師はアランの武器商人ホナソンの息子であり、その父親が現在このノービスの街で暮らしているというのです。

生きていてもかなりの高齢という事でお迎えが来る前に押さえておきたい所ですが、この広い街で人ひとりを見つけ出すのは骨が折れる。

そこでマルムスが盗賊ギルドを頼ります。街での情報収集は盗賊ギルド、大陸の冒険者なら常識ですね。ロードスではあまり出番はないけれど。

この時マルムスは盗賊専用の特技《盗賊言語》によってギルドの符丁が記された酒場を発見。ギルドにホナソン老人の調査を依頼しておきました。


★魔神の穴?それとも?

街での用事を終えた一行はガイドに案内されて砂漠を横断し、大隧道の出口と思しき場所を目指します。

マルムス「では、地図に書き込みをしながら進もう」

リスター「砂漠の地図は書いてても無意味じゃないか?砂丘なんか、一晩で動くだろうし」

マルムス「地図オタクの血が抑えられんのじゃ

そうして約1名が無駄な努力を重ねつつ歩くこと2日が経過します。この間特に事件は起きなかったようです。

一般的な隊商のルートから外れてるので砂走りとか来るんじゃないかと思ったんですが、幸運な事に遭遇しませんでした。


問題の穴は砂丘の中央の窪んだ場所に口を開き、窪みの淵には環状に石が並んでいました。思ったより簡単に見つかりましたね。

ところがこの穴にはサンド・ウォームが住んでいたのです。砂漠に住む巨大な芋虫ですね。SWでは砂走りと同格のモンスターです。

「ロードス島RPG」にはデータがないのですが、SWでは全長10mはあって肉食。際限なく成長するので更に巨大な個体もいるとか。

これによく似たアンドーナというモンスターはいますけどね。麻痺毒を持つ芋虫状のモンスターで、レベルを見ると竜牙兵と同格です。


現在ウォームが大隧道の栓になっていますが、下位魔神はともかく上位魔神なら簡単に倒してしまうので番犬にはなりそうにない。

しかし今の一行には十分強敵です。初っ端ルーセントを瀕死に追いやり、更には砂を噴出する範囲攻撃とかしてきたので撤退しました。


勿論そのまま終わる彼らではありません。怪我を治した上で万全の作戦を練って再挑戦しました。

まずウィニフレッドが光の精霊ウィル・オー・ウィスプで誘い出し、フェリオが例の"ファイアボール"の巻物で爆撃!

ラルカス学長の用意してくれたものなだけに凄まじい威力を発揮し、穴を塞ぐ事はできずともウォームに大ダメージを与えられました。


そこで魔法によって強化された戦士達が突撃し、ウォームをシバキ倒します。

スカーフェイス「21点!」←グレートソードなのでD10+5点に、魔法+5と《怪力》で+1。つまりMAXダメージ!

ウィニフレッド「あなたの彼、すごいじゃない」

フェリオ「彼じゃないってば!でも、あたしの"ファイアウエポン"の威力よ」

リスター「愛の炎か?」

以後"ファイアウエポン"はバーニング・ラブ、"エンチャントウエポン"はシャイニング・ラブと呼ばれます(笑)


更にリスターがアーカイルのフレイルで石化させます。これで石化したウォームが大隧道の栓となったのです。

マルムス「これで魔神の穴は塞がったわけだ」

ルーセント「でも、魔神の痕跡はありませんでしたね」

マルムス「うるさい。我々の活躍で、周囲の人々が魔神に襲われるのが未然に防がれたのだ」

フェリオ「周囲の人々って……砂しかないけど?

マルムス「…………」

まぁ……魔神の軍勢による奇襲は防げるだろうし、無駄ではない。


★グラディカル出生の秘密

ノービスに戻ってきた一行は盗賊ギルドの情報を頼りにホナソン老人の住居を尋ねました。

ホナソンの家は下町の借家で、導師が10年分の家賃や介護費を先払いしています。所謂介護付きマンション、親孝行な事ですね。


そんな彼が何故あんな事件を起こしたのか……。それを語って貰う為に《交渉技能》の特技《説得》によって文字通り説得しました。

ホナソン曰く、グラディカルは彼の実の息子ではない。本当の父親はラシッド卿という魔法戦士団に所属する貴族だったというのです。

母親のエマはアラニア王家の遠縁に当たる高貴な女性でした。ホナソンは武器商人としてラシッド卿に懇意にしてもらっていたそうです。


ところがラシッド卿は逆賊の汚名を着せられて処刑され、エマは幼いグラディカルを連れて逃亡し、ホナソンに息子を託して消息不明

またラシッド卿の処刑に使われたのが魔法戦士団の宝剣"コンクァラー"だったのです……。導師はその事実を知り、凶行に走ったのですね。

卿がどういう経緯でそんな濡れ衣を着せられたのかは謎ですが、アラニアは権力争いが苛烈な国柄。強欲貴族の利権争いの犠牲になったかな。


導師が魔法戦士団を恨む理由はよく分かりました。しかし何を狙っているのかは依然として謎のままです。


★真夜中の幽霊

あとはビドーへ行くだけですが、その前にビドーの情報収集も忘れません。さり気なく慎重なパーティーですね。


まずビドーは大理石の産地として有名で、部外者はあまり立ち寄らない村です。現在ボンバーナという商人が市場を独占しています。

元々はAさん、Bさん、Cさんといった商人達も商いをしていたのですが、ボンバーナが台頭するのと同時期に病床に伏している

これがどうも不審な症状で、ガタガタ震えながら「恐ろしい……」とうわ言のように呟いていて、魔神や呪いの関連が想像されます。

更にはボンバーナの屋敷の裏にある大理石置き場には幽霊が出るという噂です。……怪しい、何て露骨に怪しい場所なんだビドー(笑)


もう魔神に支配されてるのは目に見えていますね。あと一行はビドーに出入りする5人目の商人、ディーさんと接触を取りました。

この人がなんと例の隊商のリーダーでした。砂漠の民風の商人ですね。まさか適当と思われたNPCがこんな所まで役に立つとは。

ディーさんは近々ボンバーナの別荘の晩餐に招待されています。もう襲われるのは予想がつくので、ビドーの前にそちらに当たります。


マルムス「今夜はボンバーナ邸と大理石置き場を見張って、明晩は別荘を見張ることにしよう」

フェリオ「夜更かしは、お肌の敵よ!

リスター「冒険者が何を言っとるか!

フェリオ「今のうちに寝とこっと」

冒険をしていれば昼夜が逆転する事もザラですからね。もっとも彼女の場合本分は学生で、冒険者ではないんですが。


エピソード7 魔神の街

★見張りは空振り?それとも……

ビドーへ行く前に怪事件に遭遇した一行は、夜を待ってビドーを支配する?商人ボンバーナの屋敷の調査を始めました。

実はビドーには彼が発行する通行証がないと出入りできないので、どの道彼との接触は避けられない。魔神の関与も確実だし。

屋敷そのものは盗賊のマルムスが枝の影から監視し、残りの仲間が屋敷の裏手にある幽霊が出るという大理石置き場を調べます。


まずは大理石組です。本職のマルムスがいないのでちょっと探索関係が弱いのが難点でした。

リスター「では、堂々と

スカーフェイス「堂々はまずいだろうが(笑)

現場は低い柵で覆われていたので《運動技能》やそれに属する特技《登攀》による判定は必要ありませんでした。


ところが次の現場の探索がマズかった。盗賊のマルムスがいないから《知覚技能》に属する特技《捜索》に弱いのです。

《捜索》は(あと《登攀》も)特技なしの判定はできるとはいえ、やはり盗賊奨励の特技です。一同は見事に失敗します。

あとここではGMの方で彼らの判定を行いました。これはD100の判定をプレイヤーにやらせると成否が明らかになるから。

これがSWだったら目標値さえ隠せば(あるいは難易度を使えば)、達成値の値から成否を推測する事はできても断定はできない。


ここで彼らが《捜索》に失敗したのは結構残酷な結果を呼ぶのですが、それはもう少し後で分かる事……。


一方屋敷を見張るマルムスはドワーフ標準装備の特技《暗視》を駆使し、屋敷に出入りする執事風の男を目撃します。

彼は馬車を操って現れ、屋敷から何らかの荷物を運び出すと去ってしまいます。相手が馬車では追跡もできませんね。

とはいえ仮に馬などがあっても1人で追跡するのは危険ですが。彼が人間であれ魔神であれ、行き先に魔神がいるのは予想できるし。


こうして監視を終えた彼らは朝を迎えます。もうディーさんがボンバーナの別荘に行く日です。

フェリオ「不規則な生活だから、日付がわかんないよ〜」

マルムス「昼は寝て、夕方には別荘に先回りするしかあるまい」←もう完全に昼夜逆転

ウィニフレッド「みんな、ちゃんと五時に宿屋の前に集合よ」←修学旅行か

スカーフェイス「なんか、緊張感ないなぁ」

微妙にこの連中のノリに振り回されてるスカーが面白い、登場時のハードボイルドっぷりが嘘のよう(笑)

ていうか彼にはプレイヤーがついているのかな。どうもセリフが少なくてGM操るNPCっぽいけど。


★湖畔の戦い

夕方五時に一行は宿を出て、六時には別荘に到着しました。晩餐は七時からというので準備は万端ですね。

ボンバーナの屋敷はノービス近郊のミディニア湖という大きな湖の畔にあり、別荘と言っても部屋数4ぐらいの平屋です。

「コンパニオン3」にはノービスの概観図も載っていまして、それによるとミディニア湖は本当に街に程近い水源地ですね。


待機の間にフェリオは"ビジョン"で目玉を飛ばして別荘を調べます。窓から覗いたり、煙突から中に入ってみたり。

ちなみにSWの"ビジョン"は双眼鏡のようにしか見えないので、このようなリモコンカメラのような使い方は出来ません。

屋敷ではボンバーナが晩餐の用意をし、執事の方が指揮をしています。更には厨房には魔神が3体も待機という異常な様子です。

これは執事がボスで、ボンバーナは魔法で操られているんですね。多分鏡像魔神(ダブラブルグ?)かカラスの一族でしょう。


そうこうする内にディーさんがやって来ますが、どうにも雰囲気が違う事からすぐに察しがつくよう、彼は影武者でした。

ていうかこうも喋り方が違えばすぐにバレると思うんですがね。まぁ魔神が絡んでいるなら生き残りさえすればいいんですけどね。

彼が屋敷に入ると程なく悲鳴が聞こえます。操られたボンバーナが偽ディーさんを羽交い絞めにし、執事が魔神の姿を現しました。


ここから戦闘に入りました。リスターが現場の窓をフレイルでぶち破り、ルーセントを先頭に室内に飛び込みます。

マルムス「余裕があったら"ボディプロテクション"をくれ、フェリオ」

フェリオ「オッケ〜」

リスター「お前の恋人にはかけなくていいのか?」

フェリオ「恋人じゃないからいいの

スカーフェイス「先に部屋に入ってるのに……」

この際ルーセントがボスの執事魔神と一騎打ちになり、スカー・リスター・ウィニフレッド操るシェイドが他3体と接敵しました。


部屋の中で大乱闘が繰り広げられ、フェリオの魔法やマルムスの飛び道具の援護が飛びます。

フェリオ「誰か魔法いる?」

スカーフェイス「"ファイアウエポン"をくれい」

フェリオ「オッケ〜。じゃあ、スカちゃんに"ファイアウエポン"」

スカーフェイス「スカちゃんって……あんた」

間もなく雑魚3体は割りと楽に倒せました。パラメーターを聞く限りデーモンウォリアーだったのでしょう。


しかし執事魔神のしぶとい事しぶとい事。ルーセントがクリティカルを何度も当ててるのに一向に倒れやしません。

ルーセント「02でクリティカル!」←装甲無視

GM「はい、生きてるよ」

ルーセント「早く死んでくれよ〜」

それでも他の魔神が倒れれば袋叩きにできますからね。こいつも間もなく鎮圧され、影武者さんも無事助けられました。


魔神を倒してもボンバーナは正気に戻らなかったので、適当な神殿に放り込んで"サニティ"によって正気に戻します。

"サニティ"はSWでは2レベルの初歩的な神聖魔法ですが、こちらのルールでは3レベル(PCは5レベルで取得)ですから。

しかし正気に戻っても彼はガタガタ震えるばかり。仕方ないので後は当局に通報し、一向はちゃっかり通行証をゲットしました。


最後にビドーへ行く前に大理石置き場を再調査します。今度はマルムスがいたので《捜索》にも普通に成功しました。

すると大理石の中から死後間もない女性の遺体が出てきます。彼女はビドーからの逃亡者で、ずっと助けを求めていたのです……。

彼女の服装は囚人のようで、水と食料も大した量は用意できずここで孤独死か。昨晩に発見できていたら助かっていたかもしれませんね。


★魔神の街ビドーへ

ボンバーナ(ていうか執事魔神)の連絡が途絶えた以上、ビドーの通行証もそう長くは使えなくなるでしょう。

最早ビドーが魔神どもの占領下にあるのは確実です。そこでグラディカル導師の野望が着々と進んでいる事でしょう。


そこで一行はディーさんを頼りました。

ディー「で、何の御用でしょう?」

マルムス「貴様にだな、ビドーの大理石を独占させてやろうという話だ」

フェリオ「なんか、詐欺師みたいになってきたね」

要は潜入捜査の援助をして貰うのです。商品を載せた馬車を用意してもらって、商人のフリをしてビドーへ侵入するのです。

現場での事件が解決すれば逸早くディーさんに連絡を遣し、今度は彼が採掘権を独占できる。成功すればかなり美味しい話ですね。


この話に乗ったディーさんは早速馬車を用意し、一行は商人とその護衛に扮してビドーへと向かいました。

ビドー近くで《視覚》判定を使うと、黒く浮かび上がる山を背景に二十〜三十の有翼の魔神の群れが飛んでいるのが見えます。

彼らは北へ向かったので接触する事はなかったのですが、その目的もまた気になる所です。そしていよいよ魔神の巣窟へ突入です。


エピソード8 明かされた真実 グラディカルの計画

★据え膳喰わぬは冒険者の恥?

商人に扮した一行はボンバーナの通行証を提示して、いよいよビドーへと入ります。

ルーセント「ところで、誰が商人なんですか?」

リスター「そりゃ、あんたしかいないがな。剣術が好きな若ボンということでどうだ」

フェリオ「キャ〜、怪しすぎる」

スカーとリスターでは人相が悪すぎるし、女性や妖精も不自然。するとやはり彼になるんでしょうね。


ところがこいつがとんでもないバカボンっぷりで、初っ端からとても不安。

門番「通行証をお持ちのようですね。ボンバーナ氏から、よく手に入れられましたね」

ルーセント「そりゃ、商人には、いろいろ裏のルートもありますから

リスター「アホ!不正な手段で入手したと白状しとるようなものじゃないか!」

門番「で、こちらへは商談で立ち寄られたのですか?」

ルーセント「いえ、本当の目的は別にあるんですが……

リスター「コラ!正直すぎるぞ!」

ルーセント「違うんです。目的地はターバなんですけど、ここで商売ができるならしたいと言いたかったんですよ」

マルムス「本当は魔神を倒しに来たんですと言うのかと思ったぞ」

フェリオ「若ボンと言うより、バカボンね

正直なのは美徳ですけど、この場合は頭に「馬鹿」がつきますね。これならいっそマルムスの方がマシか?


彼は一行の宿泊用に一軒の空き家を提供してくれました。取りあえずはここで今後の行動を考えられますね。


ところがこの時点で色々怪しい点が目立ちます。まずは昼間だというのに男衆の姿が多い。鉱山で働いている時間帯なのに。

フェリオ「きっと、お休みなのよ」

リスター「そうそう、週休二日制の時代だから……、そんなはずがないだろうが!」←ノリ突っ込み

また村には村人を監禁できそうな体育館のような建物があり、大理石を切出す穴は軒並み崩されている

更には宛がわれた空き家には血痕があります。村人が魔神の支配下にあり、魔神が村人と入れ替わってると想像できます。


やがて村人?から一行に夕食の差し入れがあります。普通に考えれば毒入りなので捨てるのが無難ですが……。

リスター「毒を浄化するような魔法は、オレには使えないぜ。レベルが足りないから」

フェリオ「フレイルを使って、レベルアップしたら?」

リスター「お、お前は、メシを食うために、アーカイルのフレイルを使えちゅ〜のか!」

解毒の魔法"ニュートラライズ・ポイズン"は4レベルの神聖魔法なので、7レベルにならないと使えませんからね。

今のリスターは3レベルで、アーカイルの力で+3しても6レベルで微妙に足りないし。SWなら3レベルなんですけどね。


結局空腹に耐えかねてスープを飲んでしまいますが、すると皿の裏に手紙が張り付いているのに気づきます。

「逃げてください。昼間、村にいる男は人間ではありません」

やはり昼間の村人は魔神だったのです。しかし女性はマトモだったというのは盲点でした。ていうか脱走者の女性がいたし。

魔神との戦いですっかり懐疑的になっていましたが、それこそ鏡像魔神の弊害「隣人を恐れる」に通じていたのかもしれない。


★悪い奴ほど地下へもぐりたい?

いよいよ村に探りを入れる訳ですが、やはり狙うべきは鉱山か体育館(的な建物)のどちらかですね。

リスター「やはり、ここは鉱山じゃないか?」

フェリオ「どうして?」

リスター「悪い奴は地下にもぐりたがる」← 一理ある(笑)

実際導師は鉱山にいて、体育館には村人が捕まってます。そしてボスを倒せば自動的に村人も助かるのがお約束ではある。


一行は空き家の見張りを魔法で眠らせ(人間?)、盗賊奨励の特技《忍び歩き》で移動して鉱山へと突入しました。

これは《運動技能》かと思いきや《戦闘技能》に属するので、戦士や騎士もそこそこできる。幸い今回は全員成功しました。

鉱山に入ればドワーフであるマルムスが《知覚技能》によって、比較的新しく掘られたトンネルを選んで進んでいきます。

ドワーフは穴掘りの達人ですから、こういう判定があってもいいですよね。ちなみにこのトンネルは村の男衆に掘らせたらしい。


やがて一行は扉を見張る竜牙兵×2と遭遇します。小説でもお馴染みの竜の牙によって創られたゴーレムの一種ですね。

ここでは召喚魔術だと言われていますけど、彼らゴーレム類は本来付与魔術の産物です。空間を超越して召喚する訳ではないので。


そこそこの強敵でしたが、フェリオの魔法で強化されたルーセントとスカーが挑みます。

フェリオ「スカーフェイスに"ファイアウエポン"」

スカー「サンキュ〜。燃え上がる愛の攻撃、バーニングラブ!

フェリオ「ルーセントには"エンチャントウエポン"ね」

リスター「今度はシャイニングラブか?」

このゲームではファイアはダメージ+5で、エンチャントは命中に+10のダメージ+1で、一長一短となっています。

SWだと単純にダメージを増やすだけでファイアはエンチャントの上位魔法なんですけどね。まぁ属性の問題もありますが。

またファイアと同レベルに"ハイエンチャント"という魔法があって、命中に+20のダメージ+2とエンチャントの上位魔法です。


こうして強化された戦士2人が竜牙兵を粉砕します。

ルーセント「爆裂!さすがに二回命中」

GM「あっ、それで竜牙兵は倒れた」

スカーフェイス「こっちも二回命中。どうだ?」

GM「こっちも御臨終だね」

リスター「おお、男二人を魔法で手玉に取る魔性の女

フェリオ「違うも〜ん

何だか可愛いな、フェリオ(笑)


ところが次の門番がよりにもよってストーンゴーレム。10レベルで、このゲームではサイクロプスやワイバーンと同格

普通に戦ったら万全の状態でも勝ち目は薄い。そこでフェリオは導師がよく使うコマンドワードを思い出そうとするも失敗。

マルムス「どうする?方法としては、
      その一、合い言葉を求めて引き返す。
      そのニ、石くれに変えてしまう。
      その三、こちらが肉塊に変わる

フェリオ「え〜い、もう叫んじゃえ。お師匠様〜、合い言葉はなんでしたっけ?

すると扉が普通に開きました。そもそも会いに来いと言われてたんだし。


★グラディカルの計画

部屋の中には導師とブレスト=ティエルがいて、壁には本棚が立ち並び、大隧道に通じていると思しき巨大な竪穴が見えます。

更には下位魔神が数体いました。しかしこいつらは"魔神掌握の杖"というアイテムで支配しているので、導師に従順に従います。

本来これはゲーム大会用のシナリオに登場したものらしく、そちらでは無限の魔力を得る事でかなり強力な魔神も支配できました。

こちらは無限の魔力が必要ない代わりに、下位魔神を数体しか操れません。多分"支配の王錫"魔獣支配の秘術と同系統の魔法です。


ここで導師の真の目的が明らかになります。

グラディカル「フェリオ君、そもそも魔神とは何ぞや?」

フェリオ「えっ、あたし?え〜と、何だろう?

一同(崩れ落ちる)

別に狙ってボケてる訳じゃありません。素でボケてるんです(より悪い)。


フェリオ「え〜と、異界の生き物だよね」

グラディカル「つまり異界には魔神は無数に存在すると言えるわけだ。
        ということは、そこにはもう一人の魔神王と呼べる者がいるはずではないか?」

マルムス「も、もしや。お前は!」

グラディカル「もう一人魔神王を召喚し、支配する。そして魔神王どうしをぶつけて消滅させるのだ

確かにそういう存在はいるでしょうし、不滅の魂を持つ魔神王なら同じ魔神王も消滅しえる……。


実は彼はブルークが魔神王の封印を解く時に使った『魔神王の書』の写本を所有しているので、マニュアルはある。

「血の絆」を読んで貰えば分かりますが、その儀式では肉親を殺害する事が必要になります。その身体に魔神王は憑依する。

宝剣"コンクァラー"はその為に使うつもりで持ってこさせたという訳です。特にこの宝剣には実の父親を殺された恨みがあるし。

また導師は宝剣の代償にこの写本を譲渡してくれます。これがあれば誰が魔神を操っていたかを証明し、団長の無実を晴らせる。


しかしそれはあまりにも危険。いかに彼が召喚の天才でも、魔神王という存在が彼の手に余る事に変わりはない。

ブルークが何故魔神王の支配に失敗したかは「血の絆」にある通りなので、本当の肉親さえ用意できれば支配は可能かも。

でも彼には身寄りはないし、失敗したらロードスはお終いです。本当に支配できたとしても、その時は彼が新たな脅威となり得る。


実際彼自身の野心も見え隠れ、ていうか思いっきりオープンにしてるし。

マルムス「貴様が魔神王になり代わって、ロードスを支配せんと誰が言える

グラディカル「それで理想郷が築かれるなら問題はないではないか
        アラニアの愚かな貴族たちが支配し続けるよりははるかに素晴らしいはずだ」

リスター「なんだか灰色の魔女カーラを呼び出したくなったな。
      カーラさ〜ん、天秤を傾けようとしている奴がいますよ〜って」

確かにカーラが知ったら飛んでくるでしょうね。この上魔神王をもう一体召喚されたらどうしようもなくなるし。


極めつけはこの魔術至上主義者っぷりです。

ウィニフレッド「しかし、たかが人間の命とは言え、罪もない村人を犠牲にするのはよくないと思うの」

グラディカル「ふん、魔法の使えん連中など、何の価値があろうか

マルムス「そんな主張は五百年ほど前にあったな。魔法王国という国のことじゃが」

グラディカル「そう、魔法王国こそ理想じゃないか。魔法の使えん者は蛮族として奴隷化するのだ。フハハッハハ」

まるでフォルテスのような狂気です。今の状態の彼に魔神王を召喚させる訳にはいきませんね。


ルーセント「やはり、お前に宝剣を渡すわけにはいかない!

この宣戦布告を合図に戦闘が始まりそうになりますが、その時"魔神掌握の杖"が震えだします。

つまりこの杖でも掌握できない魔神、それこそ上位魔神以上の魔神が接近しつつあるのです。例の竪穴からね。


グラディカル「というわけで、わたしたちは撤退させてもらう」←"テレポート"準備

リスター「おい、待たんかい!この下位魔神とか、せめてゴーレムだけでもなんとかして行けよ、コラ!」

フェリオ「せめてゴーレムのコマンドワードを!」

グラディカル「さらばだ。生きていれば、また会おう」←逃げた

フェリオ「ひ、ひどい。もう、お師匠様なんて呼ばないからね!

竪穴からは上位魔神が接近し、逃げようにも前門のゴーレムに後門の下位魔神……。かなり危機的状況でした。


エピソード9 復活と再生と

★いきなり大乱戦?

話を跨いでも一行の危機は続いていました。上位魔神が迫りつつ、未だに複数の敵に包囲されて絶体絶命です。

現在室内には支配を解かれた10体の下位魔神に加え、導師が設置した竜牙兵がいて、扉の向こうのストーンゴーレムも健在です。


あと穴の中からよじ登ってくる上位魔神は鱗を持つ巨大な魔神であり、挿絵を見る限り竜や巨人ぐらいのサイズはありそう。

更に穴から突き出した両手を伝ってトカゲ頭の下位魔神までもが現れ、グズグズしていると本当に袋叩きに遭って全滅です。

ここで現れた上位魔神とトカゲ魔神はSWには出てきませんね。上位魔神は当然として、トカゲ魔神も今までの魔神より強い種類らしい。


しかし彼らは諦めなかった。まずウィニフレッドは"インビジビリティ"で姿を消しつつ脱出し、『魔神王の書』もちゃっかりゲット

フェリオは命の危機という事で本気出してコマンドワードを記憶の海からサルベージし、何と竜牙兵とゴーレムを掌握する事に成功します。

フェリオ「ダルベース、この扉から出てくる者を、みんな攻撃しちゃえ!」←そういうコマンドワード

ゴーレム「メイレイ・リカイ・ゼンブ・コロス……ギギ」

リスター「命令が、ゆがんでんじゃないか?」

これで多少なりとも追撃を阻める筈。上位魔神はともかく、下位魔神なら十分倒せる筈です。


それと順番は前後しますが、ゴーレムを動かす前にそれぞれが《運動技能》に属する《移動力》の判定をして包囲を突破します。

これは短距離を素早く動く時に役立つ特技であり、扉に滑り込むとか競争するとか、正に今のような状況でこそ使われるものです。

姿を消しているウィニフレッドは判定の必要なくすり抜け、他の仲間達も普通に成功していきます。GMだってPCを殺したい訳じゃないし。


ところが約1名、ここぞとばかりに失敗して魔神に袋叩きに遭いました。勿論我らが魔法戦士ルーセントです。

GM「では、五回ほど攻撃させていただきます。(コロコロ)四回命中」

ルーセント「し、死ぬ!」

GM「ダメージは、17点」

ルーセント「残り生命力8点」

GM「10点」

ルーセント「あと1点」

GM「18点」

ルーセント「死にました……」←やっちゃった〜!

本当に死んでしまいましたよ。何故か「蟻帝伝説クリスタニア」のテューレを思い出しました。


死んでしまったものは仕方ありません。蘇生できる事を期待して、どうにか遺体だけでも回収しようと色々工夫しました。

まずは魔神の真っ只中で転がる彼を風の精霊魔法"プッシュ"で扉へ動かす。これはSWにはない魔法ですね。

ロードスにはコンパニオン時代からあった魔法で、PCゲームにもあった。重量200sまでの物体を任意の方向へ動かせます。

以後彼の遺体には"レビテーション"をかけて浮遊させ、風船みたいに括り付けて運びます。しかしなんてアグレッシブな遺体(笑)


余談ですが、「ロードス島RPG」の魔法はしばしばSWとは違った効果を発揮します。特に効果対象が違う事があります。

例えば"インビジビリティ"や"レビテーション"はSWでは術者にのみ有効な魔法ですが、こちらでは他者にもかけられるのです。

これだけで色々世界が変わりますね。余裕があればパーティー全員が透明になって潜入できるし。デュダの言ってた事が実現しますよ。


それからゴーレムの戦う轟音を背後に坑道を脱出。すると村人は支配から解放された下位魔神相手に虐殺されていました。

実は今の一行はかなり消耗しています。戦士達は生命力がないし、魔法使い達は精神力がない。それでも見捨てられませんでした。

ちょっと見ていて怖い戦いでしたが、スカーフェイスがいつも以上の強打者っぷりを発揮して2体の下位魔神を瞬く間に倒してしまいます。


スカーフェイス「ふっ、戦士が一人死んだといっても、戦力的には、あまり変わらんということか

ルーセント(のプレイヤー)「口がきけないと思って、好き放題ですね、グッスン」

実際このパーティーの主砲はむしろスカーなんですよね。そしてエースはリスター、リーダーはマルムスです。


そしてラルカス学長に貰ったスクロールを使って坑道を爆破!やはり時間稼ぎ程度にはなるでしょう。


★ビドー、ノービス、そしてアラン

このゲームにも蘇生の奇跡"リザレクション"が存在します。6レベルの神聖魔法なので、11レベルないと取得できません。

SWと違って目標値などはありませんが、効果があるのは死後5日以内であり、蘇れる回数は最大レベル回数までです。


ここからならターバのマーファ大神殿の大ニースを頼るのも手ですが、学院とのコネを活用してノービスへまず向かいました。

そこの魔術師ギルドで"テレポーテーション"によってアランへ飛びます。そしてラルカス学長が蘇生費を出してくれて無事復活!

この時はリスターのコネも使ってマーファ神殿で蘇生を行いました。流石にアラニアの王都です、結構高レベルの人がいたんですね。


彼らがいない間にアランでは68件もの殺人事件が起こり、オチオチ出歩く事もできない有様です。魔神もやりたい放題ですね。

更には魔法戦士団は団長をはじめ、上層部を軒並み逮捕。残った人達が裏魔法戦士団を結成し、国へ反抗する姿勢を見せていました。

その上自宅謹慎中に出奔したルーセントは当局に指名手配されていました。あらゆる意味で棲み難い街になってしまいましたね……。


勿論フェリオは肩身が狭くなっていました。

学院の人「あ、あなたは、学院の備品を盗みだした上に、各地で悪口を言いふらしているというフェリオ!」

フェリオ「そんなこと、してないよ」

しかも悪事のスケールが微妙に小さいし。「盗んだバイクで走り出す」程度の悪さですね(笑)


でもいい事ありました。この時点で一行は4レベルに成長。スカーがどうなってるかは分かりませんが、多分成長してる。

魔法のレベルは上がりませんが、リスターがフレイルを使えば待望の"ニュートラライズ・ポイズン"だって使えます(おい)。

この時ちゃんとルーセントが蘇生してから経験点が渡されたので、彼も成長しましたよ。これで成長が遅れたら本当に笑えない。


★悪魔の呼び逃げ計画?〜宝剣を取り戻せ

ルーセントも蘇生したので、改めてラルカス学長に一連の戦いの報告をします。

ラルカス「で、君たちはグラディカルに会えたのかな?」

マルムス「会えたどころか、グラディカルの恐るべき陰謀を聞きだしたのだ」

リスター「名づけて"悪魔の呼び逃げ計画"

スカーフェイス「何だそれ?」

リスター「つまり、魔神王を召喚して逃げるという計画だろ?」←支配するんだってば

ラルカス「君たちを呼びつけておいて、逃げたってことかと思ったぞ」

フェリオ「実際、そんなとこだったけど」

例の写本はフェリオでは到底読めなかったので、学長に解読をお願いしました。


しかし落ち着く間もなく今度は国の衛兵がやって来て、ルーセントの身柄を引き渡すよう要請してきたのです。

そういえば蘇生した後野面で歩いていましたからね。密告があったのか、それとも当局の人間に目撃されていたのか。

反抗しても仕方ないので、彼は大人しく出頭しました。それで仮に投獄されたとしても、学長が解読するまでの辛抱です。


ところが連行される彼を救出する人達がいたのです。彼らこそは裏魔法戦士団、ルーセントの同僚達です。

魔法戦士「助けに来たぞ、ルーセント!」←余計なお世話だ

あ〜あ、これでますます犯罪者街道一直線です。団長が無実だと証明できても恨みを買いそうです。


あっという間に衛兵を蹴散らした彼らはルーセントをアジトへ案内し、団の復興に協力するよう頼んできます。

現在の彼らは6レベルのインガードという人がリーダーになって、真実の究明と団の復興の為に活動しています。

牢屋破りをしてまで団長達を救出する実力はないのですが、現在閉鎖された本部に襲撃を仕掛ける予定を立ててます。

それをやると本格的に彼らは逆賊になり、ますますグラディカル導師の思う壺。それでも彼らの決意は固いようでした。


特に本部にあると思われる宝剣"コンクァラー"の奪還を第一の目標にしてますが……持ち出したのがバレてしまう……。

そこでルーセントは宝剣の奪還を志願し、荒事を避けるよう訴えました。傍から見ると立派ですが、盗んだ物を返すだけだし(笑)

結果裏魔法戦士団への協力を約束してしまったルーセントはしばらくパーティーと別行動をとります。まぁすぐに合流しますから。




解読までの余暇を利用して、一行は貯まった特技ポイントで特技を伸ばすべく修行に勤しみました。

GM「お金が足りない人は、学院が低利で貸してあげよう

リスター「利子を取るのか!」

魔術師だって強かでないと学院なんて経営できませんからね(笑)


前述したように特技を伸ばすには教師が必要で、然るべく授業料と訓練期間も必要になります。

ここはアランですから、そういう機会には事欠かない筈です。例えばルーセントは団の先輩から剣を習えるしね。


そうこうする内に学長は解読を終えました。ていうか僅か20日で解読するなんて、本当に天才魔術師なんですね……(感心)。

学長の読み解いたところによると、この本とグラディカル程度の実力があれば50%程で魔神王を支配できるそうです。

五分五分か……。それで魔神王を支配できるなら凄いことは凄いけど、ロードスの命運をそんな確率に賭けるのは流石にねぇ……。


しかも学院の調べにより、行方不明になっていた導師の母親が生きている事が判明したのです!

彼女は現在ターバのマーファ大神殿に身を寄せているとの事なので、リスターとも何処かですれ違ってた可能性がありますね。

魔神王の支配には肉親の生贄が必要です。それだと次に彼女が狙われるのは確実ですから、次の目的地はターバに決定しました。


ただしルーセントは別行動です。団員達と「戦記」でお馴染みのザクソンの村へ移動し、その村出身の団員の実家を拠点とします。

アランからすると、ザクソンはアランの北東にあって、ターバはその更に先にあるから合流しようと思えば割りと容易いですよ。

旅程としては、アラン⇔ザクソンは徒歩9日で、ザクソン⇔ターバは「祝福の街道」で僅かに2日。馬に乗ればもっと早く着きますね。


エピソード10 魔神王の書の謎

★裏魔法戦士ルーセント

仲間と別れたルーセントは魔法戦士団の同僚達とアランを脱出し、馬でザクソンへと向かいました。

ルーセント「ちゃんとアランから脱出できましたか?」

GM「大丈夫。君なんか二回目だから手慣れたもんだ

ルーセント「あんまり、馴れたくはないんですけど……」

この時使った特技は《操作技能》に属する《乗馬》です。騎士奨励で、2レベル以上で戦闘にも使えます。


GM「ザクソンは、優秀な騎士の産地で、いろんな国に騎士たちを送り出している村なのだ」

ルーセント「パーンの親父さんとかもザクソン出身なんですよね。でも、どうしてアラニアの騎士にならないんだろう?」

それは初耳ですね。コンパニオンやワールドガイドには載ってないし。アラニアの騎士にならないのは、心ある騎士だからかな。


それじゃあセシウスは庶民からヴァリスの騎士隊長にまで上り詰めたって事ですかね。さり気なく優秀な人だったんですね……。

でも「王たちの聖戦」ではパーンの家系がヴァリス王になっていないとか言ってたし、ヴァリス出身ではないんでしょうかね。

清松先生のサイトを参照しますと、普通貴族/騎士の家系でないと爵位や騎士位は得られないものですが、例外もあるそうです。

例えば戦争等で功績を立てるとか。「終末戦争」後のマーモ王国なんかその好例ですね。この場合雇用枠ががら空きだった事もある。

あとオーファンやフレイムのような新興国では庶民が騎士や貴族に登用される事もある。要は誰を騎士と認めるかは主君次第なのです。


落ち着いたところでルーセントは情報収集をします。ここでは《礼儀作法》で村人から話を聞いて回りました。

すると有翼の魔神がターバへ飛んでいったという話と、巨人のようなものの目撃談が聞けます。例の上位魔神でしょうね。


そうこうする内にルーセントを尋ねてフェリオの兄弟子シーフォンが現れます。どうやら「魔神王の書」の追加情報があるらしい。

ここではシーフォンはその情報を暗記していたという事で、ルーセントにも暗記が要求されました。メモは禁止という裁定です。

個人的にはそういう処置は好きではありません。常識的に考えてメモを取るのは自然だし、取ってはいけない理由もありません。

TRPGは想像力のゲームであって、暗記力のゲームではないんだし。戦闘中で余裕がないとか、そういう理由があれば別ですが。


ここで覚えさせられたのは以下の4つの詩でした。****は保存状態の関係で読めなかった部分です。

『ロードスの南北の端に小さき者あり
 魔神王は小さき者が造りし宮殿にあり
 小さき者は魔神宮を****忘却す』

四つの峰が終わる谷に魔神宮あり
 求める来る者すべてに、門は開かれる
 しかし、それは死への門である』

『魔神宮は、召喚者が造りし檻なり
 魔神宮において、物質界の法は意味を持たず
 天と地は乱れ、星々の輝きは****』

『魔神宮の底は物質界と異界のはざま
 どちらの****も働くことあたわず
 *********』

モスにある魔神王が封印されていた遺跡は「魔神王の迷宮」でしたが、この北の地には「魔神宮」があるようです。

「小さき者」とはドワーフですね。「魔神宮」は鉄の王国が造ったものなら、もしかしたら「魔神王の迷宮」は石の王国が?

そしてそれが「四つの峰」という場所にあって、どうやら異空間といった類の場所にあるらしい。そこが決戦の地ですね。


★ターバにて

一方マルムス達はターバに到着。まず鉄の王国の"石の王"ボイルに一連の事件を報告します。

ボイル「わかった。その件については、こちらの精鋭部隊を投入するかもしれん」

リスター「石の王の親衛隊かな?」

ボイル「そう、石斧部隊だ」

多分フレーベも同様の部隊を持ってたと思います。もっとも、彼らですら魔神軍の猛攻の前に敗れたのですがね。


続けてマーファ大神殿に顔を出しますが、どうやら事件があったようで騒然となっていました。

フェリオ「大変だ〜リスターが戻ってきたぞ〜って?」

リスター「何でそうなるかな?(笑)」

実際には魔神が現れたのです。グラディカル導師とブレストが5体の鏡像魔神を連れてね。

鏡像魔神の方は人間に化けていましたが、司祭に問い詰められて姿を現し、ドワーフの戦士達が退治してくれました。

ところが1人の女性が誘拐されてしまったのです。目が不自由で経歴が定かではなかった女性ですが、導師の母親でしょうね。


鉄の王国よりも先にこちらに来て護衛すべきでしたね。これで彼らは魔神王を復活させる生贄を手に入れてしまいました。

その時リスターの持つアーカイルのフレイルと女神像が震えだします。それに導かれるように彼らは共同墓地へとやって来ます。

そこにはアーカイルの墓がありました。リスターがその前に立つと突如として彼の脳裏にアーカイルの声が響き渡ったのです。


アーカイル「我が名はアーカイル。この地を守護する者なり。
       今、ふたたび魔神の手が迫っている。自らの命を削ってでも守りぬく覚悟はあるか?

リスター「もちろんです!」

アーカイル「汝が守るものとは何だ?」

リスター「信者です!そして、それが、ゆくゆくはロードスすべての人々のためとなるのだ

アーカイル「ならば、マーファと私の力を授けよう

GM「そうすると、女神像に蓄えられた力が、六桁とか七桁とか、すごい数値になったよ」←!!!?

勿論その精神力は"トランスファー"で他者に融通できます。最早人間魔力の塔ですね。魔晶石要らずですよ。


更にウィニフレッドの足元に1匹の黒猫が擦り寄ってきます。この猫こそがティエルの使い魔だったのです。

「追うなウルフ。ブレストには、グラディカルとは別の目的があるらしい。
 君と会ったのが引き金になったのか、時々正気に戻る
 使い魔にこの手紙を託すのが精一杯だ。エルフだけでなく、すべての人々に警告を!

追うなと言われても放っては置けません。仲違いするならそこに付け入る隙がありそうですが、生憎と行方が分からない。


そこに見計らったようにルーセント合流。例の詩を皆に聞かせ、知恵を出し合って「魔神宮」の場所を特定します。

これには《地図作成》が必要になりますが、例によってマルムスが失敗したので父親の中マルムスや祖父の大マルムスを頼りました。

まず四つの峰とは白竜山脈の南にある、標高がほぼ等しい四つ子の峰の事です。そしてその中央に嘆きの谷と呼ばれる場所がある。

谷には火山もないのに硫黄の匂いが立ちこめ、動物はおろかドワーフすら近づこうとしない怪奇スポットです。そこに「魔神宮」がある


★雪よ山よ精霊よ

準備を整えた一行は白竜山脈へと突入しました。ていうか魔法戦士団にも石斧部隊にも救援を求めないのか(笑)

現在の白竜山脈は尋常ならざる力の影響で精霊力のバランスが崩れ、季節の割りには寒くなっていて、時間がない事を感じさせます。

道中イエティ(雪男)スノーウルフの襲撃なども受けます。普通なら集団で人間を襲う筈がないのに、彼らも異変に敏感のようです。


これらのモンスターはルールブックには載ってませんが、前者はSWに、後者はクリスタニアにそれっぽいのが出ていましたね。

特にスノーウルフは「蟻帝伝説クリスタニア」でも雪山で出てきました。下半身が流星のように流れ、空を飛んでしましたね。

ただこのスノーウルフにはそういう描写はない。それでも氷のブレスとか吐いていたので、ただの雪山に棲んでるウルフではないでしょう。


こいつらはフェリオの"ファイアウエポン"やウィニフレッドの"ファイアボルト"の力ですんなりと退治できました。

しかしここでリスターが女神像の精神力を使った時、そのリスクが判明しました。精神抵抗に失敗すると生命力の上限が1減るのです。

巨大過ぎる力に人の身では耐え切れないんでしょうね。抵抗に成功すればいいんですけど、使えば使うほどに命を削る事になりそうです……。


スカーフェイス「魔神王にたどりつくのが先か、リスターの命が消えるのが先か……」

リスター「不吉なことを言うんじゃないの!」

しかし必要とあれば彼は惜しみなく女神像を使うでしょう。今の戦闘の消耗もそれで回復させたし。


★石舞台で踊れ

いよいよ嘆きの谷に到着しました。植物も枯れ果て、イオウの匂いが立ち込める殺伐とした風景です。まるで地獄のようです……。

実際ここから地獄が始まる。魔神宮の入り口は石舞台になっていて、そこには4体のストーンゴーレムが並んでいます。

更には石舞台を囲むように30体×4グループで120体の下位魔神が守っています。これは下手に突っ込むと普通に全滅しますね。


舞台には"魔神掌握の杖"があるので、下位魔神どもは導師が用意したものです。しかしゴーレムの方は違うのです。

《歴史》で調べてみると、ゴーレムは石舞台と同じぐらい古いものでした。つまりこいつらは迷宮そのものの番人なのです。


ルーセント「そうだ!"レビテーション"で浮かんだフェリオを、
            ウィニフレッドが"インビジビリティ"で透明にした上で、
           "プッシュ"で押して魔神掌握の杖を奪いに行くってのはどうでしょう?」

フェリオ「ちょっと待ってよ。あたしが魔神掌握の杖を使えなかったらどうなるのよ」←袋叩きです

マルムス「そうなったら、浮かんで逃げればいいだろう

ウィニフレッド「じゃあ、実行するわよ。フェリオ、さっさと浮かびなさい」

フェリオ「ひぇ〜、あんまりといえばあんまりな作戦だよ〜

ところがその時、ビドーで見たトカゲ魔神100体と、全長3mの上位魔神が現れたのです。魔神軍も独自に動いているんですね。


石舞台の下位魔神達はそれを迎え撃つべく舞台を離れました。これはチャンスと全員で石舞台にダッシュ。

しかしやはりトカゲ魔神の方が強いので、いくらも持たないでしょう。その前にゴーレムを突破して、「魔神宮」へ突入します。

幸いゴーレムどもは一行にリドル(謎かけ)をかけてくるので、それさえ解ければ戦闘の必要なく「魔神宮」へ入れますよ。


このリドルと答えは以下の通り。

1体目のゴーレム:「ここに眠る者は誰だ?」→魔神王

2体目のゴーレム:「なんじが属する一門は?」→召喚の一門

3体目のゴーレム:「死を望むか?」→望む

4体目のゴーレム:「この先は、物質界か、それとも異界か?」→どちらでもない

例の詩を覚えていれば解けますね。誤答するとゴーレムのハンマーパンチを食らうので慎重に答えないといけませんが。


全てのリドルを解いた時、一行は完全な暗闇の空間に瞬間移動しました。こここそが「魔神宮」です。


エピソード11 時の迷宮

★魔神宮……だよね?

いよいよラストダンジョン「魔神宮」に突入した一行。南で言う「魔神王の迷宮」に相当する遺跡と思うと先が思いやられます。

ウォートによると「魔神王の迷宮」はカストゥール王国の遺跡群の中でも最大のものですが、ある意味この「魔神宮」はそれ以上です。


遺跡内に飛ばされた一行は暗闇の中で"ライト"を使用したところで引いたので、その直後から始まります。

GM「さあ、いよいよ最終局面に突入だ!準備はいいか!」

ルーセント「準備する間もなく、ダンジョンに放りこまれたところからでしょ」

フェリオ「さっき戦闘したから、精神点もあんまりないよ」

マルムス「よいではないか。リスターが女神像からいくらでも補充してくれるのだからな」

リスター「こっちは命を削って精神点を引き出してるんだから、大切に使えよな!」

ウィニフレッド「人間の寿命は短いから、かえって命も重いのよね」←重たい

最後なのに相変わらずのノリです。とても「最も深き迷宮」と同格の遺跡にいるとは思えないゆとり。


スカーフェイス「そろそろ、目を開けて、ダンジョンの中を拝見しようぜ」

フェリオ「今まで、みんな目をつぶって話してたんだ。じゃ、せいので目を開けるよ。いっせ〜の〜で!」

GM「そこで、君たちが見たものは……」

ルーセント「見たものは?」

マルムス「不気味な迷宮か?」

リスター「それとも、死体の山か?」

GM「君たちのまわりには、のどかな田園風景が広がっているのでありました

季節は春でしょうか、草原の只中の小さな丘の上に立ち、眼下には小川が流れ、遥か彼方には雪を頂いた山が見えます。

見上げれば気持ちのいい青空が広がっていて、耳を澄ませば小鳥の囀りも聞こえてくる……。なかなかいい所ですね(笑)


普通の遺跡ではないと思ってましたが、既に屋内ですらない。不審に思う一行は《捜索》複数名の靴跡を発見します。

マルムス「足跡から、性別とか体格とかわからんかね。あと、こびりついた土から、どこからやって来たとか」

お前は何ロック・ホームズだ(笑)。しかし景色に見覚えはなく、幻覚でもなさ気で、いきなり困った事になりました。


その時《知覚技能》で成功した人は、頭の中に「危ない!後ろ!」という声が響くのを感じました。

何事かと振り返ってみると、ゴーレムが3体襲い掛かってきたので、とっさに応戦してこいつらを破壊しました。

調べてみるとこいつらは小柄で敏捷な黒い石(黒曜石?)でできたゴーレムで、カストゥールの軽作業用ゴーレムでした。

軽作業用だから戦闘用ではないのでしょうが、その製造法自体は遺失です。ブレストか、この遺跡に元からあったものか……。


考えていても仕方ないので《足跡追跡》で例の足跡を追います。すると小川を渡り、丘を登り、もう一組の自分達と遭遇します!

それは正にさっきまでの彼ら自身で、鏡像魔神でもなさそうです。そして先程と同じく背後から軽作業用ゴーレムが襲い掛かります。

マルムス「なるほど!おい、フェリオ、早く忠告してやらんかい!」

フェリオ「危ない、後ろ!あっ、さっきと同じだ

マルムス「どうやら、わしらは自分自身の足跡をつけてきたようだな。しかも、時間の流れがおかしくなっている

フェリオ「違う言葉で忠告したら、どうなってたんだろう?」

GM(そりゃ、困ったさ)←正直なGM

流石は裏リーダー、察しがいい。ゴーレムに襲われた方の一行も、先程と同じ手順で倒して足跡を追跡します。


そして一行は過去の彼らに接触を試みましたが、向こうにはこちらが見えておらず、声も聞こえない様子でした。

仕方なくボディータッチで気づかせようとしたのですが、その時景色が歪み、再び像を結んだ時は砂漠にいました


★死んだのは誰だ?

この通りに「魔神宮」に物質界の法則は適用されず、時空が歪んでいる。正に「時の迷宮」だったのです。

カストゥールの魔法都市や遺跡には様々なものがあります。天空都市幻覚の都市、夢の中の都市、色々とね。

しかし時間そのものを利用しているとは、なんてトリッキーなんでしょう。下手に罠や守護者を配置するよりも厄介ですよ。


今度一行が飛ばされた砂漠は、例のサンドウォームの住む穴がある場所でした。行ってみるとそこには石化したウォームが。

実はあの時の戦いでウォームを石化した直後の世界に来ているのです。足跡も残っていて、戦闘後の一行の姿も見えます。

そこでまた接触してみますが、やはり景色が歪んでタイムリープしてしまいます。既に気分は「時をかける少女」です(笑)


今度の移動先は未来でした。彼らが「魔神宮」に突入した1週間後のターバです。

道行くドワーフに話しかけてみると、この世界の彼らは魔神王の復活を阻止したのですが、ルーセントが死亡したとか。

しかしそれは表向きの事。試しに墓を暴いてみると、棺桶の中には鏡像魔神の死体がありました。……使命は失敗したのです。

他の5人は魔神王に精神を破壊され操られていて、街が浮かれている所で魔神軍を手引きするという密命を帯びています。


そうこうする内に未来の彼らはそれを実行しました。衛兵を惨殺し、数百の魔神を街に引き入れ、ターバは陥落間近でした。

勿論現在の彼らも応戦はしました。最後のスクロールで爆撃し、フェリオは前回入手した"魔神掌握の杖"で同士討ちさせます。

そこで未来の彼らは現在の彼らに襲い掛かってきます(ややこしい)。すると当然接触するので、再びタイムリープしました。


操られていても自分自身なので、不用意に近づくと飛ばされてしまう。「時の迷宮」とはよく言ったものです。


★鎖を断ち切れ!

今度は先程のターバから更に2週間後のアランです。既に街は炎に包まれ、アラニアは滅びようとしていました……。

これは現在の彼らが想定しうる最悪の結果です。魔神王は復活し、ロードスは南北から魔神軍に脅かされ、滅亡間近の絶望の未来


一行はまだ無事だった賢者の学院のラルカス学長に報告すると、聡明な彼は全てを理解してくれました。

ラルカス「ふむ、やはり魔神宮の中では因果律が狂っているようだ」

実はあれから未解読だった部分も解き明かされ、無数の罠を潜り抜けて最下層へ到達する手段も判明しています。

その知識を得た上でもう一度「魔神宮」を攻められればいいのです。幸い今の彼らなら時を越える事ができる筈だし。


その時ルーセントの姿が消滅。

マルムス「わかったぞ。この世界のルーセントが殺されたんだろう。それで存在してられなくなった」

ラルカス「その可能性は高いな」

死んだのか元の時空に戻ったのかは彼らには分かりませんが、後者に賭けて未来の自分を殺すしかない。


やがて未来のマルムス達も学院に訪れたので、彼らも腹をくくりました。

マルムス「導師の先生方に"ファイアストーム"でも撃ちこんでもらってだな、簡単に始末してもらおうじゃないか」

ラルカス「未来のお前たちなんだが、いいんだな」

フェリオ「こんな未来なんか、いらないやい!

これはなかなかの名言かもしれない。あと"ファイアストーム"は精霊魔法なので、導師達には使えないと思う。


学長はその通りに実行し、マルムス達の姿は消えていきました。

ラルカス「こんな世界にならないように頑張ってくれ……

さてこのフォーセリアには無数の異世界が存在する事が判明しています。では平行世界も存在するのでしょうか?

SFでよく扱われる題材ですが、選択肢の数だけ世界があると考えると、平行世界も無数に存在する事になりますね。

もし彼らが魔神王の復活を阻止したとしても、この絶望の未来を迎えた世界は救われなかったとしたらどうでしょう……。


よくこの手の絶望の未来を知り、未来を変えようと戦う主人公達の物語がありますね。ゲームでは「クロノトリガー」とか。

しかし本当に救えたのはどの世界なのでしょうね。主人公が安堵している一方で、平行世界は救われなかったとしたら。

小説では六英雄とフラウスが魔神王を倒して世界は救われた。でもパラレル・ロードスは魔神軍に蹂躙されていたのかも……。




ここからは先に消えたルーセント主体で話は進みます。彼は石造りの迷宮の中で目を覚まします。本来の「魔神宮」でしょうか。

仲間がいつまで待っても来ないので、学長から貰った攻略本(もとい迷宮踏破用のマップ)を頼りに最下層を目指しました。

もしこれがなかったらとしたら300回は死んでたといいます。こういった難易度も「魔神王の迷宮」と同じようですね。


最下層の通路を辿ると、そこはドーム状の広い部屋です。壁は魔神の壁画で埋め尽くされ、床には魔方陣が敷かれてます。

その中央に置かれた玉座には老婆が座らされ、左右にはグラディカル導師とブレストがいて、今しも首を切り落とそうとしていた。


ルーセント「待て!人間であることを捨てるつもりか!そんなことは、僕が許さない!

次回はいよいよ最終回です。絶望の未来との瀬戸際で、1人の魔法戦士の語られざる戦いが始まります。


エピソード12 魔神召喚

★たったひとりの戦い

物質界でも異界でもない「魔神宮」に封印されていた魔神王は、今正に生贄を得て復活しようとしていました。

グラディカル導師は実の母親の喉元に刃を突きつけ、あとは心と母親を殺すだけで第二の魔神王が解放されてしまうのです。


南の魔神王は「血の絆」故に支配を受けず自由を得てしまいましたが、こちらは一応血縁はあり、支配できる可能性はある。

しかもグラディカルとブレストの狙いはただ支配するだけじゃない。生贄に憑依した魔神王の肉体を乗っ取る事なのです!

魂だけの存在である魔神王が宿った生贄の肉体に更に宿るのです。そうなると彼らは魔神王の力を持つ肉体を手に入れてしまう。


その為の儀式の詠唱を続ける彼らを妨害しようと、ルーセントは孤軍奮闘。主役らしく儀式の場に突入しました。

GM「耳の長い男が割り入ってきたよ」

ルーセント「邪魔だ!」←集中力で抵抗−20の"スパイダーズウェブ"

GM「そんなことして、ティエルのファンに恨まれても知らないぞ」

これが何とブレストを束縛!推定13レベルの魔術師を一瞬で無力化するなんて、この土壇場で主役っぽい


しかし彼の活躍も空しく儀式は遂行されてしまいました。

ルーセント「やめろ!人間じゃなくなるぞ!

グラディカル「すでに弱い人間の心など捨て去っているわい

彼は次の瞬間母の喉を真一文字に切り裂いてしまいます。いよいよ魔神王が彼女の肉体に宿ります。


ここまではブルークと同じですが、ここからが違う。事前に準備していた魔方陣が発動し、全員が幽体離脱してしまいます。

肉体は時が凍ったように固まってしまい、中空に魂だけになってその場にいた人達が浮遊します。肉体を乗っ取る為ですね。

喉を裂かれた老婆は魂も肉体も魔神王の力で急速に治癒・若返りを起し、正しく魔神王が憑依したリィーナのような姿です。

そして魂だけになったグラディカルとブレストは更なる詠唱を行い、魔神王と化しつつある彼女と魂の融合が始まってしまいます。


それを妨害しようとルーセントも全存在を純粋なエネルギーに変換して戦います。

これは生命力、精神力、全能力値を単純に全て足し合わせてHPとします。ルーセントの場合は合計150点になりました。

攻撃を受けるとこの数値が減っていき、0になると廃人です。例えば不用意に魔神王に触ろうとすると15点とか削られます。

逆にこちらは攻撃しようと思えばいい。ダメージはD6×レベルで、彼は出目MAXでクリティカルして48点!とか出してました。


ルーセント「誰もいないところで活躍してもなぁ。誰か見てくれ〜、僕はこんなに頑張っているんですよ〜!」

しかしそんな彼の努力も空しく詠唱は成功し、魂が重なり合う。相手が魔神王では最早精神体の彼ではどうしようもない。

あとは儀式に使っている魔法陣を処理する事ですが、精神体ではやはり手が出せない。このままではあの絶望の未来が実現する……。


★仲間

しかし彼にはまだ仲間がいた。ようやくマルムス達が合流し、ルーセントの指示通りに魔法陣の処理にかかります。

この時彼らは普通に動いていながらルーセント達は硬直していた。でもルーセントの思念はリアルタイムに仲間に届いていた。

つまり精神が加速状態に入っている訳でなく、魔法陣内の時が止まっているような感じです。パッと見凄腕のパントマイマーです(笑)


魔法陣はフェリオが根性(集中力)によって調べました。この陣は二重になっていて、一方は封印用、もう一方は幽体離脱用です。

上手い事前者を残しながら後者を消してしまえば憑依を妨害できる筈です。理屈は分かっていてもかなり難しい判定になりますがね。

ちなみに魔法陣を用意したのはグラディカル導師らしい。召喚といえば魔法陣が付きものだけど、それなら付与魔術だって使いそうですが。


その時異変が起こりました、グラディカルとブレストの仲違いです。

グラディカル「な、なにをするんだ」

ブレスト「ごくろうだったな。召喚魔術師としての、お前の役目は終わったのだ。あとは、わたしが魔神王の身体を支配するのみ

グラディカル「共に、魔法王国を再建するという計画はどうなる!」

ブレスト「誰が蛮族ごときと協力するか」←古代王国の人間らしいセリフ

グラディカル「考え直せ!わたしの力がなければ、モスにいるもう一人の魔神王を倒せまい」

ブレスト「最強の身体を手に入れれば、この島には用はない。大陸へ渡って眷族を増やす

結局導師は利用されていたのですね。なのに導師の方はかなり彼を信用していたようで、何とも哀れな男です。


この時ブレストが魔神王との融合を進めたのでティエルの魂が剥離。皮肉にも自由の身となりました。

ウィニフレッド「ティエル!聞こえる、ウルフよ」

ティエル「だから来るなって言ったのに」←でも嬉しそう

このツンデレ・ハーフエルフめ!(笑)


しかし魔神王が相手では本気でアレクラストは滅亡する。残念ながら大陸とロードスの人間の間にはかなりの実力差がある。

冒険者達なら上位魔神程度なら倒せる実力者はそこそこいますが、魔神将や魔神王を倒せる超英雄となると殆ど思い当たる人物がいない。

大陸の超英雄は"至高の魔術師"マナ・ライと、"大ドルイド"ロウラスぐらいでしょう。ベルドやファーン級の戦士はいないでしょうね。

もうちょっと時代が違えばカシューこと"剣匠"ルーファスがいますけど、彼ですら荷が重い。魔神の軍勢とはそれほどの脅威である筈です。


敵が仲違いしたのは絶好のチャンスです。すかさずフェリオは幽体離脱用の魔法陣だけ消そうとします。

GM「また、難しいことを。それは、君の技術しだいだね」

フェリオ「でも、やる!」

GM「じゃ、教養技能をマイナス20の修正でふってごらん」

マルムス「ああ、この劣等生に、ロードスの未来がかかっているなんて

ああ、それは確かに不安ですね(笑)


そして案の定失敗します。

マルムス「集中力を使わんかい!」

フェリオ「ヤダ。あと一回だから、自分のために使うの

ルーセント「そういうふうに取っておいた集中力って、失敗することが多いんですよね」←あるある

フェリオ「ムカ!でも、使わないの!」

マルムス「このキャンペーン、どうも魔術師の勉強不足に祟られているような気がするのは、わしだけだろうか」

結局封印用の魔法陣も消してしまったので幽体離脱は解除され、同時に魔神王の束縛も解除されます。


この時ルーセントとティエルは上手い事自分の肉体に戻れたのですが、悲惨だったのはグラディカルでした。

少女の肉体に魔神王とブレストが宿り、中途半端に弾かれたブレストは肉体が融合。しかもメリメリ吸収されていく!

グラディカル「た、助けてくれ〜!

マルムス「助けろって言われてもなぁ。あんた敵だし」←もっともだけどドライ

すると魔神王の影響でしょうか、彼は見る見る内に若返っていく。青年から少年になり、更に小さくなって吸収された

恐ろしい最期になってしまいましたね。「サイレントメビウス」のガノッサみたいに胎児以前にはならなかったものの。


しかしこの期に及んでブレストは魔神王の支配に失敗したようでした。

ブレスト「だめだ。魔神王の意識が増大していく……」

ティエル「倒すなら、器が完全に整ってない今しかないぞ!

どうやらリィーナ程には完全に憑依できていないらしく、今の魔神王は非常に不安定な存在です。彼らが戦える程度に。

もっともこれで完全に憑依していたら全滅確定ですけどね。六英雄ですら圧倒的劣勢だった相手に、彼らが対抗できる筈もない。




いよいよ最終決戦です。こちらはティエルを加えた7人で魔神王に決死の抵抗を試みます。


1ラウンド目、ルーセント先攻

最初は魔神王派は動せず一方的に動きます。フェリオが"ボディープロテクション"をルーセントにかけて防御力強化。

ウィニフレッドは前作のアジールと同じく"シャドウボディ"を6人にかけます。マルムスは弓矢を準備しました。

スカーフェイスは攻撃をはずし、リスターもアーカイルのフレイルで石化を狙いますが失敗。先制攻撃にはなりませんでした。


2ラウンド目、魔神王先攻

魔神王は自分の肉体からサイズ(大鎌)を摘出!!挿絵を見ても分かるように漫画版「ファリスの聖女」の魔神王と同じ演出ですね。

漫画ではそうやって魔神王は体内から"魂砕き"を出していましたが、小説ではそういう描写はない(と思う)。

また"魂砕き"は魔神王を倒す為に創られた魔剣で、カストゥールの魔術師"知識魔神"グォールが付与者であり、魔神王の持ち物ではない。

最初はこのサイズも"魂砕き"なのかと思ったものですが、見る限り特別な魔力もなく、小説の魔神王とはちょっと違うと思っていい筈です。


魔神王はサイズによる二回攻撃を仕掛け、リスターに大ダメージを与えます。片方避けたからいいものの、両方食らったらヤバイですね。

それに負けじとリスターはスーパー・リスターにパワーアップ。女神像を使いましたが、運良く抵抗できたので大丈夫。

続いてマルムスは矢を外しますが、シャイニング・ラブを受けたスカーが順調に当て、ルーセントとウィニフレッドも着実に削ります。


3ラウンド目、魔神王先攻、

今度は後衛の魔術師達に"マインドブラスト"です。精神ダメージを範囲に与える嫌な魔法で、こちらの魔法の残弾を削られました。

ところがそこで敵の弱点が見えました。器が安定していないのに力を使ったから、血管がうねりながら一瞬膨れたのです。

マルムス「な〜るほど。じゃあ、このまま精一杯戦わせてやる

リスター「わかるぜ、その痛み」←切実

スカーフェイス「人間、器以上のことはしないほうがいいってことだな」

つまり敵が自滅するまで耐えるという戦略が有効ですね。まぁ魔神王が相手だとそれが妥当ですかね。


フェリオは今度はルーセントにシャイニング・ラブをかけ、ティエルが同じくルーセントにバーニング・ラブです。

SWは同じ対象に魔法をかけると前の魔法が上書き消滅します。しかしこのルールだと上書きされるのは数値だけです。

エンチャントとファイアを同時にかけた場合、前者の効果の命中力+10は残り、ダメージ+1は消え後者のダメージ+5が適用される。

その甲斐あって順調に魔神王を削りますが、マルムスとスカーの攻撃ははずれ、ウィニフレッドの"サイレンス"も抵抗されてしまいます。

そしてスーパー・リスターはルーセントに"リフレッシュ"をかけて全快させます。彼が無事なら即死しない限り死ぬ事も無さそうですね。


4ラウンド目、魔神王先攻

魔神王は"ゲート"の呪文で下位魔神を召喚しようとしますが、左手が破裂。もうかなり弱っていますね。

魔神王「弱い、あまりにも弱すぎる」

ここぞとばかりにウィニフレッドの"ファイアボルト"が突き刺さり、リスターの"ブレス"で更に命中力の増したルーセントが攻撃。

するとサイズを持った右手が崩れ、続けて肉体も崩れ落ちる。魂を滅ぼす事はできないまでも、活動する肉体は奪えました。


その時肉塊の中に動くものがありました。それこそが赤ん坊に戻ったグラディカルだったのです。

ウィニフレッド「きっと、母親が守ってくれたんだわ」

リスター「人間、生まれた時はみんな汚れていないのだ。邪神の影響を受けて、悪に染まる者がいるだけなのさ」

まるで司祭様みたいな事を言いますね(笑)


不幸な生い立ちから歪んでしまった彼でしたが、母親から再誕する事で人生をやり直すとは不思議なものです。


★悪しき魂

しかしまだ終わってはいなかった。魔神王の魂がルーセントに憑依してしまいます!

ルーセント「助けてくれ〜」

マルムス「ルーセントも倒さないといかんのか?」

リスター「ダメだろう。また、別のやつに乗り移るだけのような気がする」

魔神王は不滅の魂を持つという。だからその魂そのものを砕く事が魔神王を滅ぼす唯一の術なのです。


しかし彼らにそれはできない。倒す事ができないとなると……。

ウィニフレッド「ティエル!なにか方法はないの?ブレストの知識も得たのなら、思いつかない?」

ティエル「意識ごと封じ込めてしまう方法があればいいんだが」

一同「…………」

リスター「そうだ!石にしてしまえばいいんだ!

倒すのではなく再封印ですね。ルーセントも一緒に石化してしまいますが、死ぬ訳ではない。"リフレッシュ"で元に戻る。


リスターはアーカイルのフレイルを振りかぶり、ルーセントは甘んじてその魔力を受けて石像になりました

マルムス「ロードスを救った英雄として、早くも彫像が建ったか」

勿論このままにはしません。腕のいい召喚魔術師なら魔神王の魂だけを摘出して再封印することができるそうです。


フェリオ「腕のいい召喚魔術師に育つ赤ん坊なら、ここにいるけど」

ウィニフレッド「人間にしては、気の長い話ね」

スカーフェイス「今度はまっとうな人間に育てよ」

フェリオ「ということで、ルーセント。気長に待っててね

ルーセント「いやじゃ〜。魔神王と一緒だと、気が狂ってしまう〜」

マルムス「頑張るのじゃ。しかし、皆の者、このことは口外してはならないぞ

一同「了解」

ここに魔神王がいると分かればブルーク、グラディカル、ブレストに続く野心家が来ないとも限りませんからね。

一人前の召喚魔術師になるまでとなると、10年や20年じゃ無理でしょうね。……ていうかラルカス学長は無理なのか?




こうして第二の魔神王が蘇るのは防ぐ事ができました。しかしルーセントはこの迷宮に留まり続けたのです。

フェリオとスカーはアラニアでグラディカルを育てましたが、彼は若くして頭角を現しながらまた出奔したそうです。

一体彼はいつになったら帰還できるのやら……。それでも彼は最後の魔法戦士として、いつまでも待ち続けるでしょう。


ウィニフレッドはティエルと共に鏡の森へ帰りましたが、またティエルは姿を消しました。その後の活躍は次の巻のお楽しみ。

そしてリスターとマルムスはそれからも魔神と戦い続け、やがて"百の勇者"に加わり、最期まで共に戦ったと伝えられます。


魔神が解放され、魔神を利用しようとする者も出た。次の展開はいよいよ魔神相手に人間が攻勢に出ます!




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