「RPGリプレイ ロードス島伝説T 魔神襲来」 原案:水野良 著:高山浩とグループSNE 出版社:角川書店
★はじめに
このリプレイは小説「ロードス島伝説」の発表より1年も前から「コンプティーク」誌上にて連載されたものです。
小説との関連はパラレルワールドであり、もう1つの魔神戦争史をナシェルでも六英雄でもない別の勇者達が戦い抜く話です。
突如ロードス島に現れた魔神という存在……。災厄と死を振りまく異界の住人相手に、彼らは彼らの魔神戦争史を駆け抜けるのです!
「伝説」の"頭"や"自由騎士"を私は「英雄になり損なった勇者」だと評しましたが、魔神戦争ではそういう非業の勇者が本当に多かった。
今回登場する勇者達も様々な道を歩みます。「百の勇者」となって最も深き迷宮に挑む者、戦死する者、自分の生き方を見つけて戦線を離れる者……。
もしかしたら彼らは小説の世界にもいて、人知れず魔神と戦っていたのかもしれませんね。それでは、もう一つの魔神戦争の真実を明かそう……。
★ルールの確認
本編に入る前にこのシリーズのルールを確認しましょう。これは以下のようになります。「英雄騎士スパーク」も参照。
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このように毎回ルールが違っているのもこのシリーズの特徴です。
最初は「戦記」と同じコンパニオンルールで、U巻に入ると当時最新だった「ロードス島RPG」になる訳ですよ。
そしてV巻に入ると追加ルール&データを大量に採用したエキスパートルールになると、なかなか盛り沢山な展開なのです。
SWとの違いは「英雄騎士スパーク」を見てもらえば分かるかと思います。基本的にルール面での解説はしませんがね。
でも話をする上で面倒なので、判定方法と「集中力」について確認しておきましょう。
攻撃スキル:主に戦闘における命中判定で使う。防御スキル:やはり戦闘で使うが、回避判定に使う
盗賊スキル:手先の器用さや敏捷性に関係する判定で使う
魔術スキル:知識や直感といった分野で使う
抵抗力 : 魔法への抵抗で使う。
集中力 :任意の判定をやり直す時に使う。SWの超英雄ポイントと違って全てのPCの標準能力
このような判定を場合に応じて使い分けます。細分化されてないだけで、SWにも通じるところがありますね。
ちなみに盗賊とか魔術とか言ってますけど、盗賊でなくても盗賊スキルは使える。全クラスに共通の能力です。
ただしやはりクラス毎に得意不得意がある。戦士は魔術スキルが低いし、魔術師は攻撃スキルが低く、その辺差別化はされてる。
まぁある程度レベルが上がると不得意分野のスキルでもそれなりの数値になるし、そこそこの成功確率になりますけどね。
★ロードスの過去は君たちが作る!〜全キャラクター、モスの地に集う
物語はモスの強国ドラゴンアイ・ハイランドから始まります。小説でも魔神戦争においては大きな役割を果たした国ですね。
小説の主人公ナシェルはこの国を拠点に魔神と戦っていく訳ですが、このリプレイでの彼はそこまで大きな役割は果たさない。
フラウスも六英雄も大っぴらには出てきませんからね。あくまでも主役はPC達であり、最終的に魔神将とまで戦ったりします。
RPGとは物語を生成するゲーム。ならば既存のキャラを追いかけるのではなく、新しい主人公達を演じるのもアリなのです。
英雄戦争のパーン達もそうでしたね。その気になればファーンやベルドを主人公にした壮大な戦記ものを綴ることだってできたのです。
しかし敢えてその大事件の周辺でパーン達を活躍させる事で、大きな自由度と創造性を生み、彼らが次の世代の英雄となりえたのです。
まぁ中にはプレロールド(既成のPCで遊ぶこと)という遊び方もありますし、見知ったPCで遊ぶのも別の面白さがあるのでしょうが。
さて、今回のPCは以下の5人になります。ちなみに全員1レベル。
ミレウス 16歳 クラス:ナイト
ハイランドの騎士であり、なんと竜騎士見習いだったりする。今回の主役で由緒ある家系の出身だけど、ちょっと頼りないお坊ちゃん。
竜騎士といえばハイランドの騎士の中でもエリート中のエリート、王族級でないとまずなれない特殊な立場の人達です。
しかし彼は特別優秀だったのでその候補だったりする。それに「特別なことを実現させる」のもRPGの醍醐味、面白いからアリ。
オーディア 18歳 クラス:プリースト(ファリス)
ライデンの大商人の娘だが、父親にプッペといういけ好かない商人と婚約させられ、ハイランドの修道院まで家出してきたお転婆お嬢様。
さり気なくプレートメイルとか着てるけど回復役。冒険では妙なカリスマを発揮するが、追いかけてきたプッペから逃げ回る事もしばしば。
ヴォルク 20歳 クラス:スカウト
アラニア出身のハイセンスな盗賊。スカウト(SWでいう盗賊)としてはコンスタントに活躍し、戦闘では飛び道具で活躍する。
ボスの女に手を出してモスにまで逃げてきた(らしい)が、それでも懲りずに隙あらば見境なく女性を口説く生粋のプレイボーイ。
ティエル 21歳 クラス:ソーサラー
鏡の森出身のハーフエルフで、エルフに苛められた反動でアランの賢者の学院で魔術を学ぶが、魔法を戦闘に使う事から放校された問題児。
目つきが悪く、過激な性格をしている独立愚連隊。でも心の何処かではエルフ達への思いやりもあったりする、実にクセの強い男です。
中の人はコンパニオンのデータを作ったそうで、豊富な知識をプレイにも役立てる。実はミレウス共々第V巻にも登場する重要人物だったりする。
アジール 29歳 クラス:シャーマン
炎の部族出身の精霊使い。故郷の砂漠には妻子もいたりする。パーティーの平均年齢を一気に上げているが、ド派手な赤いターバンとマントが特徴。
宿敵である風の部族を倒す術を求めてロードス中を放浪していて、竜騎士見習いであるミレウスを「ぼっちゃん」と呼んで勧誘に勤しむ苦労人。
★ホニャララな仕事?
導入ではミレウスとオーディア以外の3人はハイランドに到着した直後、それぞれの事情で「ホニャララな仕事」を受けていきます。
ティエルはゼイラという攻撃魔法が得意な魔術師に魔法を教えて貰うために、彼の代わりに王宮からの依頼でその仕事を受けました。
ヴォルクは盗賊ギルドに挨拶に行った時、最初の仕事としてギルドの命令でその仕事を受けました。当然盗賊としては断れません。
アジールは竜騎士を勧誘する為に、竜騎士の選考会に潜り込もうとその仕事を受けました。それで本当に勧誘できるかはまた別の問題ですが。
依頼人「仕事というのはな、ホニャラララララというわけじゃ」←ミレウスには聞かせない
ティエル「わかりました、引き受けましょう」
ヴォルク「(ミレウスの顔を見て)は〜、ホニャララですか。ばからしい仕事ですが、引き受けましょう」
アジール「それは一石二鳥というものです。喜んで引き受けましょう」
ミレウス「僕だけ事情がわかんないんですけど」
うわ、気になる。でもこの直後に嫌が応にも知る事になるから大丈夫。
またオーディアは修道院のシスターからの頼みで外出中に、婚約者プッペと遭遇。
プッペ「あ〜、いとしのオ〜ディア〜」
オーディア「あんたなんか嫌いよ〜」←直後《盗賊スキル》に失敗して転ぶ
一応プッペの彼女への愛は本物ですよ。本人はやり手の商人だし、なかなか「いい奴」だったりする。
しかし華も恥らう18歳の乙女に、この愛情表現は嫌過ぎる。しかもここで場面転換をし、乙女の危機は継続されると(苦笑)
★おぼっちゃま、竜騎士を目指す〜太陽の従者たち
一方ミレウスは騎士叙勲を間近に控え、成績優秀につき竜騎士の選考会に参加する機会を得ていました。
父親「家名を汚さぬよう頑張れよ」
ミレウス「はい父上。全力で頑張ります」
父親「うむ。竜騎士になれんかったら帰ってこんでいいからな」
ミレウス「そ、そんなあ〜」
酷い親父だ(苦笑)。しかし竜騎士になれる機会を与えられるなんて、本当に優秀だったんですね。この対応を見ると実感ないけど。
選考会と言っても参加するのはミレウスともう1人だけです。ライバルの名はフォルド、2人のうち一方だけが竜騎士になれるのです。
フォルドはデイハイム家という名門出身で、容姿端麗な上に実力もあって、女官達の間でも人気のある男です。ミレウスとは別ベクトルの男ですね。
ミレウス「正々堂々と戦いましょう」←握手を求める
フォルド「フン、君のような身分の低い者に勝ち目はないから、棄権したらどうだ」
うわ、露骨にムカつく(笑)
選考会は三つの試験と一つの試練によって行われました。
第一の試験は教養の試験。要はクイズですね。これは《魔術スキル》の成否で決まります。PLの知識で答えてもいいとは思うけど。
これはミレウスの惨敗でした。何とハイランドの建国王の名前も分からない一方で、家庭教師をつけて勉強してきたフォルドは快勝でした。
ていうかハイランドの建国王ってPL知識でも謎なんですがね。竜司祭の家系ではあるんでしょうが、建国時点の文化レベルは謎ですからね。
第二の試験は剣技の試験です。装備はスケールメイルと任意の武器で、まだ騎士ではないので盾の使用は認められません。
この勝負でもフォルドの出目が良くて彼の圧勝でした。戦闘は2ラウンドだけでしたが、一方的に傷を負わされただけでしたね。
ティエル「どうもミレウスっていうのは、単なる噛ませ犬じゃないのか?」
実際周りの人もそういう風に見てる節がある。フォルドには黄色い声援がバンバン飛んでるし(苦笑)
第三の試験は馬上槍の試験です。軍馬に跨りランスを構え、互いに突撃。馬の操作には《盗賊スキル》を使うのが特徴ですね。
これが何とミレウスの圧勝で終わりました。いきなり34点!とか叩き出してフォルドを吹っ飛ばす。でも飛ぶのはブーイングのみ(ホロリ)。
そして最後の試練は各々の"従者"を率いて「竜の谷」という場所に行き、竜を連れ帰るというもの。早かった方が合格です。
これまでの試験で1勝毎に2時間のアドバンテージが貰えるので、フォルドが2時間だけ先行して旅立つ事になっています。
もし全敗してたら彼が6時間も先行していた訳です。もしそうなってたらよっぽどのファインプレイ無しに巻き返しは不可能でしょう。
この"従者"は主催側が二組用意しているのですが、実はフォルドの父親の手が回っていて、一方は傭兵と見せかけて騎士だったりします。
どちらの"従者"を率いるかはカードで決まるのですが、この時カードを持つ男はトリックを使ってフォルドに騎士を割り当てさせます。
ただしフォルドはその事を本当に知らない。馬鹿親父の独善で本人には悪意はないので厄介です。しかもトリックに気づいたのはミレウスのみ。
ミレウス「大声を上げるわけにもいきませんね」
ティエル「建国王の名前も知らんやつが言ったって、信頼してもらえないだろうしな」
まぁそれもそうか(笑)
そうして竜のカードを引いたフォルドは騎士3人組を率いる事になりました。一方太陽のカードを引いたミレウスの"従者"は……
ヴォルグ・ティエル・アジール「じゃ〜ん、それはオレたち三人で〜す」
はい、「ホニャララな仕事」とはミレウスのお守りでした。続いて旅立った4人はプッペに迫られるオーディアを助けて5人が勢揃い。
こうして運命(とGM)に導かれるように集まった5人の仲間は、2時間のハンデを覆す為に謎多き秘境「竜の谷」へと急いだのでした。
★頼りなくともゴブリン退治
婚約者に追い詰められたオーディアを助けたミレウス一行は、彼女を仲間に加えフォルドを追って「竜の谷」を目指します。
オーディア「そうと決まれば、ぐずぐずしちゃいられないわね。さあ、早く行きましょう(すたすた)」
ミレウス「危険もあるでしょうけど、僕がお守りしますから」←追いかけながら
ティエル「おいヴォルク。お前、女なら見境なく口説くんじゃなかったのか?」←小声
ヴォルク「いや、面倒なことになりそうな女には近づかんことに決めたんだ」←やっぱり小声
オーディア「そこの二人、何をしてるのよ。早く行きましょうよ〜」
男二人「へ、へ〜。仰せのままに」
うん、頼もしい仲間が入った。それに比べてミレウスのなよっちいの何の(笑)
こうして街道を南へと向かう一行でしたが、途中でゴブリンに襲われる男を発見し、彼に加勢してゴブリンズと戦います。
ミレウス「やった、ようやく追いついた!」←フォルドじゃありません
ヴォルク「それは甘いぜ。オーディアさんの婚約者が先回りしてるのかもしれない」←プッペでもありません
実は彼はドラゴンブレス・ハーケーンの使者なのです。ある情報をハイランドに届ける途中で襲われていたのです。
しかし相手が誰か分からなくても見殺しにはできません。かくして彼らは初めての戦闘を開始します。
ティエル「やったぜ戦闘だ!攻撃魔法が使い放題だぞ。フハハハハ!」←危ない奴
ちなみにゴブリンズは全部で9匹。内1匹はシャーマンだったりして、ちょっとキツイかもしれない。
ところがティエルの"スリープ・クラウド"でいきなりシャーマンが寝て一気に楽になりました。
ティエル「えい、眠れったら、眠っちまえ!」←うるさい(笑)
これで普通のゴブも1匹眠り、残りの生ゴブリンは7匹です(生?)
続いて魔法の援護を失ったゴブリンズはミレウス、オーディア、ウィスプへと接敵。
オーディア「キャーッ、来ないで!」
ミレウス「大丈夫、僕が盾となって守ってあげますから」
GM「じゃあ、君に三匹ね。ゴブリンの攻撃は二回命中」
ミレウス「うわっ。生命点が半分になってしまった。ファリスの司祭様〜、癒しの力をください」
オーディア「守ってくれるんじゃなかったの?」
ちなみにコンパニオンにおける精霊魔法"ウィル・オー・ウィスプ"は攻撃魔法というよりも召喚魔法です。
呼び出したウィスプはデータを持ち、独自に戦います。SWと違ってぶつけたらそれまでじゃない。クリスタニアも然り。
結局ウィスプとティエルの魔法でゴブ達を撃退する事に成功します。
ミレウス「う〜ん、口ほどにもない奴らだ」←一度も攻撃が当たらなかった
ティエル「それは、おぼっちゃんのことでしょうが」
いくら相手がゴブとはいえ、こっちも1レベルじゃ仕方ないか。
ゴブにやられた男は気を失っている上に、ミレウスが《魔術スキル》に失敗して紋章が判別できなかったので身元不明(お前……)。
しかもヴォルクはシャーマンの懐から薬品を見つけ、解毒薬と思って男に刷り込むと実は毒薬で更なる昏睡へ。あと一息で死ぬ(笑)
そこで彼らに声をかけてきたのがホーク・アイという、ハイランド軍の偵察兵でした。実はさっきから鷹を使ってずっと監視していました。
本来彼にはミレウス一行を監視する必要があるのですが、その場の判断でハーケーンの使者を担いで王都へと戻ります。まぁ当然の優先度です。
ヴォルク「おぼっちゃん。これで監視がなくなったから、どんな汚い手も使い放題ですぜ」
ティエル「攻撃呪文も使い放題!」
ミレウス「そんなこと僕が許しません!」
ああ、これじゃあ後回しにされるのも無理はないか(笑)
★竜の谷はいずこ?
それから2日の行程で一行は「竜の谷」へ到着します。そこは遠めには鍋を伏せたような、スッパリ上半分がない山でした。
ところがその内部には美しい草原が広がっているのです。丁度鍋のような形ですね。阿蘇山のカルデラみたいな感じでしょうか。
先行するフォルド達の足跡をヴォルクが追跡し、一行は山の側面に穿たれた洞窟へと足を踏み入れました。
洞窟には複数の分岐がありました。まず最初の分岐では足跡の様子からアジールが正しい方向を判断します。
GM「左右どちらにも足跡があるんだけど、左の通路のほうが多いのだ」
アジール「ということは右ですね」
ミレウス「え、どうして?」←素で疑問っぽい
アジール「いったん左に行って、引き返してきたんですよ」
オーディア「おじさん賢〜い」
正にその通り。左には熊がいて、フォルド達は逃げてきたんです。
ところが通路を進むと足元に水が溜まって足跡が消える。そこで次の分岐は完全に勘で決めました。
ミレウス「では、僕の勘で左だ」
ヴォルク「じゃあ、右に行こう」
他の人達「そうしましょう」
ミレウス「そんな〜(涙)」
すっかりリーダーとしての信頼なんてありません(笑)
右の通路を進むと腐った木の扉があり、その奥には腐乱死体とスケルトン×4体がいたので引き返しました。
ちなみに腐乱死体は"浮遊の指輪"というマジックアイテムを持ってるので、全くのハズレという訳ではない。
ノーリスクで次の関門に向かうか、リスクを冒して役に立つアイテムを入手するか……。どちらが正解とは一概には言えない。
そして左の通路の先で一行が遭遇したのは崖でした。地下水脈が遥か眼下を流れ、崖には今にも壊れそうな吊り橋が架かってます。
崖の幅は15mあるので幅跳びは無理。しかも崖の高さを考えると落ちたら助からない。迂回して別の場所を渡るという選択肢もあります。
ヴォルク「困ったなぁ〜。ロープは10mしかないんだ」
アジール「あれ、どうしてみなさんわたくしを見るんですか?」
ティエル「その頭に巻いたターバンが丁度よさそうだな」
アジール「だ、だめです。これは絶対にだめ!」
ヴォルク「もしや、その下はてっぺんハゲのアルシンド・カットだとか……」←時代を感じさせる
アジール「とにかくダメです。マントなら提供しますから」
結局アジールとティエルのマント、そしてオーデイアさんのローブの裾を使って18mのロープを作って橋を補強して渡りました。
ちなみにこの時橋を補強するヴォルクはコウモリに襲われ、谷底に落ちかかったんだとか。さり気なくクリフハンガー的展開でした。
★我に竜を!
洞窟を抜けた一行は山の内側に広がる草原に到達します。深い霧が立ち込め、穴の中央は低くなって湖になっている幻想的風景でした。
しかも湖の周りには竜の骨が散乱している。象の墓場あらぬ竜の墓場です。多くの竜はここで最期を迎えるのです(あくまでもリプレイ設定)。
そして湖の畔には一軒の小屋があり、そこがゴールです。その中では次の世代の竜の卵が安置されています。小屋の管理人は白髭の老人でした。
しかしその前に最後の試練が待ち受けていました。それはミレウスの人間性を試す幻覚の試練、フォルド達が先行する幻影が見えるのです。
しかも同時にツタ状モンスターがオーディアさんに襲い掛かります。「勝負と仲間、どっちを取る?」的な試練ですね。最後に問われるのは心です。
オーディア「ミレウスは先に行ってちょうだい」
ミレウス「仲間を見捨てはしません」
すると幻影は消え去り、一行はとうとうフォルドよりも先にゴールする事ができたのです。
老人「ようこそ、竜の谷へ。ここはすべての竜が産まれ、そして死んでいく場所じゃ」
ミレウス「僕が一番乗りですか?」
老人「そうじゃ。しかもお前は竜騎士たる資格を持っておるようじゃ」
ミレウス「竜騎士の資格って何でしょうか?」
老人「苦難を乗り越える勇気と、仲間を見捨てない思いやりじゃ。リーダーシップについては……まあ、そのうち身につくじゃろ」
まぁ誰にでも若い時はあるんだし、今後の成長を期待できればそれでいいんじゃないですかね。
続けて崖を迂回していて遅れたフォルド一行も到着し、一同の目の前で卵が孵化!竜の孵化なんてそうそう見れるもんじゃありません
ティエル「レックス〜」
古い、古いよ。でもいくら大コケしたとはいえ、角川映画だから強くは言えない。ええ、角川春樹氏が当時アレでも(笑)
ところが卵から孵ったのは双子の竜でした。これには老人も驚愕、どうやらかなり珍しい現象らしい。
一方は雄で身体が大きく、もう一方は雌でオッドアイです。片目は金、片目は銀。なかなか特徴的な竜ですね。
これを気に入ったミレウスはオッドアイの方を貰い、フォルドは雄の方を貰い、2人とも竜騎士になったのです。
ミレウス「僕の竜はオッドアイと名づけることにします」
こうして竜騎士ミレウスと愛竜オッドアイの物語が幕を開けたのです。そしてそれは大事件の幕開けでもありました……。
★竜の謎
見事にミレウスは正式な竜騎士として幼竜オッドアイの主人となり、小屋の老人から竜笛を授かりました。ついでにフォルドもね。
以後この竜笛を吹けばオッドアイはミレウスと共に戦ってくれます。ゲーム的には《魔術スキル》に成功しなければいけませんけどね。
またオッドアイのデータも載っています。まだ1レベルで特別強くはないけど、少なくともミレウスよりかは強そうです。まぁ小さくても竜だし。
データによると主な攻撃手段は牙か爪×2です。また1日1回だけブレスも噴ける。更に人間に化けた魔神の正体を見破れるという特殊能力まで!
SWと違うところも多々ありますが、それはそれ、これはこれです。以後パーティーの非常要員として活躍していくので要注目のNPCですよ。
オーディア「竜って、大人になるまで、どのくらいかかるのかしら?」
それはリウイとかでもよく言われますが、詳細は不明です。クリシュのように比較的短期間で成長することもあるけど、個体差が大きいので。
ただ竜騎士が騎乗して戦闘できるようになるまで普通は数年かかるそうです。それだって個体差があるでしょうけどね。特にこの双子の竜は特殊っぽいし。
あとは餌ですね。養育する上では知っておかねばなりません。
ティエル「竜はな、急降下で海に飛び込んで、ヒゲのある口でオキアミなんかをすくって食べるのだ」←はい、嘘です
実際には肉食っぽい。クリシュは羊の肉から人の肉まで食べてたし、コーラスアスは巨人族も食うし共食いもしていた。
まぁその辺はハイランドに戻れば専門家がいるんじゃないですか。長年竜騎士を擁していたんだし、きっとノウハウもある。
★浮かれ気分へパーティーへ
ハイランドに帰還したミレウスとフォルドは国王マイセンに大喜びで迎えられ、竜騎士誕生の祝宴へ招待されました。
小説を読んでも分かるように竜騎士はとても稀有な存在です。その竜騎士が一度に2人も増えたのは国王自ら祝うに値するのです。
ただし先に帰還したフォルドが「負けたのはミレウス」というデマを流しているので、ミレウスを見る目はとっても生暖かい(ひ、ひどい―笑)
祝宴までの間にヴォルクはギルドの正式なメンバーになっていました。報酬は中古の盗賊の七つ道具、ていうか持ってなかったのか(しかも中古)。
実はこのレースではどちらが勝つかトトカルチョが行われていて、100対1でフォルド優勢だったとか。ああ惜しい、これを買っておけば!
またオーディアさんは心配しているであろう司祭様と連絡を取ろうとしました。何しろお使いの足で数日留守にした訳だし、普通に考えれば失踪か誘拐です。
でもプッペが足を運んでいる事は十分予想できるので、ティエルに行ってもらいました。ところが目つきの悪い彼では司祭様とは会わせてもらえない(意味ない)。
そしていよいよパーティーです。会場にはオーデイアさんの予想通りにプッペがいたりするので、彼女はお留守番。ていうか神出鬼没だなプッペ。
またヴォルクは速やかに可愛い女の子をナンパし、夜の街に消える。またフォルドが女の子の熱い視線を受ける一方、ミレウスへ向けられる視線は……(くっ)。
そうしてある程度宴も賑わってきた頃にマイセンからハーケーンの使者が来た旨が発表されます。行きがけに助けたあの人ですね。
使者曰く、モス南部の小国スカードのブルーク王と娘のリィーナが行方不明になったというので、その緊急対策会議を開くというのです。
思ったよりも早く来ましたね。正史(小説)ではこれが魔神戦争の発端なのですが、これはリプレイ。必ずしも小説通りには展開しません。
そこでハイランドからの使者にはデイハイム卿(フォルドの父親)が選ばれ、権力の集中を避けてミレウスがその護衛役を務める事になりました。
ミレウス父「また名誉な使命をいただいて、お前を誇りに思うぞ。任務を果たすまで帰ってこなくていいからな」
またそれかい親父。ミレウスは親父に嫌われてるんじゃ(苦笑)
★竜騎士にとって大切な物はな〜んだ?〜竜笛を取り戻せ!
ところがその後事件が起きました。ある酒盃を飲んだミレウスは毒を盛られて昏倒し、起きた時には竜笛が盗まれていたのです!
竜騎士が竜笛を盗まれるなんて、バレたら死罪ものの大失態です。幸い竜舎のオッドアイはまだ無事ですが、一刻も早く奪還しないと。
竜笛自体は多分誰でも吹けると思いますよ。ただやってきた竜がどう反応するかは人と場合による筈。主人でない者が安易に呼ぶと襲われるかも。
そこでミレウス達は協力して捜査に乗り出しました。まずオーディアさんが決死の覚悟でプッペに会いに行き、事情を問い詰める事にします。
実はパーティーでもミレウスと彼は会話をしていて、彼は必死にミレウスから情報を聞き出そうとしていました。でもミレウスは素で彼を忘れてた(笑)
お陰でパーティーの間、プッペはチラチラチラチラとミレウスの様子を伺っていたのです。つまりミレウスは女の子ではなく野郎の視線を独占(やめろ)。
オーデイアさんがやって来ると、彼はブカブカのパジャマにナイトキャップという装いで大歓喜です。
プッペ「いとしのオ〜ディア〜。新婚旅行はアラニアがいいかい、オーディア?」
ティエル「ひょっとして、いいやつなのかもしれないな」
オーディア「男はね、いい人なだけじゃだめなの!」←女の本音
ヴォルウ「そうそう。ベッドの上で悪い人ねって言わすぐらいじゃないとな」←モテる男の見解
ティエル「お前は、今、どこかのベッドでそう言わせてるんだろうが!」←モテない男の嫉妬
そうか、盗賊がいない状態でシティーアドベンチャーをしてるんですね。それは結構致命的なのかもしれない。
結局プッペは白でした。彼はちょっと頭がカーニバルなだけで、人に毒を盛るような悪人ではないし、そんな度胸もないのです。
ただし麻痺毒は所有していたりする。パーティーにオーディアさんが来たら盛ろうとしていたそうなので、全くの善人という訳でもない。
プッペ「お金と人を使って盗賊ギルドで買わせてきたんだ」
オーディア「お金や他人の力を借りてちゃいつまでたっても独身よ。それじゃあバイバイ」
プッペ「あ、オーディア〜!」
ティエル「オレ、だんだんプッペに同情してきたよ」
アジール「いい人では良人になれないっていう見本ですね」
誰が上手い事言えといった(笑)
★心弱き者、汝の名は人間なり
素人捜査は暗礁に乗り上げたので、お肌ツヤツヤになって帰ってきたヴォルクが盗賊ギルドで情報を入手します。ていうか早く帰ってこい。
犯人はグルノーブという青年騎士で、ミレウスと同期の竜騎士見習いでした。今回の選考会に惜しくももれていて、そこで恨みを買ったのです。
元々はそれなりの名家だったのですが、彼の父親が悪魔信仰に手を出して没落。今では粗末な家で母親と二人暮しをしつつ、出世欲に駆られる日々。
そんな彼が選考会にもれたのだから心中穏やかではない。日増しに恨みが募り、父親の残したどんな願いも叶う山羊のペンダントに手を出したのです。
勿論これは呪われたアイテムです。彼もまた悪魔信仰に走って自室で生贄を捧げ、出世欲と恨みを増幅された彼は今回の犯行に及んだという事です。
そこでティエルは断片的に悪魔にまつわる古い詩を思い出しました。
「はじめに山羊が来たりて人心をまどわす。続いてカラスが舞い降り……」
中退なのでここまでしか思い出せませんが、これが未来を言い当てていたのです。
ミレウス達は竜舎の前で今にも竜笛を吹こうとしていた彼を押さえます。すると彼はペンダントの力で魔神の姿に変身して襲い掛かってきたのです。
筋肉がボコボコと膨れ、羽が生えるわ、尻尾が生えるわ、鱗が生えるわとすっかり人間離れした姿になりました。毒ガスとかも吐けるんだとか。
ところがミレウスが《盗賊スキル》に成功して竜笛を奪還。更にヴォルクも《盗賊スキル》の連続成功で背後を取り、《攻撃スキル》でペンダント奪取。
こうしてロクに戦闘をすることもなくアッサリと鎮圧成功。ペンダントを失った彼はすっかり真人間に戻っていて、ミレウス達は母親に免じて彼を見逃しました。
どうにか危機を脱したミレウスでしたが、本当の戦いはこれからです。いよいよ近世ロードス第一の大戦、「魔神戦争」の幕が開けます。
★ドラゴンブレスへの旅
前回までの冒険でミレウス達は3レベルに成長しました。SWと違って一定の経験を積めば全員が一緒に成長するのがクラスシステムですね。
今回から彼らはハイランドを旅立ち、デイハイム卿を護衛しつつハーケーンを目指して一路南へと向かいます。勿論その先では更なる波乱が待ち受けている。
どうも百の勇者になるフラグを立てまくっていますね。百の勇者といえば六英雄を除いて全滅したというのが当時の定説なので、彼らも戦々恐々としてました。
でも全滅と言っても、小説では全員が死んだ訳ではないですよ。確かに戦死者も多かったけど、負傷や戦意喪失で脱落した人も多かった。そういう意味では全滅。
ちなみにこのリプレイ掲載時にはコンプティーク誌上にて百の勇者の読者応募が行われたそうで、今回からリプレイにも彼らはボチボチ登場していくようです。
丁度リプレイの「傭兵伝説クリスタニア」の傭兵募集みたいな感じですね。でも具体的にどんなPCが採用されたのかは文庫では不明。当時の雑誌には載ってたかな?
ちなみに投稿キャラには鏡の森のエルフも多いようです。まぁモスが舞台だし、将来的に魔神達に森を荒らされて黄金樹を奪われるから妥当です。
ティエル「ケッ。エルフがなんだっちゅ〜ねん。あんな連中、魔神どもに滅ぼされちまえばいいんだ」
どうやら虐められたトラウマをぶり返してるらしい。でもそれが本音なのかな?
それは今はいいとして、今は要人の護衛という重要な任務に集中しないと。
ミレウス「どうもデイハイム卿が誘拐されるような気がする……」
ティエル「おぼっちゃんたら、すっかり被害妄想になっちゃって」
ミレウス「そんでもって、すべての責任が僕のところにやってくるんだ。で、僕は歩く不始末っていうあだ名がつけられてしまったり……」
既に何度かトラブルに巻き込まれてますからね。一度は命の危険すらあったし。
でも大丈夫、彼ら以外にも数名の同行者がいるのです。
まず隊長は7レベル戦士バーミリオン。ちょっとお堅い感じのいかにも叩き上げって感じの仕官です。
バーミリオン「一路ドラゴンブレスを目指す。寄り道はしない。これが合理的な考え方だ」
そしてその「合理的な考え方」の為なら部下を危険に晒す事も厭わない。良くも悪くも軍人って感じですね。
そしてオブザーバーとして9レベル魔術師ソト師。ハイランドでも屈指の高レベル魔術師で、実力は本物。
ソト「ホ、ホ、ホ、可愛い司祭様じゃのぉ」←オーディアさんに
ただし亀仙人も引くようなスケベ親父です。隙を見てはオーディアさんにセクハラしようとする困った人ですね。
ちなみに聖職者であるオーディアさんも彼と同じ地位で、名目上隊長とデイハイム卿の間に位置し、馬車に乗って移動します。
そして隊長の下にミレウスが位置し、彼と同列に5レベル戦士グレイと、3レベル戦士フェルリノ&フェラルニというのがいます。
グレイはスキンヘッドのマッチョマン(海坊主?)。フェルリノ&フェラルニは双子の戦士で、身のこなしが軽そうな軽戦士?です。
そしてミレウスの下にティエル、ヴォルク、アジールが遊軍として位置すると。基本的に彼らミレウス小隊が斥候として真っ先に危険に晒される(笑)
出発に際してティエルは以前の約束通りにゼイラ師から"ファイア・ボール"の巻物を貰います。これなら雑魚を十把一絡げに吹き飛ばせますね。
オッドアイも空を飛んでついてきます。竜笛を吹けばすぐにやってきてくれるので心強い。SWみたいに《咆哮》を使えれば凄い役に立つんですがね。
そして1人馬車に乗るオーディアさんはミレウスに笛を渡します。笛が聞こえたら駆けつけてくれます。彼女が唯一の回復役なので地味にありがたいです。
ただむしろ危険なのは彼女の方なんですよね、セクハラ親父がいるし。デイハイム卿も見て見ぬ振りをしているし。
オーディア「え〜ん、ミレウス助けてよ〜」
ミレウス「わかりました。翌日からはティエルと代わってもらいましょう」
ティエル「オ、オレ?ソトのおっさん、おかしな趣味を持ってない?」
ないから(笑)
★魔術師の実力
こうして南へと向かった一行でしたが、数日後に最初の事件が起きます。山賊「モスの魔術団」の襲撃があったのです(えっ?サーカス団?)。
彼らは街道に倒木を設置して足止めし、仲間の3レベル魔術師が"スリープ・クラウド"を放ち、護衛を眠らせて襲い掛かるという作戦を取ってきます。
敵の数は11人と微妙に多い。山賊が魔術師を擁しているのは確かにちょっと珍しいかもしれませんね。だからこそ「魔術団」とか名乗ってるんだろうし。
この襲撃では不用意に近づいたオーディアさんが眠り、ティエルを除く男3人に山賊が3人ずつ襲い掛かったりと微妙に怖い展開でした。
ところが3レベルに成長しただけにこっちも負けてない。ミレウスは《集中力》で魔法に抵抗し、3レベルになったので2回攻撃を駆使して応戦。
アジールは"サイレンス"で敵魔術師の魔法を封じ、ティエルが"スリープ・クラウド"で眠らせる。鎧の薄いヴォルクはLP(生命力)が1桁になってヒィヒィ。
アジール「精霊魔法の力を思い知ったことでしょう」
ミレウス「偉いぞアジール」
ティエル「でもお前、炎の部族だろ。風の精霊力を操ってもいいのか?」
アジール「役に立つなら敵の力だって使いましょう。でも族長には報告しないでくださいね」
そういえばそういう戒律ってあるんだろうか。もっともパーンの時代の砂漠の民には精霊使いはあまりいないようですがね。
そしてトドメにソト師の"ブリザード"が吹き荒れる!これで大打撃を受けた山賊達は蜘蛛の子を散らすように逃げました。
SWの"ブリザード"は5レベルの中堅どころの魔法ですが、こっちではなんと9レベル!まぁルールもレベル制限も違うからそういう事もあるでしょうがね。
ちなみに「王たちの聖戦」でスレインはこの"ブリザード"でファイア・ジャイアントを倒してましたね。どうやら学院では遺失呪文だったようだし。
その威力はスレインが使ったにしても、SWと比較すると凄まじかった。コンパニオンの"ブリザード"はその影響を受けて高レベル魔法になったのかもしれない。
この威力の凄まじさにティエルも「先生」と呼ぶようになりますが、9レベル止まりなので"メテオ・ストライク"とかは使えません。
ここで一つ注釈を加えますと、"ブリザード"自体は「コンパニオン」でも5レベルの魔法です。でもPCが9レベルにならないと使えません。
「コンパニオン」ではPCのレベルは1〜13です。そして奇数レベルで使える魔法のレベルも上がる。よって2レベル魔法は3レベル魔術師になって使える。
つまり最高の13レベルになると7レベルの魔法が使えるのです。"メテオ・ストライク"とかもこの7レベル魔法なので、ソト師が使うにはあと4レベル必要ですね。
もう一つ戦士系のクラスですが、こちらも奇数レベルになると攻撃回数が増える。7レベルになると4回攻撃!とかできるのです。SWでは考えられませんね。
プリーストとかも戦士系ほどではないものの攻撃回数が増えるんですよ。なんとソーサラーであっても攻撃回数は増える。これもクラスシステムの特徴ですかね。
ただし9レベル以降になると攻撃回数が増えず、ダメージが増える。流石に最大7回攻撃とかになるとバランスがまずい事になるんでしょうね。判定だって煩雑だし。
このような違いがSWと「コンパニオン」では色々とあるので、以後のリプレイでもレベル表記が必ずしもSWと同じ捉え方はできなくなります。
ソト師にしても9レベルというとラヴェルナと同格!?と一瞬ビビりますが、最高が13レベルなのでSWでいう5〜6レベル魔術師ぐらいなんですよね。
"センス・ライ"とか"フライ(ト)"も5レベルですしね。神聖魔法の5レベルにも"リムーブ・カース"というSWでいう5レベル魔法があったりしますしね。
その一方で神聖魔法の5レベルに"リフレッシュ"(SWで8レベル)とか"リジェネレーション"(SWで7レベル)とかもあったりするので、やはり一概には言えない。
★嵐の一夜〜ティエル、懐かしの御対面
それからも旅を続ける一行は酷い嵐に遭い、街道沿いの宿場町ラティス村の「狩人の矢じり亭」という宿屋に避難します。
ロードスやアレクラストの宿屋の標準として、1階は酒場で2階は宿屋になっている普通の宿屋です。ここで一行は1人の少年と出会います。
彼の名はリークといい、父親は腕のいい狩人です。ところが父が突如行方不明になり、酒好きでもあった父親のツケを払う為に働かされていたのです。
見れば宿屋の主人からは酷い暴言を吐かれていて、かなりこき使われています。まるで「世界名作劇場」にでも出てきそうな薄幸の少年ですね。
そのリーク君がうっかり転んでしまい、食器の破片で怪我をしてしまいます。それを助けたのがオーディアさんでした。初めて聖職者らしい事をした(笑)
神聖魔法で怪我を治してもらったリーク君はオーディアさんにモジモジしながらも感謝し、夜の間にこっそりとお礼のチーズを届けてくれたりもしました。
翌朝にはミレウスが路銀を裂いて彼の借金を代わりに返済して自由の身にしてあげます。こうしていい事をした一行は宿屋を出立し、再び南を目指しました。
ところが再びトラブルに遭遇します。崖にかけられた橋が落ちていたのです。前もそういう事がありましたね。まぁRPGの橋は落ちるものという事で(笑)
仕方ないのでミレウス小隊が迂回路を探すのですが、何と馬車の中からリーク君が。どうやら恩義を感じ、父親を探す為にもついてきてしまったようです。
彼が言うには父親はハーケーンに出稼ぎに行っている母親に会いに行っているかもしれないそうです。だから一緒に連れて行って欲しいと頼み込むのです。
ついて来てしまった以上は仕方ない、一緒に連れて行く事にしました。もうすっかりオーディアさんに懐いている。こうなるとこっちも情が湧きますからね。
そうしてリーク君を加えた6人は迂回路を探すのですが、突如エルフの一団に囲まれます。しかもティエルが幼少期を過ごした集落のエルフ達です。
エルフ「おい人間ども。ランディーと名乗る狩人を見かけなかったか?」
オーディア「リーク君の口を押えます!」←ナイス判断!
リーク「と、父ちゃん」←モゴモゴ
どうやらリーク君の父親はエルフ達に追われているらしい。オーディアさんの機転のお陰でバレなかったけど、一体彼が何をしたのか?
★黄金樹の枝を奪回せよ!
エルフ達の目的は盗まれた黄金樹の枝の奪回でした。そしてその犯人こそがリーク君の父親ランディーだというのです。
黄金樹といえば世界樹の枝から派生した生命力溢れる大樹にして、森の中枢。ロードスでは帰らずの森、闇の森、そしてここ鏡の森にある。
勿論枝を一本折った程度でどうこうなる黄金樹ではありません。しかしエルフ達にとって非常に神聖なものを汚された以上奪還しなければならない。
事情を聞いてみると、1人のエルフが怪我をして森に迷い込んできた彼を看護していたところ、隙を見てポッキリと折られてしまったんだとか。
実は小説でも鏡の森の黄金樹は部外者の被害に遭ってたりする。その犯人は魔神であり、豊富な生命力を利用して魔神兵という魔法生物を生み出したのです。
また小説版では黄金樹のみならず、森そのものが魔神どもに攻め落とされました。今回の事件はそれに比べれば軽いものですが、この世界でも将来どうなるやら。
この時点ではランディーが借金を返す為に盗んだとも考えられる。市場に流れるものではないものの、好事家や王侯貴族なら多額で買い取りそうだし。
ヴォルク「もしかして黄金樹の枝を折って地面にグサッと突き立てればそこから森が生まれるとか……」
アジール「は、その枝さえあれば砂漠に森が……。うぉ〜、エルフを皆殺しにして黄金樹を手に入れるのじゃ〜」←協力しろよ
黄金樹がある所には豊かな森ができるのは確かです。しかし風と炎の砂漠は水と大地の精霊力が著しく抑えられた土地柄、果たして何処まで効果があるやら。
ちなみにこのエルフ達は例の百の勇者の読者応募で投稿された人達です。特に記述はありませんが、今後登場するNPCにもその可能性はありますね。
ここで重要なのはエルフのリーダーでもあるガリアンです。いかにも高慢なエルフといった感じで、精霊魔法が使えないティエルをいじめていたらしい。
もう一人は彼の妹であるシルキーです。兄と違って何かといじめられるティエルをいつも庇っていてくれてました。実はランディーを看護していたのも彼女です。
彼女は仲間の反対を押し切ってランディーを看護しました。その優しさがこんな結果を呼び込んでしまうとは皮肉なものです。このままでは彼女の立場も危うくなる。
あと他にも大勢のエルフがいますよ。名前が出てるだけでもシグナス、アウレーリェ、シルフィード、ライナス、ロッド・ミュフリングといったエルフがいます。
他にも名もなきエルフ達が大勢出てきます。鏡の森だからエルフが大勢いるのは自然ですが、集落でもない場所でこう大勢と出くわすのは珍しいかもしれない。
ミレウス達は彼らと交渉し、犯人探しに協力する代わりに迂回路を教えてくれる事になりました。これで迂回路もリーク君の件もまとめて解決できそうですね。
★ミレウスVSエセ・ミレウス
その後一行はエルフ達の案内でランディーが逃げ込んだと思われる洞窟に急行し、彼らと一緒に洞窟へと踏み込みました。
見張りのエルフが見た限りではまだ中にいるそうですが……。
ミレウス「あの〜、この洞窟に別の出口があったらどうするんでしょうか?」
エルフ「はっ、それは考え付かなかった」
一般にエルフは聡明で高貴な種族だと言われますが、ミレウスに賢さで負けるようでは例外もあるという事でしょう(笑)
洞窟内ではエルフ達の浮かべたウィル・オー・ウィスプの明かりを頼りに進みますが、分岐点に差し掛かったところで二手に分かれます。
ミレウス達はヴォルクが足跡を見つけて左へ。エルフ達は勘で右へ。多分人間の言いなりになりたくないんでしょうけど、賢明とも言い難いですね。
ただしガリアンとシルキーとシグナスは一緒です。こちらを完全に信頼していないからですが、適度な助っ人が必要になるという裏の事情もある。
ちなみに内2人(多分ガリアンとシルキー)は4レベル精霊魔法"ヴァルキリーズ・ジャベリン"が使えるので、最低7レベルだったりする(強い!)。
SWのバルキリーは男性しか使えませんが、ロードスではそういう規定はありません。クリスタニアでも同様で、ピロテースがジャベリンを使ってましたね。
そうして他のエルフ達と別れたミレウス達の前にはいくつかの関門が待ち構えていました。どうもここも悪魔信仰の神殿だったようで、色々な仕掛けがあるのです。
まず最初はワイヤートラップです。ワイヤーに足を引っ掛けると設置されたクロスボウから矢が放たれるという、オーソドックスだけど地味に痛い。
これは罠に引っかかったヴォルクでもガリアンでもなく、特に関係のないアジールに命中。赤いマントが更に真っ赤に染まったとか染まってないとか。
勿論このクロスボウはランディーのものです。設置の仕方といい、とっても狩人チックな罠ですね。こうあからさまな物象が出てくると逆に疑わしいけど。
次は祭壇の間です。奥行きのある直方体の部屋で、奥には祭壇とこれ見よがしのスリットがあります。
そして壁の両脇には6体ずつ計12体の悪魔の象が三十三間堂よろしく並んでいて、以下のヒントがありました。
「魔力を捧げよ」
実は悪魔像の一体が魔剣を持っていて、それをスリットに差し込むと隠し扉が開くというインディー風味の仕掛けです。
これを入手する為にヴォルクは剣を取りながらバク転。盗賊スキルにマイナス修正を入れての判定でしたが見事に成功しました。ええ、何の罠もないのに。
最後は汚水の溜まった大き目の水溜りの中央に台座が伸び、その台座に赤い石が乗っかっていて、石には無数の蟲が集っているというものでした。
蟲は石に引き寄せられているので、水溜りの中央に行く程に濃度が濃くダメージも受ける。暗黒魔法の"サモン・インセクト"に似ていますね。
ここはヴォルクとリーク君が石を弓で汚水に射落とし、蟲をレミングよろしく入水自殺させて突破。振り返れば実害は最初のアジールだけだったりするです(笑)
洞窟を抜けて階段を上ると、そこは山頂の見張り台でした。ここではランディーの姿をした魔神が何やら怪しい儀式をしています。
リーク「父ちゃん!」
魔神「父ちゃんだと?ふ、お前の父親などとっくに喰ろうてやったわ」
すると彼はランディーの姿を脱ぎ捨て、その正体を現しました。
ヴィザル「ウハハハハハ、オレの名はヴィザル、魔将黒羽のガラド様の配下、カラスの一族の者だ!」
つまり小説でいう鏡像魔神のように変身能力を持ち、人を食う事で入れ替わり、諜報・工作活動をする魔神なのです。
そして魔将というのは小説でいう魔神将的なものでしょう。明らかに上位魔神よりも格上らしく、当面ミレウス達の最大の敵ですね。
ヴィザルは例の怪しい儀式で巨大なカラスを召喚。こっちもオッドアイを呼び、両者は壮絶な空中戦を繰り広げました。
一方こちらは雑魚ガラスを蹴散らしながらヴィザルをぼてくり回し、エルフ達の無謀と慢心の槍の効力もあってかなり優勢に戦いました。
ミレウス「どうだ悪魔野郎め!」
ヴォルク「ほとんどエルフの呪文のおかげのくせに」
実はミレウスは一度クリティカルを食らって死に掛けてたりする。オッドアイはブレスも吐いて大活躍だというのに(苦笑)
そうして追い詰められたヴィザルはミレウスに変身し、彼と組み合ってしまいます。これでは仲間も手出しできませんね。
まぁ某成金冒険者達は仲間が変身されても構わず攻撃してましたがね。当たっても死にはしないという計算ですが、何かが間違ってる。
ところがオッドアイの金色の瞳が正体を看破!続けて彼女の渾身の一撃がヴィザルにトドメを刺し、ヴィザルは元の世界へと還っていきました。
ヴィザルの消えた後には黄金樹の枝が残され、ガリアン達はそれを回収してリーク君に語り掛けました。
ガリアン「どうだ、父のかたきを討ちたいか?」
リーク(コクン)
ガリアン「では一緒においで。わたしがエルフの弓を教えてやろう」
こうしてリーク君はエルフ達に連れられていきました。未来の百の勇者の誕生かもしれませんね。
それから迂回路を教えて貰ったミレウス達はデイハイム卿と合流し、ハーケーンへと到着しました。無事に会議にも間に合いましたよ。
ところが突如現れたみずぼらしいローブ姿の若い魔術師が会議場に入った直後、会場は騒然。一体彼はどんな情報をもたらしたのか……。
★スカードの太守はいずこ?
会場に現れた魔術師はモス諸国の代表に魔神の軍勢の出現を告げ、"テレポート"で早々に姿を消してしまいました。
結局彼の正体は明示されませんが、多分ウォートでしょう。あるいは誰かの身体を借りたカーラあたりだったと思われます。
突然の異界の住人の出現には当然諸国の代表者達も騒然となる訳です。
ティエル「魔神というと、悪い物とか食べると皮膚にできるブツブツとか?」
ヴォルク「そりゃジンマシンじゃ!」
オーディア「魔神って強いの?」
アジール「強いもなにも、魔神はデーモンたちの総元締めであります。
今までわたくしたちが相手にしてきたようなのは、下っ端もいいところです。」
ヴィザルなんかは下位魔神程度の実力はあったように思えますけどね。
どうやらこのリプレイにおけるデーモンとは魔界の住人の総称で、魔神は下位魔神以上?の階級を指すらしい。
ザルバードのような雑魚っぽい種類ですら魔神であり(いやそれでも強いけど)、その下に位置する魔界生物がいる。
それがデーモンウォーリアーと呼ばれる翼のない種族で、翼のある下位魔神(ザルバード?)には劣り、区別されます。
そもそも魔神関係のデータは「コンパニオン」には乏しく、SWの方に潤沢にあるので、あまり気にしない方がいいかも。
ちなみに「魔神戦争」に登場した魔神達のデータは、小説発表後に発売された「ロードス島ワールドガイド」で補完されました。
驚くほど多くのデータが載っていて、魔神将や魔神王といった高位の魔神達のデータもあるので彼らを知るには必読のテキストです。
ここでミレウス達はスカードについての情報を知ります。概ね小説と同じですが、当時の彼らには真新しい筈。
スカードはドラゴンスケール・ヴェノンの南方に位置する竜の名を冠しない国で、主要な産業は石の王国との交易です。
太守ブルークは名君であり、石の王国のドワーフ達との関係故に経済的には豊かで、その武力で独立を保てていました。
また世継ぎのナシェル王子も優れた資質の持ち主であり、ベルドやウォートという超一流の人物を指南役として迎えています。
ところが最近はスカードの領土を狙うヴェノンの外圧を受けていて、何かと無理難題を吹っかけられるのが悩みの種でした。
まぁこれだけ知っていれば十分でしょう。ぶっちゃけ小説ほどはスカードの内情には触れないので、詳細は小説を参照。
こうしてミレウス達は事態の詳細を突き止めるべく、現地への偵察を行う事になりました。魔神が大勢徘徊する土地にね(笑)
普通に考えて非常に危険な任務なのですが、そうして危険に身を晒すのもPCの宿命。安全な所にいたら物語に絡めませんからね。
★無残!スカードは死屍累々
一行は馬を借りてスカード領内へと到着します。そこで彼らが見たのは無残に散乱する領民や兵士達の死体だったのです!
ここでのスカードは都市国家な訳ですが、城門は無残に破壊され、車馬と人の影は絶え、魔神と思しき異形の怪物が見受けられます。
これらの様子はティエルが2レベル古代語魔法"ビジョン"によって掴みました。
ヴォルク「お前のひねくれた目が宙に浮かんで飛んでいくわけか」
こうして以後"ビジョン"を使う事を「目ん玉を飛ばす」と表現するようになったりする(笑)
ちなみに「コンパニオン」の"ビジョン"は10ラウンド×20m=200mを見渡せる遠見の魔法です。
GM「デーモンらしき姿が見えたかと思うと、次の瞬間ふっと呪文が解けてしまう」
ヴォルク「潰されたか!?」
ティエル「目が痛て〜よ〜」
そして固体や液体と衝突すると解除されるらしい。決して「目が〜!目が〜!」とはなりません(笑)
とにかくどうもヤバイ状況なので一時帰還。都市国家を攻め滅ぼす軍勢相手に5人ではどうにもなりませんしね。
すると彼らは3人連れの一行と遭遇します。実はそのリーダーこそが噂のスカードの王子ナシェルだったのです!
他2名はそのお供で、元剣術指南役の中年戦士ホルトと、ボーイッシュで魅力的なマイリーの女司祭ティーナです。
この時点でもう小説とはパラレル世界に突入してますね。あとティーナは最初フラウスかと勘違いしたけど、完全に別人。
ナシェルはスカードの惨状を聞くと衝撃を受けますが、援軍をつれてくるまではと突入を自重して貰いました。
幸い死体の数はそれほどでもなく、全滅ではないようですしね。どうやら城内には1000人ほどの捕虜がいるようです。
こうして登場したナシェルですが、このリプレイではあまり活躍しません。責任感の強さは同じですが、正直小説より地味です。
でもティーナは彼を勇者だと認めて仕えているので、魅力的な人物ではあるようです。
オーディア「ティーナさん、あなたの代わりにわたしが残っちゃだめ?」
ティーナ「お仕えする勇者様のそばをはなれるわけにはいきません。あなたは、あなたの勇者を見つけなさい」
オーディア「(ミレウスを見ながら)もうちょっと、しっかりしてくれたらなぁ(笑)」
ただしファリスの司祭に勇者に仕えるという習慣はない。まぁ彼女の場合恋心もあるようですけどね。
★傭兵部隊編成、隊長はミレウス?
ハーケーンへ大急ぎで帰還したミレウスはデイハイム卿に報告をし、引き続き潜入を続けるよう指示を受けます。
魔神軍の規模や戦力や拠点を可能な限り調べ、外戚であるナシェルも保護する(彼の母親はハイランド王家の出身です)のです。
勿論その為には軍資金を貰えます。現金5000GPに、連絡用の伝書鳩3羽。何やら急激にロイヤルな世界に突入しています。
ちなみに5000GPとは乗用馬を5頭、軍馬なら2.5頭買える程度です。馬に限ればSWでは2万5000ガメル相当ですね。
ただし基本的に違うゲームなので、品物ごとの相対的な物価も違います。SWと一概に比較はできないけど、そこそこの大金です。
彼らはこれを使って傭兵を雇います。人を雇って人海戦術だと"バブリーズ"を思い出しますが、これは既に戦争なので妥当です。
傭兵は傭兵ギルドというところで雇えます。これまたSWのように細かいルールはありませんが、今回は以下の相場になっています。
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1レベルはすぐ死ぬけど50人雇え、4レベルは強いけど5人しか雇えない。ある程度の実力と数が必要なのでどちらも難ありです。
すると2レベル×20人か、3レベル×10人ですね。後者でもまだ人手が足りなそうなので、2レベル×20人が妥当でしょう。
ていうかNPCがPC以上の実力を持ってるのはやっぱりマズイですしね。まぁ2レベルでもデーモンウォーリアーなら何とか戦えるし。
またこの時特に見栄えのいい5名を「オーディア小隊」として彼女の直属の配下とします。
ちなみに名前はイッキ、ニッキ、サンッキ、ヨンッキ、ゴッキという名前で、その名もゴロツキーズです(安直!)。
傭兵達を連れてスカードへ戻ってみると、ナシェルの元には1人のスカウト(密偵)が街から逃げてきていました。
彼の報告で1000名の捕虜の内500名が殺された事が明らかになりました。ナシェルにすれば拷問にも等しい苦しみです。
また街が滅ぼされた時ですが、ブルークに化けたカラスの一族が城門を開けさせ、完全な奇襲でアッサリと制圧されたようでした。
どうやらこの世界のブルークも魔神達を解放したらしい。そしてその最初の犠牲者となり、魔神戦争の発端を作ってしまったと推測できます。
しかし残った500名は魔都と呼ばれる場所へ連行されるそうです。どうやらそれが「最も深き迷宮」にあたるもののようですね。
敵のデーモンは全部で30匹ほどで、殆どはウォーリアーです。一部が下位魔神なので、彼らでも何とかならなくはないですね。
また街のゴロツキどもが魔神どもに降り、命と引き換えに捕虜達を監視してるらしい。そのゴロツキが6人ほどなので、数では負けてますね。
そこで彼らは適当な地形を選んで捕虜を護送中に奪還する作戦を練ります。何しろ500人、移動速度は遅く待ち伏せするだけなら容易です。
襲撃場所は森を抜け、小川を背後にした丘の下です。丘の上でPCや王子が挑発し、森に隠れる傭兵達が捕虜を解放するという作戦です。
この際魔神どもには王子から賞金がかけられます。ウォーリアーには金貨30枚、下位魔神には金貨100枚です。これで傭兵達の士気も昂揚。
どうせゴロツキどもには手向かう根性はないでしょうし、敵は殆どウォーリアーです。それならPCや王子達だけでも十分何とかなる相手です。
ちなみに金貨の単位がGPと呼ばれます。金貨30枚は30GPで、これとは別に100GPの価値があるライデン金貨というものもある。
実はこれは「ロードス島ワールドガイド」でも健在で、普通の金貨(小金貨)は銀貨10枚、ライデン金貨(大金貨)は銀貨1000枚分です。
そして銀貨1枚=大陸の1ガメルなので、それに合わせると5000GPは5万ガメル!やはり両ルールの物価までは調整してなさ気ですね。
ちなみにワールドガイドではザルバードでも銀貨3000枚以上の賞金がかけられるようになる。やはり通貨や物価はSWとは別物でしょうね。
オーディア「わたしは小隊を率いて森に隠れてるね。前から戦いたくて仕方がなかったのよ」
一同「…………」
ティエルもドン引きするほど好戦的(笑)
★戦闘開始 デーモンウォリアーを倒せ!
さぁいよいよ作戦を決行です。丘の上からナシェルが堂々と演説です。
ナシェル「やあやあ遠からんものは音に聞け……」
ヴォルク「そりゃ戦国物だって」
ナシェル「我はスカードの王子ナシェルなり。我が臣民を苦しめる者は断じて許さん!」
こんなボケをかますナシェルは小説では拝めませんね(笑)
いざ傭兵達の奇襲が入ると魔神どもは大混乱。そこでオッドアイも参戦です。
ミレウス「あ、失敗しちゃった」←《魔術スキル》に
アジール「ミレウス、根性です。根性を使うのです」←《集中力》ね
こうして召喚されたオッドアイはブレスを吹き、魔神達に大打撃を与えました。
そしてティエルの"カウンター・マジック"とアジールの"シャドウボディ"で魔法と攻撃への対策もバッチリ。
更にはティーナが"バトルソング"を歌って攻撃スキルとダメージをドカーンと増やし、ウォーリアー相手に無双状態。
この集団戦闘は10ラウンド(補助魔法の効果が切れる)以上続きましたが、見事にミレウス達の勝利。捕虜奪還成功です!
しかし下位魔神の数匹が逃げてしまい、間もなく追撃が来るでしょう。500名の捕虜を連れてどう逃げたものか……。
★滅びた街に残した物
スカードの領民500名を保護したミレウス達は、彼らをひとまず何処かの街へ連れて行く事にしました。
ミレウス「ここからだと、どこの街が一番近いんですか?」
GM「スカードだ」←それはダメだろ(笑)
かといって魔神どもが南から湧いた事を考えると、南の石の王国に行くのもリスキー。多分この世界でも彼らはもう……。
保護した人達の中にはその石の王国のドワーフ職人もいたりして、彼は国に帰ってしまうのですが、それはちょっと危険ですね。
ちなみにそういった世界設定に一番詳しいのはやはりティエルです。
ティエル「ふっ、ロードスのデータベースと呼ばれたオレが知らないことはないのさ。
ちなみに、鉄の王国の王様は石の王、石の王国の王様は鉄の王というんだぞ」
オーディア「へぇ〜、どうして逆なのかしら?」
ティエル「え〜と、え〜と。データガフソクシテイマス」←一昔前のコンピューター的な声
それは未だに公式設定はありませんが、個人的には両国の友好の印ではないかと思っています。
結局一行は一番無難で近場のドラゴンスケール・ヴェノンへと逃げます。いつ追っ手が来るかも分かりませんしね。
ところがナシェルはスカードに戻ると言い出します。何でも王城には太守が代々受け継いできた魔剣があるんだそうです。
『王の剣は王の権威をあらわす。されど、ひとたび王が悪政をおこなえば、剣は王の頭をつらぬかん』
これがその魔剣の隠し場所のヒントだそうです。所謂「ダモクレスの剣」と言われる伝説のパクリオマージュですね。
要は玉座の上に吊るされているので、それを回収するのがナシェルの主張。正直危険なんですが、彼はどうしても行くと言います。
また宝物庫のマジックアイテムも回収するつもりで、同行の上に成功した暁には1人に1つずつ譲ってくれるというのだから魅力的。
それならばとミレウス達やティーナも同行を決意します。PCは物欲故にですが、ティーナはあくまでもナシェルへの恋心故にです。
それにオーディアさんをライバル視してるので、放ってはおけません(誤解です)。
ミレウス「こんな時に三角関係なんてやめてくださいよ」
オーディア「大丈夫よ。あなたは頂点にはならないから」←酷い(笑)
結局PC5名にナシェルとティーナ、あとゴロツキーズ5名の計12名でスカードへ戻ります。他の傭兵達は領民の護衛です。
★新呪文炸裂!?
「ロードス島コンパニオン」は全三分冊なのですが、実は今回の話からその3巻目が採用される事になっています。
これにより大量の追加呪文が採用され、SWでもお馴染みの暗黒魔法も大幅に追加されました。つまり魔神が手強くなりました。
ちなみにコンパニオンにおける"コールゴッド"は、GMが認めさえすれば1レベルでも使用可能という特殊呪文だったりします。
新呪文に一喜一憂しながら一行はスカードへと戻り、ティエルがまた目ん玉を飛ばして王城を偵察しました。
このリプレイでのスカード城は城といいつつ若干大きめの館ぐらいで、2階建てでしかありませんけどね。
目指す玉座は2階の執務室です。多分謁見の間と兼用なのでしょう。また執務室からは建物正面のバルコニーへ通じています。
しかし館の前にはウォーリアー×4とヘルハウンド×2が徘徊し、左右の塔の上にはガーゴイルもいて隠密行動は難しいでしょう。
ティエル「おっとヘルハウンドだな」
オーディア「それって強いの?」
ティエル「たんなる犬、犬。ただし火を噴くけど」
ヴォルク「どこがたんなる犬じゃ!」
ヘルハウンドは魔界の猟犬。小説の「魔神戦争」でも魔神の雑兵としてしばしば見られました。
もしコンパニオン2のデータを採用するとすると、正直ウォーリアーよりも手強い相手ですね。
そこでティーナがマイリー神殿から王城へと通じる抜け道を教えてくれました。多分有事の脱出用でしょう。
一行はゴロツキーズに雑務全般を命じながら抜け道を進み、城の地下にまで辿り着きます。この間PCは何もしてない(笑)
GM[あ〜!あんまりNPCをこき使うから、GMが一人で遊んでるみたいじゃないか!]
アジール「関西には一人ボケ、一人ツッコミという必殺技もあることですし頑張ってください」
やはりPCは生かさず殺さずですよね。もっとも彼らの置かれている状況は限りなく危険だという事に変わりありませんが。
抜け道を抜けた一行はジュエルゼリーという不定形生物と遭遇します。
ジュエルゼリーは酸で金属を溶かすという、SWでいうブロブ的なモンスターらしく、戦士達には経済的に怖い敵です。
ミレウス「でも僕の剣は魔法の剣だから大丈夫だよ〜ん」
ヴォルク「あれ?いつから魔法の剣になったんだ?」
どうやら例の悪魔信仰の神殿で鍵になってた魔剣をかっぱらってきたらしい。妙な所でしっかりしてるよ(笑)
ティエル「でも魔法の剣が大丈夫だなんて保証はないと思うぞ」
一応SWの魔剣ならそういう事はないのですが、コンパニオンだとGMの匙加減一つかもしれない。
ところが炎に弱かったのでティエルの"ファイアウェポン"の援護を受け、ダメージが2倍に跳ね上がって難なく撃退。
ミレウス「さあ、"ファイアウェポン"がかかっている間に急いで執務室に行きましょう。もったいない」
ヴォルク「おぼっちゃんのくせに貧乏性だな」
ちなみにコンパニオンの1ラウンドは30秒で、多くの魔法は10ラウンド持続します。つまり5分間ですね。
一方SWは1ラウンド10秒で18ラウンド持続が多いのでおよそ3分間。コンパニオンの方が長持ちするらしい。
★デーモン去ってまたデーモン
続いて一行は一気に執務室へと向かいます。ここでは《盗賊スキル》の一番低いPCの成否で全体の成否を決めました。
これがSWだったら一人ずつ《忍び足》だからまず無理ですが、何と一番低いオーディアさんが成功して奇襲を仕掛けられました。
続いてミレウスはオッドアイを召喚。彼の《魔術スキル》と《集中力》は共に40ぐらいなので、64%ぐらいで呼べるのです。
ティエル「竜笛は人間には聞こえないから大丈夫なわけだな……
えっ人間?じゃ、デーモンには聞こえるかもしれんだろうが!」
それは奴らの可聴範囲次第なので一概には言えませんが、聞こえても不思議ではない感じですね。
こうして執務室に突入したミレウス達は、ウォーリアー×2・下位魔神×1・謎の黒い甲冑と戦闘を開始します。
こちらはミレウス、ナシェル、ティーナ、ゴロツキーズがウォリアーに4人ずつ接敵し、着実に追い詰めていきます。
ところが謎の黒い甲冑が曲者でした。こいつは暗黒魔法を使えるので"サモンインセクト"で容赦なく範囲攻撃をしてきます。
これは半径5m内の相手に3D10("ファイア・ボール"と同等)のダメージを与えるもので、かなりの痛手を負わせられます。
以後この魔法は暗黒魔法を使う魔神の常套手段となり、蟲に身体を穴だらけにされた死体が出てきたら魔神だと思っていいでしょう。
それが9ラウンド目には思わぬ悲劇を生んだのでした。
ティエル「………」
ミレウス「どうしたんだティエル?」
ティエル「し、死んじゃった……」
本当に死んでしまいました。元より貧弱な魔術師、何度もこんな攻撃を食らえばタダでは済まない。あ〜あ、犠牲者出ちゃったよ。
この時代のロードスで確実に"リザレクション"できる人物といえば、ロイドのジェナートかターバの大ニースですね……(絶望か?)。
その後もミレウス達は徹底的に魔神どもを叩き、甲冑以外は倒します。すると甲冑はその正体を現しますが……透明な魔神でした。
甲冑を脱がれてしまえば補足は不可能。こいつを逃がしてしまいました。そしてこいつに援軍を呼ばれてしまうのです。
ちなみにこの透明魔神はSWにも出ます。その名も6レベル下位魔神ゴードベル、"姿なき魔神"の通称通りに常に透明な暗殺者です。
魔神を退けた一行は魔剣やアイテムを大急ぎで回収しますが、早くも敵の援軍がやってきてしまいます。
まずは数100m四方に固まる生きた雲。生命力を持つ黒い雲で、さながら魔神軍の空中要塞です。明らかにスカード城よりも大きい。
もう1つは大通りを走る白骨馬車。人間の捕虜に首輪をつけて引かせていて、地獄からやってきたと言われても不思議はない雰囲気です。
こちらはティエルが死に、著しく消耗している最悪の状況です。果たして彼らはどうこの危機を逃れるのか……。
★宝物庫は生と死の分かれ道
ティエルが死亡した状態で魔神軍の新手を目の当たりにしたミレウス達は、潔く気持ちを切り替えて逃走を選びました。
この際は侵入時と違って全員で《盗賊スキル》の判定をして、1人でも失敗したら追いつかれてしまうという裁定でした。
これでさっきは成功したオーディアさんが失敗してしまうのです。ちなみに先程の戦闘でゴロツキーズは3名が死亡してたりする。
追いつかれた一行に襲い掛かるのは白骨馬車です。御者が馬車の一部の骨を投げると、スケルトンなデーモンウォーリアーに変身!
見た目は白骨だけど能力は変わらないらしい。まずこいつが6体襲い掛かりますが、ミレウス・ナシェル・ティーナがアッサリ掃討。
かなり弱かったけど、ビジュアル的には面白い敵でしたね。何というか車輪が輪入道になってそうで、むしろ日本の妖怪っぽい(笑)
それから再度《盗賊スキル》で逃げますが、今度もオーディアさんが失敗し、つられるようにアジールも失敗。
オーディア「も〜う、後ろからアジールが押すから」
アジール「いえ、オーディアさんが足を引っかけたんですよ」
いや失敗したのは一緒だから(苦笑)
その時例の生きた雲がスカード城を覆い隠し、何と城ごと飲み込んで上空へ浮上!!
オーディア「わぁ、浮遊要塞だ!」
ミレウス「王子様、この城は空を飛ぶこともできるのですか?」
ナシェル「そうだ。いつでも逃げられるようにな」←嘘つけ
あるいは5人の勇者の心が一つになった時、超巨大ロボットに……(なってたまるか)。
実際は床に押し付けられるような強引な浮上の仕方なので、まともに立つのも難しいようですが。
★雲の中でも宝漁り
こうして上空に連れ去られた以上は仕方ありません。約束通りにマジックアイテムをゲットです(逞しいよ)。
この状況で何言ってんだって感じですが、こういう状況だからこそ装備の充実はしておいて損がないのです。
しかも1つは確実に贈与され、他にも複数貸与してくれます。貸与されたものは脱出後に返してくれればいいのです。
このラインナップが小国にしてはなかなか凄い。スカードは経済的に豊かな国だというだけの事はあるかも。
まず武器と鎧は魔力+1が全種類。+1というのは微妙ですけどね。個人的には一部+2があってもいいかと思います。
ちなみにコンパニオンでもSWと同じく魔法の装備は魔力+1〜+3があり、値段は一段階上がる毎に10倍になっていく。
つまり魔力魔力+1で通常の10倍、+2で100倍、+3で1000倍とかになる。SWと同じく貴重なものなのです。
そしてそれぞれ関連技能と数値が上昇する。+3の剣なら《攻撃技能》+30の追加ダメージ+3とかになるんですね。
余談ですが、コンパニオンの"法の剣"はファーンの私物であり、魔力+4の超業物だったりします。値段は1万倍かな?(笑)
それ以外にも特殊なものが色々とあるようです。
"ロープ・オブ・フォロー"は命令すればインド奇術のように伸びる。"ミラー・オブ・リターン"は精霊を精霊界へ送還する。
"ハンド・シールド"は小手のような盾です。SWの"パリー・パリー"と違って、両手武器と併用できるなかなか便利なもの。
"言語理解のイヤリング"は未知の言語の聞き取りと会話が可能になる。SWでいう"タング"のような魔力があるのでしょう。
そして極めつけは、身に着けていれば一度死んでも生き返れるネックレス。13個の宝石がついている不思議なアイテムです。
ここで一行が貰ったのは以下の通り。
ミレウス:スケールメイル+1
ヴォルク:クロスボウ+1
アジール:"ミラー・オブ・リターン"
オーディア:"言語理解のイヤリング"
ティエル:蘇生の?ネックレス
それぞれ必要そうなものをチョイスしましたね。ティエルは既に死んでいますが、死にたてなのでもしかしたら……。
★夢か現か、真か嘘か?
ここからは他のPL(プレイヤー)は一時退室し、ティエル(の中の人)とGMのサシのプレイとなります。
それはティエルだけが体験するアハ体験です。「PLは知っているのにPCは知らないフリ」は難しいですからね。
これならPC間で情報の非対称性が生じ、特に気を使う事無くリアルなロールが可能。他のリプレイでもたまに見ますね。
ティエルは意識だけの世界で古代王国の付与魔術師ブレストディベアというオッサンと会話します。
彼はカーラやエルドースと同門の付与魔術師であり、アイテムに魂を封じていたのです。当然活動には肉体が必要。
ところが彼の場合は魔法が不完全で、「アイテムを身に着けた人が死ぬ」事でようやく身体を乗っ取る事ができるのです。
しかしティエルの場合死んだ後に身に着けたので肉体を乗っ取れない。そこでブレストはティエルに取引を持ちかけたのです。
ブレスト「今ここで君を生き返らせるかわりに、次に君が死んだ時、その身体をもらい受けるというものだ」
彼もこの機会を逃したくないので色々な特典があります。まずは意識の中で高レベル魔術師として様々な知識を提供してくれます。
そして全ての古代語魔法を14回使える。使うと宝石が1つずつ光を失い、全て消えると死亡です。1回多いのはサービス。
勿論7レベルの魔法も使おうと思えば使えますよ。"メテオストライク"とか"デスクラウド"なんて反則魔法も使えるのです!!
結局ティエルはこの条件を呑みました。これで彼は蘇生して周囲の様子も分かりますが、肉体が動くまでは暫くかかります。
その間残りのMPを使って魔法も使えるし、契約通りに宝石を消耗して魔法も使える。言葉が喋れないのはもどかしいですがね。
★脱出!
退室していたPLも再入室し、ティエルの事情を知らないままにセッションは再会されました。
当然ながらミレウス達はこの密約を知らないので、彼が命を削って魔法を使える事はおろか、本当に蘇生したのかも不明。
それでも肉体が赤味をさしているし死んでいない事は分かります。以後ティエルは喋れないながらも魔法を使って皆の援護を続けます。
生きた雲に攫われた一行は巨大な生物の内臓にいるようでした。いや実際ちょいとしたピノキオ状態なんですけどね。
城から出れば床は筋繊維が剥き出しらしく、筋肉がワイヤーのように束ねられ、ピンク色の肉塊がうねっています。
また内壁を攻撃してもすぐに再生してしまいます。まるで「ダイの大冒険」のバーンパレスみたいですね。本当に生きてる?
そのような気持ち悪い環境なわけですが、生きた雲の内部構造は複数の巨大なドームに分かれ、食道のような通路で繋がってます。
通路やドームは所々が丸い肉の扉によって隔てられていて、黄色い扉と赤い扉に大別されます。勿論内壁と同じく容易には破壊できない。
これを突破する鍵が蟻のような生物です。彼らはこの内部に捕らわれた生物を捕獲し、粘液で固めて食料庫に搬送しているのです。
彼らは大きく働き蟻と兵隊蟻に分かれ、前者の掌から分泌される物質は黄色い扉の鍵であり、後者は同じく赤い扉の鍵となっています。
基本的に働き蟻は本当に働くだけで戦闘力は殆どないし抵抗もしない。その代わり兵隊蟻はなかなか強く、一行でも苦戦する程でした。
この生きた雲と蟻のような生物の関係は不明です。魔界にそういう生態系があるのか、あるいは魔神軍が人為的に作ったシステムか。
とにかくミレウス達は脱出口を探してこの内臓を歩き回ったのです。捕まっていた人を助け、蟻を屠り、着実に進んでいきました。
この際蟻の鍵に気づくまでは、扉を突破するのにティエルが"メテオストライク"を落として強行突破。しかも2回も使いました。
それから蟻の巣でひと暴れし、多くの生物が固められた「三つ目がとおる」的な部屋をすり抜け、ついに一行は雲の核に到達しました。
その部屋の中央には内部に粒が浮かんだ球体が浮かんでいて、正に細胞の核のようです。やはりこの雲はそういう生き物だったんですね。
こいつが細胞のくせして光の玉を飛ばして抵抗してきます。しかもこちらの攻撃は魔法の装備か呪文しか通じず、なかなかの強敵でした。
ティエル「仕方がない。"メテオストライク"じゃ〜!」
結局ティエルはメテオを通算3回も使って突破口を開きました。核は破壊され雲は地上へ落下!
……まぁそうですよね、壊したら落ちます。ヴォルク曰く、飛行機で誘拐中にエンジンをぶっ壊したようなものです。実に適切な表現(笑)
これで今度はエレベーターが落下した時のような一種の無重力状態を体験しつつ、地上へまっしぐら。この短期間で何ともスペクタクルです。
★敵か味方か?黒羽のガラド
地上へ墜落した一行は気を失い、1人1人が深い霧の中でもう1人の自分と会話するという不思議な体験をしました。
実は一行は既に魔神軍の捕虜になっていて、この状態は夢魔と呼ばれる小柄で頭でっかちな魔神による一種の尋問だったのです。
彼は姿を変えて夢の中で1人1人に様々な質問をします。「お前は何者か?」「何故ここにいるのか?」「何の為に生きているのか?」。
特に最後の質問は重要らしく、内容によって彼は軽蔑したり納得したりといった表情を浮かべて夢の中から出て行きます。
ミレウス「上司の命令があったので、それに従ってるんです」←軽蔑
オーディア「みんなが幸せになるようにとか、ファリスの正義をとか」←軽蔑
ヴォルク「今は盗賊としての技能を磨くことで、そのうち本当の目的が見つかるであろう」←やや納得
アジール「風の部族を倒す」←やけに納得
ティエル「攻撃呪文を手に入れて、何者よりも力を持つようになるためだ」←大いに納得
このように主体性があり、自分の願望に正直な答え方をした人ほど彼は納得していきました。まぁ魔神はファラリス信者ですしね。
多分彼は邪悪な目的で納得している訳ではないと思います。自分の願望に正直な人間は、しばしば邪悪とも思える方向に走るだけ。
ちなみに彼は山羊の一族であり、最初に出てきたペンダントと同じく人に憑依できる。それが山羊の一族の特殊能力のようですね。
この時アジールは高飛車に一度は質問を拒絶し、攻撃されました。精霊使いだから殴り合いは苦手なのに。
夢魔「答える気になったか?」
ヴォルク「ここで答えたら格好悪いぜ」
アジール「そ、それほど聞きたければ教えてやろう」
ナイス負け惜しみ(親指ビシッ!)。
尋問を終えて夢から覚めた一行は石造りの牢屋に放り込まれていました。ここは既に魔神どもの本拠地、武器と鎧も没収されています。
この時にはティエルも動けるようになっています。ただしナシェルがいない。別の場所に隔離されているようで、ティーナも大騒ぎです。
また牢内には石の王国のドワーフも1人捕まっていて、彼によれば石の王国も滅亡したそうです。これでヴェノン以南は魔神の占領地です。
という事は敵の次の目的はドラゴンスケール・ヴェノンか、ドラゴンブレス・ハーケーンでしょう。鏡の森はまだ大丈夫でしょうね。
しかし今は彼らの危機が続行中です。牢内の彼らは例の夢魔と、狂角のゴティスといわれる魔将の面会を受けます。
ゴティスは所謂魔神将のような地位にある大柄な魔神で、皮膚は鋼のよう。牛の一族という、ある種の戦士種の長のようなものでしょうか。
勿論こんな化け物に彼らが適う筈がありません。
ミレウス「慌てて石を投げ捨てます」←脱出の準備をしていた
ヴォルク「死んだような目をしておこう」
情けないけど仕方ないかな。
するとゴティスは「弱そうな連中だ」と興味を失って去っていきました。どうやら単純な戦闘馬鹿の類らしい。
ゴティス「なんだ、大して強そうじゃないじゃないか。こんな連中など殺してしまえ。
どうせ、この世界ごと破壊して元の世界に戻ろうというのに……いったい魔神王様は何を考えておられるのだ」
でもこの会話で敵の目的とボスがハッキリした。早くこの情報を本国へ持って帰らないと。
それから30分後に彼らは石を持ち、"アンロック"で鍵を開け、"バトルソング"の援護を受けて見張りのウォーリアーを倒す。
ちなみに"バトルソング"は《攻撃技能》+20のダメージ+5という大きな恩恵があり、岩でもそこそこ戦えるのです。
でもミレウスは竜騎士というか野蛮人のような戦い方に複雑。これがイリーナとかだったら素手で魔神を殴殺してそうですが(笑)
見張りを倒した一行は脱出口を探して建物内を彷徨い、例の夢魔と噂の魔将黒羽のガラドと遭遇してしまいます。
ガラド「まあ、待ちなさい。殺しはしませんからぁぁぁぁぁ」←語尾を延ばすカマっぽい喋り方
ちなみに彼の姿は特殊で、受信状態の悪いテレビのように像が何重にも重なって見える。変身するカラスの一族の長だからかな?
しかも"ファイアウォール"という精霊魔法も使って足止めしてきます。ていうか精霊魔法を使える魔神なんて珍しいですね。
彼はミレウス達をどうこうしようとは思ってません。しかし彼の謀略の為に裏取引を持ちかけてきます。
装備も返してくれるし、ゴティスがハーケーンを襲撃する予定がある事も教えてくれます。逃げられるようアドバイスもくれる。
更に下級の魔神なら仲間に見えるような幻覚をミレウスにのみかけてくれる。これでミレウスの額にドクロの痣が刻まれました。
以後ミレウスはオーディアさんから"言語理解のイヤリング"を借り、他の皆を捕虜として連れ、単身口八丁手八丁で脱出を目指します。
それで彼に何の利益があるかというと、ゴティスの失脚。牛の一族と違い、カラスの一族は権謀術数を好むようですね。
利用されるのは癪ですが、この状況では仕方ない。一行はこの条件を呑みました。……ティエルに続き、密約の多い連中です。
ただし魔法の装備は幸運度の三倍チェックに成功した人だけが取り戻せる。これでミレウスは折角のスケールメイル+1を紛失。
コンパニオンには7つの能力値があります。筋力、耐久力、敏捷度、知力、幸運度、魅力度、集中力です。
各技能はこれらの数値を足し合わせ、クラス毎の修正を加えて算出されます。例えば《攻撃技能》は筋力と敏捷度から算出されます。
しかし純粋に1つの能力値の判定を行いたい時は適宜新しい技能を作るのです。今回は幸運度を3倍にして運の判定をした訳です。
ちなみにこのメンバーで一番幸運度が低いのはティエルとアジール、高いのはヴォルクとオーディアさんだったりする。
★出口には来たけれど……
装備を取り戻した一行はガラド配下の魔神の案内でドアルームへと赴き、ここで1つのリドル(謎解き)をしました。
ドアルームは各面が鏡張りの八角形の部屋で、その一辺には横並びに10個のクリスタルが出ていて、これを操作します。
実はガラドから以下のようなヒントを貰っています。
「最初はデーモン、次にスパイダー、スネーク、ドラゴンという順に押すのです」
ただし一番右端の赤いクリスタルは魔神王の間に直通しているそうなので、決して押してはいけないと念押されました。
これは各生物の足の数を考えれば解けます。10のクリスタルは0〜9を意味し、2→8→0→4という順で押せばいいのです。
このヒントだけでは左右どちらを基点にするか分かりませんが、右端のクリスタルは触ってはいけない以上それは0ではない。
ならば基点は左からでしょうね。魔神王の間は9番だったのでしょう。もしこの時点でそこへ行っていたら、伝説リプレイ・完(笑)
この謎をティエルが解きましたが、ナシェルを取り戻すためにティーナは残るというのです。
ティーナ「たとえこの迷宮が世界で最も深くとも、わたしは王子のもとに参ります」
迷宮の名前までつけてくれましたが、むざむざ死地に赴かせる訳にはいかないので当身を食らわせて担いで逃げる。
ここからも魔神に遭遇しますが、ミレウスが上手い言い訳をして突破していきます。
魔神「お前はどの魔将の配下なんだ?」
ミレウス「黒羽のガラド様です」
魔神「何だと、ガラド様の配下には、お前のような体格のよいデーモンはいないはずだ」←そういう幻覚
ミレウス「そ、それは、任務のために変身しているんですよ。カラスの一族ですから」
なんて口の上手い奴だ。でもロードスの主人公としては何か情けないものがある(笑)
ところが出口では下級とは思えない魔神(上位魔神?)と遭遇してしまいます。幻覚も通じない敵相手にどう突破するか?
★脱出はしたものの……
一行が迷宮の出口で遭遇した魔神はゴティスの配下である牛の一族の切り込み隊長ズールでした。
ゴティス程ではないものの屈強の戦士タイプの魔神であり、そこそこ上級の魔神と思われます。もしかしたら上位魔神かも(曖昧)。
まぁ当時は今ほど魔神のデータもなかった訳ですし、リプレイ設定では最も魔神に詳しいのがミレウス達というから無理もない。
ズールから見るとミレウスにかけられた幻覚も効き目が薄く、時折人間に見えてしまっています。これはいよいよ戦闘か?
ズール「あまり見かけない奴じゃねぇか。どこの配下だ?」
ミレウス「黒羽のガラド様です」
ズール「ふむ、それで時折人間の姿に見えるのか……。で、人間に化けて何の任務だ?」
ミレウス「そ、それは秘密です。僕のような下っぱには詳しいことはわかりませんし」
ズール「まあいいだろう。ガラド様の考えはよくわからん」
おお、やはりミレウスは口が上手い。カラスの一族を名乗れば人間の姿でいるのもむしろ自然です
しかし彼の口八丁はこの程度では終わりません。
ミレウス「あなた様は、どちらの配下なのですか?」
ズール「牛の一族の切り込み隊長ズール様とは俺のことよ」
ミレウス「ああ、あのズール様でしたか。もうお噂はかねがねと」
基本単純な牛の一族です。ズールはすっかり上機嫌になり、一行を通してくれました。パーンやナシェルには見られない手法ですね(笑)
★マンティコアの襲撃
無事に迷宮を脱出した一行はスカードよりも更に南の山中に出ました。多分小説の迷宮と同じような位置でしょう。
意識を取り戻したティーナには生き延びて機会を待つよう諭し、ナシェルとゴロツキーズ3名を除く8名はハーケーンを目指します。
何しろ次の襲撃はハーケーンに来る事が分かってますからね。魔神軍を迎え撃つ軍備を整える為には、一日でも早く到着しなければ。
しかし山道を行く一行はマンティコア×2と遭遇します。所謂ワンダリング(放浪する)・モンスターというやつですね。
マンティコアは獅子の身体に老人の顔、コウモリの翼にサソリの尻尾を持つ、SWでもお馴染みの魔獣です。通称"邪悪な知識の守護者"。
コンパニオンでのマンティコアはSWと同じく暗黒魔法を操り、尻尾には毒があるというマルチな能力を持つモンスターです。
また尻尾の毒はSWでは遅効性の致死毒だったのに対し、記憶を失うというものです。直接の脅威ではないものの、地味に怖い効力です。
いざ戦闘が始まると、マンティコアの毒がいきなりニッキを記憶喪失にし、こちらの攻撃もなかなかマンティコアを倒すには至りません。
挙句ティエルが"スリープ・クラウド"で眠らせた直後にヴォルクが攻撃して起こすという凡ミスをやらかしたり。何やら散々な様子です。
ちなみにこの時ティエルは《集中力》で敵の抵抗力を下げ、強引に眠らせていました。《集中力》にはこういう能動的使い方もある。
そうして殴り殴られ4ラウンド目、上空からオッドアイが登場!しかも微妙に成長していたりする。
GM「これがオッドアイ・バージョン3.0のデータだよ」
ヴォルク「ワープロのソフトじゃねぇんだから」
ここでワープロという所に時代を感じさせますね。残念ながらこのレベルアップ版オッドアイのデータは不明です。
成長はしているが騎乗はできないそうなので、多分まだ脱皮して成竜になった訳ではないでしょう。いやそもそも脱皮するのかな?
どうもリプレイ版の竜には小説の設定(というかフォーセリア公式の)は当て嵌まらない気がする。あるいは彼女は特殊なのかも。
オッドアイは空中からブレスを浴びせてご主人様を援護します。
ミレウス「行け、ブレス攻撃だ!」←ファジーな命令
アジール「すでにミレウスは鉄人28号を操縦する正太郎君状態、
もしくはジャイアント・ロボを操る大作君状態とでも言えましょうか」
また微妙に古いネタを、PLの年齢がバレますよ(笑)
しかしオッドアイは本当に御主人思いのいい竜ですね。竜笛を吹いてもいないのに、自分の意思で助けに来てくれたのだから。
彼女はスカードでの魔神との戦いで傷つき戦線を離脱しましたが、きっと御主人様を思って何処かに潜伏してたんですね。
ミレウスだって彼女の事を忘れていた訳じゃありません。落ち着いてから探すつもりだったのでしょう。それがこうも早く再会できるとは。
こうして竜騎士と竜の絆を確かめたミレウスは再びハーケーンを目指します。もう開戦まで数週間しか余裕がありません。
★めぐりあいドラゴンブレス
それからも一行は厳しい山越えを続けて、ついにハーケーンへ到着します。すると街では既に住民の避難が始まっていました。
スカードや石の王国が滅亡したニュースは既に届いていますからね。ただし他の街にコネも金もない人は残っているそうです。
ここでティーナやゴロツキーズとはお別れです。彼女には別に目的があるし、ゴロツキーズだって既に契約は満了しましたから。
ミレウスは魔神軍の情報を持って王城を訪れ、モス諸国の使者に全ての体験を伝えました。これで不意打ちだけは避けられそうでした。
しかしハイランドの使者デイハイム卿は既に本国に帰っていて、その名代として息子のフォルドが来ていました。ライバル再びですね。
既に彼の竜クリスタルクローは爆発的成長を遂げて騎乗可能になっていて、ミレウスよりも一足早く空中戦ができるようになってます。
また今のフォルドはミレウスの上官です。そうでなくても彼の高飛車な態度は変わらないのでしょうが、やはり何かが納得できない(笑)
報告を済ませたミレウス達は城下町で待機し、ここで一行は5レベルに成長。今まで散々修羅場を潜ってきましたが、その甲斐もあった。
これで3レベルまでの魔法が使えるのです。ティエルだと使い魔も持てるし、"ライトニングボルト"なんて攻撃魔法も使えちゃいます。
アジールは"コントロール・スピリット"で下位精霊を使役できるし、オーディアさんは"キュアーインジャリー"でより多くの回復が可能。
ミレウスなんて3回攻撃とかできますからね。……これはつまり、より上位の魔神と戦闘になるという事でもありますね(身も蓋もない)。
こうして後は開戦を待つばかりとなりましたが、まだまだイベントがあるのです。約2名ちょっとした再会がありました。
まずヴォルクは婚約者のルータと遭遇。16〜17歳の田舎娘で、結婚の約束をした彼を追いかけてきたそうです(あちゃー)。
ヴォルク「誰だお前?」←酷い
ルータ「忘れちゃったの……そのうちドラゴンブレスに行くから、そこで式を挙げようって言ってくれたじゃないの」
ヴォルク「しまったなぁ、結婚の約束までしてたっけ?でもここは逃げるしかないなぁ。ダ〜ッシュ」←この外道!
でもアジールが"ホールド"を使って捕獲。身柄は彼女に引き渡されたトサ(自業自得)。
もう1つの再会はオーディアさんとプッペです(待ってました!)。いずれ出ると思ってましたが、満を持して再登場!
プッペ「あ〜、いとしのオーディアよ、やっと見つけた。あれから僕は国中を旅して君を探し回っていたんだよ」
しかもそうして各所で商売の為の支店を設置し、一大通商網を構築。変人だけど、その愛情と商才だけは本物ですね。
でもやっぱりオーディアさんは顔パスです。ええ、顔を見た瞬間パスする方です。いい奴ではあるんですけどね……(苦笑)
しかし彼との縁は切れていなかった。後日魔神対策軍議の中で彼の名前が出たのです。有力なライデン商人としてね。
開戦まであと3週間。それまでに軍事物資(武器とか食料とか)や傭兵を揃えなければ、軍隊を維持する事すらできません。
リプレイの世界でも「竜の盟約」はあるから各国の正規兵は集まるでしょう。だけど3週間で大量の物資を調達するのは容易ではない。
そこでライデンの大商人としての彼のコネが役立つのです。この一戦の鍵を握っていると言っても過言ではない。
プッペ「その程度なら、三週間とは言わず、二週間で揃えてご覧にいれましょう」
おお、なかなかカッコイイ。でも常識的にはそんな事は不可能です。彼にどんな秘策があるというのか?
★補給路を確保せよ
プッペの提案した補給方法とは、ライデン⇔ハーケーンを結ぶ旧街道を使い、大量の馬車でピストン輸送するというものでした。
本来ライデンからハーケーンに行くには、ハイランドを経由してアルボラ山脈を大きく迂回する街道を通らねばなりません。
一方この旧街道はアルボラ山脈を南北に突っ切り、ハイランドとハーケーンを直接結んでいます。確かに時間は稼げそうですね。
コンパニオンやワールドガイドには載ってませんが、小説の方には点線で書いてある街道があるので、多分これの事でしょうね。
ただしこの旧街道に一つ目の巨人サイクロプスが出るというのです。その掃除をミレウス達が担当します。
SWのサイクロプスは老竜や魔神将ともタメを張る15レベル!。コンパニオンではそこまで強くないけど、やはり強敵です。
何しろこいつのせいで街道は使われなくなったぐらいですから。戦闘になると怪力を生かして大岩をぶん投げてきます。
現場にはプッペの部下が案内をし、彼自身はライデンに戻って陣頭指揮を執るので、ここでお別れです。
オーディア「えっ、プッペさんは行かないの?」←めっちゃ嬉しそう
ミレウス「なんだか、妙にあきらめがいいですね。何か企んでるんじゃないのかな?」
プッペ「ブルブル、めっそうもない。今は魔神との戦争に勝つことが優先ですから。
この仕事で、ドラゴンブレスから大金をせしめて、オーディアさんと盛大な結婚式を挙げる予定なのだよ」
何やら死にフラグを立ててる気もしますがね。「俺、この戦いが終わったらフィアンセと結婚するんだ……」的な(笑)
それからハーケーンを旅立った一行は旧街道に踏み入ります。手入れはされていないとはいえ旧街道、獣道よりは歩き易い。
やがて山腹をヘアピンカーブで上っていく道に差し掛かります。日光のいろは坂みたいな感じかな、馬車だと酔いそうです。
ここで一行はオーガーの一団と遭遇します。連中は坂の上から大岩を転がして攻撃してくるので、これに応戦を始めました。
オーガーは人喰い鬼とも呼ばれる下等な巨人族。パワーはあるがお頭は空っぽの典型とも言える、駆け出し時のボスキャラですね。
余談ですが彼らは「長靴を履いた猫」には変身能力を持って登場することから、ゲームによってはそういう設定を持つ事がある。
ここぞとばかりにミレウスは竜笛を吹きました。
ミレウス「あ、どうしたオッドアイ。機嫌でも悪いのか?」←《魔術スキル》に失敗
ヴォルク「お前の笛が下手なんだろうが」
ミレウス「こうなったら集中力を使ってでも呼びます。……バタッ」←やっぱり失敗
こんな有様でサイクロプスなんかと戦えるんだろうか(苦笑)
ここでティエルは新しく覚えた"ライトニングボルト"の稲妻でオーガー3匹を串刺しにして大活躍です。
ちなみにコンパニオンの"ライトニング(ボルト)"は、術者の任意の場所から稲妻を飛ばせるのが特徴です。
SWだと自分を基点に放つ百歩神拳なんですが、今回は横並びのオーガーをだ○ご三兄弟とばかりに横向きに串刺しです。
またアジールの"ストーンブラスト"も単体攻撃ではあるものの、ティエルの稲妻以上の破壊力を発揮します。
ティエル「おお、すごい攻撃力だ!精霊魔法も魅力的だな」←攻撃魔法大好きっ子
とはいえその精霊魔法が使えないから苛められたんですけどね(笑)
やはりこのレベルになった一行ならオーガー相手でも十分戦えます。ミレウスが3連続でイニシアティブを取れたし。
ミレウス「三回連続で先攻です」
ティエル「お前、もうすぐ死ぬぞ」
大丈夫、オッドアイを呼べない事で相殺されてるから。やがてオーガーどもは多くの仲間を倒されて士気が崩壊して逃亡。
輸送時に馬車を襲われたら困るから、できれば全滅させたかった。でもこれだけ痛めつけられれば当分は大人しくしてるでしょう。
★プッペからの手紙
こうして3日間の旅を続けた一行でしたが、3日目の夜にプッペの部下はオーディアさんにプッペの手紙を渡します。
曰く、サイクロプスが出るという事も、旧街道を使うという事も、狂言だったのです。全てはオーディアさんの為に……。
『君は、戦争が終わるまで安全な場所にいてほしい。
隊商の護衛をしていたと言えば、戦争に間に合わなくても罰せられはしないだろう』
ああ、だからアッサリ別れたのか。よくよく考えれば最愛の人を危険な場所に送ったりはしないだろうし。
では軍事物資はどうするのかというと、何故調達に時間がかかるかといえば、ライデン評議会の認可に時間がかかるからです。
これだけの物資を扱うとなると50以上の認可をパスしないといけない。でもそれでは間に合わないから事後承諾にします。
無許可で大量の馬車を投入し、物資を送り出してから評議会に掛け合うつもりです。それは一歩間違えれば罪に問われるのに……。
『戦争が終わったら、ライデンで落ち合おう。そして僕は、もう一度プロポーズをするつもりだ』
自分勝手な事だけど、何やらカッコイイ。でも彼らはその好意に甘える訳にはいきません。この戦争はもう人事ではないのです。
一行は一晩野営をしてハーケーンへ戻る事にしますが、嘘から出た誠か、その夜本当にサイクロプスが出現!
GM「人間の身長よりはるかに高いところに光る目が二つ見える」
ティエル「な〜んだ。サイクロプスじゃないじゃん」
ヴォルク「サイクロプスが二匹か?」←冗談の口調
GM「ピンポ〜ン」
ヴォルク「冗談だったのに〜」
またも嘘から出た誠か。しかしサイクロプス2匹なんて相手にしてられないので逃げます。どうせこの街道は使わないんだし。
ティエル「やっぱりこれはプッペさんが、あなたを亡き者にしようと企んでるんじゃない?」
アジール「可愛さ余って憎さ百倍ってやつですね」
ミレウス「こんなに僕がつくしているのに〜って」
ヴォルク「ついてきた商人の本当の役割は、オーディアさんの死体をライデンまで運ぶことだったりして」
ティエル「そこで、蘇らせれば彼女を捕まえることができると考えてたりしてな」
ないない、そこまで歪んでないから(笑)
★決戦前夜
ハーケーンに帰還した一行は、決戦前に多くのイベントをこなしていきました。
まずプッペの策は成功して多くの物資が届けられ、総勢2100名ほどの軍勢が終結しつつあります。
ハーケーンの正規兵が600で、民兵・傭兵・他国の正規兵がそれぞれ500名ずつ。かなりの数になりますね。
ただし陣形は前から民兵・傭兵・正規兵です。これじゃあ民兵に多大な被害が出ますが、正規兵をできる限り温存するつもりですね。
言ってみれば安い順ですね。民衆があればこその国であり、その民衆を犠牲にして国を守るというのも矛盾してる気がしますけどね。
またティーナも参戦。結局ナシェルを助けるには魔将クラスと接触する必要があり、その為には彼らと同行するのが一番ですから。
更に決戦当日にはゴロツキーズの生き残り2名、イッキとニッキも参戦。傭兵隊が使い捨てにされそうだったので逃げてきたらしい。
これで総勢8名ですね。迷宮を脱出した時のメンバーが揃いました。ていうかスカードの剣術指南役の中年戦士ホルトは何処に行ったのやら。
そして決戦までの間に一人一人の面談がありました。
まずはミレウス。彼はフォルドの呼び出しを受けます。何でも本国から竜を無事に連れ帰るよう指令を受けているそうです。
ミレウス「もちろんです。でも、民衆を守って全力で戦うつもりです」
多分それが彼の答えです。夢魔に尋ねられた時は答えられなかった、本当にやりたい事……。
一方フォルドは魔将の首を取ってミレウスに差をつけるつもりです。それはミレウスも同じですがね。
ミレウス「よし、戦場で正々堂々と競おうじゃないか!」
フォルド「互いの武運を」
何やらいい感じのライバル関係ができてますよ。決戦前夜の決意としてはなかなかです。
次はオーディアさん。何とプッペが逮捕されてしまいました。ライデンの利益を著しく損なったという罪状です。
しかも極刑(死刑)が言い渡されています。そこでオーディアさんは父親に手紙を書いて彼を助けようとします。
確かに気持ち悪い男だけど、見殺しにはできない。その見返りに縁談を強要される恐れもありますが、覚悟の上です。
オーディア「彼は彼なりに頑張ったんだし。でも、惚れたわけじゃないわよ。誤解しないでね」
聞きようによってはツンデレっぽいけど、多分そういうんじゃないから(笑)
次はヴォルク。ルーカちゃんから一緒に逃げようと頼まれました。でも彼は逃げなかった。
ヴォルク「チ、チ、チ。男には戦わなければならない時ってものがあるのさ」
ルーカ「兵士でもないあなたが戦わなくてもいいじゃない」
ヴォルク「デーモンたちに、何もかも滅ぼされるのは気にくわないんだ。各地にいるオレの女たちを含めてな。
それに、スカウトでなけりゃできない戦い方ってのもあるんだぜ。だから、お前はどこかに隠れてろよ」
ルーカ「御無事で」
ハリウッ○映画みたいなカッコイイノリですね。でもこの場合は死にフラグではない(微妙だ)。
次はティエルです。ブレストはティエルに逃げる事を勧めます、死体が残らないと困るから。
ティエル「いや、このまま魔神に北上されて、鏡の森を滅ぼされるわけにはいかんからな」
ブレスト「君がエルフたちの心配をするとは思わなかった」
ティエル「いじめられたとはいえ、オレを育ててくれたし。帰る場所はあそこしかないんでな」
ブレスト「わかった、好きにしたまえ」
どんなに捻くれていても、性根までは曲がっていない。やはり故郷を大切に思う気持ちがあったんですね。
最後はアジールです。彼と顔見知りの炎の部族の男とバッタリ再会し、妻子の話を聞かされました。
炎の部族「君の奥さんに男の子が産まれたらしい」
アジール「ああ、また子供が増えてしまいました」
炎の部族「で、君が留守だから、もう名前をつけたんだって。アズモって父親に似せた名前でしょ」
アジール「ひぇ〜」
お前か、お前が原因か!(笑)
そうして3週間が過ぎ、ついに魔神軍1000が姿を現します。これが「魔神戦争」最初の大激突です!!
★スパイ潜入!
いよいよ始まったモス連合軍VS魔神軍の一大合戦!ただしPCは参加しません、いや他に用があるからですよ。
敵の大将は戦闘種族である牛の一族の長ゴディス、基本単純な奴なのできっとハーケーン王の首を狙ってくるでしょう。
そこで遊軍として王城に詰め、水際防御しようという作戦なのです。遊軍と言うと聞こえはいいけど、ぶっちゃけ戦力外。
ちなみにコンパニオン3にはSWにもない集団戦闘ルールが記載されていて、このような合戦を処理する事ができます。
英雄同士の一騎打ちで勝負を決めたり、代表者同士の戦いを軍隊全体の消耗に割り当てたりとシンプルで分かり易い。
リプレイの「暗黒伝説クリスタニア」ではもっと細かいルールも紹介されていて、なかなか参考になる事も多いですね。
ただしこの手の集団戦闘は汎用性のあるルールを作るのは難しい(らしい)。適宜ルールを自作するのが妥当かもしれません。
ちなみにコンパニオン3には、ある意味「ロードス島ワールドガイド」よりも更に細かい世界設定が載っています。
各地方を代表する服装や歴史、そして主要都市の地図まで載っています。当然今回の舞台になるハーケーンの地図も。
ハーケーンは崖地を利用した街で、街そのものが崖を背にした土地に開けていて、王城は西の一番高い棚地に建っています。
崖は南側に開けているので、自軍の陣形は南の最前列から民兵・傭兵・正規兵です。当然魔神軍も南から来襲してきます。
まぁその辺は今回は特に関係ありません。コンパニオンよりも更に詳細な王城の見取り図を見て配置場所を考えました。
門は北側にあり、門から見て手前が母屋で奥が生活区域。両者の1・2階は渡り廊下で結ばれ、母屋三階が玉座の間です。
それを取り巻くように城の南北に見張りの塔があります。西の崖の上にも塔があって、これは地下通路で城と繋がってます。
更に王城の最奥(棚地の南の端)にはマイリー神殿がある。小説によるとここがロードス・マイリー教団の総本山なんだとか。
ミレウス達は地下通路を怪しいと見てそこで待機しようとしますが、その時1人の召使がミレウスに耳打ちします。
召使「なんだ、オレ以外にも潜入していたのか。まあ、見つからないように頑張れよ」
なんと魔神側のスパイだったのです。どうもガラドがミレウスにかけた幻影で仲間と勘違いしたらしい。
しかし情報を聞き出そうとするも上手くいかずに見失い、上役に忠告するもその件を一任されて体よく追い払われました。
さてこれは地味に困りました。カラスの一族が鏡像魔神級の変身能力を持つならば、正体を看破するのは至難の業です。
オーディアさんが"センスイービル"をかけたとしても、邪悪な事を考えていれば魔神・人間関係なく感知するだけだし。
試しに召使達を集めてもこの場にはいません。ていうか相手はいくらでも変身できるんだから顔が変わってる可能性もあるし。
魔神に対して聞くに堪えない罵詈雑言を唱和してもさっぱり分かりません。この辺の微妙な利便性はSWと変わりませんね。
そうこうする内に開戦してしまいます。民兵はたちまち崩壊し、傭兵を破れ目にあてがい、前途多難な出だしとなりました。
やがて空を飛べる魔神に対抗してフォルドもクリスタルクローで出陣して活躍しますが、一部王城へ打ち漏らしてしまいます。
こいつらは20人の兵隊とオッドアイ、そして"バトルソング"を歌うティーナが迎え撃ちます。この時点でなおPCは不動でした(笑)
いや全く何もしない訳じゃないですよ。ティエルがオッドアイを"クイック"の呪文で敏捷にしてあげたり。
アジール「わたくしは炎の精霊サラマンダーを召喚いたします。
命令はただひとつ、建物を燃やさないようにデーモンを迎え撃てでございます」
ヴォルク「難しいことを」←確かに精霊への命令にしては難しいかな
アジール「じゃあ、こうしましょう。空を飛んでる者を燃やしてしまうのです」
ミレウス「やめてください。オッドアイも飛んでるんですからね」
コンパニオンでは明文化されてませんが、竜族に炎は効かない。死ななきゃいいって問題でもありませんけどね。
やがてフォルドが魔神どもの対空砲火を受けて落竜したところから、いつものように戦闘に入りました。
ここではこちらのイニシアティブでフォルドも動くので、後手になると彼が袋叩きに遭うという面白い緊迫した戦況でした。
まぁミレウスが《集中力》を使ってまで先手を取ったので無事でしたけどね。これで彼は一時退却してしまいました。
一方ミレウス達も空を飛ぶ魔神と戦う兵士達の加勢に入りました。
ティエル「ここは命を削ってゴーレムでも召喚して、正門を守らせようか?」
GM[ダメだよ。ゴーレムを作るのには一週間かかるんだから]←そういうルール
ティエル「じゃあ、一週間守っててくれ」←無茶言うな
これは"クリエートゴーレム"という7レベル(最上位)の魔法ですね。SWでは遺失扱いで、クリスタニアでは8レベルでやはり遺失。
結局普通に応戦するも、厄介そうなのでティエルが"メテオストライク"で一掃。これで通算4度目の使用で、残りは10回。
その時ゴティスとその配下が空を飛んでスパイが開けた窓から玉座の間へ侵入。ミレウス達も大急ぎで玉座の間へ向かいました。
ちなみにこの時もティエルが一発メテオを食らわせているので、残りは9回ですね。やはりメテオ一撃では魔将は死なないか……。
★最終決戦
ミレウス達が玉座の間に駆けつけた時には、既にゴディスと5人の部下は王に詰め寄っていました。
ここからは近衛兵20名と宮廷魔術師と共闘し、最終決戦となります。折角なのでSWのように毎ラウンド検証してみましょう。
なおコンパニオンでは毎ラウンドD10を振り、値の高い方が先攻です。これをイニシアティブといい、概ねリーダーの仕事です。
なおゴディスのデータですが、実は文庫の巻末に載ってたりする。一部の数値は不明ですが、ガチでやったら勝てそうにないですね。
残念ながらコンパニオンにモンスターレベルはないので比較し難いのですが、経験点と照らし合わせると大地の魔獣ベヒモス級。
その特殊能力は《体毛変化》です。ゴディスは状況に応じて体毛を2種類に変化でき、ただのパワーファイターではないようですね。
対格闘変化だと針のようにした体毛で周囲の敵を串刺しにして、対魔法変化だとイソギンチャクのような体毛で魔法を吸収します。
1ラウンド目、魔神先攻
ゴディスが《体毛変化》の対格闘変化で周囲の近衛兵を串刺しにし、たちまち乱戦。メテオが使い難くなりました。
イッキ「ミレウス様、オッドアイを呼びましょう」
ミレウス「確かにそうですね。カモン、オッドアイ!(成功)ふふ、彼女とはもうツーカーですよ」←古い(笑)
この時NPCのイッキが積極的に発言した事をもっと気にかけたほうが良かった……。
続いてアジールは闇の精霊シェイドを召喚。ティエルは命を削った"ライトニングバインド"で敵二匹を絡め取る。
SWでは単体にしか効果がありませんが、コンパニオンでは範囲魔法なのです。でもこれで残るは8回、このままだと……。
オーディアさんは手近な魔神に"フォース"。ヴォルクは推定魔法のクロスボウに矢を装填して終了、流石に白兵戦は無理か。
イッキとニッキは次ラウンドにミレウスの加勢をすべく待機。ティーナは"バトルソング"を自重し、すぐに回復できるよう待機。
2ラウンド目、魔神先攻
魔神の内電撃の網で絡められた2匹が接敵します。内1匹は前衛のミレウス、イッキ、ニッキに白兵戦を挑みました。
もう1匹はダメージ覚悟の"サモンインセクト"。これで後衛は軒並みダメージを受け、他の魔神が近衛兵を蹴散らしていきます。
これに対してオーディアさんの"ヒーリング"の呪文でティエルは全快。最大LP(ライフポイント)を超過する程、鼻血が出そう。
ティーナは"キュアインジャリー"でヴォルクを回復。これがSWやクリスタニアだったら対象拡大でまとめて回復きるのですが……。
ヴォルクはクロスボウで魔神に傷を負わせ、アジールは味方に"シャドウボディ"で回避力上昇。ミレウスは素で攻撃を外しました。
3ラウンド目、ミレウス先攻
ミレウスの攻撃が今度こそ命中し、アジールは近衛兵6名に(そういう効果範囲)同じく"シャドウボディ"。
ティエル「"デスクラウド"、死の雲だ」←これまた7レベルの瞬殺魔法
これでまた1つ命を使い、残り7回。このペースだといくらも持ちませんよ、もう半分だし。でもこれで魔神の1体を殺しました。
ちなみにSWの魔神は《毒、病気に冒されない》。これは魔神達の肉体が物質界では仮初のものだからですが、コンパニオンでは有効。
続けてヴォルクのクロスボウは外れ、オーディアさんはアジールを回復します。そこで宮廷魔術師が総員退避させ"ブリザード"!
ところがゴディスが《体毛変化》の対魔法変化によって魔法を吸収。部下の魔神どもも"サモンインセクト"で容赦なく削ってきます。
4ラウンド目、ミレウス先攻
このラウンドでついにオッドアイ到着!ステンドグラスをぶち破り、ゴディスと壮絶な格闘戦をはじめます。その時……
イッキ→ガラド「見事にわたくしの思う通りに動いてくれましたねぇぇぇぇ」
なんとイッキはガラドだったのです。本物は多分もう……。
彼の狙いはゴディスの抹殺。ガラドは人間を軽視していない。中には非常に強い人間もいて、正攻法では犠牲が出ると認めています。
しかしゴディスは人間を舐めきり、真正面から叩き潰す事しか考えてない。そういうお馬鹿さんは死んでもらおうと考えていたのです。
そこでこうしてミレウス達を利用してこの機会を待っていたのです。そして彼が最後に利用するのは、他ならぬオッドアイでした……。
ガラドが呪文を唱えるとオッドアイは激しく炎上!どうやら彼女の体内の炎の精霊力を暴走させる魔法だったようです。
ガラド「抵抗することもできたのに、よほど御主人様を守りたかったようですねぇぇぇぇ」←オッドア〜イ(泣)
そしてオッドアイの炎は彼女自身とゴディスを焼き焦がし、壁をぶち破って崖の下に転落してしまったのです……。
こうしてガラドは権力争いに勝利し、以後彼の流儀に則って侵略を続けるつもりです。
ガラド「人間たちには自滅の道を歩んでいただきますぅぅぅ。ほら、すでに各国には……」
すると彼らの脳裏には各国で暗躍する魔神どものビジョンが浮かぶのです。それがカラスの一族の流儀です。
それはライデン評議会の一員に潜り込む魔神だったり、鏡の森にヒタヒタと近づく魔神だったりしました。
オーディア「プッペさんだけじゃなくて、父親も心配だわ。あんな父だけど」
ティエル「ぐぉ〜、エルフに手を出すんじゃない!」←どんなに反目してても……
この分だとロードス中の誰もが自分の隣人を疑い、隣人に恐怖するでしょう。そして本当に自滅の道を歩む……。
アジール「でも、どうして、そんなことを我々に明かすんでしょうか?」
ガラド「約束したじゃないですかぁぁぁ。その痣を消してさしあげますって。
さあ、消してあげましょう。その痣は死ねば消えますぅぅぅぅ!」
ミレウス「オッドアイのかたき、お前が死ね!」
最後の最後でなんて熱い展開だ。こういう自然に湧き上がる臨場感もリプレイの醍醐味ですね。
5ラウンド目、ミレウス先攻
怒りに燃えるミレウスはクリティカル2連撃でガラドをシバキ倒し、アジールも"ストーンブラスト"で大ダメージを送る。
司祭達は大急ぎで怪我を治しますが、ガラドの"サモンインセクト"でまた大怪我。やっぱり拡大できないとキツイですね。
6ラウンド目、ミレウス先攻
この時オッドアイは死力を振り絞って崖を上ってきます。この時ばかりはミレウスも安静にするように命令を送りました。
ところがここで痛恨の判定失敗。オッドアイは傷口から炎を噴出しながらガラドに体当たりし、大ダメージを負わせました。
ガラドは巨大なカラスに変身して逃げ、皆も追撃しますが逃がしてしまいます。ティエルはまたメテオを使い、残り6回。
こうしてゴディスとガラドを退ける事に成功したのですが、全てが終わった時オッドアイは動かなくなっていた……。
ミレウス「オッドアイ〜!」
その時彼女の身体から金と銀の玉が出現してミレウスの腕の中に収まり、彼女は何か語りかけてきたようでした。
ところがここでもまたミレウスは判定に失敗してしまいました。結局ミレウスはオッドアイの最期の言葉を聞けなかった。
その頃には下の戦いも終わっていました。多くの犠牲者を出しましたが、少なくとも滅亡は防げた。
しかしこれは始まりの終わりに過ぎません。ここから「魔神戦争」という不吉な暦の冬の時代が果てしなく続くのです。
★エピローグ
ここからは各人の今後の身の振り方です。約2名は後に再登場するので、その伏線でもある。
オーディア「急いでライデンに戻るわ。プッペさんを助けなきゃ」
ティエル「鏡の森にでも帰ってみるか」
アジール「風と炎の砂漠へ戻りますです。子供たちも心配ですし」
この辺は故郷に帰るタイプですね。それぞれ守りたい人がいるから。
ヴォルク「女を連れてアラニアへでも行くとするか」
ミレウス「僕は、オッドアイが何を言おうとしていたのかを探して、ロードスを放浪することにします」
この辺は別の目標を見つけたタイプ。特にミレウスの場合は故郷に帰りたくても帰れませんしね。
またミレウスの後の世に"竜なき竜騎士"と呼ばれるようになる。でも、それはまた別のお話……。