「RPGリプレイ ロードス島戦記U」 原案:安田均 作:水野良グループSNE 出版社:角川書店
★はじめに
このリプレイは「D&D誌上ライブ ロードス島戦記U」を文庫用に遊び直した作品となっています。
使用されるルールは前作「ロードス島戦記T」同様に「ロードス島コンパニオン」となっています。
物語の大筋はやはり小説「火竜山の魔竜」や雑誌版リプレイと同じですが、細かい所では異なってきます。
また水野先生はこのリプレイを中レベルの展開編と評価しており、前作よりも高レベルの帯域でのプレイが展開されます。
とはいえPCのレベルが上がってもプレイヤー達の和気藹々とした雰囲気は変わらず、相変わらずとっつき易い作品です。
その雰囲気のお陰なのか、細部が違うからなのか、やはり既に2回も扱われたエピソードながら飽きさせない点も前作同様。
この第二部のPCは一部のパーン組や三部のスパーク組と比べると、今ひとつ目立たない位置にあります。
PCゲームではメインキャラにならず、アニメでも基本脇役で、リプレイでは悪名高き観戦モードの為プレイに参加できず……。
それでもリプレイの楽しげな雰囲気だけは他のパーティーにも決して劣らず、ロードスの物語に欠かせないメンバーなのです。
★冒険者、プレイヤーに配られること
今回主役となるPC達はやはり小説や雑誌版でもお馴染みのオルソン組となっています。
パーン組同様にデータはコンパニオン用に改変されていますが、基本的な性格や経歴はそのままです。
一部中の人も雑誌版と同じようですが、既成のPCを配られて遊ぶプレロールドという点では条件は同じ。
オルソン クラス:ウォリアー
普段はいたって大人しいが、一度キレると手がつけられない狂戦士(バーサーカー)。
雑誌版では王位を狙う野心的な所もあったが今回は温厚そのもの。でも語尾に「よ〜ん」はつける。
シーリス クラス:ウォリアー
自称貴族出身の赤毛の女戦士。美人だが過激で高飛車な性格は相変わらず、中の人の地のようです。
雑誌版ではGMにダイスをぶつける暴挙に出た彼女だが、もしかしたら雑誌版と同じ人なのかもしれない。
マール クラス:ウォリアー
大陸から渡ってきたグラスランナー。歌って踊れる陽気な性格で、短剣投げを得意としている。
雑誌版ではハーフリングだったが、ゲームが違うので種族は小説準拠。ただしスカウトは別にいるのでウォリアー。
フォース クラス:スカウト
超絶美形のスカウトだが、ひょうきんな性格は相変わらず。女嫌いな点もやはり相変わらずです。
雑誌版ではスレインと中の人が同じ(吉岡太郎)で、文庫版のスレインも同様だから、彼ももしかしたら同じ人?
セシル クラス:ソーサラー
クレバーな魔術師を目指す女顔の魔術師。雑誌版では女顔を指摘されると怒ったが、今回はニューハーフを自称する!
とはいえ口の悪さは相変わらずで、その性格のためかあまりクレバーには見えない。セシルはやはりセシルってことですか。
シャリー クラス:プリースト(マイリー)
戦神マイリーの女性神官で、雑誌版同様にNPC。奥ゆかしいと言われるのは、単に発言が少ないからだとか。
雑誌版では仲間を回復しない、吸血鬼になりかける、それでも人気投票上位入選という美味しいNPCだったが……。
なお今回のPC達は全員3レベルからスタートします。下駄を履かせる点は雑誌版同様ですね。
しかし戦士3人にスカウト、ソーサラー、プリーストとは、シャーマンガン無視のパーティー構成ですね。
まぁ元からシャーマンは人数が少ない場合はハブられる事が多いし、元のメンバーにシャーマン要員がいませんしね。
あとルール面の補足ですが、コンパニオンでは飛び道具は1ラウンドに1回、追加ダメージ無しという処理でした。
しかし今回はGMの特別ルールで攻撃回数と追加ダメージは近接武器と同様になり、かなり強化されました。
これによりマールのようにダガーの投擲で戦う場合も、普通に接近戦を演じる場合と同様に攻撃が行えます。
★冒険者たち、"樫の木亭"で昼食をとること
物語は自由都市ライデンから始まります。時系列では「英雄戦争」から5年が経過しています。
現在のロードスは「英雄戦争」以来の混乱が続き、各地で内乱や紛争が続く大変混沌とした情勢にあります。
各地の詳細な情勢は小説や雑誌版と同様です。何処の国も何かしら問題があり、希望の見えない冬の時代です。
そんな中、物語はライデンの酒場「樫の木亭」から始まります。一行は偶然その場に居合わせた他人同士です。
このお店はライデンでも老舗にあたり、店のど真ん中に大きな樫の木が生え、天井を突き破ってるのが特徴です。
昔々1人の賢者が代金の代わりに置いていった種を植えたところこの木が生え、以来大繁盛を続けているんだとか。
フォース「日本昔話みたいですねぇ」
セシル「何代か前の主人が、店の宣伝のためにでっちあげたに決まってるさ」
シーリス「夢がないわねぇ。わたしは、ロードス島における前衛的な建物とでも解釈しておきますわ」
セシル「そっちだって夢がないと思うぞ」
真相は歴史の彼方です。実際そういう特別な謂れを宣伝に使う店もありそうですしね。「ひとつ目ドクロ亭」とか。
そんな庶民に親しまれる酒場で一行は思い思いに昼食を取っていましたが、突如事件が起きます。
ゴロツキ風の一団が食事にゴキブリが入っていたと難癖をつけ、勘定をタダにしろと店員と揉め始めたのです。
勿論昭和のドラマに出てくるヤクザよろしく言いがかりなのですが、店員も大したもので一歩も引きません。
するとゴロツキの1人が店員の首を飛ばし、店内はたちまち大混乱。ここぞとばかりに食い逃げする輩もいたとか。
ゴロツキ「文句がある奴ぁかかってきな」
シャリー「不意打ちとは卑怯でしょう。正当な戦いに対する冒涜です」
いや、正当な戦い云々以前に食い逃げの方が問題なんですが(苦笑)
★冒険者たち、正義のために立つこと
とはいえこれが開戦の合図です。酒場に散らばっていた5人の冒険者達は、それぞれゴロツキどもと戦おうとします。
オルソン「僕も戦うよ。他に正義の志士はいないのか?」
セシル「志士というぐらいなら、16人くらいはいてほしいぞ」
GM「……補足しとこうか?」
セシル「いらん」
代わりに補足しますと、志士→4X4→お察し下さい。
マール「ここにいる一同は戦うってことで」
GM「じゃあ、そっちは6人だね。実はこっちは11人いる」
シーリス「多いじゃない」
フォース「ええ、1人だけね。誰だ、誰が多いんだ」
GM「オタッキーな脱線はしないように」
代わりに補足しますと、11人いる!→1人多いのは誰だ→正解はアニメか漫画を見よう→お察し下さい。
11人のゴロツキの内、9人は普通の戦士です。残り2人は魔術師とファラリスの闇司祭のようでした。
敵は数こそ多いものの、基本はデータが同じ量産型です。単体の性能ではPC達には及びもしません。
魔法使いがいるからそこそこ怖い戦いでしたが、魔術師がセシルの"スパイダーウェブ"で絡め取られます。
更には何故かクリティカル&ダメージMAXを連発するシーリスが次々にゴロツキどもをなぎ倒します。
オルソンも分厚いプレートメイルのお陰でダメージが通らず、フォース&マールは剣戟を掻い潜り飛び道具で応戦。
その善戦っぷりに、最初こそウォーハンマーで戦っていたシャリーも魔法に専念。初陣を見事な勝利で飾りました。
★冒険者たち、仲間になること
終わってみれば僅か3ラウンドの攻防でした。4ラウンド目には敵の士気が崩壊していました。
何人かは逃がしてしまいましたが、残った連中は捕縛し、店主からは感謝の言葉を貰いました。
ゴロツキ「死んだあいつがみんな悪いんですよぉ。オレたちは、仲間思いのただの気のいい連中なんだよぉ」
シーリス「よく言うわ」
店主「店は荒れましたが、殺された店員の恨みは晴らせました。もちろん、お食事代も壊れ物の弁償金もいりません」
フォース「先をこされてしまいましたねぇ。謝礼が貰いにくくなりましたね」
セシル「正義の志士は、謝礼など取らないのだ。ハッハッハツ」
雑誌版にもあった展開だけど、若干すがすがしい感じになりましたね。
ところがそこで1人の黒衣の騎士に声をかけられます。7人組の冒険者風の一団のリーダーで、実はさっきからいました。
アシュラム「謝礼がほしいのなら、わたしが支払おう。面白い見せ物には違いなかったからな」
勿論言わずと知れたアシュラム様御一行です。ていうかあの乱戦の中平気で見物してたのかアンタ(苦笑)
そして戦い終わった一行はパーティーを組む事にしたのです。
フォース「こんなかたちでめぐり会ったのも何かの縁。どうです、正義を守るために一緒に旅をしませんか?」
シーリス「賛成」
こうして彼ら6人は互いに自己紹介してめでたくパーティー結成。なかなかスムーズな導入シナリオでした。
ちなみに謝礼金は悪党から徴収した分も込みで910GPとなりました。活動資金としては十分でしょう。
★冒険者たち、勧誘を受けること
酒場の事件を解決し、パーティーを組んだ一行は早速冒険のネタ探しに街へと出ました。
すると彼らは早々に4人組の男女の接触を受けました。彼らこそは「冒険者ギルド」のメンバーだったのです。
「冒険者ギルド」は雑誌版にも登場した冒険者達の組合であり、このライデンを拠点に活動する営利団体です。
4人組の男女の内2人はお馴染みのスレインとレイリアで、あと2人は名もなき戦士達です。多分護衛の人達でしょう。
雑誌版では彼らははじめからオルソンらを勧誘するつもりでしたが、今回はちょっと事情が違ってました。
スレイン「酒場で乱暴を働いたというのは、あなたがたですか?」
オルソン「乱暴を働いたと言われれば、その通りかもしれないけど、
それは正義のための乱暴だから、許されるはずだよ」
GM「まわりくどい言い方だなぁ」
セシル「つまり、オレたちは乱暴を働いた悪党を、暴力を使って退治した正義の志士というわけだ」
GM「それだってまわりくどいよ」
結局RPGの常套手段「かくかくしかじか」によって彼らは事情を理解し、友好的な態度になりました。
ただし「かくかくしかじか」は「何を喋るか」をちゃんと決めておかないと後でややこしい事になりますがね。
交渉をする上ではあえて口に出さない事というのもありますしね。今回は特に喋っても問題ないことでしたが。
スレイン「実は酒場で乱暴を働いた悪党を退治した正義の味方だったというわけですね」
セシル「そっちだってまわりくどい言い方だぞ」
GM「意図的だよ」
スレイン「ならば、その正義の力をわたしたちに貸してもらえないでしょうか?」
雑誌版よりちょっとまわりくどい展開でしたが、結局一行は冒険者ギルドにスカウトされました。
この冒険者ギルドは小説版には登場せず、実際の世界観を考えるとちょっと都合の良過ぎる団体です。
それでもあえて雑誌版同様に登場させたあたり、あくまでもゲームを遊び直した作品だということでしょうか。
★ギルドの労働条件を説明されること
スレインはギルドのシステムを説明するために、彼らを冒険者ギルドの本部まで案内しました。
ギルドの入り口は「海竜亭」という一見の酒場にあって、秘密の扉を開いて地下に降りると諸々の施設があります。
その施設というのがなかなか充実していて、酒場、宿、訓練室、薬品庫、武具・防具庫等が完備されていて快適そう。
特に薬品庫は薬屋と、武具・防具庫は武器屋と直接繋がる搬入口があり、緊急時の脱出路なども用意されていました。
一行は応接間に通され、ギルドの説明を受けます。
スレイン「この治安の乱れたライデンに、秩序と正義を回復させる者。
冒険者ギルドは、ロードスの平和のために日夜戦い続けているのです」
セシル「正義とか秩序とか、そういった言葉は大好きだぞ」
この辺りの設定も雑誌版と同じです。要はさっきのように悪党を退治するのがお仕事です。
勿論冒険者としてギルドから依頼を受ける事もできる。報酬も出るし、宝物も1割を収めるだけでいい。
暇な時はギルドで三食昼寝付きの生活を送ってもいいし、街中を警備すればちゃんと日当だって貰えます。
怪我・病気・毒・死亡等があっても魔法の治療を受けられるし、最悪身代金を払ったり、救助隊を手配してくれる。
オルソン「新撰組みたいなもんなんだ」
マール「よすぎるぐらいにいい条件だね」
セシル「かえって、怪しいぞ」←ですよねー
フォース「こんな厚遇を与えて、よく儲かってますねぇ」
ちなみにギルドマスターはやはりシャダムです。その後援者は……もう言わなくても分かる人は分かる(笑)
色々気になる事もありますが、一行は早速加入に同意します。これが彼らの大冒険の始まりでした。
★斡旋された冒険
一行が早速斡旋された冒険は、最近ライデンを根城にしているという海賊退治でした。
彼らはライデンの北西部にある海蝕性の洞窟を砦としていて、評議員の1人娘を拉致監禁しています。
一行はその砦を見つけたという別の4人組のパーティーと組み、この砦に強襲を仕掛ける事になります。
セシル「全部で10人とは、大所帯だな。これで、隠密作戦が成功するものか?」
GM「完全武装の冒険者が、隠密行動なんかできっこないだろ」
金属鎧がガチャガチャうるさいし、そもそも盗賊以外は忍足等のスキルを持っていないでしょうから。
盗賊が単体で隠密行動を取るか、全員で強襲を仕掛けるか、このどちらかでしょう。今回は後者ですね。
まぁ魔法やアイテムを駆使する事で奇襲を仕掛ける事も不可能ではありませんがね。"バブリーズ"みたいに。
娘さんについては雑誌版にはなかった設定ですね。当然その娘さんも救助しなければいけません。
GM「最悪の場合、死体だけでも持ってかえってくれればいい」
残酷な話ですが、蘇生する手段はありますからね。まぁ無事に助け出せればそれが一番でしょう。
ちなみに4日目の朝までに帰還できなければ救援隊が向かいます。蘇生の魔法が使える司祭(レイリア?)同行で。
マール「これは負けそうになったら、そく降伏するに限るね。
後はシーリスを差し出すとかして、ひたすら命乞いをする」
セシル「プライドはどこにいった、プライドは!」
マール「グラスランナーには、プライドなんて言葉はないのさ。
あったかもしれないけど、大陸から船で渡ってくる途中に、海の中におっことしてきちゃったってことで」
GM「途中の浜辺に打ち上げられていたりして」
マール「それは困る。降伏できなくなってしまうじゃないか」
シーリス「なんだか、情けないパーティねぇ」
とはいえ死んでしまえばそれまでですからね。高潔な死よりは卑屈な生を選ぶのは当然のこと。
あと居場所を特定できる魔法の指輪も支給されます。発信機みたいなものですかね。
SWでいう"ロケーション"みたいな探知系の魔法の目印といったところでしょうか。
ただそれは相手の"ディテクション"(SWでいう"センス・マジック")で発見される恐れもある。
その後一行は今回組むという4人組の冒険者と顔合わせをします。ただし名前もないNPCですが。
構成は戦士2人、ファリス神官1人、精霊使い1人です。精霊使いはハーフエルフで、それ以外は人間です。
盗賊がいないのが微妙に不安ですが、戦闘をする上ではいい構成ですね。海賊退治には戦力不足でしょうが。
★海賊砦を強襲すること
依頼の説明を受けた後は、出発を翌日としてギルドでゆっくり休んで英気を養いました。
マール「僕の踊りと歌とを披露してあげるよ。
○ーフリングならぬグラスランナー・ソングとか。
降伏勧告のバラードとかレパートリーも豊富なんだよ」
シーリス「マイクを持ったら離さないクチね」
マール「ロードス島におけるカラオケの帝王とは、この僕のこと」
「いまなら〜、まだ〜、間に合うからあ〜♪」ってやつですね。中の人も同じなのかな?
そして翌日4名の名もなきNPCと一緒に砦へと向かいました。ジルヴァーはいません(笑)
やがて砦に到着すると(相変わらず関係ない所は早いな)一行はまず砦の様子を観察しました。
砦と言ってもそこは基本的には普通の洞窟です。砦らしい点を挙げるなら、入り口に設置された見張り台です。
梯子を上らないと見張り台には辿り着けず、台にはバリスタが設置されていました。雑誌版と同じですね。
バリスタといえば数ある武器の中でも最大最強のもの。ドラゴンの鱗を突き破り、戦艦の横っ腹に穴を空けます。
このゲームでは特に細かいルールはありませんが、到達距離は200mで威力は普通のクロスボウの倍となります。
入り口に近づこうとすれば姿を晒さざるをえず、そうなればバリスタで狙い撃ちにされる。
かといってそれ以外の方法も特になさそうだという、なかなか嫌らしい状況というわけですね。
★見張台の攻防
冒険者ギルドに加入した一行は、最初の依頼である海賊退治の為に海賊の砦に襲撃を仕掛けようとしていました。
しかし入り口を守る見張台まではおよそ500mの距離があり、近づこうものならバリスタで狙い撃ちにされます。
セシル「移動距離は1ラウンドに100m+敏捷度だから、
4ラウンド後には見張台のところまで移動できる計算になる」
コンパニオンでは武器を使用する戦闘移動では40m、形振り構わず走るなら上記の距離だけ移動できます。
この場合は4ラウンドかけておよそ500m移動し、5ラウンド目には見張台に対して何かしらできるという訳ですね。
ただしこちらが魔法を使う場合はもう少し手前から射手の無力化を狙える。
GM「魔法はルールでは見える範囲とあるけども、
これはずいぶんファジィな規定だから、
飛び道具と同じく、100mからかけられるということにする」
セシル「短いぞ」
GM「短くない。僕がこう決めた以上、今回のキャンペーンでは変わらない」
実はSWのルールに比べるとかなり長いんですよね。何しろSWでは大抵の魔法は10〜30mしか届かないから。
それに対して飛び道具は本当に100m手前からでも使えるので、場合によっては魔法よりも有利な手段となる。
シーリス「「忘却」という特殊能力があるくせに」
GM「ハッハッ。ゲームデザイナーなんて商売をやっていると、時には必要になってくる能力なのさ。
過去にやらかした誤字や脱字はみーんな忘れる。ルールの勘違いもすーべて忘れる。
これさえあれば幸せになれる。いや、不幸にはならない。読者のみなさん、すいません」
実はこの時既に前回バリスタが200mしか届かないとした設定を忘れてますしね。そこに痺れる憧れるぅ。
その設定を使うとしたら、敵もかなりこちらを引きつけないと攻撃できない。でも今回は構わずぶっ放します。
それ以外にも気になる記述がチラホラと。
オルソン「第3ラウンドには、こっちから魔法をかけられるんだから」
3ラウンド目に行動するなら、移動できるのは2ラウンド間のみ。それじゃあ200m強しか近づけません。
実際の移動距離はPC毎に敏捷度が違うのでまちまちですが、最大敏捷度18のフォースでも118mです。
すると3ラウンド目の移動で354m接近で残り146m、バリスタの射程に入る。狙われるのはここからです。
4ラウンド目にも走ると残り28mとなり、5ラウンド目には戦闘移動が可能。魔法を使うなら4ラウンド目ですか。
バリスタは2ラウンドに1回しか攻撃できないので、狙えるのは精々3ラウンドと5ラウンドの2回程度でしょうね。
上手く魔法をかけられれば1回だけの攻撃で済むし、最悪6ラウンド目には見張台の足元に到達して最早撃てない筈。
それだって敵が3ラウンド目に後攻、5ラウンド目に先攻になった場合です。イニシアティブ次第ではまた変わってきます。
例えば3ラウンド目に敵が先攻で攻撃できず、4ラウンド目にPCが先攻取って魔法で無力化できれば無血攻略もありえる。
まぁあまり細かい事を言っても仕方ないんですけどね(笑)
あと特殊な移動方法として、移動距離を半分に抑えると防御と抵抗に+20%のボーナスが入ります。
セシル「そのオプションを取った場合だと、6ラウンド目には魔法がかけられる距離まで……」
ここでクレバーな魔法使いことセシルが緻密な、それでいてセコイ作戦を練ります。前提が間違ってても気にしない。
彼の作戦とは予めバリスタの発射タイミングを見計らい、飛んでこない時は走り、狙われる時は回避行動を取るという事。
GM「セコイなぁ」
セシル「クレバーと言ってくれ」
ここから彼は方程式を用いて命中確率を計算し、ダメージの期待値を求めようとします。
セシル「すべては確率ではなく、期待値で判断すべきだ、とは誰の言葉だったかな」
GM「みゆきちゃんだと思うよ。そんなことを言うのは」←言いそう(笑)
とはいえその為には彼我のスペックを考慮しなければいけないし、何よりも面倒くさい。
オルソン「あー、何のことだかさっぱり分からなくなった。
こんな時には突撃あるのみ!みんな僕に続くんだよ〜ん。ウリィィ……」
GM「出たなバーサーク!それでは、オルソンの命令一下、全員突撃ということで」
そっちの方がこの連中らしいかな。
1ラウンド目、イニシアティブなし
こちらは全員突撃。敵もそれに気づいてバリスタを走り寄る彼らに向けました。
セシル「狙われる確率は10分の1」
シーリス「もう分かったってば」
かなり「ハイハイ」って感じですね。ていうかやっぱりバリスタが届くのか(笑)
2ラウンド目、海賊先攻
バリスタはフォースをロックオンしました。
セシル「しまった。先に"シールド"の呪文をかけておくべきだった」
シーリス「どこがクレバーなのよ!」
策を練るあまりに基本的なことが抜け落ちる。自称策士によくある失態ですね。
この一撃がなんとクリティカルし、フォースは18点削られますが生きてます。でももう1発食らうと逝く。
3ラウンド目、PC先攻
セシルは"スリープ・クラウド"を使って見張台にいた3人の内2人を眠らせます。
残る1人に全員がここぞとばかりに飛び道具を浴びせますが、見張台に隠れる敵は命中に−30%入るので当たらず。
シャリーはフォースの怪我を治し、戦士2人の弓と精霊使いの"ファイア・ボルト"はしっかり敵を削ります。
オルソン「NPCたちのほうが立派だなぁ」
敵はバリスタを巻き上げるので行動できず。でも伝令が飛んで洞窟内の仲間が気づいた筈。
4ラウンド目、PC先攻
セシルは"エネルギー・ボルト"を飛ばして最後の見張りを倒しました。
それからも彼らは海賊の増援を相手に戦います。マールは見張台の敵にトドメを刺し、他のメンバーは洞窟に突入。
10人ほど出てきた海賊達を相手にオルソン、シーリス、NPC戦士×2の計4人が防衛線を築いて応戦します。
海賊は数こそ多くても所詮は烏合の衆でした。3ラウンド後の8ラウンド?には呆気なく全滅し、初戦は快勝でした。
★冒険者たち、強敵と出会うこと
計13名の海賊を退けた10人の冒険者達は、海賊の残党を退治する為に洞窟の奥へと進みます。
暗い洞窟を進む彼らは、やがて魔法の光によって照らし出され、7人の冒険者風の集団と遭遇しました。
アシュラム「よくよくおまえたちは、面白い見せ物を見せてくれる。
今回も褒美をやらねばならんな。
魔剣ソウル・クラッシュの魔力をその身体で味わうがいい」
彼らこそは「樫の木亭」で出会った一団にして、小説でも雑誌版でもお馴染みのアシュラム様御一行です。
この時点では彼らの目的や素性は明かされませんが、基本的には他の作品と同じなので特に気にする事はない。
だけどそのメンバーは雑誌版とは大違いで、小説準拠です。挿絵にはジャランがいますけどね。
小説を読んでる人なら、アシュラム、ギルラム、スメディ、グローダー、アスタール、ガーベラ、ホッブと分かる筈。
また名前は明かされず、順にナイト、ウォリアー×2、ソーサラー、シャーマン、プリースト×2とだけ表記されます。
そして彼らの実力はこちらを遥かに凌駕し、まず勝ち目がないという事も小説や雑誌版リプレイを読んだ人なら分かります。
アシュラム「冒険者ギルドの連中だな。話に聞いたことがある」
セシル「どこが秘密結社なんだ」
フォース「あんな派手な勧誘をしてるんですから、誰だって知っているんじゃないですか」
アシュラム「実はオレたちも声をかけられたのだ」
見境なしかい。せめてスレインも勧誘する前に素性ぐらいは調べた方がいいって(苦笑)
オルソン「僕たちは海賊退治にきたんだよ〜ん。おとなしく、降伏しなさい」
マール「降伏勧告のバラード歌います。――今なら〜♪」
フォース「ワワワワ〜」
マール「まだ〜♪」
フォース「ワワ…」
GM「え〜い、うるさい!!」
アシュラム「降伏するだと?笑わせてくれる。そちらこそ、命が惜しいのなら、さっさと降伏するのだな」
ここから彼らは全く勝ち目の見えない戦いを始めました。
1ラウンド目、アシュラム先攻
推定グローダーは"スリープ・クラウド"を、ガーベラは"マインドブラスト"を使用します。
それぞれPC全員に効果があり、眠りと精神力にダメージの2重攻撃です。ちなみに精神ダメージは一律16点。
これによってマール以外のPCは全員眠る。セシルに至っては推定アスタールの"サイレンス"で魔法も使えない。
魔法の難を逃れたNPCズでしたが、アシュラム、スメディ、ギルラムがそれぞれ戦士×2とファリス神官を瞬殺。
こうしてあっという間にマールとNPC精霊使いの2人だけになりました、
マール「即、逃げる」
精霊使いはジルヴァー同様に海に飛び込み、マールはダッシュで逃げ切りました。流石はグラスランナー。
★海賊船に拉致されること
逃げたマールは冒険者ギルドに直行し、オルソン達は海賊船「海魔の角号」に監禁されました。
そこで例の評議員の娘さんと一緒になりましたが、捕まってるようでは「助けに来た」という言葉も空しい。
やがて推定グローダーの魔術師がやってきて、彼らを相手に情報を引き出そうとしました。
グローダーはまず魔法によって何かしら喋らせようとしましたが、こんな時に限ってオルソンは抵抗します。
グローダー「ほう、なかなか強い意思を持ってるな」
GM「それでは、手間だが尋問をすることにしよう。あ、拷問でもいいかもね」
オルソン「やめてくれ〜。大抵のことならしゃべるから!」
まぁここで根性見せて黙秘を貫いても仕方ありませんしね。
グローダー「冒険者ギルドは何人ぐらいの組織なのか?
おまえたちの救助隊がやってくる可能性はあるか?」
オルソン「僕たちはまだ新米なので、ギルドに何人くらいいるかは、まったく知りません。
救助隊は来ると思います」
フォース「サン○〜バ〜ド〜、チャンチャンチャララッラ♪」
GM「咬むよ!」
フォース「ピタッ」
捕虜になっても余裕あるな。
結局彼らは海賊退治をしに来ただけだと正直に言うと、グローダーも納得したようでした。
グローダー「もしかすると、協力してもらうことになるかもしれんから、その時はよろしく」
こんな具合に和やかに会談は進みました。やはりこのキャンペーンの彼らも単純な悪役ではなさそうです。
しかしここで一行は敵がマーモである事を知ってしまい、このまま船の漕ぎ手をやらされる事になりました。
マーモの狙いとは何か、何処に連れて行かれるのか、救援隊は来るのか……。不安の多いまま船は動き出します。
★荷物運びに駆りだされること
アシュラムの捕虜となった一行は船に乗せられ、雑用をやらされながら何処かへと航海を続けていました。
彼らの仕事は、男性陣は鎖に繋がれての漕ぎ手、女性陣は水夫達の身の回りの世話です。ただしセシルは後者です(笑)
特に漕ぎ手は重労働のようで、仕事の後に抵抗力の判定を行い、失敗すると生命点に1点のダメージを負う程です。
よくこの手の漕ぎ手は鎖に繋がれ、死ぬまで働かされるといいますが、それをルール化するとこんな感じでしょうね。
やがて彼らは陸地に辿り着きます。水夫に話を聞くと、ここは青竜の島だといいます。
青竜の島というとライデンの沖合いにある小島で、五色の魔竜の1匹水竜エイブラがカストゥール王国の財宝を守る島です。
その財宝を手に入れようとする冒険者が後を絶えませんが、誰一人として彼の守る財宝を手に入れた者はいません。
またシーサーペントや鮫といった危険な海の生物を捕食する事から、ライデンの船乗りさん達には有り難がられているとか。
何しろエイブラはSW風に言うなら14レベルの老竜です。大抵の動物や魔獣は彼にとっては小魚も同然でしょう。
これらの情報を知っているかどうかは魔術スキルによる判定で決められます。SW風に言うとセージ技能による判定です。
最初にシーリスが島の名前を聞いた時に判定をしたのですが、これが見事に失敗。彼女は島の事を知りませんでした。
その場に仲間がいなかった事から彼女一人の判定になったのですが、後に仲間が揃ってる時にエイブラの名前を聞きます。
この時はシーリスを除いて全員が判定を行い、複数が成功します。シーリスは前提を知らないので参加できない訳ですね。
今回のキャンペーンだけではないのですが、知識というものは冒険において、時に運命を左右する役割を果たす時がある。
伝承を知ってるかどうかで対応が変わってくるでしょうし、怪物の能力を知っていれば有効な戦略を練れる時がある。
剣や魔法のような華々しさや派手さはないものの、地味に重要な能力ですよね。パーティーに1人は専門家が欲しいところ。
もっともこのゲームでは魔術スキルによる判定で誰でもできるんですけどね。まぁ魔術師等の方が成功確率は高くなりますが。
さて、島に上陸したアシュラム達はそのエイブラの巣を目指し、一行は荷物持ちをやらされる羽目になりました。
シャリー(マール)「"バトルソング"を歌えば、士気が上がるかな」
GM「それは、戦の神様に対する冒涜というものだよ」
シャリー「じゃあ、やらない、わよ」
なお手持ち無沙汰なマール君の中の人は一時的にシャリーを担当しています。
彼らの運ぶ木箱は大半が中身のない軽いものですが、1つだけやけに重たいものがありました。
オルソン「僕が持ちます」
シャリー「さすが、リーダー!だわね」
女性が男性PCをやってもあまり違和感はないけど、逆だとちょっと厳しいかな。主に口調の面で。
この際彼らはエイブラと戦う事を条件に武器を返却してもらえたのですが、普通に断ります。だって勝てっこないし。
アシュラム「その場合は、帰りの雑役は免除してやってもいいし、
そちらが望むなら名誉あるマーモ軍の兵士に取り立ててやってもいいぞ」
セシル「そんな条件を、正義の味方が飲むわけはないのだ」
オルソン「う〜ん、ドラゴンとは戦ってみたいけど」
GM「ただのドラゴンじゃなくて、エンシェント・ドラゴンなんだぞ。相手になるわけがない」
なお五色の魔竜で古竜なのはシューティングスターとマイセンのみで、他は1ランク下の老竜です。それでも強いけど。
★半魚人たちとの遭遇
エイブラの巣穴を目指すアシュラム達と一行は、やがて海蝕性の洞窟に到着します。
前回の海賊の洞窟とよく似ていますが、エイブラが出入りに使うためか口の大きさ桁違いです。
どうも満ち潮になると出入り口は水没するそうで、ますますエイブラが出入りに使ってる可能性が高そうです。
ところがここで彼らはマーマンとマーメイドの接触を受けます。彼らはエイブラを守護神と崇める一族でした。
何しろエイブラはその辺の海の危険な生物を捕食します。彼らのような海の民からすれば確かに守護神なのでしょう。
あとPCゲームではグリフ族という鳥人の一族なんかも住んでましたね。ドナル○ダッグの偽者みたいなのが(笑)
ただし彼らはエイブラに先祖代々イジメられているというので、守護神というか疫病神みたいなものでしょうね。
彼らは守護神には手を出さないで欲しいと警告を与えます。しかしそこはアシュラム様、まったく聞きやしない。
マーメイド「ならば、実力で阻止するまでです」
すると数十匹のマーマン軍団が海から現れ、彼らに襲い掛かってきたのです。
マーマンの群れの中丸腰のオルソン達はまたもピンチに陥っていました。ていうかピンチになってばかりだ。
アシュラム「その木箱の中におまえたちの武器が入っている。命が惜しければそれを取って戦え!」
何とオルソンがえっちらおっちら運んできた木箱には彼らの装備が入っていたのです。戦わせる気満々だ。
マーマン軍団はとにかく数が多く、マーメイドは後方から精霊魔法によって援護をしてきます。
アシュラム達は流石のもので、この数の不利をものともせずマーマン達を蹴散らしていきました。
一方オルソン達には厳しい戦いとなりましたが、皮肉な事にアシュラム側の魔法使いの援護があって勝てました。
シャリー「意外に手間取ったねぇ、だわ」←だわだわ、なのだわ
セシル「魔法を節約したからだ。ここは精神点を温存しておくのが、正解とみたからな」←クレバー
シャリー「しまった!こっちはけっこう使っちゃった、だわ」
セシル「そんなことで、きたるべきアシュラムたちとの対決はどうするんだ?」
フォース「本気で戦うつもりなんですか?」
セシル「そのぐらいの気合を持っていろ、ということだ」
正直レベルが違いすぎますからね。全員じゃなくて1〜2名だけならいい勝負になるかもしれないけど。
アシュラム「戦士は機会があれば、かならず自分の武器は手にしておいたほうがいい。
他人の力を借りねば、自分の身を守れん奴は、決して長生きはできんぞ。
そして、間もなくそういう時代がくるだろう」
この時点ではまだ彼の目的は明らかになってませんが、世界を変える程の野望を持つ事は明らかですね。
こうして世界を揺るがす事件が少しずつ明らかになっていくのを見ると、初めて小説を読んだ時を思い出す。
それから彼らは再びエイブラのもとを目指すのでした。
シーリス「またまた、角が立ったけど、その命令には従うわ」
オルソン「今はまだ時期ではないからだよ〜ん」
フォース「ああ、いつになったら時期がくるんでしょうか?」
GM「じきに……なんちゃって」
フォース「……さすがですねぇ」
このGMの駄洒落癖はクリスタニアにも引き継がれるのですが、それはまた別のお話。
★決戦!水竜対黒騎士
首まで海水に漬かりながら進んだ一行は、ついに水竜エイブラのもとに辿り着きました。
エイブラ「我が眠りを妨げる者は誰か!今すぐこの場から立ち去れ、
この岩屋の中に入れるのは、我等が主人、ロードス島太守の資格を持つ者のみ」
この戦闘の後になりますが、彼らは御馴染みの魔術スキル判定に成功したので、太守の秘宝を知っていました。
ここで改めて五色の魔竜と太守の秘宝についておさらいしておきましょう。
かつてこのロードス島を支配していたのはカストゥール王国のロードス島太守でした。
彼は王国の滅亡時に多くの財宝を配下の五色の魔竜に託し、ロードス島の各地で守護を命じたのです。
その財宝の中でも特に強力なのが太守の秘宝と呼ばれるアイテムで、1匹の竜が1つずつ守っています。
それぞれの竜がどの場所で何を守ってるかは下記の通り。
白竜山脈
氷竜ブラムド:"真実の鏡"暗黒の島マーモ
黒翼の邪竜ナース:"知識の額冠"青竜島
水竜エイブラ:"魂の水晶球"モスのアルボラ山脈
金麟の竜王マイセン:"生命の杖"火竜山
魔竜シューティングスター:"支配の王錫"
実はこの時点でアシュラムはナースを屈服させて"知識の額冠"を手に入れ、ブラムドは倒しています。
"真実の鏡"は入手していないようですが、多分小説同様にカーラが所有していたためでしょう。
そして彼の狙いは多くの人間を支配できるという"支配の王錫"です。その力でロードスを統一する気なのです。
問題はどの竜が何を守ってるかを彼は知らないということ。その為に既に3度目の無駄足を踏もうとしてる(笑)
ていうか手当たり次第に当たって目的のものに辿り着くのが4度目とは、微妙に運の悪い人なのかもしれません。
エイブラが王錫を持っていない以上、本来彼はエイブラと戦う必要はない。交渉次第では戦闘を避けられます。
アシュラム「わたしは、争いにきたのではない。
偉大なるドラゴンよ、ただ、ひとつの宝物が欲しくてやってきただけだ」
エイブラ「宝物は我が守護下にある。渡すことはできぬ」
アシュラム「ならば、実力で奪うのみだが、それでもよいかな」
エイブラ「そのときは、こちらも守護者の任務をまっとうするのみ」
以上で交渉は決裂です。ていうかそれは交渉じゃないし、ただのメンチ切りだし(笑)
小説だと秘宝の種類を聞いて無関係なら手を引く気でしたが、こっちではそんな配慮もありません。
あと小説で戦闘になったのはグローダーの姦計によるものでしたが、こっちでは戦う気満々です。
同じアシュラム様でもこっちのアシュラム様はちょっと無謀と慢心の精霊に取り憑かれている感じです。
かくして始まった黒騎士と水竜の対決ですが、やはりアシュラムの勝利です。この辺は他の話と同じです。
アシュラム達はホッブの"バトルソング"の援護を受け、剣と魔法で猛烈な攻撃を加えました。
対するエイブラもブレスを吐き、牙や爪や尻尾による攻撃を繰り返します。そしてオルソン達は観戦モード。
やがてアシュラムの"魂砕き"がエイブラの精神を削り切ります。あとは無抵抗の彼を滅多刺しにして勝負ありです。
勝負がつくとオルソン達は空箱に財宝を詰め込む作業をやらされ、グローダーが"魂の水晶球"をゲットします。
本当ならこれだけでもかなりの大発見なのですが、王道を歩むアシュラムは王錫意外には無関心でした。
セシル「求めているのは、支配の王錫だな」←判定に成功
アシュラム「ほう、よくわかったな。貴様達、ただの冒険者ではないな?」
フォース「いえ、本当にただの冒険者です」
アシュラム「……まあいい。見付かったのは魂の水晶球だ。
オレには必要ないものだし、必要になるとも思えんものだ。
何しろ死んだ人間になど興味はないし、オレは絶対死なんからな。ハッハッハッ」
シーリス「すごい自信」
フォース「マグニチュード7はありますねぇ」←くだらねぇ(笑)
シャリー「はいはい、わかったよ、だわ」
駄洒落はいいとして、アシュラムの目的を知った以上、もう彼らはただでは帰る事はできません。
マーモに忠誠を誓うか、牢獄にぶち込まれるか。いずれにせよ彼らの危機的状況は悪化しただけです。
ちなみに船はライデンに寄航後、マーモに直行します。
オルソン「がちょ〜ん!話が違うよ〜ん。これでは、救出してもらう機会がない」
シャリー「魔法で心を読まれるから、と何でもしゃべったのが失策だったかもしれないね、だわ」
シーリス「バカバカバカ、オルソンのバカ」
オルソン「ああ、僕たちはいったいこれからどうなるのでしょう?」
一応ライデンに一度は寄るんだし、その際アシュラム達は次の目的地に向かうから、その時がチャンスです。
しかしキャンペーン開始以来、敵の捕虜になるわ、ここ一番で観戦モードに従事するわ、相変わらず悲惨な連中です。
★冒険者たち、船倉に押しこめられること
エイブラとの戦いの後、一行は莫大な財宝を運んで海魔の角号に戻りました。
一応危険は冒して戦ったので帰りは雑役免除です。その代わりに船倉で過ごす事になります。
オルソン「どっちが待遇がいいんだか分からないよ〜ん」
セシル「休んで体力を温存できるほうが有利に決まっている。それから、機会を見て脱出するのだ」
シャリー「あればいいなぁ、だわ」←まだマール君です
あと前回アシュラムに説教されたこともあり、武器の携帯も認められました。どうせ今の状況では何もできないし。
そうして航海を続け、陸地に近づいたと思われるところでアシュラム達が下船していきました。
小説等では元の洞窟に寄港して降りていったのですが、どうも今回は本船を沖に留めて小船で下りたようです。
そのお陰でカシューやパーンが洞窟にカチコミをかけてオルソン達を救出できたのですが、どうも違う展開ですね。
オルソン「恐くて強いのがいなくなったことだし、それに武器は手にあるし、脱出の作戦でも練ろう」
ただ救助を待つのではなく、自主的に計画を練るあたりが雑誌版よりは好感が持てますね。
GMもできる限り彼らに能動的に動いてもらえるよう工夫してる節もあるし、なかなかいい傾向です。
さて肝心の脱出方法ですが、現在彼らのいる船倉には鍵がかかっていますが、これは開錠できそうです。
盗賊スキルを使っての開錠を行えばいいのですが、現在フォースは盗賊用の道具を持っていません。
その為判定に−50%の修正が入りますが、それでも28%。それが駄目でも集中力を40%の成功確率で使える。
セシル「それなら、だいたい57%ぐらいの成功の確率はある。
それにここにいる全員が集中力ロールを使えば誰かが開けることができるはずだ」
皆大体集中力が40%ぐらいあるので、集中力だけを考えても誰かしら成功する確率は92%程になる。
あとは人数の多い海兵達と何処まで戦えるかですが、決行するにしても夜を待つ事になります。
その一方で逃げたマールとNPC精霊使いの出番が回ってきます。
GM「ところで、マール君」
シャリー「はい、だわ。――えっ、マール君なの?」←すっかりだわだわ言う癖がついてる
前回丸々出番のなかった彼ですが、あの後精霊使いと一緒に冒険者ギルドに走って助けを呼んでいたのです。
スレインに事情を話すと、彼は早速ライデンに寄港していたフレイムの軍船海の鷹号の出動を要請しました。
フォース「おおっ、あれがヤ○トだ男の船だ。ヤ〜○ト、ヤ○トいつまでつづく」
GM「だぁ〜っ。不穏当な発言は慎んでちょ」
そうそう、ニット帽に怒られるよ(コラ!)
マール「フレイムとの軍船の関係について、僕は追及しておくよ」
GM「それじゃあ、マール君、冒険者ギルドの背後関係について、おじさんと一緒に勉強しようか」
フォース「働くおじさん、働くおじさん、こんにちは」←NH○教育
それは一体いつの時代の番組なんだか(苦笑)
冒険者ギルドの背景ですが、その後援者はライデン評議会の要請で動いたフレイム王カシューです。
GM「カシューについては、みんなどんな人物だか知っているね?」
オルソン「知っているよ〜ん。大陸から渡ってきた傭兵上がりの国王で、一騎打ちなら無敵といわれる豪快な王様」
フォース「おまけに卑怯な手段だって使うぞ。後で反省すれば、大丈夫なんだ」
シーリス「わたしは、個人的にあの王様好きだわ」
その認識で大体合ってますね。でも簡単にまとめるとなんだかな。
フレイムが表向きに動いたのでは評議会の威信が潰れるので、傭兵隊をギルドという形で派遣しているのです。
その過程で暇を持て余した冒険者を勧誘して仕事を与え、無法者にならないよう牽制してきたのです。
ギルドマスターがシャダムなのも彼が本国の傭兵隊の隊長だから。この辺は雑誌の時と同じようなものです。
海の鷹号も小説でお馴染みですね。カシューが大陸から購入した最新鋭の軍船で、遠洋航海も可能な優れものです。
こうして背後関係も明らかになったところで、マールはスレインやレイリアと一緒に海の鷹号に乗り込みます。
幸いオルソン達は魔法の指輪をまだ持っているのでスレインが探知を行い、海魔の角号を全速力で追いかけたのです。
★逆襲!そして、マールとの再会
一度風を捉えれば帆船である海の鷹号の速力は大したもので、海魔の角号に追いつくことができました。
マーモ軍人「敵だ〜。戦闘態勢を取れ〜。総員起こし〜」
セシル「今こそ、行動に移るべきだ。中から撹乱すれば、こっちの勝利は間違いない」
たちまちフレイム軍とマーモ軍の主力艦同士の海戦が勃発し、オルソン達はその機を逃さず行動に移ります。
まずフォースが船倉の鍵を開け、オルソンとシーリスを先頭にして見張の海兵に襲い掛かります。
敵の装備は革鎧にファルシオンという典型的船乗りスタイルで、実力的にはこちらには及びません。
しかし数だけは多いので増援も駆けつけてきます。そこで戦士2人には魔法の援護を徹底させました。
"バトルソング"に"シールド"、"ファイアウェポン"等で強化されたオルソン達は艦内を鎮圧していきます。
この騒ぎのお陰で海魔の角号の漕ぎ手達の手は止まり、停船した船にフレイム方が乗り込んできます。
その中には当然マールもいたし、死体を回収して復活したNPC4人組の姿もあったといいます。
やがてオルソン達も甲板に駆けつけ、それぞれ海兵を倒したところで海魔の角号は完全に制圧されたのです。
これでようやくマールも一行に合流し、ようやく全員が揃いました。シャリー役も卒業なのだわだわ。
あと押収したエイブラの財宝は海の鷹号の乗組員とオルソン達に分配されます。内訳は以下の通り。
オルソン
グレートソード+1シーリス
ロングソード+2、ラージシールド+1フォース
バーニング・クォレル×10本(推定"ファイアウェポンの掛かった矢。ダメージ+5点")マール
フォーチュン・アミュレット(抵抗力+10%)セシル
ファイア・クリスタル×3("ファイアボール"が使える。SWでいう炎晶石)
本当はラージシールドはシャリーが貰ったのですが、彼女は白兵戦はしないからと譲ったのです。
これはGMのNPCにマジックアイテムを分け与えるべきではない、というポリシーの為だとか。
あと海魔の角号はフレイム海軍が接収。今後はフレイムの主力艦として活躍していくでしょう。
シーリス「どっちが海賊なのか分からないわねぇ」
GM「昔の海軍ってこんなものだったみたいだよ。
国の公認で海賊をやらせている場合もあるからね。
大航海時代のイギリス海軍なんてその最たる例だよ。
キャプテン・ドレイクが国家の英雄になるんだからね」
私掠船ってやつですね。RPGで海軍を題材にすると必ずと言っていいほど話題に上りますよね。
そういえば次の「ロードス島戦記V」でもヴァリス海軍が海賊船を接収して国家財政にしてましたね。
とはいえ明確な私掠船ってロードスではマーモぐらいにしかないんですがね。大陸だとバイカルやムディール。
★GM、情報整理を行うこと
海魔の角号から脱出した一行は海の鷹号に移り、スレインとレイリアを相手にアシュラムの件を報告しました。
これは極めて重要な情報なのでギルドに戻れば追加報酬も貰えそうです。国家規模の争いに関わりますからね。
マールはフレイムと冒険者ギルドの関係を説明します。
マール「これで、情報が揃ったのかな?」
GM「どうなのかなぁ。この辺り、原作があるキャンペーンの悲しさで、
プレイヤーの記憶とキャラクターの記憶がごちゃまぜになってしまうからね」
本当はPCは知らないのに、プレイヤーが知っているから教えられたと思い込んでしまう現象ですね。
ましてロードスとなると大抵の事をプレイヤーは知ってますから。例えばアシュラム側のメンバーの名前とか。
ここで彼らは改めて、自分達が何を知っているか、という事をお浚いしました。
アシュラムの目的、太守の秘宝と五色の魔竜の関係、冒険者ギルドとカシューの繋がり、これらは話した筈です。
あとはアシュラムの人物像です。何しろ彼がベルドの臣下だったという事ですら彼らは知らない筈なのですから。
とはいえロードス統一を狙っているマーモの騎士というだけで戦う理由は十分ですから、その辺は別にいいかな。
そうなると次にすべき事はアシュラムの追撃です。およそ1日ほど遅れているので急げば追いつけるかも。
またスレインはオルソン達をずっと探知していたので上陸地点が分かる。相手はライデンに戻った可能性が高い。
あとこの時点で彼らはレベルアップを果たします。それでも未だに4レベル、やはり実力では勝てそうにない。
それでも彼らはアシュラムの野望を阻止すべく、海の鷹号の進路をライデンへと向けました。
フォース「急げヤ○トよ、イ○カンダルへ。無敵再生戦艦、不死身の乗組員」
GM「だから不穏当な発言はやめてくれよぉ」
だからニット帽に怒られるって(笑)
★"樫の木亭"の宿あらためをすること
海魔の角号から脱出した一行はライデンに帰還し、早速アシュラム一味の足取りを追う事にしました。
時刻はまだ早朝。不夜城の如く明りの絶えないライデンの街も朝を向かえ、一日が始まろうとしていました。
一行はアシュラム達が昨晩は宿屋に泊まったと推測し、唯一の心当たりである「樫の木亭」を訪ねる事にします。
アシュラム達とは殆ど面識がないけれど、彼らと初めて出会ったあの店をまた利用している可能性に懸けたのです。
スレイン・レイリア夫妻と共に宿を訪れ、従業員に金を握らせて昨夜の遅番の人を起こして話を聞きます。
遅番の従業員「ああ、あの連中だな。確かに昨日泊まったぜ。
でも、夜が明けるだいぶ前にここを立ったぞ」
フォース「がが〜ん。一足遅れてしまいましたねぇ」
シーリス「早寝早起きなんて、マーモの人間の割には健康的な人たちねぇ」
早寝早起きは少しでも長く日の出ている時間に活動できるようにという、旅人や冒険者の習慣かもしれませんね。
ところが彼の言うところにはまだ1人残っているというのです。どうやら蛮族の戦士ギルラムのようですね。
小説ではマーシュと壮絶な力勝負の末に戦死した男です。負けたとはいえ、相当高レベルの戦士と見ていい筈です。
マーシュはフォースの戦友であり、そのフォースが小説では8レベル盗賊でしたから、マーシュやギルラムもそれ位かな。
今回のキャンペーンでは10レベル戦士であり、何と5回攻撃が可能。それこそパーンとかでないと相手にならない。
オルソン「どうする、戦ってみる?」
セシル「もちろん。相手が弱いとみれば一気に叩きつぶす。これが正しい戦い方というものだ」
GM「弱い者いじめみたいな気がするけどなぁ」
言ってる事は恐らく正論ですが、自称正義の志士が言うにはちょっとアレなセリフです(苦笑)
ていうか決して弱い相手じゃありませんがね。回復魔法等の援護が充実してないとオルソンやシーリスでは勝てないし。
★蛮族の戦士を捕らえること
現在ギルラムが寝ているのは2階の右端の部屋だと従業員から聞きだし、一行はいよいよ切り込もうとしました。
従業員「酒場の中では戦わないでくれ、
この前もどこかの悪党と正義を名乗る冒険者が戦ってずいぶん迷惑したんだから」
シーリス「その冒険者とはわたしたちのことよ。だからあきらめなさい」←諦められるか
すると従業員は悲鳴を上げて逃げていったそうです。正義だろうが悪党だろうが、店にとっては同じぐらい迷惑か(苦笑)
しかし実際こういう屋内で派手な攻撃魔法を使うと味方まで巻き添えを食らったりしますからね。
SWだと"ファイア・ボール"の効果範囲は半径3mですが、一般的な家屋で使うと普通に室内を炎が満たすでしょうね。
SW2.0だと《魔法制御》等の方法で効果を限定できるんですが、そこまで厳密なルールがあるとも限りませんしね。
それに冒険者ギルドは市民に好かれる秘密結社を目指しているので、スレインとしても建物を損傷させる魔法は使えません。
まぁ相手はいくら強くても普通の戦士だし、"プロテクション"や"シールド"等の強化魔法の方がいいでしょう。
元々コンパニオンは直接攻撃魔法をぶつけるよりも、戦士を魔法で強化して殴った方が効率がいい方が多いでしょうし。
室内は狭いので先頭に立てるのは2人だけです。そこで一行はオルソンとシーリスを強化し、攻め切る作戦に出ました。
部屋に押し入ってみると、ギルラムは野生の勘なのか臨戦態勢でした。装備はグレートソードと革鎧です。
彼の5回攻撃が弾き出すダメージは恐るべきもので、僅か2ラウンドで強化されたオルソンが瀕死の重傷を負います。
クリティカルもコンスタントに出してきましたが、オルソンが集中力によって通常ダメージにランクダウンさせて凌ぎます。
一方こっちにはプリーストが2人もいます。重傷を負ってもレイリアの"リフレッシュが"たちまちサラッピンにします。
いくら強くてもやはり普通の戦士。回復手段がない以上、数を揃えられるとどうしようもなくなるんですね。
ギルラム「おまえたちの好きにしろ。しかし、大事な情報は何も話さないぞ」
こうして割と呆気なくギルラムは投降し、彼を捕虜とできましたが、黙秘を貫かれて大した情報は聞き出せません。
一つ確かなのは既にアシュラムは火竜山に向かっている事と、今の一行ではアシュラム一行には絶対勝てない事です。
スレインとレイリアがいますけど、相手にも同格の魔法使いが揃ってます。すると戦士が劣るこちらが圧倒的に不利です。
★傭兵王カシューに面会すること
ギルラムとの戦闘で戦力不足を痛感した一行は、アシュラム戦に備えて最強の味方を仲間に加える事にします。
スレイン「ここは、やはりあの方にお出ましになってもらうしかないでしょうね」
勿論その人物とは"傭兵王"カシューです。フレイム王国の建国王にして、大陸では無敵の剣闘士だった"剣匠"です。
幸い現在彼はライデン評議会との会合でこの街に来ています。事情を話せば間違いなく加勢してくれますね(断言)。
強力なNPCを増やすとPCの出番が減るのは雑誌版の時の教訓ですが、ある程度は仕方ないか。
元々適正以上の強敵をライバルにしてる時点で無茶なんだし。やはりバランス的に問題のあるシナリオです。
その代わりパーンとディードは出ません。その穴をPC全員が頑張って埋める、そういう形で出番を作ります。
あとここで前作の後日談が語られました。あのエンディングを考えると語られない方がいい気もしますがね。
まずギムはちゃんと生きていて元の細工師に戻ってます。エトはヴァリスに留まり、近々新王として即位します。
ウッドはなんとやはりサークレットを着服し、カーラとなりました。パーンとディードはその後を追っています。
折角違うエンディングを迎えたのに、何でそっちに持っていくのか。パーンとディードを出さない理由作りかな?
オルソン「観戦だけのほうが安全なのになぁ。今回も死んじゃうのかな」
小説と違って強戦士ではないから、死んでも魂はロストしません。レイリアや"魂の水晶球"が蘇生させる事もできる。
ちなみにオルソンが生命力が0になった時、抵抗力と集中力のどちらかに成功して生き残る確率は62.8%程です。
レイリアや水晶球のお世話になるのはその後になるので、4重の救済措置を全て不意にするのはかなりの不幸ですね。
さて一行は早速カシューに面会する為にライデン評議会を訪れます。スレインがいるので警備も顔パスです。
GM「フレイムの近衛隊が2人味方についている部屋が見つかる」
フォース「自分より強い人間の護衛をするなんてバカみたいでしょうねぇ」
そんな事はありません。ギルラムの例のように数は脅威だし、王の手を煩わせない事にも国家の威信が掛かってる。
まぁカシューの性格を考えると、仮に不埒者が現れたら構わず部下の加勢に入りそうですけどね。彼はそういう男だと思う。
一行が今回の事件の詳細を伝えると、彼は速攻マッハで準備を整えます。ついてくる気満々です。
カシュー「これだけ理由があれば、口やかましいシャダムも反対はすまい」
彼は元々冒険者として活動していた時期もあるから、堅苦しい王の立場から抜け出して羽を伸ばせると嬉しそうです。
ちなみに彼の装備はロードス島ワールドガイドでも御馴染みの魔剣"ソリッドスラッシュ"。鎧を無効化する反則的魔剣です。
これさえあれば敵がアイアンゴーレムだろうが、硬い鱗を持つドラゴンだろうが、ケーキのようにスッパスパと切れる筈です。
かくしてカシューは護衛の制止も聞かず、オルソン達を先導するように歩き出します。本当にリベラルなオッサンです。
シーリス「本当にノリの軽い王様ねぇ」
オルソン「威厳もへったくれもないね。でも、そこがこの人の魅力なんだと思うよ〜ん」←卑怯な事もするけどね
ともかくこれでアシュラムやシューティングスターと争う戦力は整った。目指すは最終決戦の地火竜山です。
★冒険者たち、歩くマジック・アイテムになること
カシューを仲間に加えた一行は火竜山へ向かう前に冒険者ギルドに寄りました。
GM「さてさて、君たちは、強力なNPCたちに率いられて、冒険者ギルドへと立ち寄った」
シーリス「率いられてね」
フォース「そろそろ観戦モードになりそうですね」
雑誌の時はハイレベル過ぎる展開にPC達がついていけず、ひたすらNPCの活躍を観るだけでした。
しかし今回はそうは行きません。パーンもディードもいない今、PCが戦わなければ勝利は難しいでしょう。
そこで今回から一行の装備は全てマジックアイテムになる。大体+1程度のものを冒険者ギルドで揃えました。
相手が格上だというのは分かりきっているので、オルソンなどは両手剣を片手剣&盾に替えて回避を重視します。
マールはダガー投擲の為に投げても手元に戻ってくる魔法のダガー"ヒットエンドラン・ダガー"を入手します。
フォースもやはり遠距離攻撃の為に魔法のクロスボウを入手します。以後彼の放つ矢は全て魔力を帯びたものになる。
何より大事なのはシューティングスターのブレスを凌ぐ手段です。これには1本の魔法の杖を使用します。
どうやら"ファイア・シールド"という魔法のかかった杖のようで、10ラウンド間炎を無効化できるようです。
SWルールだとレイリアが"ファイア・プロテクション"という強力な耐火魔法を使ってましたが、多分似たものでしょう。
あと"魂の水晶球"も万が一の場合の為に持っていきますが、アシュラムの"魂砕き"で魂を砕かれたらそれも無駄かもね。
オルソン「アシュラムだけはカシュー王に任せておこう。
この人、アシュラムに勝つためのアイテムみたいなものだなぁ」
GM「さっきなんかパソコン・ゲームだと、「カシュー王を手に入れました」とか、表示されるパターンだったんだね」
何しろカシューには《一騎討ちには負けない》という特殊能力がありますから(笑)
これで一行は軒並み強化された訳ですが、所詮は4レベル。推定10レベル以上の集団を相手に何処まで戦えるやら。
★冒険者たち、立往生すること
準備を整えライデンを発った一行は、まずモス方面の街道を南に下り、ライデン地方第二の都市ホストへ向かいます。
ここから赤土の混じった水が流れる炎の川を遡り、火竜山の山頂近くにあるというシューティングスターの巣穴を目指す。
この辺は雑誌版の時とよく似た道程ですね。もっともホストと炎の川の位置関係は現在の設定からすると不自然なのですが。
ところが街道を行く一行は土砂崩れで寸断された現場に遭遇。どうやらアシュラム達の通った後に起きたようです。
マール「カミサマの意地悪〜。ちなみに、GMと書いてカミサマと読むのさ」
しかしこれは困った状況です。川は増水してて渡れない、土砂は殆ど崖のような急勾配で登れそうにない。
かといって魔法を使おうにも全員が無事に渡れる方法はなさそう。SWならスレインの"フライト"で簡単なんですが。
ちなみにコンパニオンの"テレポーテーション"はSWと違って街から街へしか移動できないのでこの場では使えない。
マーファの特殊神聖魔法"ガイデッド・テレポーション"はSWでいう"リターン・ホーム"なので神殿等に移動するだけ。
要はGMは「迂回しろ」と言ってる訳です。その先でイベントを起こす、実にシンプルで効果的なマスタリングです。
一行がGMの思惑通りに迂回路を探していると、山に向かう小道を発見。その先にはドワーフ達の洞窟がありました。
一行は地元人の彼らに話を聞こうとこれを訪問します。この際入り口で叫ぶだけで奥まで反響する仕掛けが地味に凄い。
出てきたドワーフさんに事情を話すと、土砂崩れについては二つ返事で撤去作業を請け負ってくれました。
でもそれには最低でも1週間はかかるといいます。それで直せるんだから流石にドワーフは土木工事の天才ですね。
しかし先を急ぐ一行が迂回路はないのかと訪ねると、あるにはありました。しかしそれは大変危険な道だったのです。
元々その間道はドワーフ達が掘ったもので、峰を一つ越えた隣のドワーフの集落まで繋がるものでした。
ところがそのトンネルの途中で何かの古墳にぶち当たり、その中にはアンデッドがうようよいたといいます。
ドワーフ達は魔法使いを呼んでこれを封印してもらってのですが、最近その古墳に繋がる穴が開いてしまいました。
更にそこに鉄砲水が押し寄せ中は死体のスクランブルエッグ状態。その上何かしらのアンデッドが目を覚ましたのです。
それ以来このトンネルに入ったドワーフ達は帰ってきていないのです……。
ドワーフ「それで、この洞窟を「帰らずの洞窟」と呼ぼうか呼ぶまいか、という討論をやっていたところなのだ」
どうやら生真面目なドワーフ達は再封印の方法を画策する過程でネーミングに嵌ってしまったようです。
「帰らずの洞窟」が現在の最有力ですが、それだとハイエルフの聖地「帰らずの森」と被るという反対意見がある。
ドワーフ「あんたらは、どう思う?」
マール「知るもんか!」
ここにきてまさかのサブイベント発生ですよ。しかも小説にも雑誌版にもなかった新しいイベントです。
敵はアンデッドだというのでレイリアさんがいるのが心強い。あとシャリーもいますよ、存在感ないけど。
★冒険者たち、帰らずの洞窟に入ること
洞窟にはアンデッドどもが巣くってるのは分かりきった事ですが、迂回路である以上通らない訳にはいきません。
そこでドワーフは一行にガラスの多面体がついた棒をくれました。何でも昼間の光を蓄えておける細工だとか。
勿論魔法なんて使ってません。ドワーフはしばしば技術によって魔法と大差ない工芸品を作り上げるのです。
GM「カシュー王とレイリアさんを先頭に立てて、進んでいくでいいね」
オルソン「ううっ、良心がいたむ。僕たちは護衛の役目も果たしていないどころか、逆に守ってもらっているんだね」
シーリス「でも、相手がアンデッドじゃ仕方ないわよ」
マール「もちろん、仕方ないよ」
どちらかというと「護衛」ではなく「弾除け」ですしね。敵の攻撃を分散させるのが最重要任務です。
ちなみに隊列は先頭からカシュー・レイリア、オルソン・シーリス、スレイン・セシル、フォース・シャリー、マール。
洞窟そのものは分岐もない一本道で、途中ワイト×3やレイス×2との戦闘がありました。
背後から襲ってきたワイトはレイリアの神聖魔法で1匹が、スレインとセシルのダブル・エネボルでもう1匹が滅びる。
最後の1匹はシャリーの"ホーリーウェポン"を受けた殿のマールが珍しく接近戦を演じ、難なく撃退してしまいました。
レイスにしても同じくレイリアの"ターンアンデッド"一撃で消滅。カシューの出番すらないぐらい順調なものでした。
やがて一行は例の行方不明になったドワーフ達と遭遇します。ただしゾンビになって働かされていましたけどね。
生霊「我が眠りを妨げる者どもよ。今、すぐこの洞窟より立ち去れ!
余は偉大なる死霊魔術師、ザラル・エンファス。この地に眠る永遠なる者」
どうやら彼は生きても死んでもいない状態のアンデッドとなり、結界の張られた洞穴で安らかに過ごしていたようです。
しかし結界の一部が破損してしまった為に消滅の危機にあり、このドワーフ達に結界の修繕をさせていたようです。
カストゥールの死霊魔術師の中にはこのように自らをアンデッドと化し、永遠の生を得ようとした輩がいたそうです。
なおSWだとこの手の生霊はレイスに分類され、一定時間が過ぎると元の肉体には戻れなくなったりします。
しかしコンパニオンのレイスはそれとは別物であり、レベル・ドレインとかしてくる厄介なモンスターとなっています。
では彼をどうするべきか。安らかに眠りたいというのが彼の本音のようだし、放っておいてもいいような気もするけど。
フォース「でも、彼はドワーフを殺してゾンビーにしてますよぉ。それを許していいものかどうか」
セシル「そんなことが、許されるわけがない。それに、またいつ墳墓の壁が崩れ、災いが再発するとも限らない」
結局「禍根は完全に断つべし」ということで、この生霊を滅ぼす事にしました。
いざ戦ってみるとこいつが実に厄介でした。何しろ魔剣で斬りつけようともダメージを負わないのです。
しかも毎ラウンド姿を消しては好きな所に出現し、レイス同様にレベル・ドレインを仕掛けてくるのです。
そこでこの手の不死身の化け物のお約束として、墳墓の方に不死身の秘密があると検討をつけて突撃します。
彼にとってそれは棺でした。この棺を開けられると結界が解け、霊体に過ぎない彼は消滅してしまうのです。
棺の蓋は石造りの大変重いもので、どけるには戦闘スキルによる判定が必要なほどでした。
その修正は何と−50%と大きいものでしたが、オルソンがこれに成功して霊体は消滅しました。
洞窟内の邪悪な気配は一気に晴れ、ドワーフ達の魂も解放され、一行は無事に洞窟を抜ける事ができました。
むしろ迂回路を通れたことで近道になったようで、時間のロスは精々1時間。終わってみればスピード解決です。
オルソン「この遅れを取り戻すために、今日は予定より1時間長く、旅を続けよう」
最早火竜山までの道に障害はありません。次回からはいよいよ最終決戦の始まります。
★冒険者たち、火竜山登頂に成功すること
アシュラムを追う一行はついに火竜山に到着し、その山頂を目指して長く厳しい登攀を始めました。
火竜山はロードス北西部に連なる"茶色の山地"ルラウザの最高峰であり、その山頂には魔竜の巣がある。
それ故にかつて近隣の住民は度々シューティングスターの襲撃を受け、その都度報復も行ってきました。
やがてシューティングスターは人間が脆弱だが無力ではない事を知り、人間達と暗黙の了解を築きました。
それは人間が火竜山の裾野にある火竜の狩猟場、及び火竜山自体に入らない限り襲わないというものでした。
ところが現在の彼らはその不文律を破っている訳で、既に危険を冒しているんです。
GM「だから、ドラゴンに襲われても僕に文句を言わないように」
マール「言わないよ。全滅したりしたら、その限りじゃないけどね」
GM(身勝手だなぁ)
まぁ危険があるのは仕方ないとして、全滅させる程バランスを損なうのはGMの責任ですかね。
TRPGはプレイヤーが勝つのが前提で、よっぽど出目や対応が悪くない限り成功するものだと思います。
だからこそこのパーティーには強力なマジックアイテムやNPCで戦力を増強させ、バランスを取ってる訳ですが。
あとアシュラムについても補足情報があります。小説を読んでる人なら当然の「英雄戦争」での話ですがね。
かつて「英雄戦争」でカシューはアシュラムの主君であるベルドを倒した。それも卑怯と言われて当然のやり方で。
実際カシューは散々アシュラムに卑怯者と言われましたが、どうやらこのリプレイのカシューはそれを根に持ってる。
カシュー「おそらく、支配の王錫を手に入れて、ベルドの後釜に座ろうとでも考えているのだろう」
オルソン「ちょっと、考えすぎだと思うけどね」
カシュー「い〜や、あいつはそういう奴だ。確かにあの一騎打ちのときはオレは悪かったが、
オレは十分反省したから、もう罪はつぐなわれている。
だいたい、剣闘士の頃にはどんな汚い手を使っても、勝ったら観客に喜んでもらえたのに」
シーリス「GMの性格がモロに出ているわね」
GM「どうも、僕の出すNPCは卑屈だとか、歪んでいるとかいう評判だね。僕はこんなに素直な性格なのに」
セシル「認めん、認めんぞぉ」
小説のカシューもこういう性格だったらもっと心労も減ったろうにね。ファンも減ってそうですが。
そうこう話している内に山頂が見えてきます。相変わらずシナリオに関係ないところはマッハで飛ばします。
GM「しかし、残念なことに君たちの初登頂の夢は実らなかった。
なぜなら、山頂にはマーモ隊の旗がひるがえってたからだ」
フォース「許すまじ、アムンゼン。ああ、スコット隊長の夢はかくして実らなかったのでした」
マール「それは初登頂じゃなく、南極点到達だよ」
初登頂を先取りされたというネタなら「剣岳」あたりでしょうかね。いや目標は測量ではないんですが。
★冒険者たち、死力を尽くして戦うこと
山頂に到達した一行は、アシュラム達がシューティングスターの巣穴に入ろうという、正にその時に間に合いました。
ここで意外だったのが、山頂に神殿があったという事。装飾を施された柱や神像が並んだ荘厳な雰囲気だそうです。
他の作品では普通に洞窟がポッカリ口を開けているだけだったので、建造物があるというのは本当に意外でしたね。
アシュラムが先に行こうとしたその瞬間、バカ体力のセシルはアシュラム達を大声で呼び止めます。
アシュラム「逃げ出せたとはさすがだが、我々を追ってきたとは命知らずにもほどがある」
オルソン「命知らずじゃないよ〜ん。こちらには、十分に勝算があってきたんだからね。
こちらにいる傭兵王カシューとか、
マーファの高司祭レイリアさんとか、
おまけにソーサラーのスレインさんも、
すべて僕たちとは比較にならない立派な人たちなんだから」
フォース「聞いているだけで、涙が出そうな台詞ですねぇ」
マール「そして、僕たちはその他大勢なのさ」
情けない……。全て事実なのがまた情けなさすぎる(苦笑)
しかしアシュラムにとってはそれもまた好都合。主君の仇を討つことができるのですから、普段より興奮気味です。
アシュラム「まさか、フレイムと関係があったとは不覚だった。よくぞ、我等をたばかったものだ」
オルソン「だって、あの時点では本当にフレイムとは関係なかったんだからね」
シーリス「敵を騙すには、まず味方から。おまけに自分まで騙しとおせれば完璧ということだね」
GM「特殊能力「忘却」さえあれば、自分を騙すことなど簡単、簡単」
それは威張っていいことじゃないよ。
ここでカシューはアシュラムに一騎打ちを申し入れますが、アシュラムはそれを拒否します。
一度主君をその一騎打ちで亡くしてますからね。どんな卑怯な手を使われるか分かったものじゃない。
という訳でここで両陣営の総力を挙げた集団戦闘の開始です。小説と違って両者の大将も参加しますよ。
1ラウンド目、アシュラム先攻
ホッブは"バトルソング"、グローダーはカンタマで仲間を支援。ガーベラは暗黒魔法"ゲート"で魔神を召喚。
アスタールは"ヴァルキリーズジャベリン"をオルソンに打ち込み、残り生命点2点。一撃で半死半生です。
"ゲート"という呪文はSWにはありませんが、コンパニオンには1巻の頃からある魔神召喚の暗黒魔法です。
アシュラムとスメディはこちらに切り込み、アシュラムはカシューと、スメディはシーリスと戦います。
するとこちらはオルソンがグローダーに突撃し、マールはシーリスの加勢に。図らずも宿命の対決が実現します。
シャリーは"バトルソング"で、スレインは"シールド"で仲間を援護。レイリアはオルソンに"リフレッシュ"で全快。
セシルもまたカンタマで敵の魔法に対抗します。フォースは魔法のクロスボウでグローダーを狙撃して着実に削る。
2ラウンド目、PC先攻
セシルのエネボル、スレインの"ブリザード"、フォースのクロスボウの集中砲火でグローダー死亡(えー!)。
GM「くそ〜、ゲームマスターには禁じ手の集中攻撃を使いやがって」
オルソンは予定を変えてアスタールに突撃するが、ホッブがウォーハンマーを手にそれをブロックします。
オルソンとシーリスの攻撃はそこそこダメージを与えます。アスタールも"ブリザード"に巻き込まれてました。
ガーベラはアスタールに"リフレッシュ"をかけて全快させ、アスタールはレイリアにバルジャを撃って痛打。
アシュラムVSカシューは実質独立した戦闘になっており、ホッブとスメディの攻撃はことごとく外れます。
以降も彼らは決死に戦い続け、スレインとフォースの集中攻撃でアスタールも死亡しました。
戦士達の戦いはほとんど膠着状態で、レイリアは魔神を送還した後はその回復に負われ続けます。
それでも戦況はPC側に傾き、ガーベラも死亡。3人の魔法使いが倒れたのを見てホッブは降参しました。
スメディはどうなったかは分かりませんが、多分手の空いた仲間達に袋叩きにされて倒されたのでしょう。
こうして集団戦闘はオルソン達の勝利に終わりました。
スレイン「さすが、わたしが見込んだ正義の冒険者、期待どおりの活躍をしてくれましたね」
シーリス「かたっぱしから声をかけまくってたくせに」
スレイン「でも、あなたがたには誘うだけの理由がありましたからね」
最強夫婦の力を借りたとはいえ、マーモの精鋭相手に彼らは立派に戦いましたしね。
これでライデンでの借りは返せましたね。しかしカシューとアシュラムの一騎打ちはまだ続きます。
★火竜山の魔竜、出現すること
集団戦闘は終了し、一行はそれぞれ回復魔法を受け、一息つける程度に落ち着いていました。
しかしカシューとアシュラムの一騎打ちは終わりそうになく、オルソン達は加勢に入ろうとします。
集団戦闘を決めたのは相手なんだから、全員でフルボッコにしてしまっても制約破りにはなりません。
セシル「悪の黒騎士には、どんな手段を使って勝っても正当化される。
それに、こんな山の上なら誰も見ている者はいない」
そう言われると途端に卑劣に見えるから不思議。それは悪党のセリフだし。
ところがアシュラムも命運も尽きようとしたその時、魔竜シューティングスターが出現!
フォース「出たな、空の大怪獣ラ○ン!もとい、最強にして華麗なる魔獣ドラゴン!!」
そのキャッチフレーズは「伝説」でもしばしば見ました。
シューティングスターは咆哮を浴びせますが、"バトルソング"の影響で難を逃れます。
竜の咆哮は魂を揺さぶる力を持ち、気の弱い者ならそれだけで気絶することもある。
小説のアシュラムはそれを予防する為に"バトルソング"を使えるホッブを勧誘したぐらいです。
しかしその程度の事はシューティングスターにとっては挨拶や余興も同然。
久しぶりの獲物を見つけた邪悪な魔竜は空に舞い上がり、大きく息を吸い込みブレスの準備をします。
アシュラム「いかん、あれは炎を吐く前の準備動作だ。命が惜しかったら、洞窟の中に逃げろ!」
こうなれば一騎打ちどころではない。彼らは一斉に洞窟にダッシュし、ちょっと焼かれるも逃げ切ります。
火傷を癒した後両者は改めて話し合い、魔竜を倒すまでは協力する事で合意しました。
そしてその後に一騎打ちを再開し、勝者が王錫を所有する事になる。アシュラムには破格の好条件です。
その後ならアシュラムに集団戦闘を挑んでもいいけど、果たして王錫の魔力に抗えるものなのだろうか?
フォース「その時はあきらめて、おとなしくアシュラムさんの配下になります」←潔い(笑)
セシル「他人に自分の運命を委ねるのは、気がすすまないけど、
カシューは一騎打ちに負けないという特殊能力があるから、大丈夫だろう」
まぁこっちもシューティングスターを倒さない限り下山できそうにないし、お互いメリットはある。
あとはこの化け物に勝てるのかという問題ですが、一応ブレス対策はできています。
牙や爪の攻撃は本当に強力ですが、プリーストが3人もいるし、蘇生手段もあるし、勝算はあるかな。
パーンとディードがいない分をオルソン達がどれだけ埋められるか、というのもある意味見物ですね。
シーリス「やっぱり、ドラゴンの巣穴で戦うの?」
GM「そうだよ。外で戦っても、相手に有利なだけだしね。
空を飛ばれたら、それこそ自衛隊にでもお願いしないかぎり、攻撃する手段がないからね」
フォース「怪獣相手にはやはり、地球防○軍か科学特○隊に頼まないと」
そうそう、ゼッ○ンとかならペンシル爆弾で何とかなるしね(笑)
次回はいよいよ最終回。ロードスの勇者達が魔竜との決戦に挑み、ロードスの命運を決します。
★魔竜との対決!
一行の長い旅もいよいよクライマックス。魔竜シューティングスターとの対決が始まります。
オルソン「エンシェント・ドラゴンとまともに戦って勝てるかどうか心配だなぁ」
GM「戦うのは間違いないけど、まともに戦うとは誰も言っていないよ」
ブレスを防ぐアイテムに、カシューとアシュラムという2人の英雄だっていますしね。
あとスレイン、レイリア、ホッブと優秀な魔法使いも揃ってるし、一応お膳立ては整ってます。
GM「あと、何が不足だってんだよ〜」
シーリス「優秀なシャーマンと優秀なウォリアー」
GM「つまり、パーンとディードリットが不足しているっていうんだね」
シーリス「そうよ、前回のキャンペーンのときは、ふたりとも加わっていたもの」
GM「古い話は持ち出さないの。そんなに観戦モードに入りたい?」
マール「入れば面白くない、入らなければ危険がいっぱい」
正に冒険とはそういうものでしょう。リスクを冒してこそ味わえる充足感というものがある。
現に雑誌版では殆ど戦わなかったアシュラム一味を相手に立派に勝利してるし、何より選択の余地がない。
かくして今のメンバーのみで巣穴に通じる横穴を進む一行でしたが、既に魔竜は巣に戻っているようです。
マール「クシャミが出そうだね」
GM「ここで、クシャミをしたら、トゥーンになっちまう」
マール「そうと知ったら、かえってしたくなってきた。―ヘックショイ!ときたもんだ」
するとそのクシャミが横穴を反響し、シューティングスターの耳にも届いたようでした。
シューティングスターは再度咆哮を発します。今度は"バトルソング"もかかっていないのに。
ここで一行は抵抗力判定を強いられ、失敗したシーリスは判定により「精神点を失い気絶」します。
SWでも咆哮にやられると恐怖表を振り、その結果を判定する訳ですが、似たものを用意していたようです。
恐怖表では精々気絶する程度だけど、こっちだと90以上を振ると死亡するようなので洒落になりません。
しかしマールのせいでエライ目に遭わせてしまいました。「トゥーンだから平気でーす」とはなりません(笑)
あとシャリーも失敗したけど集中力で凌ぐ。助っ人NPC軍団はそもそも判定しない、倒れたら格好悪いので。
シーリスはシャリーが"トランスファーメンタルパワー"で精神点を融通して起こしますが、余計な消耗でした。
さて、いよいよシューティングスターとの決戦が始まります。
シャリーが最後の精神点で"バトルソング"を、セシルが前衛に"シールド"を唱え、彼らの魔法はネタ切れです。
スレインは例の魔法の杖で"ファイア・シールド"をかけますが、実は1人ずつにしかかけられないので不便です。
仕方ないのでカシュー、アシュラム、オルソン、シーリス、マールの前衛組を優先的にかけてから突撃しました。
ここでシューティングスターの能力ですが、彼の生命点は200点にもなります。流石に頑丈なものです。
でも巨体なので動きは鈍く、イニシアティブは3、防御スキルは0なので、当てるのは難しくありません。
問題はその装甲です。具体的な数値は不明ですが、クリティカルで素通ししない限りまず通りそうにない。
……それなら"ソリッドスラッシュ"を装備するカシューなら楽勝そうですが、GMが忘れているので無効(笑)
1ラウンド目、イニシアティブなし
前衛組が巣穴に突撃。シューティングスターもそれに気づいただけ。
2ラウンド目、PC先攻
マールがクリテイカルで10点通し、カシュー&アシュラムが脅威の7回クリティカルで88点削る!
これだけでシューティングスターの生命点は98点減で残り102点。一気に半減してしまいました。
一方敵の攻撃は牙・爪・尻尾の3回攻撃。カシュー、アシュラム、カシューと狙って全部命中して痛い。
SWだったら爪は左右別なので4回攻撃ですから少しマシかな。でも対象がランダムなのは事故が恐い。
3ラウンド目、PC先攻
シーリスがクリティカルで18点削り、マールは同じく9点削る。これで27点減の残り75点です。
カシューとアシュラムの攻撃は前回ほど爆発せず、20点減で残り55点。なかなか順調に削ってます。
ホッブとレイリアは前ラウンドでダメージを受けた2人の英雄に"ヒーリング"をかけて回復させます。
問題は次のシューティングスターの攻撃でした。対象はアシュラム、マール、アシュラム。
マール「ええっ、僕にきたの?」
GM「いったよ。集中力は残っている?」
マール「もちろん、残っていない」
GM「なら、36発といって、生きている?」
マール「もちろん、生きていない」
フォース「さよなら、マール。またきて四角」←古!
マール「ああ、さっふざけてクシャミしたバチが当たったんだ」
こうして衝撃のマール死亡!しかし魔竜の猛威はこの程度では終わりませんでした。
4ラウンド目、PC先攻
クリティカルなし。レイリアとホッブはアシュラムに集中的に"ヒーリング"を行います。ほら、1人死んだし。
今回のシューティングスターの攻撃はオルソン、シーリス、カシューです。またPCに行った。
シーリス「きゃあきゃあ」
GM「その悲鳴をあげている人には、38のダメージ」
シーリス「あたしも死人組ね」
こうしてシーリス死亡。オルソンはダメージが少なくてなんとか生き残ります。
5ラウンド目、PC先攻
オルソンが11点通し、カシューとアシュラムは1回だけ通して15点。これで26点減で残り29点。
今回の回復はオルソンに集中的にかけられます。怪我して治して、怪我して治しての"バブリーズ"状態。
シューティングスターの攻撃はオルソン、カシュー、アシュラムです。2人の英雄は避けたけど……。
GM「オルソンには命中している。それでダメージが、と――31発」
オルソン「お、オルソンは死なず〜」
何と生き残りました。これまでのオルソンは速攻で死ぬイメージだったけど、今回は頑張ってますね。
6ラウンド目、PC先攻
通ったクリティカルは1発のみ。19点削って残り10点。もう一息なんですが。
今回の回復もオルソンに集中し、完治させます。即死しない限り死にそうにありませんね、即死しない限り。
GM「それでは、ドラゴンの攻撃!オルソン、オルソン、オルソン〜」
オルソン「さよ〜なら〜」
3回攻撃に耐えられる筈もなく、オルソン死亡。本当にPCを弾除けにする結果になってしまいました。
次のラウンドにはシューティングスターを倒すものの、何だかやり切れない事になりました。
せめてGMが"ソリッドスラッシュ"の性能を憶えていれば、もう数ラウンド早く決着はついていただろうに。
死亡したオルソンとマールはレイリアの"リザレクション"で蘇生しますが、シーリスは失敗しました。
続いて"魂の水晶球"で判定に+20%の修正を受けて再チャレンジし、今度は成功。全員蘇生しました。
こうしてPC達の戦闘は全て終了しました。はじめから何人か死ぬ事を予想したシナリオでしたね。
でもパーンとディード抜きで、観戦モードにもならずに戦っただけずっとマシ。まぁトドメは刺せなかったけど。
★世紀の一騎打ち
ここからはお約束のイベント戦闘です。カシューVSアシュラムによる一騎打ちが行われました。
それはカシューの"ソリッドスラッシュ"が生命点を、アシュラムの"ソウルクラッシュ"が精神点を削る戦いです。
先にカシューの精神点が尽きるか、それともアシュラムの生命点が尽きるか、といったところですかね。
一見互角に見える戦いもやがてはカシューになびき、最後にはアシュラムが負けを認めます。
マール「今こそ、降伏勧告のバラードだ」
オルソン「全員で合唱するよ〜ん」
一同「今なら〜♪」
GM「ぐわ〜、やめてくれ〜。
こうなったら、GM強権でごーいんに話を進める。
ごーいん、矢のごとしという諺もあるからね」
フォース「どこの諺だろう」
セシル「やっぱり、腐ったマイリーじゃないか」
勿論アシュラムがそれに応じる筈もなく、火口にダイブ。王錫争奪戦の決着はついたのでした。
では"支配の王錫"をどうするべきなのか?
オルソン「残念ながら、僕たちの答えは決まっているよ〜ん。
やっぱり、人間は自分でコントロールする以上の力を持ってはいけない。
そして、人が魔法の力で人を支配することもね。
これはロードス島戦記の永遠のテーマなんでしょ」
GM「ありがとう、その通りだよ。僕はロードス島戦記の世界は、
人間が自らの力で世界を救うことができるし、運命だって変えることができる。
その点がもっとも気にいっているところなのさ」
そして決意さえ抱けば誰でも英雄になれる。囚われのお姫様を助け出すのは、王子様だけじゃない。
パーンも生まれは聖騎士で、ひょっとしたらスカードの王族ですが、基本は庶民から英雄になった訳だし。
彼らの思いを聞いたカシューは山と詰まれた財宝の中から王錫を見つけ、王錫を火口に捨てました。
人によって傷ついた世界を癒せるのは魔法の力ではなく、人の力であるべきだと信じているから。
思えば今回のキャンペーンは雑誌版に比べるとPCの活躍する場が増えていて、何だかんだで良かったです。
それでもかなり無茶をさせていたけど、最後にちゃんとした決断ができた。それだけで成功だと思う。
これによって小説とも違う、雑誌版とも違う、彼らだけの「火竜山の魔竜」編が確かに完成したのです。