「RPGリプレイ ロードス島戦記T」 原案:安田均 作:水野良グループSNE 出版社:角川書店
★はじめに
このリプレイは「D&D誌上ライブ ロードス島戦記」を文庫用に遊び直した作品となっています。
雑誌掲載時はD&Dルールが使われた為書籍化には至らず、この文庫版ではオリジナルのルールが使用されました。
それこそが「ロードス島コンパニオン」です。「ロードス島戦記V」や「魔神襲来」でもお馴染みのシステムですね。
物語の大筋は小説「灰色の魔女」や雑誌版リプレイと同じですが、全く同じという訳でもありません。
シナリオそのものも同じではないし、仮に同じだとしてもプレイヤーの判断やダイスで幾らでも変わるのがTRPGです。
それにこの文庫版では雑誌版と違って「英雄戦争」やカーラとの決戦まで収録されていて、若干展開も早めとなっています。
また水野先生はこのリプレイを低レベルの開始編と評価する通り、非常にとっつき易い内容となっています。
それに既に小説とリプレイで2回も扱われたエピソードなのに、細部が違う為全く飽きないのも凄い所だと思います。
見慣れた筈のロードス島なのに、この島は訪れる度に様相を変え様々なドラマを展開する……そんな器を持つ作品なのです。
★冒険者誕生す
今回主役となるPC達は当然小説や雑誌版でもお馴染みのパーン組となっています。
データはコンパニオン用に改変されていますが、基本的な性格や経歴はそのままです。一部中の人も同じぐらいです。
ちなみに彼らは全員一緒にザクソンの村に住んでいるという設定になっており、そこは小説よりリプレイ準拠です。
パーン クラス:ナイト
無理・無茶・無策の三無主義を実践する熱血漢。
父親は元ヴァリスの聖騎士で、伝家のプレートメイルとロングソードを愛用する。
ディードリット クラス:シャーマン
可憐なエルフの娘で、さり気なくパーティー最年長。
D&Dではなかった職業シャーマンとして活躍する、パーティーのツッコミ役。
スレイン クラス:ソーサラー
賢者の学院出身の魔術師で、村では私塾を開く知識の探求者。
中の人は雑誌版同様に吉岡太郎先生なのでひょうきんな性格のまま。
エト クラス:プリースト
村の礼拝堂で布教に勤しむファリスの神官で、パーンの親友。
性格は現実的でシビアであり、その辺は小説や雑誌版とは違っている。
ウッド・チャック クラス:スカウト
元はアランの街で活躍していた盗賊だが、ドジを踏んで20年間の牢獄生活を送る。
出所した後にはザクソンに移住し、パーティーに参加した後は参謀役として活躍する。
ギム クラス:ウォリアー
普段は寡黙なドワーフの戦士で、戦闘と食事になると俄然張り切る。
細工師としても一流だが、冒険生活に憧れてパーティーに加入する。
彼らは退屈な村の生活に飽き飽きした冒険願望のある若者?達であり、そろそろ村を出ようかとしている設定です。
パーン「あー、退屈な村の暮らしには飽き飽きだ。早く出ていって、ひと旗揚げたいもんだ」
スレイン「ぼくは知識を求めているだけなんですよ〜。危険なことはなしでお願いしますね」
ウッド「危険を恐れて、お宝が手に入るわけないわさ」
スレイン「で、牢獄に閉じ込められてしまうんですか?」
ウッド「ぐわー!痛いところを突かれた」
うん、皆そんなに変わらない。特にスレインは本当に変わらない、何故なら中の人が同じだから(笑)
エト「RPGの面白さはとにかく参加することだもの。
しゃべったら、しゃべっただけ楽しみが増すものさ。でも、人の迷惑にならない程度でね」
GM「などと、みんなが村の酒場でワイワイやっていると……」
ギム「ワイワイなんかしてたかな」
GM「してたの!」
そして隙あらば脱線しようとするこの空気。本当に相変わらずですね。
★ゴブリン、報復として子供をさらう事
こうして一行は村を出ようかとしていましたが、その前に村で1つの依頼をこなす事になります。
現在村ではゴブリン事件が起きているというので、村長さんがその解決を依頼してきたのです。
小説やOVAでもそうでしたが、どうやらこの世界でもザクソンの村の近くにはゴブの集落があるようですね。
まぁ駆け出しのゴブ退治はある意味定番なんですけどね。こっちも弱いからゴブ程度でないとバランスが取れないし。
ちなみに報酬は金貨200枚(GP)らしい。
ウッド「1人あたまで、総計1200GPだな」
GM「そういうのを。勝手な解釈っていうの。当然、1人あたまは、33GPで2GPあまりだよ」
パーン「ブーブー!せめて、240GPにしろ!」←1人40GPになるからね
ディード「そうよ、分け前をめぐってケンカになったら誰が責任を取ってくれるのよ」
ウッド「いや、オレだけ50GP。残りは30GPという手もあるな」
あるいは1人30GPで、残り20GPはパーティー財産として以降の雑費に当てるとか……。
ちなみに1GPは日本円にして1000円ぐらいらしい。この辺は「ロードス島RPG」に引き継がれてます。
すると40GPは4万円ぐらいの感覚ですか。駆け出しとはいえ、命がけの依頼にしては微妙な報酬ですね。
まぁ田舎村の財政だとこんなものだと割り切るしかないかな。結局村長さんも全員で240GPにしてくれました。
ギム「それより、事件に関してもっと情報を聞いたほうがいいのではないかな」
スレイン「なんて、賢明。さすが、ギムは「頭のいい酒樽」ですね」
ギム「褒められたような気がしないぞ」
実際褒めてないしね(笑)
さて肝心の事件の概要ですが、村の子供がゴブに拉致されたというものでした。
それだけならよくある話ですが、その前に村の子供がゴブの子供を拉致するという事件があったりします。
元々この村とゴブの集落はご近所さんということもあり、相互不干渉の不文律を守ってきたんです。
ところがその中立地帯で両者の子供達が遭遇してしまい、喧嘩の挙句村の子供達が勝ってしまったのです。
更に子供に政治的判断ができる筈もなく、村のガキ大将が喧嘩に負けたゴブの族長の息子を捕虜にしたという訳です。
しかしガキ大将も子供だてらにとんでもない事をしてくれたもんですね。
パーン「いるんだ、こんなお調子者が」
ディード「パーンがいうと説得力あるわ〜」
パーンも子供時分はそんな子だった気がしますね。
現在その子供ゴブは村長の家で隔離されていますが、ゴブ側はその報復として村の子供2名を誘拐したとう訳です。
微妙に数が合いませんが、所詮はゴブなので。あるいは恨みは倍返しというミゴリ的発想なのかもしれません。
はじめに非があったのは村側とはいえ、こうなってしまっては拉致された子供を助けないといけません。
そこで村の会議でお調子者のパーン達にやらせよう、という結論で一致したという訳ですね。
依頼の内容は子供の救出が第一です。そしてゴブ退治です。禍根を断つならば両方をこなす必要がある。
その為にこちらのカードであるゴブの族長の息子も使えます。上手く交渉して人質交換できれば御の字です。
もし相手が交渉に応じないようなら……。
GM「それは、それ。臨機応変というヤツで」
パーン「臨機応変ね。猪突猛進と同義語だな」
違うから(笑)
★いよいよゴブリン退治に出かける事
依頼を受けた一行は早速村を出発します。交渉カードとしてゴブの子供をつれて、道々情報を引き出します。
相手は大体10匹程度のようなので、数の上では不利ですね。しかも相手は夜行性、夜目が利きます。
そこで一行は森の中で一夜を明かし、翌日の昼に到着する事にします。交渉にするか襲撃にするかは臨機応変に。
ちなみにこのゲームはSWと違って言語の厳密なルールがないので、ゴブリン語の処理に関するルールもない。
そこで魔術師であるスレインなら普通に会話できる事になりました。以後の交渉役は彼になります。
道中は何事もなく森に着き、予定通りに一夜を明かします。この際歩哨を立てる事も忘れません。
パーン「オレは、朝弱いから一番目な」
スレイン「魔法使いは熟睡したいんですけどねぇ」
パーン「ダメ!そんな勝手は許さない。おまえは、二番目だ」
スレイン「ひぇ〜」
結局パーン・ウッド→スレイン・ギム→エト・ディードの三交代制になりました。
すると二番目のギム・スレインの時にゴブの接近がありました。
ギム「そこのちっこいの!そこにいるのはわかっているんだ。
わしのバトルアックスの錆にしてくれる。こっちに出てこい」
パーン「アブナイじじいだ」
相手はやはりゴブの斥候だったらしく、この絶叫に驚いて逃げてしまいました。
これで翌日は奇襲しての救出は難しくなりましたが、やはり交渉しての強襲のつもりなのでいいかな。
そして翌日、一行が現地に到着すると彼らは眠そうにしてました。多分強襲を警戒して寝不足なのでしょう。
ここでパーンがゴブに人質交換を要求します。相手の族長はちょっと賢いゴブなので共通語が話せました。
族長「よし、子供を離せ。それで、こちらも1人返す。それで、取り引きは成立だ」
パーン「よーし」
ウッド「おいおい、子供は2人いるんだからダメだろ」
パーン「そうだったい。じゃあ、それではダメだ。子供は2人とも返せ」
族長「そちらが、ゴブリンの子供を2人返せるならな」
パーン「できるわけないだろ」
族長「じゃあ、こっちもできない」
拉致した時はドンブリ勘定で倍の人数攫ったくせに、こんな時に限って数に厳密になりやがって(苦笑)
その後は子供を殺すと脅迫しますが、子供はまた産ませればいい、といった論調なので効果なし。
何しろゴブリンは多産系。ネズミ程とはいわないまでも、犬猫と同程度には増えるから。
それで別の代償を求めますが、その要求が尋常ではない程欲望満載なのでとてもじゃないけど応じられない。
結局交渉は不成立でした。かくなる上は……。
パーン「もちろん、強行だとも。臨機応変と猪突猛進とは同義語なんだ〜!」
愚鈍なゴブリンと猪突猛進のパーンではこうなるのも当然かな(苦笑)
★死闘の末、パーン死す!
こうして彼らは初めての戦闘に入りました。敵はゴブ×9(族長込み)と用心棒のホブゴブ×1です。
1ラウンド目、PC先攻
はじめにスレインの"スリープ・クラウド"が炸裂し、人質の子供2人とゴブ×4が眠ります。
ここでは5匹眠ったとありますが、図や後の展開を見ると寝たのは4匹。族長と残り4匹のゴブは起きてます。
続いてパーンとギムが残りの4匹のゴブに突撃し、ウッドが弓で、ディードが"ファイア・ボルト"で攻撃。
これにより族長を含めてそこそこのダメージを負ったので、族長は用心棒を呼びます。
族長「先生、お願いします」
ホブゴブ「どう〜れ〜」
水野先生のリプレイにしばしば出てくるネタですね。
それからは駆け出し冒険者にしてはキツイ戦闘が続きます。何しろゴブリンは意外と頑丈ですからね。
こちらの与えるダメージも少ない上にこう数が多いとなかなか削りきれず、消耗戦になってしまう。
結局ゴブは全滅し、ホブゴブも降伏させたのですが、気づいてみればパーンが死んでました(おい主人公)。
小説では重傷を負うだけなんですけどね……。「蟻帝伝説」のテューレみたいな儚さです。
彼はターバの大ニースが蘇生させますが、問題は経験点がこの時点で生きている人にのみ与えられるという事。
このお陰でパーンのみレベルが上がらない。そういうのは蘇生してからにしてあげればいいのにね。
とはいえ今回の冒険のお陰で次の冒険のネタが2つほど手に入りました。
一つはホブゴブリンの身代金。降伏したホブゴブには2000GP程の蓄えがあるというのです。
それは南に1週間ほど行った場所にある館にあるというので、その位置を教えて貰う代わりに彼は解放しました。
もう一つは大ニースが蘇生の報酬の代わりに一行に授けた試練です。
「7年前から行方不明になっている娘のレイリアを探してください」
ちょっと順番が変わりましたが、パーンのお陰で小説通りの展開になりましたね。
こうして初めての冒険を終えた一行は、ロードスの命運を左右する大冒険に身を投じる事になる訳です。
★結束あらたに次の冒険に旅立つ事
最初の冒険でパーンが死亡したものの大ニースのお陰で復活し、一行は次の冒険に旅立つ事にしました。
パーン「やあ、みんな心配かけたな」
ウッド「心配はしなかったけど、気苦労は増えた。おまえのおかげで使命をひとつもらっちまったからな」
パーン「もらったものなら、果たせばいいんだよ。さあ、ホブゴブリンのいってた館に向かうとしよう」
スレイン「えっ、本当に行くんですか?あんなのでまかせに決まっていますよ〜」
ディード「確かにあやしくはあるけど、GMが何の伏線もなしにそんなことをいうとは思えないわ」←メタ視
ギム「冒険者の教訓は「君子危うきに近寄るべし」だからな」
レイリア探索はこのキャンペーンの軸でしょうから、まず単発シナリオっぽいホブゴブの館に行くのが妥当ですね。
もっともそれはプレイヤー視点での話。PCとしてはホブゴブの話をどの程度信じてリスクを許容するか、ですね。
結局は他に冒険のアテもないのでそこに行く事になります。
パーン「えーい、リーダーはオレだ。絶対、行くの!」
ウッド「なんだい、1レベルのくせに」←イジメっ子
ディード「やーい、パーンの1レベル」←イジメっ子
エト「レベル1〜と、ぼくがいっちゃいけないんだ」
しかしやはりパーンのみ1レベルなのが可哀想ですね。1人だけ弱いままだとまた戦死する恐れもあるし。
それから一行は故郷ザクソンを南下し、アラン郊外にあるというホブゴブリンの館に向かいました。
ところがそこには2人ほど見張りがいて、ウッドが偵察に行くとダークエルフとホブゴブだと判明します。
スレイン「げっ、ダークエルフ」
ディード「あたし、ダークエルフ嫌い。ハイエルフだから」
ウッド「オレも嫌い。あいつらみんな強いからな」
パーン「どうせ、オレの刃に倒れるんだ。好きも嫌いもないさ」
エト「うんうん、ぼくだけは聞いてあげるよ。友達だから」
パーン「だから、優等生って嫌いさ」
変なフォローされるぐらいなら、いっそからかってくれた方がよっぽどマシかもしれない(笑)
しかしダークエルフがいると分かった以上、例のホブゴブの話を全て信じる訳にはいかなくなりました。
どう考えてもホブゴブよりダークエルフの方が核上ですし、身代金をすんなり払ってくれる筈もありません。
ウッド「戦いになって勝てるかね」
スレイン「いちおう、2レベルにはなっていますけどね〜」
ウッド「それは重要だよ。つまり、集中力ロールが2回使えるってことだから」
エト「パーンを除いてね。でも、友達だから見捨てたりはしないよ」
パーン「やな野郎。レベルなんて関係ない。必要なのは、根性だけだ」
GM「どちらかというと、サイコロの運だからね」←真理
2レベル集団なら勝てないことはないでしょうが、実はダークエルフはデータが一定ではないので微妙ですね。
SWでもエルフ同様個体差の大きい種族ですし、コンパニオンでは各数値が「〜以上」となってるんですよ。
結局行けるところまで接近し、発見され次第強襲を仕掛けました。
ダークエルフ「おまえたちは何者だ!」
パーン「オレたちはこの館の財宝を譲り受けにきた。おまえたちの主人とは、話はついている」
ダークエルフ「主人とは、ザール様のことか?」
パーン「名前は知らんがホブゴブリンだ。由緒正しきホブゴブリンだと名乗っていたぞ」
ダークエルフ「ホブゴブリ〜ン?」←鼻で笑った
どうやら例のホブゴブはここから脱走した根性なしであり、彼らはマーモ軍の妖魔のようでした。
小説でも彼らはマーモ軍の拠点である館に襲撃を仕掛けましたが、その辺りのエピソードを踏襲してるんですね。
それから彼らは死力を尽くしてダークエルフと戦いました。その長さは10ラウンドにも及んだとか。
部下のホブゴブは簡単に倒せたのですが、ダークエルフが自らに"シャドウボディ"をかけたせいで攻撃が当たらない。
このゲームの命中判定は「本人の《攻撃技能》―相手の《防御技能》」となる為、相手のスペック次第で命中率が下がります。
ダークエルフは素で防御が25で"シャドウボディ"で+20して45。《攻撃技能》50程度の彼らでは厳しいでしょうね。
それでも結局は数がものを言い、唯一《攻撃技能》が70を越えるギムのクリティカルが命中して倒せました。
★国王暗殺計画を知るの事
それから一行は館に侵入し、内部を探索しました。幸いダークエルフに他に仲間はいなかったので調べるのは簡単です。
館は2階建てで、1階には特に目ぼしいものはなく、本命は2階でした。2階には廊下に面して部屋が3つありました。
一行はまず階段を上がってすぐ目の前の部屋を調べます。ここは宝物の部屋、宝箱とその番人ウッドゴーレムがあります。
ここで一行はウッドゴーレムにリドル(謎かけ)を出題されました。これを解けば戦闘無しで宝箱を入手できる訳です。
「わたしは青をまとう者。あたしは、黄色と赤をまとう者。わたしは茶色をまとう者。わたしは、だあれ?」
これに対してエトは「樹木」、ウッドは「山」、パーンは「落葉樹」を考えましたが、そのいずれも正解としました。
GMの用意していた回答は「木」だったのですが、回答に説得力があれば正解だというポリシーに則ったのです。
スフィンクスのリドルもそうですが、唯一絶対の回答のみしか認めないとしてしまうと延々答えがでない可能性が高いので。
回答を受けた時、ウッドゴーレムはこんな言葉を残しました。
「賢き者よ、宝を受け取れ。さらに賢き者は、より大切なものを受け取れ」
リドルを解いた者は宝箱を受け取る権利があるが、それで慢心せず宝箱の罠を解除した者は中身を受け取れる、という訳ですね。
ウッドは見事に宝箱の罠を解除し、宝箱の中から剣、短剣、指輪、首飾りを入手しました。ただし鑑定は全てが終わってから。
続いて一行は隣の部屋を調べますが、ここは複数の人物の私室らしく、50GPほどの小銭を入手しただけです。
そして最後の部屋はザールの私室です。ここで彼らは小説や雑誌版リプレイ同様にカーラの肖像画を発見します。
ここで彼らは肖像画の女性がレイリアに似ている事、ザールがアラニア王の暗殺計画書を所持していた事を知ります。
カーラという名前も分かりましたし、計画書の内容から近衛隊の中で買収・支配された人物の名前も分かりました。
こうして彼らは図らずもレイリアの手がかりを手に入れ、暗殺を阻止すべくアラニアの王城ストーン・ウェブを訪ねました。
★報酬、そして新たなる使命を受け取る事
一行はストーン・ウェブ城の警備隊長と面会し、計画書を渡して暗殺計画を阻止するよう訴えました。
すると警備隊長は事の真偽を確かめ、ザールの暗殺計画を立証してくれました。取り合えずこの件は解決ですね。
ただし彼らは直接国王と面会する事はできず、城に入り込んでいたというザールの処遇も知らされませんでした。
これにより一行は間接的にお褒めの言葉を賜り、報酬のライデン金貨100枚と、新たな使命を授かります。
その使命とは、ヴァリスのファーン王に手紙を届ける事。報酬はヴァリス側が支払ってくれるとの事です。
エト「ていよく厄介払いされていると見たね。手紙もダミーと見たね」
GM「なんて、悲観的な見かたをするんだ。きみは人間を信用していないのかい」
エト「べつに。でも、ありそうな話じゃない」
でも実はその通りだったりする。まぁ小説でも大したコネもできず金だけ渡されたようなものでしたしね。
なおこの冒険により一行は3レベルに成長しました。ただしパーンのみ2レベルです。
あと入手したアイテムの鑑定も頼みました。賢者の学院が存続してるかは不明ですが、アラニアには魔術師が多いし。
ブロードソード+1(攻撃技能+10%、ダメージ+1点)ダガー+1(攻撃技能+10%、ダメージ+1点)
アミュレット・レジスタンス+1(抵抗力+10%)
プロテクション・リング+1(アーマー値+1点)
ブロードソードとプロテクリングはパーンが、アミュレットはディードが、ダガーはウッドが持ちます。
パーンだけ2つも装備を貰っていますが、2レベルなので。
ディード「だって、パーンだけ2レベルですものねぇ」←イジメっ子
ウッド「やーい、やーい、2レベル〜!」←イジメっ子
パーン「トホホ。結局、このパターンなんだ」
微妙に小説とは異なりながらも、着実にシナリオをこなすパーン達。一番の相違点はパーンの哀れさかもしれない(笑)
★冒険者たち、戦乱の渦中であるヴァリスへ向かう事
アラニアからヴァリスへの手紙を預かった一行でしたが、既にマーモ軍はカノンに攻め込んでいました。
小説ではこのままカノンはマーモに占領され、ヴァリス・フレイムVSマーモへと戦況が移ろっていきます。
所謂「英雄戦争」がこの世界でも起こりつつあるという事です。そういった大筋はやはり今までのシリーズと同じですね。
そしてアラニアを旅立ったパーン達は、道中でヴァリスのフィアンア姫を攫ったカーラ一味と遭遇する訳です。
ぶっちゃけ今回のシナリオも大筋ではそれと同じですが、細かいシチュエーションはかなりアレンジされています。
まず現在の彼らがヴァリスへ向かう方法ですが、これからまず違っています。
ディード「「帰らずの森」を通る抜け道を、あたしは知っているのかしら」
GM「残念、このキャンペーンでは知らないよ〜ん」
小説ではディードの力で帰らずの森経由で妖精界を抜けるルートを使いましたが、そんな大層な事はできません。
特別な設定を作らないのがRPGの掟だからだとGMは言ってますが、あまり説得力がないのは否めません(笑)
マーモの侵攻で南のカノン経由のルートが使えず、西の風と炎の砂漠は砂嵐が酷くて通る事ができません。
これはこの世界のカシューも風の精霊王ジンを解放したからですが、ノービスの人はすこぶる迷惑そうでした(笑)
そこで辛うじて抜けられるアラン⇔ノービス⇔アダンという街道を普通に通ります。本当に普通の移動手段です。
妖精界を抜けるよりも遥かに長旅になるでしょうが、GMが道中の描写を飛ばせばプレイヤーは退屈しませんしね。
そうしてルートを変えたせいかどうかは分かりませんが、一行のカーラとの遭遇場所も変わりました。
小説や雑誌版リプレイでは、ヴァリスの聖王都ロイドへ通じる街道を通っている時にすれ違ったり追い越されたりしました。
その直後に聖騎士がカーラ一味を追跡する場面に出くわす訳ですが、こっちの遭遇場所は街道どころか屋外ですらない。
一行がアダンの街の手前に建てられた宿屋兼酒場で休憩をしていた時の事でした。
傭兵風の男「オヤジ、入らせてもらうぜ、9人だ」
勿論彼はカーラに雇われた傭兵です。この時カーラはフィアン姫と7人の傭兵を連れて入店したのです。
その瞬間例の肖像画を憶えていたパーン達はその顔に見覚えがあると気づき、運命(とGM)の悪戯を感じたのです。
GM「ああ、なんという偶然、なんという運命の悪戯」
ウッド「そして、なんというご都合、だな」
とはいえそうしたご都合によって彼らは事件に巻き込まれる訳だし、これもまたRPGの掟なのかもしれない。
なお、この時パーンとエトは彼女の事をしきりに観察していました。
パーン「向こうの様子を真剣にうかがうことにする」←真面目
エト「ぼくも見ていよう。目の保養になるからね」←誰だお前(苦笑)
カーラ「なにか?」←気づかれた
パーン「あなたがきれいなので、見とれていたんですよ」
これは小説のパーンからはまず聞けない気の利いたセリフです。女性なら嫌な気はしない筈です。
★魔女カーラの前に敗北を喫する事
こうして一戦交える前に微妙に面識を作っていましたが、直後に予想通りにヴァリスの聖騎士が乱入します。
聖騎士の数は4人で、カーラ一味からは5人の傭兵が進み出て激しい戦いを始めます。店内で迷惑です(笑)
パーン「正義はどちらにある」
聖騎士「もちろん、こちらだ」
そして聖騎士は自分達の素性と、誘拐されたフィアンナ姫を救出に来た事情を明かすのです。
小説ではパーン達が参戦するまでもなく、聖騎士達はカーラの魔法で一網打尽にされてしまいました。
ところがこちらではしっかりと参戦しました。ただし直接戦ったのはパーン、ディード、ギムのみですが。
スレイン「えーと、魔法で援護をします。まず、"シールド"の呪文です」←こっそり支援
パーン「よしよし、これで防御スキルがプラス20%された」
エト「友達のよしみで、"ブレス"をかけてあげよう」←こっそり支援
パーン「いいぞ。戦闘スキルもプラス20%された」
ウッド「オレはテーブルの下にでも隠れてよっと」←こっそり隠れた
パーン「それは、ぜんぜん良くない」
こうしてパーン達の参戦もあり、聖騎士側は1名が倒されたものの、5人の傭兵を倒す事ができました。
しかし直後に一行はカーラの"ファイア・ボール"で大打撃を食らい、お約束の"スタン・クラウド"で眠らされます。
小説ではこの時エトが抵抗に成功してザ・狸寝入りを決め込む訳ですが、これが面白い事に再現されました。
エト「集中力ロールだ。――ラッキー、今度は成功だ。さてさて、ぼくのお得意の戦法を使っておこ」
雑誌版リプレイといい、小説といい、これで3作品全てでカーラの魔法に抵抗した訳です。漫画も入れるともっと増える。
また積極的に戦闘に参加しなかったスレインとウッドも難を逃れていましたが。
スレイン「ぼくは降伏します」
カーラ「賢明な判断ね。そこのスカウトも降伏しますか?」
ウッド「オレは隠れているつもり」←頭隠して尻隠さず状態
GM「"ファイアボール"を打ち込むよ」
ウッド「降伏します。降伏します」
こうして捕らわれの身となった一行は、そのまま店の2階、つまり宿屋区域の一室に監禁されました。
勿論魔法の鍵と竜牙兵の見張りつきですが、開錠の合い言葉もやっぱり「ラウラ」のようです。
その後カーラは仲間を呼びに一足先にカノンに向かったりと、そういう展開はやはり前作と同じです。
しかし一番の違いはここが暦とした宿屋であり、店のオヤジなども一室に監禁されているという点です。
この分だと他に客がいても同じ処遇を受けてそうですが、それだと少なからず騒ぎになりそうなものです。
まぁ街道の途中にあるので、すぐに近隣の住民が通報して、官憲が飛んできたりはしないでしょうけどね。
ただこういう出入りの多い施設を長期間閉鎖するのは難しいでしょう。小説では空き家だったからいいけど。
★王女救出に成功する事
狸寝入りを続けたエトは傭兵が立ち去った直後に起き上がり、起きていたスレインとウッドを驚かせます。
エト「大丈夫、ちゃんと生きてる。ゾンビーとかキョンシーにはなっていない」←特殊魔法"かくかくしかじか"
ウッド「セコイ、いやエライ!」
エト「ま、ぼくの意志の力をもってすれば、当然だね」
ウッド「こいつ、おくゆかしさのかけらもないな」
行動は小説と同じなのに、どうしてこう性格が違うんだ(苦笑)
その後はやはり小説通りに全員が起きるのを待ち、椅子や机の脚を棍棒代わりにして竜牙兵と傭兵を倒します。
魔法の援護があったからなんとかなったけど、やはり机の脚では厳しかった。何しろダメージがD6とかだし。
それに対して竜牙兵の装甲は5点。D6に追加ダメージも加わるとはいえ、あまりにも厳しい装備の差でした。
それでもウッドが装備を4ラウンドで取り戻すまでの間、パーンとギムは必死にその猛攻を受けきったのでした。
それから一行はフィアンナ姫を救出し、カーラが戻ってくる前に逃げようと立ち回ります。。
ただしこちらの彼女はカーラの魔法で心を支配されていて、エトの恋愛フラグはもっきり折られました。
スレイン「表の馬車を使って逃げましょう。そのほうが早いし、おまけに楽です」←カーラのやつね
ウッド「それは、とってもリーズナブルな考えだ。おまけに、たたき売ったら金にもなる」
スレイン「す、すごい。そこまでは考えなかった」
パーン「いよっ!盗賊の鑑」
ディード「うちの財テク係ね〜」
こういう発想ができるプレイヤーだとといかにも「盗賊」って感じ。ただしそれは財テクではなく窃盗(笑)
しかし彼らにはもう1つ懸案事項がある。閉じ込められている店のオヤジです。
オヤジ「出してくれ〜」
スレイン「助けなきゃ」
ウッド「やばい。なにしろ、家の中をめちゃめちゃにしたからな〜。弁償しろなんてことになるかもしれない」
パーン「ずらかろう」
それじゃあ本当に悪人じゃないか。
しかしここでエトが神官らしさをようやく見せ、オヤジを解放するよう仲間に訴えて実行に移します。
エト「お互い大変な目にあいましたが、これも神の試練です。
わたしたちが、その試練を乗り切ったように、あなたもがんばって乗り切ってください。
およばすながら、わたしも神に祈っておきますよ。「神聖なるファリスよ、なんたらかんたら」」
この勢いに圧倒されたオヤジ(ファリス信者)は感謝の言葉を述べてしまいました。
エト「それでは、さらばです。わたしには、重要な使命がありますゆえに」
オヤジ「は、はあ」
スレイン「すごい、説得してしまった」
パーン「偉いぞ、親友。それ、ずらかろう」
ウッド「ラッキー!昼飯代まで浮いちまったい」
窃盗の上にただ飯食いとは、やってる事は小悪党です。
それでも一行はアダン経由でロイドまで姫を届けようと、カーラの影に怯えながらも先を急いだのでした。
★アダンを経て、王都ロイドへ向かう事
カーラの元からフィアンナ姫と共に脱出した一行は、カーラの影に怯えながらアダンの街を目指していました。
スレイン「ひえ〜。ぼくは絶対に後ろは見ませんからね」
ところが予想に反してカーラは現れず、無事に街に着いてしまいました。原作ではロック鳥に変身して来たんですが。
一行はその足で騎士団の詰め所を訪ね、姫を保護した事を兵士達に告げると大変驚いた様子でした。
エト「あ、王女失踪事件は前線の兵士には内緒だったんだ。士気に影響するからね」←鋭いな
ウッド「おいおい、驚いているよりもオレは礼が欲しいんだけどな」←たかりか
その後騎士隊長と面会した一行は事情を話し、取り合えず金貨2000枚の報酬をせしめました。
勿論この金づる機会を逃がす一行ではありません。姫をロイドまで護衛したいと主張します。
パーン「でなければ、アラニア王の密書も届けられない」
エト「ぼくの魅力を知ってももらえない」←こいつ……
とはいえこの忙しい御時世に前線の兵力を裂く訳にはいかず、騎士隊長はこれを了承します。
もっとも流れの冒険者を全面的に信頼する訳にはいかなかったのか、5名の騎士が同伴しますがね。
そして翌日には出発となりますが、この頃になると姫にかけられていた魔法は解けていました。
何らかの精神魔術によるものだったのでしょうが、持続時間があるようなものだったんでしょうね。
精神魔術の中には精神を破壊するものもあるけど、流石のカーラもそこまではしなかったか(苦笑)
人形のように従順になっていたところをみると、"コントロール・マインド"のようにも見えましたね。
ただしこの呪文は「クリスタニアRPG」にしかデータがなく、持続時間も1時間と短すぎるで微妙ですが。
カーラならある程度持続時間の拡大もできるでしょうが、もっと長持ちする別の呪文だったのかもしれない。
ちなみに姫が攫われた経緯は小説と同じ。武器商人を装ったカーラの甘言に騙されてしまったようです。
兵士達を激励する為に城から連れ出してもらおうと思っていたところで、魔法をかけられてしまったと。
誘拐された後はずっと魔法をかけられていたので正気の時間はなく、カーラの情報も持っていません。
それから一行は正気に戻った姫を連れ、聖騎士達とロイドへと向かいました。
今度こそロック鳥になったカーラが現れるんじゃないかと戦々恐々でしたが、またも何もない(笑)
なまじ小説を知っている人ほどかえって混乱するという、原作があるからこその演出?ですね。
★勇者たち、英雄王に謁見する事
無事にロイドに着いた一行は王城の謁見の間に通され、そこでヴァリスの"英雄王"ファーンに謁見します。
彼の周りにはフレイムの"傭兵王"カシュー、ファリス神殿の最高司祭ジェナート、宮廷魔術師エルムらもいます。
一部ヴァリスからは部外者ですが、今回の戦争におけるヴァリス側の要人が勢揃いしている感じですね。小説と同じ。
ファーンはカーラの話を聞き、それがマーモ側についている事に憂いを感じている様子でした。
何しろただでさえマーモは"暗黒皇帝"ベルドを筆頭に恐るべき実力者が揃っていますからね。
妖魔が沢山いる野蛮な集団と思われがちですが、実はマーモ軍には結構な実力者が揃ってますよね。
"黒衣の騎士"アシュラム、"黒の導師"バグナード、ファラリスの最高司祭ショーデル、ダークエルフの族長ルゼーブ……。
アシュラムを除いてSWだと全員10レベルだったりするし。これ程人材の揃っている国は世界全体でもそうそうない筈。
マーモが単独でロードス征服に乗り出したのも満更無謀ではないという訳ですが、ファーンは悲観はしていません。
ファーン「こちらもまた、正義を奉じる勇者が集まりつつある。必ずや、悪は滅びるだろう」
エト「だから、そういうのは甘い考えだって」
GM「口に出していうの?」
エト「まさか。いまのはプレイヤーの感想だよ」
良かった、それはもう不敬罪だろうし。無謀な猛進野郎はパーンだけで十分です。
その時エルムはカーラの名前を聞き、彼女が過去に幾度もロードスの歴史に介入してきた事実を語ります。
カーラは今まで様々な姿で歴史に介入し、善悪関係なく時流に逆行する立場を取ってきた事を彼は知っていました。
正義の志を持つ王が統治する時代には反対派に加担して暗殺し、乱世では見所のある若者に加担して争いを鎮めたり。
確かなのは彼女がついた側は歴史的に勝利を収めている事と、その正体はエルムすら知らない謎の人物であるという事。
そういった性質から彼女は"真の姿なき者"や"灰色の解放者"とも呼ばれているという。この呼び方は初耳です。
そんな人物だから不老不死だとも言われているとか……。なおこういった情報は彼が文献調査で調べ上げたらしい。
これも小説通りですね。よく名前まで知ってたなと今でも思うけど、そうでもしないと話が進まないし(笑)
カシュー「首をはねてみて、まだ生きているようなら、本当に不老不死なのでしょう」
この一言にエルムはムッとして、絶対に正体を突き止めるべきだと主張し始めます。大人気ないオッサンです(笑)
しかしその正体を知る者はモスの山中に住む"荒野の大賢者"ウォートしかいません。
するとそれじゃあ誰が行くんだとまた揉めるので、パーン達は自ら名乗り出てその使命を帯びます。
……でもこれじゃあオッサンの意地に付き合ってやっている形です。それに厄介払いされているような気が(苦笑)
モス行きはできれば急いだ方がいいけど、そこまで急を要するという訳でもないので出発は翌日となりました。
あとここでパーンは例のアラニア王の密書を渡します。やはり内容はさして重要なものではなかったようですがね。
でもこれで金貨500枚の報酬を手に入れました。アダンの報酬と合わせると2500枚、約250万円ですね。
その後一行は宴に招かれ、飲めや歌えの大騒ぎを楽しみます。ここで一行は六英雄のサーガを聞きました。
37年前に起きた「魔神戦争」において、魔神軍の総大将魔神王を倒した六人の英雄の物語ですね。
これはOVAにもあったので印象深いシーンです。今後の展開の伏線も兼ねているので聞き流すと大変です。
六つの光、六英雄と人はいう一人は騎士、白き鎧に聖なる剣
ヴァリスが王はファーンなり一人は戦士、魔神を討ち心奪わる
マーモが皇帝ベルドとしる一人はドワーフ、今は滅びし石の国
忘することなき終わりの王フレーベ一人は魔術師、知識の泉
モスが大賢者ウォート一人は神官、母なる大地を守りしは
清きマーファ神官ニースそして最後は魔法の戦士
名もなく去った光が一つ……
以上がOVAにあった詩です。この詩の直後にカシューが登場し、詩が中断しました。余計なことを(笑)
小説でもそうですが、これは大変長いサーガのほんの一部に過ぎません。だからフラウスとかも出ていません。
多分オリジナルは漫画版の詩みたいな感じでしょうか。ああいう詩を吟遊詩人は幾つも諳んじているんですね。
パーン「歴史がどうとかはいまのところ関係はない」
エト「小説版とは違い、大志があまりないパーンであった」
ディード「あなたも、ひとのことはいえないわよ」
エト「おっと、これはヤブヘビだったかな」
まぁ彼らには彼らの冒険があるということで。でも六英雄の名前ぐらいは一般常識だと思う。
この宴の直後に一行は4レベルに成長します。ただし約1名は3レベルですが。
エト「でも、パーンを見捨てたりはしないからね。友達だから」
パーン「な、殴ってやりたい」
ああ、毎度のことながらなんて物騒な友情なんだろう(苦笑)
★カーラの手下、勇者たちを追って、先回りす
ロイドを旅立った一行は、モスのドワーフの大隧道に到着していました。相変わらず展開が神速ですね。
「魔神戦争」において滅びた石の王国の廃墟であり、凶悪なモンスターどもが住み着く危険な場所でもある。
しかしこの大隧道を抜けなければウォートの館には辿り着けない。何ともモリアの坑道チックな雰囲気です。
ところがその大いなる試練の前に、また別の試練がありました。カーラの手下との遭遇です。
雑誌版リプレイでもあったエピソードですね。それを原作にしたPCゲームにもあった話です。
彼らは5人組の冒険者風の一団で、戦士もいれば魔法使いもいて、なかなか正統派のパーティーのようです。
エト「それで、なんで先回りをしているんだ」
手下「……おまえたちが昨日の晩、寝ているあいだに追い越したんだ。おかげで睡眠不足でしんどいぜ」
カーラの手下にしては間抜けな連中です。いや、カーラの手下だからこそか。実は彼女のファンクラブか?
手下「おまえたち、これ以上、カーラ様の邪魔をするなら容赦しないぜ」
ギム「うぉー、戦闘じゃあ」
ディード「どうどう。まだよ、もう少し」
パーン「邪魔はしていない。カーラの正体が知りたいだけだ」
手下「身長165、体重、ヒミツ。スリーサイズは上から85、60、90」
やっぱりお前らファンクラブだろ。ていうかこれはレイリアのプロポーションでしょ。
彼らの受けた命令は、一行の勧誘です。カーラはパーン達の手並みを気に入っていて、仲間に引き込むつもりです。
仲間になれば正体も目的も教えてくれるし、手下曰く彼女はマーモとは直接関係ない。邪悪という訳でもないらしい。
パーン「で、断るといったら?」
手下「ここから先を通すわけにはいかない」
パーン「交渉は決裂したようだな」←お互い全く妥協がないけどね
ディード「いいわよ、ギム」
ギム「うぉ〜、戦闘じゃあ!!」
結局戦うしかないのか。まぁこれで勧誘に乗ってたらキャンペーンが崩壊してだろうけど。
この集団戦闘は雑誌版同様激しいものとなり、勝利はしたものの消耗が著しい。
ウッド「もっとも、オレは心身ともに元気だけどな」←一人元気
お前が前線に立たないから互角になったんだろ(笑)。本当に戦闘が嫌いな盗賊です、SWの盗賊はある程度戦うのに。
戦士は生命力がなく、魔法使いは精神力がない状態ではダンジョン・アタックは無謀です。集中力だって残ってないし。
そこで今晩はここで野営をして、大隧道への挑戦は翌日となりました。果たして大隧道で待ち受けるものとは……。
★ガーン!伝説の幻獣ドラゴン登場す
ドワーフの大隧道の攻略を開始した一行は、次々と襲い掛かるモンスターを倒しつつ出口に近づいていました。
戦闘が沢山起こる事は予想がついていたので、なるべく消耗が少なくなるように魔法は節約しつつ進んできました。
しかしそれが裏目に出て、かえって戦闘が長引いて消耗が激しくなったりと、長く苦しい冒険行となったようです。
ところが出口も近づき、その苦労も報われると思った矢先に、一行の前には最大の試練が立ちはだかるのです。
GM「あ、ドラゴンです。伝説の幻獣といわれるドラゴンが、今、きみたちの前に姿を現したのです」
エト「ほとんど、怪獣映画のノリだね」
ウッド「最後の最後でドラゴンとは、インケンなゲームマスターめ」
でもこの展開は雑誌版の時もあったし、PCゲームやOVAにも導入されたのでお約束とも言える。
ちなみにこいつは成竜(レッサードラゴン)です。SWなら6〜10レベルというかなりの強敵です。
生命点100にアーマー値8と流石に頑丈です。でも流石に図体がデカイだけに防御は10%しかない。
爪攻撃は2D10+5、7〜25点で期待値16点。ブレスの数値は不明ですが、それ以上の筈です。
まだ4レベル(一部3レベル)の彼らにとってはかなり厳しい。相当本気でやらないと危ないでしょうね。
そこで今回はウッドも大真面目に作戦を練りました。ここに来てパーティーの参謀として大活躍です。
作戦としては、スレインが支援魔法を徹底させ、戦士達はディードの召喚したシェードと一緒に突撃。
エトは戦士達を全快させて精神力を使い果たしてからウッドとダッシュ。前線に参加し、弾除けになる。
支援魔法はスレイン一人に任せず、ディードとエトも分担してかけて回ります。
具体的にはスレインが"ボディプロテクション"でアーマー値+3点、"エンチャンテッドウエポン"でダメージ+3点。
エトは"ブレス"で攻撃技能+20%、ディードは召喚したシェードに"シャドウボディ"を使わせ防御技能+20%。
なお"シャドウボディ"は"シールド"同様に防御技能+20%の呪文ですが、後に10%に改められる事になります。
20%は過剰気味だったのでしょうね。下手に鎧を厚くするより回避を上げた方が厄介になる事もありますからね。
シェードの召喚は"コントロールスピリット"でしょう。SWにもあるように精霊を支配する呪文です。
ただしSWでは精霊を戦闘に参加させるには"フルコントロール・スピリット"という上位魔法が必要になる。
ところがこっちでは10ラウンドの間だけ使えるカプセルモンスター的な存在です。臨時戦力にはもってこい。
ただしこれは3レベルの呪文なので、5レベルにならないと使えない筈なんですよね。当時は違うルールだったのかな?
とにかく今の彼らにとってできる限りの事はするつもりです。お互いに知恵を出し合う様子は素晴らしいものですね。
あと余裕があったらブレス対策に"カウンターマジック"も欲しかったけど、流石にそこまで手が回らなかったようです。
★死闘の末、ドラゴンを倒す事
作戦は決まり、いよいよ戦闘開始です。
1〜2ラウンド、ドラゴン行動せず
スレインが前衛2人にプロテクをかけ、ディードはシェードを召喚して"シャドウボデイ"をかけさせる。
このゲームではSWと違って拡大の概念がないので、効果対象1体のプロテクは2ラウンドに分ける必要がある。
その代わり"シャドウボディ"は一度に6人、パーティー全員にかかるというとっても便利な効果になっています。
3ラウンド目、イニシアティブなし
パーンとギムはシェードと共にドラゴンと突撃。ドラゴンはこちらに気づいて迎撃体制を整えました。
4ラウンド目、イニシアティブなし
ドラゴンは接近してきた2人と1体にブレスを吹きます。この一撃でシェードが即死してしまいます。
ディード「えーん、一撃で死んじゃった〜」
出目が良過ぎたというのもありますが、流石に20点オーバーが来たら耐えられないか。
このゲームではモンスターデータのLP(ライフポイント)もダイスで決める設定なので正確な数値は不明です。
例えばシェードはLP3D10、3〜30点で期待値16.5点。いっそ16〜17点で固定にしてもいいかな。
5ラウンド目、PC先攻
いよいよ戦士達が白兵戦を始めます。まずパーンが2回攻撃で計10点、ギムが7点通して17点削る。残り83点。
ディードはシェードの召喚をやり直し。スレインはウッドにプロテクをかけ、地味に支援を充実させています。
多分3〜4ラウンドでパーンとギムにはエンチャントをかけたのでしょう。以後はウッドとエトの支援に集中です。
お返しとばかりにドラゴンの爪2回攻撃がギムに向かいました!
スレイン「これは……少し早かったですが、あなたのことは忘れません」
GM「なにいってんの。7発と15発のダメージだよ。これでギムが死ぬ?」
ギム「死ぬわけなかろう」
今度はこっちにとって出目が良かったかな。2D10+5点で7点というのは最低ダメージです。
6ラウンド目、PC先攻
パーンは今度は6点通し、残り77点。ここでパーンはダメージ決定後に集中力ロールを試みようとしました。
ダメージ決定の際に集中力ロールに成功するとクリティカルとなり、ダメージが素通しになるからです。
しかしこれはGM判断で却下されました。集中力を使うならダイスを振る前に使うべきだという判断です。
確かに成否が分かってから集中力をやるなら結局はそれが全てとなり、本来の判定の意味合いが薄れてしまう。
でも失敗を成功に変え、成功を大成功に変えるという解釈だって間違いではないと思う。まぁGMの匙加減一つです。
ギムはGMに言われた通りに集中力を使いますが、失敗して普通にダメージを出して8点通し。残り69点。
スレインはエトにプロテクをかける。エトとウッド、あと人間の2倍の移動力を持つシェード2号が前線に到着。
ドラゴンはまたもシェードとギムにブレスを吹きますが、やはり出目が低くて2人ともピンピンしてました。
7ラウンド目、PC先攻
パーンが7点、ギムも7点、シェードが2点削って計16点減、残り53点。さり気なく生命点を半減させました。
ちなみにシェードのダメージは2D10×2で、2〜20点の期待値11点。出目がよければゴッソリ削れる。
スレインがウッドにエンチャントをかけ、そのお陰で2点通す。エトは当たるも通らない。これで残り51点、あと半分。
ドラゴンはまたまたシェードを狙いますが、やはり出目が低くてチクリ。
ウッド「1、日頃の行いが悪い、2、運が悪い、3、手加減している。さて、どれでしょう?」
GM「2だよ。編集さんを泣かせる以外には、いつもいい子にしてるし」
それだよ、編集さん泣かせないでくださいよ(苦笑)
8ラウンド目、PC先攻
パーンが1人で15点も削り、残り36点。ギムはハズレ。シェードは4点削って残り32点になりました。
ドラゴンは今度はギムに噛み付いてきますが、またも出目が死んでいる。ドラゴンがどうもヘタレに見えます(笑)
9ラウンド目、PC先攻
ついにパーンの集中力ロールが成功してクリテイカルダメージが通り、13点素通しで残り19点になりました。
ギムは脅威の2連クリテイカルで計30点!。これでドラゴンの生命点は−11点となり、見事に勝利しました!!
下位種とはいえ竜を倒したのです。一応"竜殺し"を名乗っても問題はありませんね。
GMは上位種である古竜ならこうはいかないと悔しそうでしたが、そんなもんが相手なら最初から戦いません(笑)
一行は大隧道を抜けるのは翌日にして、一晩休息します。あと竜の貯めていた宝を金貨830枚分ゲット(ショボ)。
★ウォートの館にて意外な人物に再開す
大隧道を抜けた一行はそれから更に3日旅をし、ようやくウォートの館に到着しました。館というか塔だけど。
ここからのエピソードは軒並み小説や雑誌版リプレイ通りです。一行は館でウォートとカーラに出迎えられます。
GM「みんな、驚くように」
ウッド「こりは、ビックリ」
まぁこれは流石に驚けませんよね(苦笑)
この場で一行はまたカーラの勧誘を受けますが、パーンはすぐさま回答しました。NOと。
ウッド「やはり、ここは契約金しだいで……」
パーン「ダメだ!オレはヴァリスの聖騎士団を逆指名しているんだから、他の球団には入らないの」
エト「球団じゃないだろ」
パーン「とにかく、ダメ」
まぁそうなるでしょうね。これでYESと言ったらGMの方が予想外でしょう。
あとカーラの手下の居場所ですが、雑誌版リプレイでは口を割らなかったのに対し、こちらではアッサリ喋ります。
雑誌版でもESPの呪文で心を読まれましたからね。こっちでも何かされるだろうと踏んで先手を打ったようです。
この時のカーラは太守の秘宝の一つ、"真実の鏡"を所有しているので、隠す事はまず不可能でしょうしね。
しかしちゃんと倒された部下の居場所を案じるあたり、悪い上司じゃない。多分蘇生させてくれるんでしょう。
カーラが去った後はウォートから彼女の正体を聞きました。カストゥール王国の生き残りの魔術師なのだとね。
おさらいすると、彼女は己の魂をサークレットに封じ、他人の身体を支配する事で永遠の命を手に入れたのです。
今のカーラは肉体を滅ぼされても、自分を滅ぼした人物を支配するだけなので、彼女を殺す事は愚策も愚策です。
ある意味不老不死と言えますが、それは己の心を封じたも同然であり、最早精神的に成長する事のない不老不死です。
彼女は自分の故郷カストゥール王国が滅びたのは、一つところに力を集中させたからだと考えています。
そこで彼女は歴史に介入し紛争を誘発して力を分散させ、小破壊によって大破壊を未然に防ぐ形での平和を目指します。
「魔神戦争」においても仮面の魔法戦士として魔神王と戦い、六英雄の一人に数えられたのが歴史の真実です。
時代によって姿を変え立場を変えて現れたのはそういう理由からです。そして彼女はその考えを改める事もありません。
パーン「やっぱり、趣旨は理解できてもやり方が気にくわないな」
エト「だいたい、1人で世界をどうこうしようという考え方が不遜だよ。
そういう人間が、善意の名のもとに、悪行を行ったりするんだ」
実際小さな紛争でも犠牲者は確実に出てますからね。でもカーラは考えを改める事はありません、それが問題です。
ウォートはここで力添えを申し出ます。条件は現在のカーラの肉体となっているニースの娘レイリアを救う事。
でもそれはパーンを蘇生して貰った時に授かった使命ですよね。頼まれるまでもなく、むしろ望むところです。
ウォート「もしもレイリアを殺してしまったときには、異界から魔物を召喚しておまえたちにけしかけるぞ」
エト「努力はするよ。でも、世の中には不可抗力というのもあるからね」
相手が大賢者でも全く物怖じしてません。ここまで来ると最早立派か。
ウォートの力添えとは、小説でもお馴染みの魔法のワンドです。魔法を無効化するものです。
これでカーラの魔法を封印し、白兵戦でサークレットを引き剥がせば殺す事なく倒す事ができる訳です。
こうして一行は見事にカーラの正体を突き止め、その対抗策を手に入れてヴァリスへと舞い戻りました。
★冒険者たち。歴史的戦いへの参戦を決意する事
ウォートの館でカーラの秘密を知ったパーン達は、大戦の最中にあるヴァリスに帰還していました。
GM「きみたちはようやくヴァリスの首都ロイドに帰ってきたよ」
パーン「ようやく〜?一瞬じゃないか。ページにすれば、1ページにも足らない」
GM「キャラクターにしてみればようやくなの」
設定上モスのヴェノン⇔ヴァリスのロイドが徒歩で11日かかるそうですから、かなりの長旅の筈です。
とはいえ、特に事件が起きないのなら細かい描写をかっ飛ばして、一気に到着した事にしても差し支えはない。
ただプレイヤーにとっては一瞬でも、PCは相応の苦労をしているという事は自覚しておくと面白いかもしれない。
今回の旅で一行はまたレベルをあげ5レベルになりました。これで3レベルの魔法を使え、戦士は3回攻撃が可能。
ディード「やっと、5レベルになれたわ」
エト「1人例外がいるけどね」
パーン「これは、レベルが上がるたびにいわれるだろうな」
やっぱり経験点は蘇った後に渡すか、死んでも一応貰えるという事にしてやらないとバランスが……。
ロイドに帰還した一行は再びファーンに謁見し、カーラの正体を報告しました。
しかし肝心の戦況の方はあまり芳しくない。どちらかといえばマーモ側の方が優勢のようです。
何しろ相手は数が多く、犠牲を恐れない妖魔の群れを抱えている。その為戦線が延び切っていました。
すると数に劣る連合側は防衛線の弱い所を突かれやすくなり、その度に撤退を繰り返してきました。
一時はアラニアとモスも参戦し盛り返すかに見えたのですが、突如諸国の国元で反乱が起きて撤退します。
小説ではアラニアは参戦すらしなかったのですが、本国で反乱が起こって参戦不可能になる点は同じですね。
きっとカーラがやったのだろうと誰もが予想しましたが、起きてしまったものはもう仕方がありません。
幸いカシューは本国の事件にかかわらず残ってくれているので、ヴァリス・フレイムの2国連合のままです。
今は一人でも強い味方が欲しい。そんな差し迫った状況でファーンは一行をスカウトしました。
ファーン「正義のために、共にマーモと戦わんか」
パーン「戦う、戦う。なんせ、ヴァリスは意中の球団」
エト「だから、球団じゃないだろ」
ファーン「勇者よ、共に戦う決心をしてくれたことを感謝する。
おまえには栄光ある22番の背番号を与えよう……」
エト「だから、球団じゃないといっているのに。ったく、しつこいな」←黒
ウッド「背番号ではごまかされないぞ。契約金はどうなっているんだ」←ブルータスお前もか
ギム「いや、宴会を始めるべきだ。―やはり、ここは恒例のビールかけを」←優勝してからね
エト「もうなにもいわない。好きにしてて」
シビアな性格だと思ってきたけど、実はツッコミ属性だったのか。
ギム「うお〜っ!酒じゃ、食い物じゃあ〜!」←ドワーフらしい
ウッド「それよりも、オレはべっぴんのねえちゃんのほうがいいな」
スレイン「ロリータ趣味だけはいけませんよ」
ウッド「オレは自慢じゃないがカリスマが低いので、
女なんかにゃもてたことがないからね。だから、窓口は広いぜ」←(泣)
一説にはその為にカーラの力を欲したんだとか(それは「ようこそ」だろ)。
★大決戦!!悲痛の勝利を勝ちとる事
それからもいつ果てる事無く戦いは続き、パーン達は戦線から離れて陽道作戦や情報収集に従事しました。
パーン「ちぇっ、まるで敗残処理投手のような使われ方だな」
とはいえ優秀な冒険者は少数ながら戦力があり、機動力もある。その為得てして戦の不確定要素になります。
むしろそういう任務を任せるのに最も適しているのが冒険者という集団です。騎士だったら殴るしかできないし。
しかしその戦いも最終局面を迎えます。ヴァリス・フレイム軍とマーモ軍はロイド郊外の平原に陣を敷きました。
これまでの戦いで互いに酷く消耗してしまいました。最早この総力戦が戦の趨勢を決めると思っていいでしょう。
これこそが近代ロードス4つの大戦の1つであり、後の世に「英雄戦争」と呼ばれた大戦の決着の時となります。
一行はカシュー隊に配属され、互いを守りながら数限りない敵を倒していきます。
スレインとエトとディードは魔法を駆使し、ウッドは弓兵として援護射撃を行い、パーンとギムが剣戟の中を駆け抜ける。
無数の武器と無数の魔法が飛び交う中彼らは生き延びましたが、最早この戦いに勝者と呼べるものはいませんでした。
敵も味方もあまりにも多くの命が失われ、流血が大地に染み込み、その大地を亡骸が埋め尽くす……。そんな激戦でした……。
やがて彼らはファーンの部隊と合流します。既に戦は最終局面、両軍の生き残りが相対する状況です。
その中で一行は"暗黒皇帝"ベルドをはじめて目の当たりにしました。ファーンと並ぶもう1人の超英雄を。
魔剣"魂砕き"のお陰で老化が半分以下に抑えられた彼は、見た目こそ30代ですが、実際には64歳の老人です。
しかしその力は圧倒的で、10人もの近衛騎士が手も足も出ない。だが彼の戦いに狂気はなく、むしろ純粋さを感じました。
やがてベルドは近衛騎士を片付けるとこちらににじり寄って来ます。
パーン「よ〜し、オレが突っ込んでやる。PC特権の集中力さえあればなんとかなる」
確かに多少の下駄を履かせられるでしょうが、とてもじゃないけどベルドとの実力差は埋められないでしょう。
PCゲーム版ではゴリ押しで何とか倒せる相手でしたけどね。まぁ基本的に適う相手じゃないと思っていいでしょう。
その時パーン達を押し留めたのがファーンでした。彼はかつての戦友に語りかけ、一騎討ちを始めます。
ここから、というか既にですが、悪名高き観戦モードに突入します。一行はただただNPCの戦いを見守るのみです。
2人の超英雄の戦いに誰もが目を奪われました。2人の戦いはまるで親しい友人が語り合うかのように素晴らしかった。
しかし一騎討ちである以上、決着はどうしてもついてしまいます。老い故に体力に劣るファーンはベルドに倒されます。
悲痛な声の上がる中、続いてはカシューがベルドに一騎討ちを挑みました。
スレイン「カシュー王が負けたら、逃げましょうね」
パーン「ダメだ。その時にはオレがいくの」
スレイン「やっぱり、ぼくの命はカシュー王にかかっているんですねぇ」←パーンは敗北確定
パーン「こいつ、許せん。プレイヤーを剣で殴ってやる」
スレイン「ひええ〜。それでは一撃で死んでしまいます。しかも、絶対に生き返りません」
GM「よーし、ゲームマスターであるぼくが許そう。とどめを刺してしまいなさい」
スレイン「ぎゃああ〜。とどめを刺されてしまいました〜。
GMさん、スレインのプレイヤーを作りなおしていいですかあ〜」
GM「両親に頼みなさい」
この緊迫した中でもまだボケられるとは、流石というかなんというか(苦笑)
スレインの心配も分かる程にベルドは強かった。いかしそのベルドをカシューが倒します。
ベルドは何処からともなく飛んできた一本の矢が腕に刺さったその一瞬の隙を突かれ、カシューに首を飛ばされたのです。
すると今度は相手方が「卑怯者」と罵りながらカシューに殺到し、こちらもそれを守るべく戦いを再開しました。
やがて辺りには敵はいなく、味方も数えるほどしかいなかった。これが「勝者なき戦い」こと「英雄戦争」の結末です。
★勇者たち、最後の冒険へと旅立つ事
ここで興味深いのはカシューがベルドの虚をついたことで茫然自失としていたという事。
カシュー「もはやわたしは英雄ではないかもしれない」
彼はあの時止めようと思えば剣を止められた。でもベルドに負けるという恐怖心故に剣を振り抜いてしまった。
それでも王である以上は国に帰って民を守らねばならない。ベルドが最後に浮かべた笑みを一生心の十字架としながら。
何というか、このキャンペーンのカシューは真面目ですね。原作ではあんな裏があったというのにね。
でもショックから立ち直ると今度はパーン達を勧誘してきます。この現金さはやっぱりカシューならではです。
カシュー「時代は今、正義感のある勇者を求めているのだからね。きみよ、きたれ」
エト「それじゃあ、自○隊の宣伝ポスターだよ」
しかし彼らにはまだやらねばならない事がある。この戦を影で操ったカーラを倒しレイリアを解放する使命が。
現在のヴァリスは国が崩壊したも同然で、モラルもない。盗賊と化した傭兵が暴れていたりもします。
しかしこの荒れ果てた世界でも命あるなら生き続けねばならない。今のロードスは何処に行ってもそうです。
本当ならそういう人達の力になるべきなのでしょうが、戦の元凶を断つ事もそれに劣らず必要な筈です。
まぁカーラがいなくなれば戦がなくなるのかというと疑問ですが、少なくとも彼女による犠牲者はなくなる。
★カーラの館に侵入する事
「英雄戦争」を戦い抜いた一行はルノアナ湖に浮かぶ小島にやって来ていました。ここにカーラの館があるのです。
道中は特にカーラ一味の妨害もなく、山賊等を蹴散らした程度でした。屋敷に着いてからも罠の類いはありません。
しかし屋敷に入ったところで完全武装したカーラ配下の戦士が5名ほど待ち構えていて、一行に襲い掛かってきました。
1ラウンド目、PC先攻
スレインの"ライトニング・ボルト"が3名の戦士に痛手を負わせ、エトの"ブレス"とディードの"シャドウボディ"がかかる。
パーンとギムは5名の戦士の内2名を受け持ちますが、残り3名が後衛に肉薄し、地味にピンチに陥っていました。
どうやらここでは1人の戦士が受け持てる敵の数は1人だけのようです。それじゃあ2人以上敵がいたら後衛が脅かされる。
これがSWなら1人で複数を受け持つのが当たり前なんですがね。SW2.0に至っては細かくルールで設定されています。
2ラウンド目、PC先攻
後衛の魔法使い達は目前の敵を魔法で無力化しようとしました。
ディード「あたしはあわてずさわがず目の前の戦士に"スリープ"をかけます」
GM「フン、レジスト成功」
ディード「きゃあ、きゃあ。あわてるわ、あわてるわ」
スレイン「"スパイダーウェブ"」
GM「フン」←レジスト成功
スレイン「ぼくもパニックを起こしますよぉ〜」
続いてウッドも自動的失敗を叩き出し、軒並みパニックに。しかもパーンは攻撃を悉く外して頼りにならず(終わったか)。
その後も戦闘は続き、ついにディードとスレインは無力化魔法が効いて難を逃れ、ウッドはエトの協力で1人を倒す。
少し背筋が寒くなったものの、一行は5人の戦士の殆どにトドメを刺し、"スリープ"で眠っていた男のみ起こして尋問しました。
曰く彼らは独断で動いただけのようです。他の100名は下らないという配下達はカーラの命令により行動を自粛しています。
カーラは強いから負ける事なんてあり得ないし、例え負けても身体が替わるだけ。そういう認識だったようですね。
まぁ一般の冒険者ならその通りだったのでしょうが、生憎とパーン達にはウォート譲りの策がある。
エト「だから、カーラはこれまでなんだよ。どうだい、悔しいだろう」
こいつの方がよっぽど悪役っぽい(笑)
さて、残るはカーラとの対決のみとなったところで、改めて作戦を確認しましょう。
やはりワンドの力で魔法を封じ、白兵戦を挑んでサークレットをもぎ取る。やはりこれしかないでしょう。
エト「相手は非力な女性じゃないか。みんなで押さこめば、サークレットだってなんだってとれるよ」
GM「「なんだって」というと、たとえば?」
ディード「えーい、やめなさい。話が下品な方向に流れていくでしょう」
お前本当にファリスの神官か。終盤に来るに従ってどんどん言動がヤバくなっていくよ。
ではサークレットを取った後どうするかですが、破壊してしまうのが後腐れなくていいのですが……。
スレイン「サークレットを取ったら、まっさきにウッドを押さえないといけませんかね」
ウッド「さあね〜」
それはウッド次第でしょうね。何も前と同じ行動を取る必要もないし、そう思ったのなら実行に移せばいい。
どういう経緯で実行に移したのかは分かりませんけど、雑誌版ウッドの中の人の判断は凄過ぎましたね。
別に奇抜な行動を取ればいいというものではなく、ちゃんと理由付けをして決断・実行した事自体が凄い。
★さらばカーラ!さらばサークレット!
ワンドの力を発現させた一行はカーラの待つ3階のホールへ突入しました。いよいよ最終決戦です。
カーラはプレートメイルにメイスとシールドで完全武装して待ち構えていました。レイリアの白兵戦能力ですね。
実はレイリアはSWではファイター5もあったりするので、魔法が使えなくてもそこそこ戦えるのです。
一方このゲームでは神官もそこそこ戦闘スキルが高くなるので、神官戦士を再現する事も可能です。
勿論本職である戦士には及びませんが、そこそこレベルが高ければその辺の戦士以上に戦える筈です。
クラスシステムのゲームであり、神官もそれなりに戦える世界観である事を考えると必然的なバランスです。
なお通常金属鎧を着ていると古代語魔法は使えないのがセオリーですが、カーラには一切の制限は適用されない。
精神体に過ぎない彼女は例え発動体がなくても、ガチガチに金属鎧を着ていても、自由に魔術を使えるのです。
その為カーラは普通に魔法を使って迎撃しようとしましたが、ワンドの力のお陰で効果は発揮しませんでした。
その隙を見てパーン、ギム、ディードがダッシュで接近。ウッドは目立たないよう壁沿いに走って戦闘開始です。
1ラウンド目、PC先攻
カーラの防御スキルは80%とかあるので普通なら当たらないのですが、パーンは自動的成功を出して当てます。
ところがダメージは8点とショボく、プレートアーマー(アーマー値8点)の装甲は破れずに終わりました。
ギムとディードもことごとく失敗します。まぁ殺してはいけないんだから時間稼ぎさえできればそれでいいんです。
これがSWだったらボーラとかネットのような非殺傷武器や、《組み合い》のような戦闘オプションが使えるんですが。
2ラウンド目、カーラ先攻
お返しとばかりにカーラがパーンを殴り返しますが、やはり8点では通らず。こちらの攻撃も悉く当たりません。
3ラウンド目、カーラ先攻
今度はカーラの攻撃が2回ヒットしますが、7点・7点では通らず。魔法が使えない為戦況は硬直したように見える。
しかしそうして地味な小競り合いを続ける一方で、ウッドはこっそりとカーラの背後に歩み寄っていました。
4ラウンド目、イニシアティブなし
いよいよウッドの出番です。サークレットを奪うには盗賊スキルと集中力ロールに連続成功する必要があります。
前者は86%ありますが、修正が−50%入って36%。集中力は35%です。連続成功の確率は12.6%程です。
ウッド「やったぜ、成功。ここぞというときに成功するのが、立派なキャラクターというものだ」
こうしてウッドの活躍によりサークレット奪取でカーラは敗れました。思ったよりも速やかに終わりましたね。
小説ではカーラがワンドの結界を破って魔法を使い出しましたが、こちらではそこまでできなかったのも幸いしたか。
小説や雑誌版とは違う結末になりましたね。ギムは生きてるし、ウッドもサークレットを持ち逃げしない。
GM「前回と同じ結果に終わらせるのが目的じゃないもの」
今まで彼らは既存のキャラを演じ、既存の物語を駆けてきた。しかし性格は同じではなく、物語も同じではない。
それはプレイヤーやシナリオが違うからですが、例えプレイヤーとシナリオが同じでも同じ結末にはならない筈です。
例え同じメンツで同じPCを使って同じシナリオをやろうとも、ダイスの目が1つ違うだけで全く違う展開もあり得る。
TRPGは物語を生成するゲームです。プレイヤーやGM、PCやシナリオ、ダイスやノリがそれを担います。
GM「これがRPGの本当に面白いところさ。
小説のように、完成されたひとつのストーリーを追いかけるのではなく、
未完成かもしれないけど無限のバリエーションを追いかけられる。
そして、それをまるで自分が登場人物そのものになったように追体験できる」
「漂流伝説」のラストにもありましたね。「小さな完全よりも、偉大なる不完全をだ」とね。
とにかくこの世界ではカーラは滅んだ。皆も無事。そんな幸せな結末があってもいいじゃないですか。
一行はレイリアさんを助け、無事に使命を遂げたのです。その後の行方は敢えて語られる事はありません。
我々の知っている経歴を多少なりとも辿るのかもしれないし、全く別の人生を歩むのかもしれません。
いずれにしろ"灰色の道しるべ"が無くなった今、ロードス島は一つの節目を迎え、新たな歴史を刻んでいくのです。