イノベーションを「革新」と日本語では訳しますが、私は中国語訳の「創新」が好きです。革新からは、今あるものを変えて新しくするイメージを受けます。新たに創造することも大切ではないでしょうか? Wikipediaで検索すると下記のように説明されています。
Innovation is the development of new customers value through solutions that meet new needs, inarticulate needs, or old customer and market needs in value adding new ways.
下線を引いた部分を見落として、気がつくと技術分野の革新だけに捕われていないでしょうか? 日本で取り上げられるイノベーションの多くは、技術ばかりに焦点が当たっている傾向が強いと感じます。
仕事していて強く感じるのがマーケティング力の日米企業の差です。情報収集と分析力=成功する鍵を握っています。日本企業の多くは、マーケティングを過小評価しているのでは?と感じざるを得ません。そういう事が必要なかった歴史的背景の影響なのだろうかと最近思います。それは、島国の単一民族で価値観が標準化されている社会。そこでは「良いものだったら売れる」という職人魂の技だけで通用してきた背景の影響でしょうか? 当然、大量生産は出来ずに高価な物になります。高価な新商品に飛びつく消費者心理は、日本人特有かもしれません。
大量生産の技術創新によって戦後日本は復興し、輸出大国になりました。しかし、現在の中国製品のイメージの如く、当時のメイド・イン・ジャパンは粗悪品の代名詞。品質向上することで今の地位を築き上げて来たのが先達の方々の努力。つまり、良いものだったら売れる。
海外市場は文化、慣習から生活様式も大きく違います。イノベーションの先にある「顧客のニーズ、市場のニーズ」を把握せずして、新しいものを届けることはできません。しかし、当時のもう一つの背景には、日本が輸出する相手先が、欧米市場という日本の先をいく先進国であったからです。 何を創るかというマーケティングはあまり必要でなく、アメリカで流行っているものを、品質よく安く生産することに注力していれば良かった時代が長く続いた戦後復興だったと思います。
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▓ 尾中 泰
シアトル在住 EnLinx Partners 代表取締役
山口県防府市生まれ、A&A Japanを経てDellに転職し、Dell Japanの前身である Dell Far East を東京に設立。2009年に 自身の会社 EnLinx Partners を50歳でシアトルで起業。日米の企業進出のコンサルタントを行っている。
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