〈古典部〉シリーズとは、米澤穂信による推理小説シリーズである。
概要
〈古典部〉に所属する4人の高校生たちが、高校入学、夏休み、文化祭など学生生活のイベントの中で、日常の謎を解決していく推理小説。 同時に、それらの時間経過と共にゆるやかに変化する登場人物たちを描く青春小説でもある。
第1作『氷菓』は、第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞した米澤穂信のデビュー作。2001年10月1日に角川スニーカー文庫(角川書店)の〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉第1回配本として初版発行。
日常に潜むミステリーを描いた佳作として読者からの評価は上々だったものの、悪名高き2001年度版の装丁の拙さからか売れ行きは芳しくなく、翌年の第2作『愚者のエンドロール』を最後に一度は打ち切りになったが、その後米澤穂信がミステリ界隈で再評価されたのに伴い、2005年に第3作『クドリャフカの順番』が刊行され復活したという経緯がある。
現在、『氷菓』、『愚者のエンドロール』、『クドリャフカの順番』、『遠まわりする雛』、『ふたりの距離の概算』の5巻が刊行済。〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉として刊行されていた『氷菓』と『愚者のエンドロール』は、シリーズ再開後はカバーを新しくし角川文庫で刊行されている。『クドリャフカの順番』以降は単行本で刊行されており、『遠まわりする雛』までが角川文庫で読める。『ふたりの距離の概算』は単行本のみだったが、2012年6月に文庫が発売された。
未収録短編として野性時代56号で掲載された『連峰は晴れているか』がある。
あらすじ
神山高校に入学した折木奉太郎は、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」をモットーに、人生に対して「省エネ」を心がける少年。姉からの依頼で、かつて姉が所属していた廃部寸前の〈古典部〉に入部することになった奉太郎は、そこで好奇心の塊である少女・千反田えると出会う。えるの「わたし、気になります」という言葉を合図に、日常の些細な謎を解き明かしていく。
登場人物
折木奉太郎 (おれき ほうたろう)
神山高校1年B組。本シリーズの語り部にして探偵役。
省エネ主義者であり、何事にも積極的に関わろうとはしない。
高い洞察力と推理力を持つが、本人は偶然だと否定する。古典部OGである姉、折木供恵を家族に持つ。
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」
千反田える (ちたんだ える)
神山高校1年A組。地元の名家、千反田家の一人娘。
肩までの黒髪、丁寧な言葉遣い、女子にしては長身で線の細い体躯と清楚を絵に描いたようなお嬢様。
しかしそれらの印象からかけ離れた大きな瞳こそ、彼女の本性を如実に表している。
優れた記憶力と幅広い知識、そしてとてつもない好奇心の持ち主。 「わたし、気になります」
福部里志 (ふくべ さとし)
神山高校1年D組。古典部員であり手芸部員、さらに総務委員会にも所属する趣味人。
データベースを自認し、(主に役に立たない)様々な知識が豊富。常に笑顔を絶やさない。
男子としては小柄な方だが、趣味のサイクリングにより脚力は鍛えられている。
伊原に好意を寄せられているが、はぐらかしてばかりいる。 「データベースは結論を出せないんだ」
伊原摩耶花 (いばら まやか)
神山高校1年。古典部と漫画研究会、図書委員会に所属する女生徒。
背が低く童顔で可愛らしい容姿に反し、性質は苛烈。他人にも自分にも厳しい毒舌家。
折木とは小学生からの腐れ縁。いつからか福部に思いを寄せているが報われない。
福部を「ふくちゃん」、千反田を「ちーちゃん」と呼ぶ。ちなみに折木は「折木」と呼び捨て。
テレビアニメ
詳細は「氷菓」を参照。
2011年11月29日、京都アニメーションによってアニメ化されることが発表された。
関連商品
関連項目
http://dic.nicomoba.jp/k/a/%E3%80%88%E5%8F%A4%E5%85%B8%E9%83%A8%E3%80%89%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
読み:コテンブシリーズ
初版作成日: 11/12/16 18:39 ◆ 最終更新日: 12/10/07 04:55
編集内容についての説明/コメント: アニメの放送が終わったため
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