岩手のニュース

ホヤ種苗生産再開 岩手大と連携、収穫へ 新おおつち漁協

水槽で受精させるホヤの様子を見守る養殖業者ら

 東日本大震災で被災した岩手県大槌町の新おおつち漁協は17日、地元・船越湾産の天然マボヤを使った人工種苗生産を再開した。ホヤの種苗生産は震災前から取り組んできたが、本格化させた直後に被災し施設も全て失った。今回は岩手大などと連携、生産体制を立て直した。「生まれも育ちも大槌」のブランド化を図り、3年後の収穫を目指す。

 種苗生産は、各種団体の復興支援で再建された吉里吉里漁港の作業施設で行われた。作業には養殖業者11人が参加。今月8日に採取した親ホヤを、海水温10度に保った水槽で放卵、放精を促し、回収した受精卵を養殖ロープに付着させた。
 ロープは計1650メートルで、約660万粒を採苗。1週間後にも、町内の養殖業者が船越湾、大槌湾の養殖場に戻す。3年後、水揚げが落ち込んだ2010年度実績(約80トン)を上回る約330トンの収穫が目標という。
 漁協青年部は昨年12月、岩手大の梶原昌五准教授と協力し、親となる天然マボヤの成熟度を船越湾で調査。良質な天然ホヤが採卵に適した時期を迎えたことが分かった。
 大槌町のホヤ養殖は従来、石巻市など県外から購入した天然種苗を使用してきた。韓国でのホヤブームを受け、良質の種苗が入手困難になったことなどから、旧大槌町漁協青年部は06年から、自前での種苗生産の研究を重ねてきた。
 ホヤはワカメ、カキ、ホタテに次ぐ重要な養殖種。大槌町では震災後、養殖業者が半減したが、今回のホヤ養殖で、主要養殖種全てが再開することになる。
 新おおつち漁協青年部長を務める養殖業倉本修一さん(44)は「再開できてうれしい。種苗生産を安定させ、毎年、継続して供給できる良質な大槌産ホヤをアピールしたい」と意気込んでいる。


2013年01月18日金曜日


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