逮捕状発行、海賊移送のために海保ガルフV出発へ
アメリカ軍に拘束された海賊への逮捕状が発行された。逮捕状執行、身柄引き受けのために海上保安庁のジェット機ガルフストリームVが本日出発予定となった。
海賊:海保、身柄引き取りへ 米軍拘束の4人に逮捕状 ソマリア沖のアラビア海で商船三井のタンカー「グアナバラ」(バハマ船籍)が海賊に乗り込まれた事件で、海上保安庁は10日、海賊対処法違反の容疑で、米軍が拘束した海賊4人の逮捕状を取得した。日本政府はソマリア隣国のジブチ政府と昨年12月、逮捕された海賊を移送させるためジブチ領域を通過できる外交上の取り決めを結んでおり、海保は11日、日本から海保の航空機をジブチに飛ばし、海上保安官が逮捕状を執行して身柄を引き取ると見られる。
タンカー襲撃、海賊4人に逮捕状 アラビア海を航行していた商船三井の運航するタンカーが海賊に襲われた事件で、海上保安庁はアメリカ軍が拘束した海賊4人の逮捕状を取りました。日本に移送するため海上保安庁の航空機が11日早朝、現地に出発します。
…海上保安庁では4人の身柄の移送のため、11日早朝、羽田航空基地所属のガルフV「うみわし」に海上保安官らが乗り込み、羽田空港から出発するということです。
海保で長距離飛行できる機体といえば、同機以外にない。航続距離12,000km以上を誇る。その飛行能力や高性能レーダーにより導入時には周辺国に警戒する声もあったという。
東京(羽田航空基地)から世界の主要都市までの距離
航空情報2008年9月号「海上保安庁の航空機」より
もっとも、改造が本格的だったせいか耐空証明の認可が送れ配備がずれ込むことにもなったのだが。
また、原型機は高級なビジネスジェット・プライベートジェットとしても使用されるため、そのような内装で導入されると勘違いした人から「幹部専用機の導入は税金の無駄遣い」という根拠なき批判もあった。
高級ビジネス仕様の内装
実際には、リッター装置やコンソールなどが装備されたことによりキャビンは狭くなり内装もきわめてシンプルなものになっている。
海保ガルフVの内装。この前方には通信士・レーダー員コンソール、後方にはリッター装置・ギャレー等がある。
韓国船を襲撃して特殊部隊に制圧された海賊はUAE王族専用機で移送されるという「厚遇」だったが、今回の海賊にはこれで満足してもらうほかない。
このガルフVは海外からの容疑者移送に使用されたこともあるし、毎日の記事で言及されているジブチとの協定締結時に既に手続き確認のために派遣されている。
関連エントリ:海上保安庁が国外の被疑者を移送した実例
海保ガルフVがソマリア海賊対策へ
また、先月にも拘束した海賊を移送する訓練を行ったばかりだった。
関連エントリ:ジブチに潜む真の「敵」と、海保による海賊移送訓練
移送自体は滞りなく行われるだろう。しかし、本当の「戦い」はこれからだ。
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2011年3月11日 00時11分
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