関西電力:米国産シェールガスの輸入交渉開始

毎日新聞 2013年01月20日 02時30分

 関西電力が米国産の天然ガス「シェールガス」の輸入に向け、米エネルギー企業や国内の商社など複数社と交渉に入ったことが19日、分かった。将来的に米国でのシェールガスの権益取得も検討する。関電は原発の停止で、火力発電向けの燃料費負担が高まり、4月に値上げに踏み切る。掘削技術の向上によるシェールガスの増産で、米国産天然ガスは低価格化が進んでおり、輸入できれば燃料費の圧縮にもつながりそうだ。

 米国は原則、自由貿易協定(FTA)締結国にしか天然ガスの輸出を許可しておらず、非締結国の日本は輸入できない。だが、米エネルギー省は昨年12月、「輸出は米国経済に利益をもたらす」との報告書を公表。早ければ今年前半にも米政府が天然ガスの日本への輸出を許可するとの見方が強まっており、関電が早期調達に踏み切る可能性もある。

 原発停止の影響で火力発電の稼働率が高まっている関電は昨年度、例年より約200万トン多い約740万トンの液化天然ガス(LNG)を輸入。原油の輸入増などもあり、火力発電用の燃料費は約2倍の年約9000億円になり、4月に電気料金の値上げをする方針だ。安い米国産LNGの輸入比率が上がれば、燃料費の抑制効果が期待できる。関電はシェールガスの権益の獲得や液化委託事業も検討しており、利益の上積みも目指す。北米のほか豪州や欧州からのLNGの権益取得も検討しており、コスト削減を追求する。

 また、液化天然ガスの輸入価格は、アジアでは、原油価格に連動する仕組みで、このところ高止まりしている。これに対して、米国産天然ガスは安いだけでなく、原油価格に無関係な値動きをするため、「シェールガスの輸入で燃料調達を多様化させ、財務リスクの抑制と安定調達を進められる」(関電幹部)という。【横山三加子】

 ◇シェールガスとは

 泥岩の一種で深さ2000メートル以上の頁岩(けつがん)層から採掘される天然ガス。掘削技術の確立で開発が可能になり、米国などで生産が急拡大。09年ごろから米国の天然ガス価格が下がり「シェールガス革命」と呼ばれる。日本に輸入する場合は液化天然ガス(LNG)にしたりするために費用がかかるが、現行のLNG価格よりも3割程度安く調達できる計算。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

TAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM