自動車重量税:再び道路特定財源に 自民党内からも批判

毎日新聞 2013年01月24日 21時55分(最終更新 01月24日 22時59分)

 与党税制改正大綱で自動車重量税を再び道路特定財源に戻すと受け取れる記述が盛り込まれたことに対し、24日の自民党税調総会などで「改革の逆行だ」との異論が噴出し、決定が2時間ずれ込む混乱があった。参院選を意識して自動車業界と地方自治体にともに配慮しようとしたことが裏目に出た形で、国会でも野党の追及を受けそうだ。

 大綱では、消費増税による自動車販売の落ち込みを避けるため、自動車取得税の15年10月の廃止を明記。一方で、重量税については「道路の維持管理・更新などのための財源と位置づける」とした。地方税である取得税廃止に反発する地方自治体に配慮して、重量税を地方の道路整備財源となる道路特定財源とする方向性を示した。

 しかし、道路特定財源は「古い自民党」の公共事業無駄遣いの象徴とみられてきた。このため、復活が自民党のイメージダウンになると懸念する中堅・若手議員から異論が噴出した。

 税調総会では棚橋泰文政調会長代理らが「逆行は容認できない」「マスコミに『先祖返りだ』と批判される」と反発。その後の政調審議会でも批判はやまず、高市早苗政調会長が「このような表現ぶりになるとは思っていなかった」と発言したため紛糾した。幹部が協議し、大綱を最終決定する総務会で野田毅税調会長が「重量税を存続させる課税根拠を示したものだ」と発言することでようやく決着した。

 税調の議論では、成長重視の安倍政権の経済政策を背景に、企業・団体に配慮した減税などの税制要求が相次いだ。重量税がいったんは「特定財源化」の方向性となったのも、地方重視派や道路族の圧力が背景にある。伊吹文明元幹事長の衆院議長への転出など、「軽量級の税調幹部が党を抑えられるか」(党幹部)との懸念が的中した格好だ。

 大綱は決定したが、国会で野党が攻撃するのは必至だ。菅義偉官房長官は24日夕の記者会見で「重量税を特定財源に戻すことは一切ない。そもそも第1次安倍内閣でも一般財源化を閣議決定しており、元に戻すことは100%ない」と打ち消した。【小山由宇、横田愛】

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