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2013年1月25日(金)付

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道路特定財源―復活など許されぬ

自動車税制の見直しに絡み、重量税を道路の維持管理や更新などの財源と位置づけ、自動車ユーザーに還元する。自民党が、与党税制改正大綱にこんな一文を盛り込んだ。[記事全文]

オバマ2期目―戦争をしない大統領に

米国のバラク・オバマ大統領が政権2期目に入った。オバマ氏が体現する変革や連帯のメッセージは、今も内外の多くの人を引きつけている。再選のくびきから解かれた強みを生かし、理[記事全文]

道路特定財源―復活など許されぬ

 自動車税制の見直しに絡み、重量税を道路の維持管理や更新などの財源と位置づけ、自動車ユーザーに還元する。

 自民党が、与党税制改正大綱にこんな一文を盛り込んだ。

 重量税の廃止を求める声が強いため、税を存続させる根拠を示しただけ。あくまで一般財源であり、かつてのように道路特定財源に戻すわけではない――。自民党はそう強調する。

 しかし、これは道路特定財源の説明そのものではないか。

 制度の弊害を踏まえて廃止したのは、ほかならぬ自民党政権だった。

 1950年代に始まった道路特定財源の制度は、遅れていた道路整備を支える役割を果たした。だが次第に既得権化して、「むだな道路を造る温床」との批判が高まった。

 小泉政権が見直しに着手し、安倍、福田、麻生各政権で検討を重ね、09年度に制度の廃止と一般財源化にこぎつけた。

 「古い自民党」が頭をもたげたかのような動きのきっかけは、業界や中央省庁、自治体、その応援団を自認する政治家が入り乱れての要求合戦だ。

 自動車業界と経済産業省は自動車取得税と重量税の2税とも廃止するよう強く求めた。「一般財源化で課税の根拠を失った」という主張に加え、14年度からの消費増税を控え、「日本経済を引っ張る自動車業界がおかしくなる」と訴えた。

 これに対し、税収減を避けたい財務省は反対。取得税の全額と重量税の4割は自治体に回っており、地方側と総務省も「代わりの財源がない限り反対」と歩調をあわせた。

 結果は妥協の産物だ。

 2税のうち、年間税収が約2千億円と少ない取得税は段階的に廃止する。税収が約7千億円の重量税は、軽減措置をとりつつ「道路財源」に位置づける。

 これなら、負担軽減を求める自動車業界にも、道路整備を求める声が強い自治体にも顔向けできる。夏の参院選をにらみ、業界や自治体を味方につけておきたいとの思惑がちらつく。

 限られた財源の使途を突きつめ、配分の効果を検証し、次の予算編成につなげる。財政再建には地道な作業しかない。特定財源化はこの基本と矛盾する。

 重量税では、温室効果ガスの排出が少ない車を優遇するエコカー減税を続けるが、税収を道路整備に充てるのでは環境対策面からも疑問だ。

 「国土強靱(きょうじん)化」のかけ声にそってなし崩しに財源を確保するような動きは、許されない。肝に銘じてもらいたい。

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オバマ2期目―戦争をしない大統領に

 米国のバラク・オバマ大統領が政権2期目に入った。

 オバマ氏が体現する変革や連帯のメッセージは、今も内外の多くの人を引きつけている。再選のくびきから解かれた強みを生かし、理想とする社会づくりに取り組んでほしい。

 公民権運動の黒人指導者、キング牧師の生誕記念の祝日でもあった21日、首都ワシントンで就任式典が開かれた。

 初のアフリカ系大統領となった4年前のような高揚感はなかった。党派対立で、思うように政権運営ができなかった1期目の現実が重くのしかかる。

 それでも、壇上のオバマ氏は力強さを取り戻していた。

 演説で、気候変動、同性愛者の権利、移民政策といったリベラル色の強い問題を多く取り上げた。

 2期目は、信念をより前面に出すという決意の表れだ。「ともに」「われら合衆国人民」といった言葉をちりばめ、国民の支持を背景に、物事を推し進めようとする姿勢がにじむ。

 オバマ氏は再選を決めた後、野党・共和党との対決路線に重心を移した。

 「財政の崖」をめぐる交渉では、一定の譲歩をしつつ、高所得者層への増税を勝ち取った。小学校での悲惨な銃乱射事件を受け、根強い抵抗がある銃規制の強化にかじを切った。

 こうした姿勢が好感され、支持率は上がってきた。「力強い指導者」としての評価も多い。経済の回復基調も追い風だ。

 逆に、下院で多数を占める共和党は、財政問題での頑迷な対応に風当たりが強まった。

 政府の借り入れ上限額引き上げや歳出削減など、春にかけて難題が控える。オバマ氏としては、上向きの支持をうまく生かし、共和党の穏健派を引き寄せる必要がある。

 演説で「安全と平和のために戦争を繰り返す必要はない」と語った。

 1期目はテロ集団への無人機攻撃やリビア空爆など、軍事力も使ってきた。だが、攻撃だけではテロは根絶できない。アルジェリアの人質事件は、北アフリカでのイスラム過激派の伸長ぶりを見せつけた。

 内戦状態のシリアなど、「アラブの春」後の中東にどう向き合うのか。アジアでは中国の台頭で変動が起きている。

 意見の異なる国々と「関わっていくことで、疑いや恐れを取り除くことができる」という言葉は、ノーベル平和賞を受けたオバマ氏の考えをよく表している。「戦争をしない大統領」として功績を残してほしい。

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