「私は『ゲーム人口拡大』を今でも思っていますし、自分の一生をかけてやっていきたいことです。『お母さんの敵にならない』は健在です。前は、そういう意識ってゲーム屋さんの頭にまったくなかったから、私、やたらいいまくっていた時期があるんですけれど、今はあまりいっていない。もうみんな意識してくれているのでね。ですけれど、発想は変わりません」
■続いていた「ゲーム人口拡大戦略」
「で、実現しようと思うとゲーム機の社会受容性を高めないといけないんですね。例えばゲームは遊ばないけれどユーチューブは見るよって人がいたとして、その人がゲームパッドに触り慣れたら、ゲームへの敷居は大幅に下がる。あるいは今まで、母親が見たい番組があるのに子どもがゲームをやめられないといってケンカになるみたいなことが起きていたけれど、じゃあ子どもがゲームパッドで遊ぶよって切り替えたら、家における社会受容性が変わると思うんです」
発想の起点は、相変わらず「ゲーム人口拡大」――。2画面であれば、ゲーム好きにも新たな体験を提供でき、満足させられるかもしれない。ゲームだけではなく、例えばWiiの人気コンテンツだった「カラオケ」は、ほかの人が歌っているあいだにカラオケ店のごとく、手元のゲームパッドで選曲を進めることも可能になる。あるいは、ゲームパッドで子どもがゲームを続けたとしても、リビングの見える範囲だから注意ができる。
だから、岩田社長は「考えれば考えるほど、2画面は筋がいい」と思ったのだ。
Wii Uはリビングでの交流だけを重視しているわけではない。もちろん、ネットを通じた交流を促す「武器」も仕込んである。「Miiverse(ミーバース)」というWii U専用の交流サイト(SNS)機能だ。誤解を恐れずにいえば「任天堂版ツイッター」であり、「任天堂版ソーシャルゲーム」の交流インフラでもある。
■任天堂版ツイッター「ミーバース」の意味
Wii Uの発売からまもなく、岩田社長は海外の任天堂関係者、複数の人から、こんなことをいわれた。
「どうも、ツイッターなどのSNSで任天堂ファンの旗色が悪くなっている。調べたら、今まで任天堂寄りの発言をしてくれていた人たちがミーバースでハッピーな状態にあるので、ネットでは発言しなくなってしまったようなんです」――。
ミーバースをのぞいて見ると、「スーパーマリオのこのステージでメダルがやっととれた!」「いいなー」「みんなはマリオランドのどこが好き?」といった投稿であふれていた。
ゲームをプレー中でも、そうでなくとも、手元のゲームパッドの「HOME」ボタンからゲームパッドの画面にミーバースをいつでも呼び出して、つぶやいたり、閲覧したりすることができる。投稿は文字に加え、HOMEボタンを押した時のゲームのキャプチャー画面、さらにはゲームパッドで描いた手書きイラストも可能だ。
岩田聡、Wii U、Wii、DS Lite、iPad、任天堂、ゲームパッド、メディアクリエイト
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