２７日の東京株式市場は、大胆な金融緩和などを掲げる安倍政権の経済政策を期待して円相場が約２年３カ月ぶりの円安水準を付けたことを好感。日経平均株価が一時、前日終値比１４０円以上高い１万３７６円まで上昇し、３月２７日に付けた今年の最高値（１万２５５円１５銭）を更新した。取引時間中では、東日本大震災が起きた１１年３月１１日以来、約１年９カ月ぶりの高値水準。

　２６日発足した安倍政権の経済政策への期待感から、東京外国為替市場で一時、１ドル＝８５円台後半まで円安・ドル高が進行。株式市場は取引開始直後からほぼ全面高の展開となった。円安による業績押し上げが期待される自動車や電機など輸出関連銘柄のほか、市況改善の恩恵を受ける証券なども値を上げた。

　安倍政権の意向を受けて、日銀が物価上昇率２％を目標に追加の金融緩和を行うとの思惑から、日本株取引の７割弱を占める外国人投資家が年末休み返上で積極的に円売り・日本株買いを進めている。急ピッチな上昇に過熱感も出ているが、市場関係者は「当面円安・株高傾向は続く可能性が高い。日経平均は震災前の３月１０日（終値で１万４３４円）の水準を回復する可能性が出てきた」（ＳＭＢＣ日興証券）と話している。【浜中慎哉】