広島空港（三原市）へのバス路線に関し、呉市は、２２日の市議会委員会で事業者を選んだ審査会の委員名を公表しなかった。市は「公表を望まない委員がいる」などとしたが、市議からは「市民目線で見ておかしい」などと批判が上がった。

　委員は５人。１月に２回会合を開き、広島電鉄を候補に選んだ。市はこの日の委員会で審査会の会長が中本克州副市長と説明。市議から残る４人の委員も公表するよう求められたが、市は「少人数のため、各委員がどんな評価を下したかが特定される」と拒んだ。

　市議からは「責任を持って選ぶべき委員が非公表なのはおかしい」「（非公表を望むような）委員を選んだ市に問題がある」と疑問が噴出した。

　委員名非公表に関し広島大法学部の森辺成一教授は「税金を使う事業者の選定でどういう人が審査したのかを市民に示すのが筋だ」と市の対応を疑問視する。

　議員の批判が相次いだこともあり、市は委員会終了後の取材に対し、残る委員名を近く公表する考えを示した。