広島市:西風新都、区域縮小し防災拠点も 計画見直し案公表 /広島
毎日新聞 2013年01月22日 地方版
広島市は21日の市議会建設委員会で、安佐南、佐伯両区にまたがる西風新都(4570ヘクタール)の計画見直し案を公表した。経済情勢などを反映させて開発区域を504ヘクタール縮小し、「30年に6万7000人」という目標も新たに加えた。防災拠点としての機能も持たせ、都市基盤強化を図る。
西風新都は、市中心部から北西約5〜10キロの位置に広がる丘陵地。市は新たな成長拠点として89年に建設実施計画を策定し、「21世紀初頭に約10万人」を目標に掲げ、アストラムラインや高速道も整備した。しかし、バブル経済崩壊と景気の長期低迷で08年2月、「21世紀中ごろに8万人」に下方修正した。さらに同年秋の世界同時不況などで民間開発が滞り、松井一実市長が全体計画の見直しを表明していた。
見直し案では、道路整備計画についても「選択と集中」で、建設を絞り込む考えを盛り込んだ。防災拠点として消防局の出張所を新設し、災害に強いまちづくりを目指す。アストラムラインのJR西広島駅までの延伸計画は、引き続き具体化に向けて検討する。
西風新都の人口は昨年3月末で約5万人。これまでの計画では、民間事業者による開発地区(1400ヘクタール)18地区のうち、造成完了は9地区で、未着工が6地区。見直し案では、未着工のうち2地区は「開発の見込みがない」として計画から外すとしている。【中里顕】