スカイツリー:カワウ飛来 ふん落下、困った 運営会社、対策に試行錯誤

2013年01月24日

東京スカイツリー=丸山博撮影
東京スカイツリー=丸山博撮影

 東京スカイツリー(東京都墨田区)に先月中旬から、水鳥のカワウが群れで訪れるようになり、落下するふんの対策に、運営会社の東武タワースカイツリー社が試行錯誤している。急きょ警備員2人を配置し、来場者に「頭上からの鳥のふんに注意して」と呼びかけているほか、水かきのあるカワウが止まれないよう、ひさしに細いワイヤを張った。同社は「野生の鳥なので、強引なやり方はよくない。ふんがお客様の迷惑にならないよう、他の場所に帰ってもらえたら」と話している。

 同社によると、先月中旬から、スカイツリー南側の高さ25メートル部分にあるひさしにカワウの群れが止まるようになった。ひさしは横50メートル、縦6メートルで、メンテナンス作業員の落下防止のために設置している。日中に多い時で40羽ほどがいた。

 カワウは、前を流れる北十間川などで魚を捕った後、ツリーを休み場所にしているとみられるが、落ちてきたふんで路上は白く汚れている。

 先月18日から警備員2人が看板を持って、来場者に注意を促している。先月末、ひさしにカワウが嫌う臭いの液体を塗ってみたが、効果はほとんどなかった。今月18日には、水かきがあるカワウが止まれないよう、ひさしに細いワイヤを張ったところ、カワウがほとんど来なくなり、効果が見られるという。

 NPO法人バードリサーチの加藤ななえ研究員(60)によると、カワウは群れる習性があり、川や海で魚を捕って生活している。通常、食事を終えた後は安全な場所で休んだり、巣に戻ったりする。ツリーのひさしは人が近寄らないため安全で、目の前に北十間川があるなど、カワウにとって居心地のいい休憩場所の条件がそろっているという。

 突然ツリーに来るようになった理由について加藤さんは「12月は繁殖期の始まり。巣に帰ると繁殖活動をするカップルがいるため、若いカワウにとっては居づらく、休憩場所で時間をつぶしているのでは」と推測する。

 魚を食べるカワウのふんは臭いため、夏になると周辺に悪臭が漂うことにもなりかねない。加藤さんは「ツリーは休みにくい場所だと知らせることが、カワウと人間の双方にとって幸せだと思う」と話している。【大沢瑞季】

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