今朝の朝日新聞デジタルヘッドラインによると、今年の大学センター試験の国語の平均点が速報値で50%を切り、過去最低の由。普段、インタネットで見る若者の文章、文章を書いてお金をもらっている人たちの低劣な文章を見ていると、さもありなむ、と思ってしまいます。 私はセンター試験世代の前の共通一次のそのまた前。国公立も私立も単独で試験を実施していたときの世代。国立一期校で不合格になり、二期校にもぐりこんだクチです。 センター試験、はたしか東大、京大…を目指すユーシューな学生たちが受ける試験。その平均点が50%を下回るとは 大学入試センター試験の国語の平均点が例年の水準を大きく下回りました。5割を切り、過去最低となる見込みです。多くの受験生が苦しんだ理由として浮かんだのは、昭和を代表するある批評家。これまで著作がセンター試験に出題されたことがなかったのは、その難解さにあったようです。予備校関係者らに読み解いてもらいました。 朝日のデジタル購読会員になっているが、無料会員には上記分だけ。そこで、ネットでどんな問題か検索してみました。 国語の第1問は小林秀雄の「鍔(つば)」という随筆を読んで傍線部について答えよ。とある。1−1は文中カタカナで書かれた5つの単語とおなじ語を使っている単語を結びつける。森閑、伴奏、空漠といったさほど難しい語でもない。1−2、1−3は随筆の文意として適当なものを5つほどの選択肢から選ぶ。 みなアチーブメントテスト、クイズみたいなもの。ここまでやってみたところで答え合わせをしてみたら全問正解。あとはネット上でスクロールしながら、問題を読み、別の答えのページにアクセスするのは目が疲れるのでやめてしまった。 私の感想では、1問目は比較的易しい出題であろうことを割り引いても、50点以下しか取れないというのは、相当国語力が低いとしか思えない。なぜか。 答えは簡単。紙の本で人間にとって、必要最低限の読書をしていないからでしょう。小林秀雄は文章が少々気取ってぺダンチックではあるが、私たちの学生時代、誰でも1冊やそこら読んだポピュラーな批評家、随筆家。私は社会人になってからクラシック音楽が好きになり、小林の「モオツァルト」で引用された「疾走する悲しみ」(39番交響曲)という言葉が印象深い。 私は決して読書家とはいえない。おそらく、団塊の世代で大学を卒業させてもらった知識層の標準的な読書量を幼少のころから、現在に至るまで継続しているだけでしょう。 本を読むという行為は基本的には受身であるけれども、絶えず書かれたものと対話する作業(考える、思う)を同時進行していないと、ただ受身のままでは飽きてしまう。この書との対話が人間の知識と情理を発達させるのだと思う。 普段この作業をおろそかにしていて、付け焼刃の受験勉強をしても面白いはずがない。テレビやインタネットで見たことがある漢字だが、正しい使い方がわからなければ、上記の第1問の1は難しいかもしれない。 たとえていうならば、ボルトやナットが工具のひとつであることは知っていても、どこで、どう使うか、使う場所がわからないのとおなじ。 国語の第2問の出題文章は1923年に発表された牧野信一の「地球儀」という小説の全文。牧野信一なる作家は私はしらない。設問は見ないで、作品だけをざっと読んだがそう難解とも思えない。ようは、今の若い人たちはまともな文章に慣れていない。文章を読んで作品と対話するという基本動作ができていない。 国語の試験が終わるやいなやネット上には、「ぶっとびすぎ」「ヤバい」という声が登場し、ツイッター上では、 「センター国語見た。なんなんこれwwwシイゼエボオイwwwスピンスピンスピンwww」 「スピンアトップが離れないww」 「フエーヤー!ってなんや!!!(笑)」 だったらしい。わたしも牧野の小説{地球儀」に出てくる、呪文のようなカタカナに最初は面食らったが、丁寧に読んでいると、「シイゼエボオイ」はSee the boy、スピン・ア・トップは「独楽を回せ」「フエーヤー」はwhereと分かってくる。 出題担当教官は現代の学生の傾向と能力を知悉しつつ、彼らにとって外国語で書かれたような問題を出す意図はなにか。学生たちへの警鐘か。「もっと本を読め」という。 でも、もっと本を読めと、本を読む習慣を持たない人たちに言っても、もう遅い。小学入学時代にさかのぼって、子供が本を読みたくなるような環境、情操教育をしなければ。 かく言う私にも二人の息子がいるが、残念ながら、本を読む子に育てられなかった。団塊の世代の特徴はえらそうなことを言う割には実行力が伴わない。 本を読まない息子たちはもう40歳前後になる。もはやいかんともしがたい。次の世代、孫の世代に期待をかけるしかない。 |
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タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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さすが老害&元反日極左新聞記者。 |
受験生 2013/01/24 20:35 |
現実 (現在時制) の内容は、日本人により「世の中は、、、、」の形式で言い表されている。 |
noga 2013/01/24 20:36 |
80分という制限時間を考慮にいれるべき。 |
あ 2013/01/24 20:43 |
まあ、あなたも40分で現代文解いてみてくださいよ。取れなかったらあなたの寿命を1年縮めるという条件付きで。それであなたなら満点取れるんですか、という話です。まずは40分で解けるようなりましょう。 |
a 2013/01/24 20:45 |
ここで感傷的になって批判したところで、 |
- 2013/01/24 20:53 |
ただの読書と一緒にすんな。 |
あ 2013/01/24 20:53 |
センター試験について分かってらっしゃらないようなので、言っておきます。 |
仮 2013/01/24 21:00 |
そりゃ年寄りには馴染みのある文体かもしれないけどさぁ、平成生まれに大正の文章とか最早古文なわけ。 |
老害(笑) 2013/01/24 21:00 |
>ここで感傷的になって批判したところで、 |
a 2013/01/24 21:03 |
人生のかかった中40分で問題解くことと |
No name 2013/01/24 21:05 |
そもそもそんなレベルの低い学生を作り上げる教育制度を作ったのは、貴方たちなんですから |
いやいや、 2013/01/24 21:07 |
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