第七話 最恐のゾンビ
「・・・ん?」
「鈴、どうかしたか?」
「後ろ」
俺が後ろを向くと マイクラ界の非常食、ゾンビ
とはかけ離れたリアルのゾンビがいた
「ちょ、ふぇ?」
リアルゾンビを見て俺はかなりびびった
全身に見える赤い血 赤い血だけでない黒い血も混じっている
流石は田中、ホラーにも耐性があるらしい
鈴は身震いもせずMODで追加された武器の短剣を構える
あれ、これって俺がおかしいの?
そう思ったがとにかく田中のMODで追加された矛槍を握る
それでは一発技をかまそうかと思った瞬間
鈴がすごいスピードで敵に近づき
力の限り短剣を刺した
短剣を刺したまま硬直を挟まずに後ろに下がると
指を敵に向けると指先から炎が出る
指先から炎が出る呪文「アグニ」だ
その硬直がないコンボを俺はしっかり見た
これがキャンセルシステムのコンボかよ
珍しいものを見た気がする
キャンセルシステムとは格闘ゲームから始まり
近頃VRゲームにも出てくるシステムだ
キャンセルシステムにはポイントがあり
そのタイミングで技を発動させる事で硬直を
省略できる訳だ
しかしキャンセルシステムはすごい高度な技だ
鈴は田中のキャンセルシステムなんて知らないはず
『キャンセルのタイミングは技を一度使ったときに秒数が分かる
ポイントは0~4回ありスキルによって異なる』
と田中が鈴と俺に説明したときに教えてもらった
短剣の刺す時のスキル「毒切り」は
そのキャンセルの最初のポイント
『ファーストポイント』
には予備動作の途中0.15~0.17秒目
予備動作の途中にやってどうするのか
VR慣れしてない人は皆そう言う
ステップは0.2秒の硬直の後
予備動作は00,1秒だけあり
つなげなくても魔法、もしくは技の硬直を一回だけなくす
全ての技に硬直中にはキャンセルポイントはない
なのでステップからつなげると
2秒+0.001~0.01秒もかかるが
毒切りからつなげると
0.15~0.17秒──
短剣を装備している状態では
ステップを使わずに毒切りを最初に使ったほうが得だ
そして素早く動けたのは短剣の『特性』
『速度上昇』
そのあと繋げたスキルがどの武器でも使える 体力の消費をを最小限に抑えた攻撃スキル
『弱化攻撃』攻撃力は通常攻撃の0.4倍
もちろんつなげるためのスキルだ
しかしキャンセルシステムは俺も何回も使ったが
かなりの体力を消耗したんだが・・・
バサッ
鈴が地面に倒れた
全く賢いんだかそうでないんだか・・・
「大丈夫か?」
「レベルアップ…」
今度はキャンセルによる経験地倍増か
その名のとおりキャンセルで繋げると経験地が倍増するシステムだ
1回で2倍 2回で4倍…
「何回繋げた?」
「8回」
「256倍!?」
俺の中は猛スピードで計算した
「…」
苦しいのかどうなんだ!?
色々焦っている俺に
「とにかく帰ろう」田中の冷静な一言で俺たちは帰ることにした
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