東京電力福島第1原発事故で、原発から半径20キロ圏内に取り残された牛の内部被ばく調査を進める福本学東北大教授(病理学)らの研究グループが、母牛よりも子牛の方に高濃度の放射性セシウムがたまっていたとの研究結果をまとめ、23日付の米オンライン科学誌プロスワンに発表した。
福本教授は、子牛と母牛が全く同じ物を食べていたとは限らないとした上で「代謝が盛んな子どもの方が、放射性物質がたまりにくいとされるが、見直す必要があるのではないか」と話し、今回のデータはメカニズムの解明に向けた基礎データになるとしている。
グループは2011年8~11月、当時警戒区域に指定されていた福島県南相馬市と川内村で、雌の成牛63頭(うち3頭が妊娠)、原発事故後に生まれた子牛13頭の計79頭を所有者の同意を得て、行政の殺処分後に解剖。骨格筋や各臓器、血液の放射性物質濃度を調べた。
このうち、親子3組の放射性セシウム137の濃度を調べたところ、母牛は骨格筋1キログラム当たり平均649ベクレルだったのに対し、子牛は同956ベクレルだった。肝臓や腎臓など各臓器でも同様に、子牛の方が母牛よりも約1.5倍濃度が高い関係がみられた。
また、母牛とその胎児の3組では、胎児の骨格筋や各臓器の放射性セシウム濃度は、母牛の約1.2倍だった。
一方、部位ごとの1キログラム当たり平均放射性セシウム濃度をみると高い順に、骨格筋(626ベクレル)、舌(619ベクレル)、腎臓(361ベクレル)、心臓(311ベクレル)、ぼうこう(210ベクレル)、肝臓(207ベクレル)だった。
血液は25ベクレルで、血液の放射性セシウム濃度を調べれば、各臓器の濃度を推計できるとしている。〔共同〕
東京電力、福島第1原発
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