釣り堀【生存権】
なんかでっかい釣り針が目に入ったんで釣られてみます。
生存権訴訟:「480円の刺し身買えず」 原告ら、窮状訴え−−地裁 /京都(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
生存権訴訟:「480円の刺し身買えず」 原告ら、窮状訴え−−地裁 /京都
2月10日14時1分配信 毎日新聞
生活保護の老齢・母子加算廃止取り消しを府内の男女4人が求めている生存権訴訟で、原告の本人尋問が9日、京都地裁(瀧華聡之裁判長)であった。地裁がいったん尋問申請を却下、原告側の抗議で実施に転じたもので、松島松太郎さん(83)=山科区=は「老齢加算廃止後、趣味の旅行の回数を減らし、食費も削った。ただ食べて寝るだけの生活では人格を認めていない」と窮状を訴えた。
松島さんは、これまで週1、2回スーパーで購入していた480円の刺し身を購入できなくなり、果物も100円のバナナしか買わなくなった加算廃止後の厳しい生活実態を吐露。友人に旅行に誘われても断っているといい、「惨めな気持ちになる」と述べた。
高校生の長男と二人暮らしで母子加算を受給していた辰井絹恵さん(45)=同=は「冷蔵庫に何もないのに(おなかをすかせた)息子は何度も開けては見て、すごく情けなく悲しくなる。ぼろぼろのズボンや靴で、散髪も年に数回しか行けない。友人にも引け目を感じているはず」と話した。【熊谷豪】
2月10日朝刊
最終更新:2月10日14時1分
生活に現に困窮している国民に、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立の助長を図ることを目的としています。
生活保護制度で1人親世帯と高齢者に上乗せ支給されていた「母子加算」と「老齢加算」の廃止決定の取り消しを京都市などに求めた訴訟で、原告本人の尋問が9日、京都地裁(瀧華聡之裁判長)であった。4人が食費を切りつめ、趣味をあきらめて暮らす現状を述べ「憲法が保障する最低限度の生活とは何なのか」と訴えた。
母子加算の原告の辰井絹恵さん(45)=山科区=は尋問で、大切な写真集を売って米2キロを買い、保護費の支給までおにぎりだけでしのいだことを明かした。加算廃止で月約1万5000円が減額され、貯金はゼロ。法廷で、すそやひざが破れた息子のズボンが証拠として示された。「まだ大丈夫と、直しようがないくらいまで着てくれた。就職活動のためのスーツくらい買ってやりたい」と話した。
尋問によると、老齢加算の原告の松島松太郎さん(83)=同=は食費を抑えるため、4つのスーパーを回って安い商品を探している。月約1万8000円が減らされ、好物のマグロも480円の刺し身は買えなくなった。法廷のモニターに298円の切り落としが映し出されると、「これなら何とか買える」と話した。
週に数回の喫茶店通いと年に1回の一泊旅行が息抜きをするため、食費を犠牲にするしかないという。「最低賃金で働いている人たちも同じ。食べて寝るだけでは生きる望みがない。せめて半日でも実際の生活を見てから判断してほしい」と裁判官に訴えた。
“だまってられへん”/80歳の生存裁判/全国初・京都の患者が生活保護・老齢加算廃止に異議
「読書、映画、音楽、芝居が好きです。旅行も好きです。でも、CDデッキは高くて買えません。テレビも新しいものは買えず、中古の一四インチのビデオ付きのものを買い、使っています。テレビ映画を録画し、何十回も観ています。家具もタンスもなく、水道光熱費はとことん節約。料理は自分で作ります。たまには栄養のつくものを食べたいが、自由に使えるお金はありません。スーパーで食品が安くなる時間を『あと三〇分』と暇をつぶして待つ。そこまですることが情けない時も」
何より心を痛めているのが、少しずつ貯めた二〜三万円で行っていた小旅行が難しくなったこと。「年寄りは世間さまの顔も見んと、すっこんで、生きているだけでええ、というんでしょうか」。健康面も心配です。持病のある体に食費を一日七〇〇円におさえ、週二、三食はインスタントのラーメンライス、という生活が良いはずがありません。
一日700円の食費では480円の刺身は買えないかも知れませんね。
人権:“だまってられへん”80歳の生存権裁判/全国初・京都の患者が生活保護・老齢加算廃止に異議
この写真で見る限りはお元気そうです。
http://www7.ocn.ne.jp/~seiho/Nachrichten/Nachrichten27.html
提訴に前後して、松島松太郎さんは、あらゆる機会、人の集まりに顔を出し、自身の思いを語り、裁判支援を訴え、その人柄を人々の胸に浸透させてきた。そして、7月1日、ともに闘う2人目の原告・三島義温さん(76才)を得て、「1人では心細いもんなア〜」と喜ぶ。
地元、山科生活と健康を守る会が「松太郎さんを励ますつどい」を開いた。68人が参加して、生存権裁判のテーマソング「いのちのうた」も披露された。地元の女性たちでつくる「松太郎ファンクラブ」から贈り物もあった。「人前に出ることが多くなったから」と、素敵なシャツだったそうな。
「提訴後、若返って元気になった」と評される松太郎さん、「支える会」も本格始動。
提訴で若返り。本が書けそうです。一方、高校生の息子さんと二人暮らしの女性の方はどうでしょうか。
「貧困が子どもの人生に…耐えられない」生存権裁判の辰井絹恵さん | 成まりブログ | 成宮まり子 参議院京都 日本共産党
病気で夫との折り合いが悪くなり、息子と2人で暮らす道を選んだ辰井さん。病気で働くことはできず、生活保護を受けてつつましく暮らしててきたのに、息子が15歳になって母子加算が削られ、生活は一変したそうです
http://www1.ocn.ne.jp/~kcunion/bottom.html
京都市の辰井絹恵さん(43)は3年前、夫と離婚したが重度のうつ病で働くことができず、月16万円の生活保護を受け始めた。児童扶養手当の4万円と合わせて月収は計20万円。アパートの家賃6万円を支払った後に残る14万円で、食べ盛りの息子(15)との生活費をギリギリやりくりしてきた。
だが息子が15歳になったため、今年4月から保護費のうち母子加算分の約1万円が減った。来年度は、さらに約8千円減る。息子は定時制高校1年で卓球部に所属し1日4食。辰井さんは残り物やカップめんですませる。「母さん、もう給食いらないよ」。最近、息子に言われた言葉が胸に響いた。1学期の給食代は1万円。「息子にこんな思いをさせるなんて」
この方の名前で検索するとたくさんのページがヒットします。あちこちで講演などされているようで、うつ病の症状も幾分は軽減されているのでしょうか。写真ではとてもふくよかに見えますが、もしかすると薬の影響かも知れません。
老齢、母子加算廃止は違憲 原告尋問の京都・生存権裁判 - 真実一路
母子加算の削減は1万5千円。削減前までは、たまに廻る寿司に息子さんと一緒にいったが、今は行けない。散髪も回数を減らし2年に3回。よそいきの服などとても買えなくなった。
せめて、就職活動にスーツを…、成人式には人並みの格好で…。
▲食べて寝るだけが健康で文化的な生活かと裁判長に訴えた松島松太郎さんは、大正14年生まれの83歳。16歳から70歳まで働きずくめ。建設会社に勤めていたが、病気になって生活保護をうけることに。住まいは山科。築40年ー50年のアパートに住んでいる。換気扇に穴が空いていて寒風が入り込む、夏には蜂が入ってくることも。
お風呂は1日おきに入っているが水の入れ替えは4日に1回。お風呂に入った気にならいので月に1回は銭湯にいく。
食事の材料は近くの4つのスーパーをまわって安い商品を買っているという。月約1万8千円の老齢加算が削れれてどうしているか。
肉は牛肉が買えなくなった。マグロの刺身も480円のものは買えず、切り落としのものを買うようになった。サバも198円のシメサバを買っている。果物はバナナぐらいは買う。加算があった頃、イチゴはたまに買った。酒、たばこはしない。週に2,3回294円のコーヒーを飲みに行く。旅行が好きだが加算があったときは年2回ぐらいできたが、今は年1回、みじめな食事を抑えこんで、空き瓶に500円玉を貯めて行く。
…どこからどこまで釣り堀なんだ…ひょっとして突っ込んだら負けなんだろうか…突っ込む前に溺れてしまいそうだ…
こんなんばっかり引用してたらまるで弱いものいじめしてるみたいだけど、実際、生活保護を受けてかつかつの生活してる人はたくさんいると思うんですよ。母子加算や老齢加算がなくなって本当に困ってる人が。国が廃止に至った理由なんて聞きたかありませんよ、どう説明されたって理不尽なんだから。
だけどね、「生存権裁判」という語句を使ってこの訴訟をアピールしようとしてる人達は、自分らのやってる事が客観的に見えてないっていうか、世の中をわかってないっていうか、訴え方が下手だっていうか。同情を誘うつもりならもっとうまくやれよと。なんだか、生活保護という仕組みそのものを「なくていいんじゃないの」って思わせたくて活動してるんじゃないかって気になってくるわあ。
以下、関連。
老齢加算削減やめて/在日外国人 生存権保障問い提訴/京都地裁
弁護士fujita的日々 @京都 : 裁判所が結審決定を撤回 生存権裁判
全生連HP【生存権裁判】(ここの資料によると京都の弁護団は9人だそうです)