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【大相撲】

把瑠都逆襲 残り全勝で大関復帰

2013年1月24日 紙面から

把瑠都(左)が押し出しで妙義龍を下す=両国国技館で(戸田泰雅撮影)

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◇大相撲初場所<11日目>

 (23日・両国国技館)

 10勝での大関復帰へ後がない関脇の把瑠都(28)=尾上=は妙義龍(26)=境川=を押し出し、連敗を止めて5敗に踏みとどまった。横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は大関琴欧洲(29)=佐渡ケ嶽=を寄り倒し、全勝で単独トップを堅持。横綱白鵬(27)=宮城野=は大関琴奨菊(28)=佐渡ケ嶽=を寄り切り、北の湖に次ぐ36場所連続の2桁星を記録した。全勝の日馬富士を1敗で白鵬が追い、稀勢の里と平幕の高安(22)=鳴戸=が2敗で続く。

 人知れず流した汗はうそをつかない。把瑠都は198センチ、193キロの体で無心に前に出た。妙義龍に付け入るすきを与えず押し出し。「前に出ないと。真っすぐ思い切り当たった」。これが把瑠都の相撲だ。

 10日目に5敗目を喫した。大関復帰の10勝到達には千秋楽まですべて勝たなくてはいけない。だが、頭にあるのは「一日一番」。崖っぷちから把瑠都の逆襲が始まる。

 かど番だった九州場所2日目に左太もも裏を肉離れ。途中休場に追い込まれた。大関の座も失った。把瑠都はしかし、前を向いた。

 九州場所中に帰京してすぐ治療を開始。MRI(磁気共鳴画像装置)で精密検査を受け、東京都内の病院で高圧酸素室での治療、接骨院での治療を始めた。驚異的な回復力で1週間後には歩けるようになった。

 12月になって本格的なトレーニングを開始。頑張る姿を見せるのは好きじゃない。人目につかないように、川崎市のジムを昼の休憩時間だけ借り切って汗を流した。

 トレーナーの指示に従い、マシンを使って下半身中心のメニュー。それを12月上旬は毎日、その後も2日に1回のペースで続けた。

 9日目、10日目の横綱2連戦。「悲しかったのは相撲になっていなかったこと」という。ただそれもプラスに考える。

 「その分、残り5日間は自分の相撲でいこうと思った。気持ちを切り替えた。残り4日間もああいう相撲でいきたいですね」

 11日目終了時点で5敗して、大関復帰に成功した例はない。しかし、吹っ切れた把瑠都に怖いものはない。 (岸本隆)

 

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