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iPS細胞使い 髪の毛のもと作り出す
1月24日 6時53分

体のさまざまな組織になるヒトのiPS細胞を使って、髪の毛が生えてくる器官を作り出すことに、慶応大学のグループがマウスを使った実験で成功しました。
脱毛の治療に応用できる可能性があると期待されています。

髪の毛やひげなどは皮膚の中の「毛包」と呼ばれる器官から生えてきますが、毛包の数には限りがあるため、移植して薄毛や脱毛の治療に使うには限界があります。
慶応大学の皮膚科などの研究グループは、ヒトのiPS細胞に特定のたんぱく質などを加え、毛包の一部になる直前の細胞に変化させました。
そして、この細胞を生まれてまもないマウスの皮膚の細胞と一緒に培養し、拒絶反応をなくした別のマウスに移植したところ、2週間から3週間で毛包を作り出すことに成功したということです。
研究グループでは、出来た毛包の一部は、遺伝子の特徴からヒトのiPS細胞が変化したものだとしています。
iPS細胞は無限に増やせるため、薄毛や脱毛の治療に応用できる可能性があると期待されていますが、今のところ、ヒトの細胞だけで毛包が出来る見通しは立っていないということです。
慶応大学の大山学専任講師は、「iPS細胞からヒトの髪の毛が出来る可能性を示すことができた。一部にマウスの細胞を使う必要があるなど課題は多いが、脱毛の治療への応用をめざし研究を進めたい」と話しています。

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