ダルビッシュまでもが驚いた糸井のトレード劇。WBC日本代表への影響も懸念される【拡大】
当事者の困惑ぶり、そして周囲の驚きを如実に表したのが、昨年ポスティングでメジャー移籍した日本ハムOBのダルビッシュ(レンジャーズ)だ。トレード正式発表の数分後に自身のツイッターを元日以来となる更新。「糸井さんトレードとか、ありえん」と怒りにも似た驚きでつづった。糸井とは日本ハム時代から親交が深く、自身が使用するサプリメントを贈る仲だった。ダルビッシュには生え抜きでもある今回の糸井放出が栗山監督の話す“チームの活性化”とは思えなかったのか、「ありえん」という短い言葉に衝撃の大きさが込められていた。
前日22日まで千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレーニングに励んでいた糸井は「今は寂しい気持ちでいっぱいだが、この世界では当たり前のことと捉えている。ここまでやってこられたのも、チームやファンのみなさんのおかげ」と球団を通じてコメントを発表。この日、球団幹部からトレードを通告された直後は、寂しげな表情を隠さなかったという。
糸井にとっては新チームに合流→キャンプイン→日本代表合宿と慌ただしく進むスケジュールとなり、WBC日本代表への影響さえ懸念される放出劇。ドライともとれる主力クラスのトレードが日本野球界の“常識”を覆すかもしれない。
★米大リーグのトレード
「トレード=構想外」のイメージが強い日本と異なり、昨季のイチロー(マリナーズ→ヤンキース)のように、シーズン中でも主力級が移籍することも多い。夏になると、ポストシーズン進出の可能性が低くなった球団が主力を放出して有望な若手を求め、優勝を争う球団が即戦力を補強する、という双方の思惑が一致して成立することが多い。監督もトレードの対象とされ、今オフにはレッドソックスが、ブルージェイズからファレル監督を内野手との交換で獲得した。
(紙面から)