ダルビッシュまでもが驚いた糸井のトレード劇。WBC日本代表への影響も懸念される【拡大】
球春の訪れを前にプロ野球界に衝撃が走った。日本ハムの糸井、八木とオリックスの木佐貫、大引、赤田の2対3のトレードが成立。この日夕、両球団から電撃発表された。
日本ハムの補強ポイントは遊撃手。長くレギュラーを張る金子誠内野手(37)が昨年11月の左膝手術の影響で開幕に間に合うか微妙な状況で、昨季110試合に出場した大引を獲得した。一方のオリックスは中軸が打てる外野手と先発左腕を求めており、両球団の思惑が一致。オリックスは日本でも指折りの外野手、糸井の獲得に成功した。
プロ10年目の糸井は2009年から4年連続で打率3割&ゴールデングラブ賞を受賞。3月のWBC日本代表候補にも名を連ね、日本ハムだけでなく、日本の外野の要でもある。それが、春季キャンプまであと9日となったこの日に突然の発表。チームの層を厚くする控え選手の移籍はあっても近年では異例となる主力クラスの大型トレードで、さらに同一リーグという内容だった。メジャー球団のように互いのチーム事情を最優先にした超ド級の衝撃だった。
日本ハム・山田正雄ゼネラルマネジャー(GM、68)は「ほしいポジション(の選手獲得)が先決。糸井を出さないと(大引を)獲れなかった」と決断に踏み切った経緯を説明。チームで唯一、契約未更改だった糸井が21日に球団と合意した際、ポスティングシステム(入札制度)を利用してのメジャー挑戦を球団側に申し入れた。それが放出の一因とする見方もあるが、互いの弱点を補う戦力重視の考えが世紀のトレード劇に発展したようだ。
一方、現場を預かり、情に厚い栗山英樹監督(51)は「監督としてこれほど悲しいことはない。一方で他球団で柱として活躍してきた選手が加わり、チームの活性化にプラスになると信じている」と球団を通じて複雑な心境のコメントを出した。