猫を償うに猫をもってせよ

2013-01-23 天下の奇書大賞 このエントリーを含むブックマーク

 2012年の小谷野賞の該当作がいまだ見つからない。ない時は該当作なしにするが、代わりに「天下の奇書」大賞として、古い本で、かつ著者は40年前に死んでいるが、舟越康寿『寂寥 学究・その半生の愛』(文芸社、2003)に受賞したい。梗概はアマゾンに書いておいたが、芥川賞受賞作などよりはるかに面白い。その面白さが、著作としての価値であるか、ないし、面白いという気持ちがあとあとまで続くか、それは保証しない。よくこんなものが一般書として刊行されていると感嘆するほかないのである。

寂寥―学究・その半生の愛

寂寥―学究・その半生の愛