「犯行グループは人質を『人間の盾』にしていた。だが、容赦なく攻撃するアルジェリア軍の前では、歯が立たなかった」
アルジェリア人質事件が起きたガス田施設で働いていたフィリピン人ルーベン・アンドラーダさん(49)は疲れ切った声で母国に残る妻に電話をしてきた。AP通信やフィリピンのメディアが報じた。APによると、アンドラーダさんはプラント大手、日揮の技術者。
拘束されたアンドラーダさんら人質約35人は、犯行グループの15人が監視。首に爆弾をネックレスのようにかけられ「誰かが逃げれば、皆の首が飛ぶ」と脅された。
17日、移動のため車に分乗させられた際に、アルジェリア軍のヘリがミサイルと銃で攻撃を開始。他の車は爆発したり、攻撃を受けたりして炎上した。自分の車は横転。肘に銃弾を受け、砂漠の中で「神の加護もここまでか」と覚悟した。
「銃弾が飛び交う中、必死で逃げた」。作業員ジョジョ・バルマセダさんは、恐怖の体験を震えながら家族に伝えた。
バルマセダさんは仲間3人と共にプラント区画に到着した際、犯行グループに拘束された。押し込められたトラックには日本人や他の外国人もいて、わずかな水とクラッカーでしのいだ。
軍の作戦が始まると、トラックが爆破され、走って逃げた。銃撃戦をかわすように身をかがめながら灼熱(しゃくねつ)の中を走り回るうちに耳が遠くなり、意識を失った。「気が付いたら病院で手当てを受けていた。早く母国に帰りたい」。ようやく家族に連絡が取れ、ほっとしたという。
「事件の発生を知らされた時は怖くなったが、ようやくほっとできる」。フィリピンのマニラ空港には20日、アルジェリアの別のガス田プラントで働いていたフィリピン人作業員ら39人が事件を受けて帰国し、安堵の表情を浮かべた。
リーダー格のアレックス・アグハさん(58)によると、39人がいた施設は事件現場から数百キロ離れた場所。施設の内外は、軍の兵士が警戒。宿舎と現場の移動時にも兵士が警備に当たる。アグハさんは「事件現場も同じだったと思うが、なぜ警備が突破されたのだろうか」と首をかしげた。(マニラ=共同)
ミサイル、犯行グループ、日揮
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