レタス 萵苣 Lettuce
基礎データ DATA
分類:キク科アキノノゲシ属
原産地:地中海沿岸から西アジア
季節の分類:夏
多く出回る時期:4月~9月頃
国内の栽培面積:約2万900ヘクタール(2010年)
国内の年間出荷量:約50万1,100トン(2010年)
おもな産地:長野県(約33%)、茨城県(約16%)、群馬県(約10%)
目次 INDEX
▼レタスについて調べる
▼レタスの種類を知る
▼レタスの統計データを見る
レタスの概要
歯切れがよく、みずみずしいレタスはサラダの中心的な存在です。レタスには一般的な「玉レタス」から、結球しないサニーレタスやロメインレタス、サラダ菜まで種類もさまざま。数種類のレタスを使うと見栄えもよく、食感もアップするのでぜひいろいろ食べ比べてみてください。
レタスはヘタの切り口から白い乳液が出ますが、じつはレタスの学名である「Lactuca sativa」のlacは「乳」という意味です。またレタスの和名は「ちしゃ」といいますが、ちしゃは「乳草(ちさ)」から来ているといわれています。つまり、乳液が名前の由来になっているわけです。ちなみに、この白い液体は苦みを持つ「サポニン様物質」です。
レタスの歴史
地中海沿岸から西アジアを原産地をするレタスは、もともとは丸く結球しておらず、ロメインレタスのような「葉レタス」でした。紀元前の古代エジプトではすでに栽培されていて、壁面にも描かれているそうです。また、古代ペルシャや古代ローマ、古代ギリシャでも栽培が行われていたと考えられています。また中国でも古くから栽培が行われていたようですが、詳細はよく分かりません。
日本では長屋王邸跡で発掘された木簡に「知佐五束/大根四束……和銅五年十一月八日国足」(知佐:ちさ)という記述が見られることから、奈良時代には中国から伝わっていたと考えられます(和銅五年は712年)。また造仏所作物帳(734年)には「苣(萵苣:ちさ)」の名が記されています。
現在のような丸いレタスは、江戸時代末期に欧米から渡来したといわれています。しかし、本格的な栽培が始まったのは明治時代以降のことで、現在のようにサラダの主役として定着したのは第二次世界大戦以降です。
レタスの見分け方
丸みがあり、葉の巻きがやわらかくふんわりとしていて、大きさに比べて軽いものが甘い傾向にあります。全体的にみずみずしく、芯の大きさは10円玉くらいで切り口が変色していないものを選びましょう。芯が大きすぎるものは味が落ちている可能性があり、褐色に変色していると鮮度が落ちている可能性があります。また、葉がぎっしり詰まって重いものは、葉がかたく苦みがあることがあります。
結球しない葉レタスは葉先まで色がきれいで張りがあり、みずみずしいものが良品です。
レタスの保存方法
湿らせたキッチンペーパーなどに包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。その際、芯の部分のみに湿らせたキッチンペーパーをあてておくと少し長持ちします。
また食べ方のところでも述べていますが、レタスは刃物でカットすると切り口が変色するので、使うときは外側の葉からはがして使いましょう。半分にカットした場合は、しっかりとラップで包んで冷蔵庫の野菜室へ。
いずれにしてもレタスはあまり日持ちしないので、2~3日以内に食べきりましょう。
レタスの食べ方
サラダ、炒め物、スープなど
食べる直前に冷水につけるとパリッとした食感になります。カットする際は、刃物を使わずなるべく手でちぎるようにしましょう。刃物でカットすると切り口が赤く変色することがあり、手でちぎったほうがドレッシングが絡みやすくなります。
レタスは油との相性もいいので炒めてもおいしく食べられます。
レタスの栄養と効能
おもな栄養成分(可食部100g中)
玉レタス/生:カリウム(200mg)、葉酸(73mcg)
サニーレタス/生:カリウム(410mg)、ビタミンK(160mg)、葉酸(120mg)、βカロテン当量(2000mcg)、カルシウム(66mg)、鉄(1.8mg)
おもな効能
貧血予防、がん予防、高血圧予防、心筋梗塞予防、脳梗塞予防、動脈硬化予防、老化予防
ナトリウムを排出させる働きのあるカリウムにより高血圧予防に効果が期待できます。また造血作用のある葉酸も多く含んでいます。
サニーレタスには貧血予防に効果がある鉄や、骨の形成に作用するビタミンK、カルシウムなども多く含みます。抗酸化作用のあるβカロテンも多いので、がん予防や老化予防に効果が期待できます。
より詳細な栄養成分については、「栄養成分(グラフ)」もしくは「栄養成分(一覧表))」に掲載しています。
レタスの種類
レタス(玉レタス)
丸く結球した一般的なレタス。水分が多くシャキシャキとした食感で、生のままサラダにするのが一般的な食べ方。またスープに入れたり、油で炒めるなど加熱しても甘味が増して、生とは違った食感が楽しめます。品種は「ステデイ」「コロラド」「マイヤー」などがあります。
サニーレタス
結球しないリーフレタスの一種で、葉が縮れていて葉先が濃い紅色になります。この色素はアントシアニンによるもの。やわらかくて苦みが少ないので生のままサラダにしたり、カリフォルニアロールなどの洋風巻き寿司にも使われます。品種は「レッドファイヤー」「レッドファルダー」など。ちなみに「サニーレタス」も1つの品種です。
サラダ菜
濃い緑色でゆるやかな球状のレタス。葉はやや厚めでやわらかく、歯ごたえもソフトです。ほんのり甘味があってクセがないのでほかのレタスとまぜてサラダにしたり、巻物などにも使えます。「岡山サラダ」「江戸川黒葉系」などの品種があります。
ロメインレタス
「コスレタス」ともいい、葉が厚めでかたく、パリッとした食感があります。わずかに苦みがありますがシーザーサラダによく使われていて、チーズやドレッシングとからめると美味です。ロメインレタスは葉が縦に立って半結球しているため、和名で「立ちちしゃ」と呼びます。
グリーンカール
形はサニーレタスに似ていますが、色は濃い緑色。結球しないリーフレタスで表面がちりめん状に縮れ、別名「グリーンリーフ」とも呼ばれます。クセがないので生のままサラダや巻物にしたり、スープや炒め物など加熱してもおいしいです。
フリルレタス
葉先がフリルのように細かく波打っているリーフレタスの仲間。葉は厚めで歯ざわりがよく、味は普通の玉レタスに似ています。ひと口サイズにカットしてサラダに入れると食感も見た目もよくなります。
ブーケレタス
見た目がブーケのようなレタスで、非結球レタスを改良して2006年に登場しました。水耕栽培で作られていて葉がやわらかくて食べやすく、サラダにして食べるのがおすすめ。普通の玉レタスに比べてβカロテンが多いといわれています。
サンチュ
焼き肉を巻いて食べる葉として有名。収穫時する際ほかのレタスのように株ごとではなく、外側から葉を1枚ずつ摘んで(掻きとって)いくため、和名では「掻きちしゃ」と呼ばれています。ほんのり苦みがあり、葉肉が厚いのでシャキッとした歯ごたえがあります。
茎レタス
直径3~5cmくらいの長い茎の先に葉がついていて、おもに太い茎の部分と若い葉を食べます。生のままでも食べられますが、きんぴらや漬け物にしても美味。なお「山クラゲ」は、この茎レタスの茎を縦に細く切って乾燥したもので、コリコリとした独特の食感があります。「チシャトウ」や「セルタス」「ステムレタス」「アスパラガスレタス」などとも呼ばれます。
各地の年間出荷量
出典:農林水産省統計データ(2010年)
※値が「0」の都道府県は統計値が公表されていません
栽培面積・収穫高の推移
凡例のチェックボックスをクリックするとグラフの表示/非表示を切り替えられます。
「野菜統計」のページでは、ほかの野菜との比較もできます。
出典:農林水産省統計データ(1973~2010年)