【カイロ=押野真也】アルジェリア東部でプラント大手、日揮の日本人社員ら多数の外国人が拘束された人質事件は19日、アルジェリア軍によるイスラム武装勢力の鎮圧作戦が最終段階を迎えたもようだ。国営アルジェリア通信によると、軍は最終攻撃で武装勢力11人を殺害、外国人人質7人も死亡した。地元テレビは7人のうち1人が日本人だと報じた。
事件は16日未明に発生。アルジェリア政府は17日昼に攻撃を開始し、いったん「作戦の終了」を宣言していたが、その後も戦闘は継続していた。
同国の複数のメディアが19日、作戦の終了を報じた。人質7人を救出、武装勢力メンバー6人を拘束したとの情報や、15人分の焼死体が見つかったとの情報が錯綜(さくそう)している。
最終作戦が始まる前の段階で、地元メディアは外国人の人質計132人のうち100人近くが脱出、または解放されたと報じていた。現地では軍が武装勢力の埋めた地雷の撤去作業に入っており、残る約30人の安否情報の詳細は明らかになっていない。セラル首相が近く記者会見するという。
ロイター通信によると同日、新たに7人の外国人人質の死亡が判明し、16人が解放された。そのうち国籍が判明したのは米国人2人、ドイツ人2人、ポルトガル人1人という。
米報道では拘束された米国人は計5人で、うち1人は死亡、2人は脱出したため残り2人が拘束中。フランスのファビウス外相は声明で「不幸にも救出作戦中にフランス人1人が死亡した」とし、遺族に哀悼の意を表した。ただ、残りの仏人3人は救出されたと説明した。
現地報道によると、犯人側にはガス田施設の元警備員や元運転手が加わっていたとされる。内部事情に精通した関係者を引き入れ犯行を容易にする狙いだったとみられる。事件ではプラント建設大手、日揮の日本人駐在員10人ら外国人数十人の安否が不明で各国政府が安否確認を急いでいる。
アルジェリア政府はこれまで徹底した情報統制を敷く。もともと外国人記者へのビザ発給を制限していたが、事件発生後はさらに厳格化した。
今回の強硬な鎮圧作戦は軍主導との見方が多い。現在のブーテフリカ大統領は軍政に終止符を打ち、1999年に就任したが、治安悪化を背景に軍の発言力は強い。そもそも軍からの情報が政府に伝わっていないともされる。
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日揮は19日、新たにグループ会社の3人の外国人スタッフの無事が確認できたことを明らかにした。内訳はフィリピン人2人とマレーシア人1人で、無事が確認できたのは日本人7人、外国人13人の計20人。全員が首都アルジェの同社事務所に到着したという。日本人10人、外国人48人の安否は依然不明だ。
同社の川名浩一社長ら幹部3人は19日に首都アルジェに到着した。現地で陣頭指揮に当たる。
ブーテフリカ、セラル、日揮、アルジェリア政府、川名浩一
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