自殺者 15年ぶり3万人下回る1月17日 11時35分
去年1年間に自殺した人は2万7766人と前の年より2800人以上減り、15年ぶりに3万人を下回ったことが警察庁のまとめで分かりました。
警察庁によりますと、去年1年間に自殺した人は全国で2万7766人で、前の年よりも2885人、率にして9.4%減りました。
年間の自殺者は平成10年以降3万人を超え続け、ピーク時の平成15年には3万4000人余りに上りましたが、今回、平成9年以来、15年ぶりに3万人を下回りました。
内訳は、男性が1万9216人、女性が8550人で、都道府県別では、自殺者が最も多いのが▽東京都で2760人で、前の年より360人(-11.5%)減りました。
次いで多いのが▽大阪府の1720人で204人の減少、▽神奈川県が1624人で228人の減少、▽埼玉県が1549人で118人の減少などとなっています。
一方、最も少なかったのは▽鳥取県で130人、次いで▽徳島県が164人▽島根県が168人などとなっています。
年齢や原因・動機の内訳を去年11月までの統計で見ると、▽60代が全体の18%と最も多く、次いで▽40代と50代がそれぞれ17%、▽30代が14%となっています。
また、原因・動機別では▽健康問題が最も多く、次いで▽経済・生活問題▽家庭問題などとなっています。
15年ぶりに3万人を下回ったことについて、自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」の代表、清水康之さんは「特に大きかったのは、市区町村のレベルで実践的な取り組みが進むようになったことだと思う。しかし、1日70人を超える人が自殺で亡くなっているという現状は変わらないので、楽観するのではなく、より一層スピード感を持って対策を進めていくことが大事だ」と話しています。
森大臣“今後もきめ細かい対策を推進”
自殺防止対策を担当している森少子化担当大臣は、記者団に対し「平成21年に自殺対策の基金を設け、地域の実情に応じた息の長い対策を行ってきたことが理由の1つではないか。
今後も1人でも多くの命を救えるよう、関係省庁や地方公共団体と連携し、きめ細かい対策を推進していきたい」と述べました。
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