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橋下市長、生徒の願い一蹴…桜宮高体育科入試中止決定

協議会の橋下大阪市長
大阪市議会委員会の協議会で答弁する橋下徹市長
Photo By 共同 

 大阪市立桜宮高バスケットボール部の男子生徒自殺問題で、市教育委員会は21日、同校の体育系学科の入試中止を賛成多数で決めた。定員120人分を普通科として募集する。橋下徹市長はこれに先立ち同校を訪問、在校生に「今後の方向を出す前に新入生を迎えてはならない」と説明した。生徒代表から募集継続を懇願されたが、譲らなかった。

 橋下市長は午前8時45分ごろ、同校に到着。全校生徒約840人や教職員に「生徒に責任はないが、クラブ活動よりもっと大切なことがある。今後の方向を出す前に新入生を迎えてはならない」などと説明。「越えてはならない一線を越えた。生徒だけでなく保護者も立ち止まって、新しいクラブの在り方を考えてほしい」と呼び掛けた。

 問題発覚後、同校を訪れるのは初めて。在校生への説明は非公開で午前10時ごろまで行われた。

 橋下市長の説明後、生徒を代表して2人が挙手し、「体育系学科があっての桜宮高だ。人生の一部である新入生の受験の機会を奪ってほしくない」などと訴えた。

 生徒の陳情を聞いても意志は揺るがなかった。橋下市長は学校訪問後、市議会委員会の協議会で、入試中止の意向をあらためて表明。さらに記者団に「学校の実態を知っているのは僕だけだ。外部監察チームから上がってくる情報を認識すれば、絶対に新入生を受け入れる状態ではない」と述べた。

 この強い意志に市教委も屈服した。午後に会議を開き、入試中止を決定。教育委員5人の採決で、4人が賛成した。中止となったのは体育科(定員80人)とスポーツ健康科学科(同40人)の2科。定員120人分は普通科として募集し、受験生に配慮して、試験科目や配点、通学区域などは従来の体育系学科と同じとする。橋下市長は決定後、「教育的な視点から素晴らしい決定をしてくれた。桜宮高の再生に向けて改革が始まる」と歓迎した。

 一方、さっそく不満の声も噴出した。

 同校の運動部を引退した3年生8人が市役所で記者会見し「本当に残念。言葉が出ない」と悔やんだ。涙声で「私たちの声を十分に聞いてくれなかった」と訴え、「在校生や受験生のことを考えたら、もっと違う結果があったのではないか」とやり切れない表情だ。

 採決で唯一反対した長谷川恵一教育委員長も「私としては不本意な感は否めない」と述べた。

[ 2013年1月22日 06:00 ]

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