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東海第二原発 運転差し止め求める裁判始まる
1月17日 18時44分

東海第二原発 運転差し止め求める裁判始まる
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茨城県東海村にある東海第二原子力発電所について、巨大地震で重大事故を引き起こすおそれがあるとして茨城や東京などの住民が運転の差し止めなどを求めて日本原子力発電と国を訴えた裁判が、水戸地方裁判所で始まりました。
日本原電側は「地震や津波に対しての安全性は十分だ」として、争う姿勢を示しました。

この裁判は、茨城や東京、神奈川などの住民や農家などおよそ270人が去年7月に提訴したもので、東海第二原発は半径30キロ圏内の人口がおよそ100万人と全国の原発で周辺人口が最も過密なうえ、施設の老朽化が進んで巨大地震で重大事故にいたるおそれがあるとして、日本原子力発電に対して運転差し止めを、国に対して設置許可が無効だと確認することなどを求めています。
裁判は17日から始まり、原告らおよそ100人が横断幕を先頭に隊列を組んで、水戸地方裁判所に入りました。
裁判で、日本原電側は、「判例から『原発などの科学技術はその危険の程度が社会的な利益と比べて社会通念上容認できれば、安全性が肯定される』とされ、原発には“絶対的な安全性”は求められていない」としたうえで「過去の地震や津波、、周辺の活断層の調査などから東海第二原発の安全性は十分確認されている」として争う姿勢を示しました。
また、国は「東京や神奈川など原発から遠距離の住民が原告の資格を満たしているか分からない」として争う姿勢を示しました。
これに対して原告団の大石光伸共同代表は「福島の原発事故で深く苦しんだ。被ばくの被害は『社会通念上、許される程度の危険』なのか、納得のいく判断をしてほしい」と主張しました。
裁判のあと記者会見をした弁護団の海渡雄一弁護士は、日本原電や国の主張について「『原発に絶対的安全は求められていない』という主張は開き直りであり、周辺住民の命を軽視している。また原告の資格を問題にする姿勢も本質的な議論から逃れようとするもので、納得できない」と批判しました。

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