韓国に売った日本人「実行犯」の告白「技術流出-新日鉄の場合」

2012年12月11日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「やがて気がつきましたよ。要するに彼らは技術者が欲しいのではなく、技術者が持っているノウハウが欲しいだけだと。ところが日本の技術者のなかには、それが分からない人もいて、親切にノウハウを教えたら、そのとたんお払い箱にされる例をいくつも見てきました」

 サムスンの李健熙会長から直々に口説かれ、'94年から約10年間常務として勤務した吉川良三氏は自身の体験からこう振り返る。

「サムスンは自分たちに技術がないことを自覚していて、『ジャパン・プロジェクト』といって横浜市に拠点をつくり、日本技術者を高待遇で雇っていました。今は『一本釣り』のようなことはやっておらず、一つの製品やソフトなど、チーム単位で、かつ3年契約といった形で雇うようです。日本では終わった技術でも、サムスンでは必要とされるわけですから、エンジニアにとっては幸せなことと言えるかもしれません」

 パナソニックの創業者・松下幸之助氏は「松下は人をつくる会社です。あわせて電気製品もつくっています」と、人材の重要性を強調した。だが、今の日本が行っているのは目先の帳尻を合わすためのリストラばかりだ。技術者たちの目は死んでいないか。そこから問い直さなくては、日本企業の復活はない。

「週刊現代」2012年12月15日号より

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