細野豪志幹事長は17日夕、党本部で記者団に対し、昨年の自殺者数が15年ぶりに3万人を下回ったことについて「民主党政権が取り組んできた一つの成果だ。私たちは自治体が取り組んできた活動を尊重し、NPO(特定非営利活動法人)をはじめとした国民の皆さまにも協力いただきながら、国民にとって最も不幸とも言える自殺者の数を減らす努力をしてきた。多くの方が亡くなっている状況のなかで素直に喜ぶことはできないが、少なくとも一歩を踏み出すことができたのではないか」とその意義を強調。自民党が「民主党政権は成果が全くなく日本を悪くした」という趣旨の発言を続けていることを取り上げ、「そうは考えていない。仮にこうした政策を自民党が取りやめる、継続しないということであれば大変不幸なことであり、自殺対策を継続してもらいたい」と要請した。
 警察庁は17日、2012年の自殺者が前年より2885人(9.4%)減となる2万7766人で、1997年以来15年ぶりに3万人を下回ったと発表。年間の自殺者数は、98年に初めて3万人を超えて以来高止まりの状態が続いていたが、2009年の政権交代以降、民主党政権では自殺対策に精力的に取り組み、年間1000人程度ずつ自殺者が減少していた。
 関連して、大阪市の高校で体罰を受けた生徒が自殺した問題については、党として現地調査を含めさまざまな調整に入っているとして、「しっかり取り組んでいきたい」とコメント。「体罰を含め学校教育の現場で何が起こり、それをどう根本的に解決しなければならないのかを総合的に検討し、しっかり提案していくことが大事。悲しい事故であり見過ごすことはできない。事故そのものの原因究明に加え、こうした事件が起こらない教育現場の在り方についても目を向けていかなければならない」との見解を示した。党では17日に「いじめ・体罰防止対策ワーキングチーム」を設置、18日には政府からこの問題についてヒアリングを行う。
 細野幹事長はまた、アルジェリア人質事件に関し、「外務当局や担当職員らの職務を妨げることのないよう抑制的かつ詳細な情報収集に努めてきた」とこれまでの経緯を述べたうえで、17日午後の外務・防衛・内閣府合同部門会議の政府からのヒアリングを踏まえ、党として対策本部の立ち上げを指示したと報告。「事態は非常に緊迫してきている。逐次情報を取れる仕組みを作ったので、情報を取りながら必要な人間が判断できる実務的な体制をつくりたい」と述べた。