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スノー・レスキュー隊は消極的
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一人暮らしのお年寄りらを対象に、青森市職員が公務で屋根雪を下ろす「スノー・レスキュー隊」の活動をめぐり、市が今冬の出動対象となり得る世帯リストを作成するなどの準備態勢を取っていないことが16日、市健康福祉政策課への取材で分かった。背景には「隊の出動はあくまでも市民からの申し出が前提」(同課担当者)という市の「申請主義」がある。福祉の現場や市民からは、市は福祉のための除雪に消極的なのでは−と指摘する声が出ている。
市はスノー・レスキュー隊の活動を「職務」とし、奉仕活動としていない。昨冬は隊の活動を「災害対応」と位置付け、市内各地の民生委員に雪で困っている高齢者らの情報提供を呼び掛けるなどの情報収集を図った。今冬は昨冬より早めに対応するため「福祉除雪」の扱いとし、出動を昨冬より1カ月余り早めた一方、高齢者らからの申請を出動の前提とし、昨冬のような情報収集はしていないという。
市健康福祉政策課によると同隊は昨冬、豪雪災害対策本部の設置(積雪150センチが目安)に伴い結成した。
今冬は16日午後10時現在の積雪は85センチと積雪が昨冬より少ないことなどを理由に、「あくまでも申し出のあった世帯が(除雪の)対象」(同課担当者)と、本人からの申し出がなければ出動しない「申請主義」の立場を強調する。
昨冬までの出動経験を生かし、支援が見込まれる世帯をあらかじめ把握し事前調査しておけば、準備期間の短縮や危険家屋の早期発見につながる。しかし、市はその世帯のリストアップなど情報収集をしておらず、昨年の豪雪の経験が生かされているとは言えない状況だ。
15日現在、市が申請を含む相談を受けて調査対象とした69件のうち、出動を決めたのは6件(実施済み含む)のみ。
昨冬の出動数は約70回で、市健康福祉政策課担当者は「(実績に基づく)リスト化はできないことはない」と言うが、現段階でリストを作成する考えはないという。
市内の福祉関係者は「200人程度の職員数で雪下ろしするにも限界がある」と職員の負担にも一定の理解を示す。一方で「(福祉政策として)住民の安心、安全を考えるという視点で考えれば、申請だけに頼らず、これまでに除雪支援した世帯を把握しておくことは必要だ」と指摘した。
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