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画面の中のものをクリックするとそれに対するテキストが表示されるというアドベンチャーゲームのフォーマットとも言えるこの方式ひとつとっても、「ポリスノーツ」では画面に描かれたありとあらゆる事象に対して細かにそのコメントが設定され、その圧倒的な情報量によってあらゆるメディアを凌ぐ説得力をもたせていた。
映画が緻密なセットや小道具、コミックが細かな描き込みを元に世界を構築するように、「ポリスノーツ」ではこの執拗なまでの子細に渡る膨大なコメント設定が世界観を構築していたのである。

それらのテキストは制作初期の一年間、小島秀夫がただ一人で徹底的な取材や下調べを行い、作り上げた世界設定、キャラクター、ストーリーの結晶であり、小島秀夫はこの10年後、ハードの性能が飛躍的に進化した「メタルギアソリッド2」で取り組んだ「作品世界への没入感」というテーマとして発展させていくが、アドベンチャーゲームというジャンルの特性を最大限に活かした、プレイヤーが興味を持った事象に対して作り手の返答がどこまでも深く用意されているという、ゲーム世界の奥行きの深さはポリスノーツで既に頂点に達していたと言えるだろう。

次回のコンテンツでは、自身のHPでも小島論を展開する伊藤計劃氏に「ポリスノーツ」の魅力について語ってもらうコラムを紹介する。










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